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おかめそば
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もりそば
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もりそばアップ
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天ぬき
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板わさ
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蕎麦味噌
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蕎麦湯は自然体
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燗酒(菊正宗)
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ビール
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蕎麦湯の器
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玉子焼きはないの?
「申し訳ありません。そういうのはやっていないんですよ」
とろろ蕎麦は温かいのはできないの?
「申し訳ありません。とろろ蕎麦は冷たいものしかやってないんですよ」
天ざるの大盛り!
「申し訳ありません。大盛りはやってないんですよ」
ある日仕事が終わってから蕎麦屋酒をしていたら、お客さんと花番さんのやりとりが聞こえてきました。
なんだ、この店サービス悪いなと思う人がいるかもしれないような会話内容でも、これがこの店のやり方なのでしょう。
花番さんの言葉には、なんの驕りもなく、とても自然で嫌みのなさがあります。
言われたお客さんも素直に従う。
その様子に老舗の一本気な姿と自負が窺えます。
仕事も接客も非常に丁寧。
荷物を預かってくれたり、一人客には新聞を持ってきてくれたり、心配りを感じます。
場所柄一見の観光客も多く来店しますが、一見さんもご常連もまったく分け隔てのない接客でした。
テーブルにメニューはなく、壁に貼られた品書きを見て注文するのですが、昼に座った席はその品書きが貼られた壁際。
「よく見えないお席で申し訳ありませんねぇ」と注文を取りに来た花番さん。
いえ大丈夫です。
まずは「おかめそば」(1,000円)を注文することに決めていましたから。
しばらくして角盆の上に乗って運ばれてきたおかめそばの上には、湯葉、麩、蒲鉾の3種が乗っています。
湯葉で髪飾り、麩で鼻、山型の蒲鉾2つで下膨れのほっぺたを表現した正統派おかめのスタイル。
他店では椎茸や玉子焼きを加えておかめを表現する店もありますが、3種のみの具材でシンプルに本質をとらえた表現をするところが老舗らしいお仕事。
そばは二八で喉ごしもよく、またそばの旨味もきちんと感じられるもの。
最後まで凛とした食感を残す蕎麦にも仕事の確かさを感じます。
つゆはかけなのでそれほど辛いわけではありませんが、鰹節の出汁の効いたかけにしては濃いめのふくよかな味でした。
夜の訪問時には、まずはビール。
この界隈でキリンであるとことが、この店の媚びない姿勢を示しているでしょうか。
天ぬきを注文して、蕎麦味噌でビールをやりながら到着を待ちます。
蓋つきの丼に入った天ぬきの到着と同時にビールをぬる燗の酒に切り替えました。
この店の天ぷらは芝海老を使ったかき揚げのようなタイプ。
相席になった関西からいらしたと思われるお隣の方が、濃いめのつゆに浮かんだかき揚げを見て、これは一体なんだろうという顔をされています。
蓋を取るといい香りが立ち昇るので思わず覗きこまれたのかもしれませんが、関西ではあまりないの形なんでしょうか。
つゆが染み込んで崩れていくかき揚げをレンゲですくってつゆとともに口に含むと、木の香りのする菊正宗の肴にこんないいものはないという味。
酒との相性は、出汁と醤油の濃い味に浸ってこそのものでしょう。
芝海老はプリプリで量もしっかりあるところがうれしいところです。
旨味のある板わさともう一本追加した酒を平らげたら〆は「ざる」。
量は多くありません。
蕎麦屋は蕎麦前を楽しんでこそのものということでしょう。
のど越しの良い二八。
新そばの風味がしっかりした旨味のある蕎麦。
つゆはこの店の看板でもある「辛口」。
天ぬきやおかめのつゆも濃いめでしたが、「ざる」のつゆは出汁の旨味はしっかりしているもののかなり辛いタイプ。
お隣の関西の方は、蕎麦を全部浸して食べていらっしゃいましたが、その食べ方では辛すぎるでしょう。
蕎麦の旨味とつゆの辛さを両方楽しむのが、やはり美味しいかなと(他の食べ方をあまり知らない私は)思うのですけど、まあ好き好きです。
黒電話が前に置かれた帳場でお勘定を払うと、女将さんが丁寧に「ありがとうございました」とお礼を述べられました。
最後まできわめて自然体な接客。
そして、蕎麦もつゆも天ぷらも、この店の流儀をきちんと継承する丁寧なお仕事。
そしてそこから提供される老舗の味。
少しも気取らず、奢らず、偉ぶらず、これまでの流儀で重ねてきた仕事を精いっぱい丁寧に行ってきたことが、この店の味に、接客に、雰囲気に表れているような気がします。
広島カープを引退した黒田投手は、日本シリーズ第3戦の登板時、あまり調子が良くなかったそうです。
でも「仕方ない、今日できることをしっかりやろう」と切り替えて、6回までを1失点で抑え、試合を作りました。
自分の流儀で、自分ができることを精いっぱいやる。
その誠実さがいい仕事をする上で欠かせないものではないかと思います。