9回
2024/01 訪問
[門前仲町]連荘で誕生日祝いw
グランメゾン系ビストロ、渡辺料理店に今年最初の訪問です。
偶然ですがワイフの誕生日に近い日程で予約が叶いましたので、バースデープレートのお願いをしてから伺いました。
もちろんワイフには内緒ですw
それにしても渡辺さんご夫婦の店はいつも明るい&楽しい雰囲気で満ち満ちています。
若いスタッフは田島くんを筆頭に元気良く毎日目一杯仕事に集中していますし、奥様はいつもにこにこされていてとても気遣いのある方ですし、大黒柱の渡辺さんはチームワークを重視してタイミングよく料理を仕上げていきます。
いらっしゃるお客様もとてもフレンドリーで楽しそうに過ごす人ばかりですから、いつもすごく元気になって店を出るイメージです。
今日もいつものカウンター席ですが、渡辺さん側ではなくて田島くん側。
マダムは田島前でご用意しましたとw
確かに景色がちょっと違って良いですね。
ストーブ前は田島くんですから、手元もしっかり拝見します。
例によって泡をもらって20分ほど、本日いただくものが漸く決まりました。
決してメニューが多いわけではないんですけど、組み合わせを考えて皿の出し入れをしているとあっという間に時間が経ってしまいます。
まあこれが楽しいんですけどねw
あ、今日の泡はFollet-Ramillonで、ベルヴァル村にあるカンティーナだそうです。
ピノ・ムニエ主体でシャルドネとピノ・ノワールのブレンド、粒立ちの細やかなシャンパーニュです。
セミドライですが、リザーヴワインをアサンブラージュしてあって飲み応えもしっかりありますね。
では本日いただいたものを。
●オマール海老とキャビアのカリフラワームース
ムースは乗せるのかと思ったら敷いてありました。
なるほどやっぱりキャビアが上かw
それにしてもオマール海老の火入れがあまりにも上手で唸ります。
甘さと柔らかさと弾力が同時に味わえますね。
キャビアの塩分と旨味、カリフラワームースの上品な甘みとコクが海老を包み込んでくれます。
これでもう少しポーションがあったら嬉しいんだけどなw
たむらパンが早速活躍してくれました。
●Jacques Saumaize Pouilly-Fuissé Les Vieilles Vignes 2015
ブルゴーニュのシャルドネです。
如何にも樽熟させましたというきれいな黄金色でw華やかな花の香り、ボディは結構しっかりめですが余韻はそこそこあります。
ある意味プイィフュイッセのイメージそのものって感じ。
●蝦夷鮑とベーコンのフラン 肝と海藻のソース
今日最初に目についたがこのメニューです。
田島くんが最近始めたばかりと教えてくれました。
蝦夷鮑は寿司でいただくことがほとんどですけど、これも見事な火入れで柔らかく、そして弾力があって咀嚼する喜びが楽しめます。
蝦夷鮑の肝を溶かして海藻と合わせたソースも、そして自家製のハーブバターもまた絶妙で、海の香りと濃厚で複雑な旨味が押し寄せて来ます。
ベーコンの脂と塩気がちょうど良いバランスでエッジを効かせてくれます。
旨味の塊ですw
●鱈白子のムニエル 焦がしバター
北海道繋がりで白子のムニエルをいただきました。
白子をしっかり焼いてとろとろ、同じくソテーした人参と縮み法蓮草が合わせてあって甘苦く濃厚な仕上がりです。
芳醇なバターの香りが食欲を刺激しますね。
バターと白子ってなんでこんなに合うんだろう。
旨味しかない皿です。
●うろこ焼した金目鯛のブイヤベース
今日は前菜系は3皿にして、いつも必ずいただくオマール海老のビスクリゾットは、同じオマール海老の料理にしたので食べませんでしたが、ムースとフランのポーションが小さかったので、やっぱり最後まで迷った金目鯛のブイヤベースを追加しました。
これが大正解でw超濃厚なブイヤベースの中心に金目鯛のうろこ焼きを置き、海老、帆立貝柱がサポートする豪華版でした。
渡辺料理店では前菜系を魚介にして、メインを肉にするパターンが定着しつつあるのですけど、これが我々に一番あっている感じがします。
ブイヤベースを一滴残さず掬い取るために提供されたバゲットのバタートーストも大活躍してくれました。
●Major Chateau L’escadre 2018
ボルドーの赤ですがメルロー主体で、カベルネ・ソーヴィニョンとマルベックをブレンドしてあり、フルボディ寄りのミディアムっていう印象です。
タンニンはしっかりありますが、酸味が強く主張してくるので、開くまで少し待ちました。
徐々に甘味とコクが増して来てバランスの良い、ボルドーらしい軽快でアタックも余韻もあるワインになりました。
●ブルターニュ産仔牛骨付肉のロースト
入荷してから暫く寝かせたという仔牛肉は、先にフライパンで火を入れて置いて30分ほど休ませ、我々の皿が粗方片付いたところでオーヴンに投入。
焼き上がるのを眺めつつワインを飲むのは至福です。
切り分けられて、編笠茸と小蕪を合わせたクリームソースがかけられ、ソテーしたにんにくが遇らわれて完成です。
もう食べる前から絶対美味いやつじゃん!
仔牛ちゃん、しっとり柔らかくてジューシーです。
脂肪がないのにこれだけ柔らかいとサシなんて要らないよねと思ってしまいます。
よく蕩けるようなんて言いますけど、肉は噛み応えがあってサクサクと歯が入るのが最高です。
●埼玉行田市さきたま古墳古代米仔羊カレーたじまっ
メインを一皿にしてシェアするのはこのカレーが食べたいからなんですw
最近どこのフレンチでも締めにカレー食べてる気がしますがw美味しいんだから何も言うことはありません。
朝から田島くんが気合を入れて仔羊を焼き、きれいに脂を取り、豆と一緒にじっくり炊き上げて作った自慢のカレーが古墳の型に収まった古代米と登場、程良い甘味とスパイスの風味、豆が溶け出していい感じにぽったりしたルウが堪らない。
この硬めに炊かれた古代米とも大変よく合います。
先に食後のマール酒、ワイフはカフェと好物のババオラムをいただいていつものように美味しかったねと人心地ついていたら、店内の照明が落ちてバースデープレートの登場w
ワイフが照れくさそうに蝋燭を吹き消して、居合わせた店内客各位から拍手をいただきました。
ありがとうございます。
ということで、2日間に渡るおめでとう攻撃は無事終了しましたが、一回お祝いして貰えば十分この歳になって恥ずかしいと微妙な女心を吐露され、この後秋田でも同じことしようと思っていましたが、帰宅後に中止の連絡をしましたw
ということで、お騒がせしました&ご馳走様でした!
2024/02/12 更新
2023/10 訪問
[深川仲町通商店街裏]ずっと通い続けたいグランメゾン級ビストロ
昨年オープンしてしばらくは毎月一回伺えた渡辺料理店も、1年経たないうちに超予約困難店になりました。
私も含めて、こうやって食べログで褒めちぎる人がいっぱいいるからだよねw
自分で自分の首を絞めているような気がしないでもないです。
だって美味しいから称賛せずにいられないんだもん。
昨年は、じゃあ来月また来ます!なんて言ってたのに、今ではインスタで4ヶ月後のテーブルの奪い合いになってます。
ワイフがマダムが更新するインスタを頻繁にチェックしているんですが、ランチにキャンセル出ました!なんて書いてあっても見た瞬間にはもう埋まっているとか。
私に渡辺料理店の席を取るなんて絶対不可能ですが、ワイフの根性が勝りましたw
ということで、夜のキャンセルをゲットしたワイフと一緒に2ヶ月ぶりの門仲です。
お、今日もカウンター席が用意されていますね嬉しいな。
きっとマダムが我々が調理風景を眺めながら食事するのが大好きなのをご存知いただいているんでしょうね。
お気遣いありがとうございます。
ではChanpagne Follet-Ramillon Terroirsをいただいて、今日も渡辺さんと田島くんの気合いのこもった仕事ぶりを間近で拝見します。
調理ってコンビネーションなんですよね。
呼吸を合わせてタイミングよく仕上げていくその工程を眺めていると、師弟の関係性も見えてきます。
師を尊敬する弟子と、弟子を認めつつ育てようとする師匠の緊張感のある空間です。
それにしてもこのシャンパーニュ旨いなw
ムニエ主体でシャルドネとピノが入っているようですね。
ドライなのに爽やかな甘味があり、とてもバランスが良い。
泡の粒立ちがとても細かくて舌触りも滑らか、とても上品です。
マダムすみません、これもう一杯いただきます。
で、今日も揉めに揉めていただくものが漸く決まりましたw
最初は意見の一致を見た牡蠣です。
仙鳳趾産の真牡蠣は異常な大きさw牡蠣殻は25cmはありますね。
渡辺さんによるとおそらく5年ものくらいの極上品だとか。
タンパク質が固まらない58℃で火入れしてあります。
いただくとミルキーで生の食感が残っているのになかまでじんわりと火が入っています。
ホースラディッシュと青葱の鮮やかなソースが絶妙な味わい、最初からもうヤヴァいです。
仙鳳趾は牡蠣の名産地厚岸湾の端に位置していて潮の流れが早いので身が締まった牡蠣になるそうです。
それを5年も寝かしたんですから美味しいに決まってますが、もう想像を遥かに超えた美味さ。
これをいただいただけで、来て良かったと思えるくらい美味しい。
ソースも一滴残さずいただきました。
さて、これから魚介のオンパレードなので、ワインは白一択。
François Le SaintのSancerre Calcaire、ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランです。
香りは抜栓仕立てで既に華やか、口当たりはドライですが、徐々に開いてくるとふくよかな甘味と少しの渋味が強調されます。
レモンのような酸味が最後に来て余韻は案外長い。
足も長いので、味わいや香りとは関係なく糖度も相応にありそうです。
歓喜と興奮の牡蠣を食べ尽くしてwお次は虎河豚です。
今日はこりこり白身のマリネにフリットとは楽しみだ。
フリットは赤ワインとバルサミコを少し入れた軽めのソースで、マリネは菊の花びらと芥子菜と一緒にいただきました。
フリットはふっくらふわっととても軽い仕上がり、火を入れた虎河豚の白身はもう美味しいとしか言い様がありませんw
淡白なのに旨味がしっかりあって噛む程にじわじわと幸福度が上がっていく感じ、堪らない。
マリネは対照的にねっとりこりこりで、こちらも噛めば噛むほど旨味が来てくれますw
ああ、虎河豚って普段そんなに食べないし、フレンチで食べたこともありませんでしたが、こんなに美味しくなるとは・・・
続いてメヒカリ、これもフリットです。
揚げ物続けるのは嫌と言うワイフの反対を押し切って、旬の食材を一番美味しくいただく手法として渡辺さんがチョイスしたんだから敢えてフリットを続けるんだよと、意味不明な説明で通しましたw
出てきた皿ではメヒカリのフリットが元気に泳いでます
波?水?を表現しているのは根セロリのピュレですね。
白ワインの華やかな香りと仄かな酸味、それにアンチョビがベストマッチ。
サクサク食感のメヒカリは皮目の脂がフリットの衣に沁みてだんだんしっとり&甘くなります。
そこにアンチョビの効いたピュレのトロトロ感が合わさって、さらに旨い。
牡蠣、虎河豚と来てメヒカリと、前菜は魚介で攻めてみましたが大正解でした。
ワイフはお腹いっぱいになっちゃうから食べないと言い張るオマール海老のビスクリゾットが私の目の前にやってきました。
ということは独り占めだねw\(^o^)/
田島くんの特製カレーを除けば、ほぼ毎回お願いする大好物です。
渡辺さんの作るビスクリゾットより美味しいオマール海老はない!と断言しましょう。
結構なポーションなので、他のテーブルでは4人でシェアしてますが、私はこの大皿と孤軍奮闘しますw
ヤヴァい、本当にヤヴァい美味しさ、なんでこんなに美味しく作れるんでしょうね。
ワイフもやっぱり一口頂戴とw私の顔を見ていれば食べたくなって当然だと思います。
マダム曰く、前菜を4皿召し上がるケースは4人で来店してシェアことがほとんどだそうです。
それにオマール海老のビスクリゾットはメインとして注文することも多いんだとか。
よく飲んでよく食べる夫婦だとマダムには認識されているようですねw
ではワインを肉食モードに切り替えます。
Louis ChèzeのCornas 2019、北ローヌのシラーです渋いチョイスだw
グラスに注ぐとかなり濃い色をしています。
香りはビタースウィートでカカオのようですね。
味わいもイメージ通りのフルボディ・・・あ、これPierre Gagnaireで飲んだな。
この超個性的な味わいで突然記憶が蘇りました。
ワイフのメインは蝦夷鹿の背肉ロースト。
骨付きのまま焼き上げてしっとりと柔らかく仕上がっています。
低温でじっくり火入れしてあって肉質の良さが舌に伝わってきます。
私も蝦夷鹿にすれば良かったなと思うくらいの完成度ですよ。
私のメインは雷鳥です。
雷鳥って日本では特別天然記念物ですからもちろん誰も食べようとも思わないですけど(狐以外は)、フランスやスコットランドではポピュラーなジビエですね。
まあ雉子の仲間ですから味的にも近いと思われます。
早速いただいてみると、やはり鶏肉に近い食感ですが、独特の良い香りがします。
松脂?ぽいかな。
骨付きモモにはたっぷりの赤ワインソース、ロース肉は低温調理で柔らかく繊細な仕上がり。
肉なのにまろやかな食感と絹のような歯触りです。
雷鳥は人生2回目ですけど、こんなに美味しかった印象がなかったのでまた入荷したら是非いただこうと心に誓いましたw
ワイフはもう大満足で、既に目がデザートのモンブランと書かれた黒板に釘付けですが、私はこれから渡辺料理店でのお楽しみ、埼玉県行田市さきたま古墳古代米仔羊カレーたじまっをいただきます。
今日も店に入ってきて、最初にアイコンタクトを取ったのは田島くんですからw
予約リストにお名前見つけたので気合入れて作っておきました!とのことで、こちらも気合を入れていただきます。
ワイフがモンブランと珈琲を楽しんでいる間に、私はデザートのカレーをいただくと言う幸せな時間が過ぎていきます。
そういえばこの前大石でも締めはカレーだったよね。
美味しいものを出してくれるフレンチは締めがカレーという共通項は・・・ないはずw
でもこれで良いんです。
仔羊の肉がジューシー&トロトロに煮込まれたカレーは香り抜群で、いつものように硬めに炊かれた古代米に大変よく合います。
このカレーを食べずして渡辺料理店を後にするなんて考えられませんw
ああ美味しかった。
食後にJoseph DrouhinのMarc de Bourgogneをいただいて、本日の締めです。
最近、伺う度にこの店の良さを強く感じるようになりました。
当初は明るい雰囲気の良い店だなくらいの印象だったんですけど、ここのところ数回はざわざわと人声がして料理の音がそこにBGMとして乗ってきて、とても耳に心地良い”ノイズ”になっています。
単に良い雰囲気を超えた、美味しいものをいただいた時の溜息や興奮や笑顔や歓声、つまり”気”が店全体に満ち満ちている感じ。
この食の持つパワーを存分に吸収して、すごく元気が出ます。
これは凄いことだと思いますよ。
渡辺料理店は我々の滋養強壮剤ですねw
死ぬまでずっと通い続けたいなぁ・・・
ご馳走様でした!!!
2023/12/06 更新
2023/08 訪問
[門仲飲食街]食べ歩きの末に辿り着いたビストロの究極
先日、フレンチ(広義のフランス料理)は明治維新以降の西洋化政策(富国強兵&帝国主義政策)にまんまと利用され、その後WWⅡ敗戦とともに徐々大衆化していった経緯を記しましたが、維新から150年余、すっかり日本に定着した(と思いたい)数あるフレンチの中でも、ハレの日高級フルコースではなく、普段遣いの最高峰がこちらの渡辺料理店です。
ちょっと落ち込んで気分転換したい時、仕事で成功した時、美味しいワインが飲みたい時、そして何よりも美味しくて気の置けないフレンチが食べたくなった時、こちらの店と渡辺さんご夫妻の笑顔が脳裏に浮かびます。
つまり、自分の”いつでも&どんな時でも食べに行きたい店リスト”の最初か2番目には載っている店です。
さて、今日も永代通りから飲食店が集まる裏路地に向かいます。
この界隈には食べログの評価点3.5以上の店が40軒以上(当てにならんけどw)あり、そのうち10軒超は本当に素晴らしい店なので店巡りが楽しい&3.5未満のほうが良い店が多いです(断言)。
ただ、飲食店なのにいまだに喫煙可という店も多いですから、嫌煙家の方は確認を怠らずに。
今回もカウンター席をゲットw
夫婦揃って左利きなので、カウンター左手に陣取ります。
いつものように渡辺さんご夫妻、田島くんにご挨拶して、今日はどうよ?とカレーの仕込みを確認w
今日のリストにお名前があったんで朝からしっかり作っておきました!と田島くんがリップサービスしてくれます(お約束です)。
今日は門仲まで歩いて来たので、偶にはビールでスタートしてみましょう。
マダムお勧めの京都木津川のことことビールをいただきます。
圧倒的ホップIPAという美しいオレンジ色のビールで、IPAらしく苦味が効いていますがもう少し苦いほうが良いな。
麦芽使用率50%という贅沢で膨よかな香りのビールです。
ではいつものようにビールを飲みながらメニュー決めバトルの開始w
ここから最短でも15分はああでもないこうでもないと料理の果てしない順列組み合わせが繰り広げられます。
まずはワイフとお互いに絶対に食べたいものを挙げるんですが、問題はその後。
どういう構成にするとメインの〇〇のフォーカスが高まるかなんて考えるものですから組み立てては壊すの繰り返しです。
今晩は結局20分ほどかかって構成が決まりました。
いつものことなので、マダムも渡辺さんも聞いたことには答えてくれますが基本的に放ったらかしw
で、一本目はマダムが是非というLuneau-Papinのミュスカデ。
以前こちらの長期熟成させたミュスカデをいただいた記憶があるのですが、本日は2021年La Grangeです。
ふんわりスパイスの香りがして、口に含むととてもフレッシュで豊かな酸味が感じられます。
余韻は比較的長くて私の好きなミネラル感もあり、ミュスカデらしい骨格のしっかりした白ですね。
最初の皿は蝦夷鮑のステーキです。
肝ソースを炊く香りでワインが飲めますが、目の前に来ると香りの素晴らしさが違う。
濃厚な肝ソースをたっぷりと塗りつけてアワビをパクリ。
うーん・・・言葉がないw
バターと溶いた肝が一緒になるととんでもなく美味くなります。
ソースはもちろん一滴残さずTam La Painで掬っていただきました。
続いて天然鮎のコンフィ、長良川です\(^o^)/
1尾ずついただこうかと思ったんですけど、数が少ないので他の客にも幸せを分けないとw
もちろん頭はワイフがガブリ、満面の笑みです。
私は尻尾からガブリ、美味すぎて笑うしかないw
苦くて甘くて爽やかで軽やかで、グリーンのガスパチョとも素晴らしい相性でした。
このガスパチョも一滴残さずTam La Painで掬っていただきましたw
お次のワインも魚介が続きますから白です。
Domaine GoisotのBourgogne Cote d'Auxerre 2018、今度はシャルドネです。
この後海老を続けるのでwここはシャルドネ様のご登場でしょうw
お父さんから息子の代になったそうですが味は変わっていません(そんなのわからないw)。
華やかさはありませんがヴィオらしい澱絡みな味わいで、レモンのような酸味が素晴らしい。
ブルゴーニュのシャルドネだとシャサーニュ・モンラッシェなんかが好きですけど、このグワゾのヴィオも食欲を刺激する酸味です。
この味わいと酸味はきっと海老にぴったりの筈。
お、漂って来たこの香り・・・店内に広がっていく魚介の炊ける香りは我々の皿だったら嬉しいな。
目の前で徐々に仕上がっていくお皿を眺められるのがカウンター席の特権。
盛り付け、オリーブオイルをかけるタイミングと量、ハーブの使い方、見ていて飽きません。
このカウンターはTable du chefですね。
盛り付けを感嘆しつつ眺めていたら、渡辺さんがお待たせしましたとその皿を出してくれました。
たっぷり敷かれたムール貝の上に赤海老とイトヨリ、帆立が丸ごと入っています。
豪快な印象ですがいただいてみると繊細な味わい、最初に来るのは穏やかな甘味でそれが旨味に変わっていきます。
様々な魚介の組み合わせで取ったスープはイノシン酸、グルタミン酸やグアニル酸の固まり。
特にイノシン酸は海で元気良く泳いでいる時にはなく、採った後に体内のATPが変化してできる旨味成分ですから、美味しくいただけるのは人間だけwです。
プリップリの赤海老、しっとり甘いイトヨリ(見ためは鯛ですが鱸の仲間です)、ふっくら炊けた旨味の塊帆立をムール貝がきれいにまとめてくれています。
イトヨリはポアレも美味しいですが、こうして炊き合わせると無敵の味わいですね。
ブイヤベースはbouillir(煮込む)abaisser(減らす)ですから、漁師が売れ残った魚や売り物にならない魚を煮込んだのが始まり、本来こんな美味しい素材を使うものじゃないですけど、美味いもんは美味い。
ここでもお代わりしたTam La Painが大活躍してくれましたw
お待ちかね渡辺料理店のアイコン、オマール海老のビスクリゾットが皿に盛りつけられ始めました。
この料理はあっという間に人気になったので、作っているのを見て自分のところに来るに違いないと思っていると別のテーブルにスーッと行っちゃったりします(その時のガッカリ感半端ないんだよw)。
だからワクワクしつつ他のテーブルに行くことも心の片隅に小さくメモしてw見つめています。
今日も先に別のテーブルに行っちゃってw表情に出さないようにワインを口に運びました。
ということでやっと我々のオマール海老ちゃんが目の前に。
田島くんが特に大振りのオマール海老ですから、とまたリップサービスしてくれます。
完全に表情読まれてますねw
まったく・・・どうしてこんなに美味しいんだろ。
海老の濃厚な味噌をたっぷり溶いてお米に満遍なく纏わせ、甘くてふわふわぷりぷりの身を米と一緒に、或いは別々にいただいて、その美味さの理由を探します。
その結果、美味い理由は美味いからだと感じました(馬鹿)。
だって理屈抜きに美味しいんだもん!
歓喜興奮感涙呆然尊敬驚愕戦慄共感満足な前菜?4皿をいただいてメインに進みます。
ここまで2時間超、あっという間です。
メインはもう心に決めていますが、ワイフはじっくり吟味した上で宇治京鴨胸肉蜂蜜ローストをハーフで(そんなことできるんだレスキューするのにw)、私は絶対にBœuf Bourguignonです。
ワインは当然赤ですね。
マダムのお勧めはピノノワールでしたが、ワイフは前回いただいたラングドックのMourvèdreがとても気に入ったようで、今回もあればもう一度飲みたいと。
Domaine La Terrasse d’Elise 2016はラングドックのムールヴェードル、モナストレルですね。
ブラックチェリーの香りどーんで、濃厚で果実味のはっきりしたパワフルな味わいですが、タンニンはそこまで強くなく余韻はやや短い。
甘味と渋味、辛味、苦味のバランスがとても良いと思います。
先に出て来たのは私のBœuf Bourguignon、ドフィノワ風にインカの目覚めをラクレットで絡めたガルニチュールも一緒に出してくれましたわーい!
毎回このビロードのような別珍のような美しいソースにダイブしたくなる。
このソースを全身に浴びて味わいたい衝動があるのかもしれません(変態かw)。
毎度のことながら完璧な火入れと柔らかさ、歯がなくても食べられる肉です。
歯がなくても、どころか口の中でフッと消えてしまいますからbœuf aérienかw
インカの目覚めのガルニチュールも良いアクセントになってくれました。
ワイフの宇治京鴨胸肉蜂蜜ローストハーフポーションはものすごく丁寧な火入れ。
しっとりと汗をかいたような焼き上がりで表面はパリッと香ばしく、それでも1mmも焦げてない。
軽い酸味のあるソースが鴨の弾力のあるムネ肉の甘味を引き立ててくれます。
ジロール茸のソテーもつけ添えとは思えないほど主張してきますw
ワイフはここでフィンですが、私はまだ大切なミッションがありますw
田島くんと目が合うと、徐ろに準備が始まりました。
そう、いつもの埼玉県行田市さきたま古墳古代米仔羊カレーたじまっ、です。
最後のたじまっは田島くんのオリジナルということらしい。
この古代米カレーは、基本的にカレールウは自由&古代米を古墳の型に入れて成形しています。
前方後円墳の型にハマった古代米ってなかなか見た目も良いし、田島くんの作るカレーもとても美味しいので、私は毎回いただくのが楽しみです。
しかも今日は仔羊カレーとわざわざ書かれていますから期待大w
どろっとした豆たっぷりのカレールウが回し掛けられて、埼玉県行田市さきたま古墳古代米仔羊カレーたじまっ(長い)登場。
確かに仔羊肉がゴロゴロとたくさん入っていますね。
これは端肉の有効活用かと思いますが、しっかり下拵えしてあるようで大変美味。
いつものことながら、地元行田市のアピールと渡辺さんの薫陶宜しきを得て細部まで丁寧に仕事する田島くんの技が活きていますね。
渡辺さんには、いつもカレー召し上がっていただいてありがとうございます!と言われますw
今日もお腹いっぱいになりました。
次回はいつ来られるのかわかりませんが、また頑張って席を獲得したいと思います!
ご馳走様でした!!
2023/10/23 更新
2023/07 訪問
[大横川沿い]極私的グランメゾン この店に来るのがいつも待ち遠しい
絶賛どハマり中の渡辺料理店です。
それでも前回は3月でしたから、恋しかったです。
既に近くて遠くなりつつある門仲のグランメゾン級ビストロです。
こういう店を羊の皮を被った狼って云うんでしょうかw
ではいつものように渡辺さんご夫妻、田島君ほかスタッフの皆さんにご挨拶して店内へ。
キャンセル席でしたから無理だと思っていたら、実はカウンター席のキャンセルだなんてラッキー。
この店との縁を感じます(勝手に)w
カウンター席はほぼストーブ前なので、火入れしてオーヴンに入れたり盛り付けたりという渡辺料理店の心臓部を目の当たりにすることができる特等席ですから。
いつも来るたびに黒板メニューを写真に収めてどれを食べようか夫婦で激論を交わすんですが、今回は何と黒板メニューを撮影して出力したペーパーがワインリストのトップに添えてありましたw
黒板を収めるお客様が多いので用意したほうが良いかなって・・・マダムかわいいw
メニューは少しずつ変わりますから、その日食べたものを記録&記憶するためにも撮影必至ですが。
今日も泡をいただきつつ散々揉めてw漸くいただくものの骨格が固まりました。
渡辺料理店はどこまでがアントレでどこからがメインかが曖昧というか、境界線が事実上ないので(そこが良いんですけど)、これを食べるんだったらこれをやめてこっちにしたほうがバランスが良いとか、メインにこれを食べたいからアントレのこれをこっちに変更しようとか、とにかく順列組み合わせがなかなか難しく、そこに夫婦間の微妙な軋轢も加わってメニュー選定に時間がかかります。
でもそれが楽しくてワクワクする時間でもあります。
渡辺さんもマダムも半ば呆れつつ待っていてくれますから、じっくり検討するというかワイフの思惑を壊しに行ったり、反対に今日飲むつもりのワインから攻められて陥落したりと、駆け引きを楽しんでいますw
ということで、泡をお代わりして、最初は宇和島産の鯵のマリネ。
鯵のマリネにはナポリの魚醤=コラトゥーラを使っています。
パルミジャーノと万願寺さんがパシッと効いていますね。
見た目からも厚めに切りつけた鯵が思いっきり存在感を主張しています。
上には今朝届いたという採れたてのラディッシュや胡瓜、セロリなどがスライスされて美しい盛り付け。
最初から感心しつつ美味しくいただきます。
本日は田村パンがお休みらしく、違う店のバゲット(どこのだか聞きそびれた)をいただきながら、続いては目の前で盛り付けを楽しませてもらった岩牡蠣。
レフォールと青葱をすりつぶしたオイル掛けです。
鮮烈な旨味と滑るような喉越し、夏の牡蠣っていつからこんなに美味しくなったんだと唸る美味しさです。
葱オイルの辛味と香りが全体を引き締めつつ旨味を加えてくれています。
岩牡蠣一つでこれだけ味を表現できるなんて、やっぱり渡辺さんはすごいです。
田島くんは本当に良い店で修行してますね。
まだメインには時間があるのでLe Rocher des Violettesをもらってひと心地。
モンルイ・シュル・ロワールのシュナン・ブランです。
アプリコットのような甘い香りですね。
口に含むとバニラのような香りに変化し、その印象とは違ってフレッシュでミネラル感もあり、舌にほんの少し苦味も残る複雑系です。
ロワールらしいといえばロワールらしい味わいですw
続いてフライパンでソテーしてじっくりオーヴンで火入れした蝦夷鮑が目の前で盛りつけられ始めました。
こういう制作過程?をライブ感たっぷりで見られるのがカウンター席の醍醐味ですね。
肝ソースを美しく皿に敷くのは渡辺さん、その上に焼き上がった蝦夷鮑を盛り付けるのが田島くんです。
渡辺さんが全体を整えて(この時点でまだ自分の手元に来るかはわかりません)、お待たせしましたと差し出してくれる時が至福の瞬間ですw
わぁ、これ絶対我々のオーダーだよね、と思っていたら肩透かしをくらったことが幾度もありますから(その時のがっかり感半端ないんですよw)直前まで期待しないように期待して待ってます。
こう云ったプロセス?と想いが錯綜する時間と空間を経て、鮑ちゃんが手元にやってきました。
肝ソースとバターソースの2種類が敷いてあって、それぞれの複雑な旨味が楽しめます。
弾力があって香りが素晴らしく、中からジュワジュワと旨味が溢れ出してくる蝦夷鮑は、サイズこそ大きくはありませんけど、王道のフレンチです。
至福の味わいとはこのことですね。
お、そろそろオマール海老の準備ですね。
ビスクで作るリゾットを田島くんが高速で回し始め、渡辺さんがソースを仕上げていきます。
素晴らしい香りが店内に広がってきました。
この香りでワインが飲めますw
ビスクで炊いたリゾットが盛り付けられ、丁寧に殻から外したオマール海老が海老のかたちに配置されると渡辺さんがソースをかけてくれてほぼ完成。
最後にハーブとパプリカを振りかけると私が愛して止まないオマール海老のビスクリゾットの出来上がりです。
このメニューが初めて掲げられた日に偶然注文した時は、まだオマール海老が2尾しか入荷しておらず、自動的に限定2食でしたがw現在は定番メニューになって多くの客の口に入るようになりました。
こんなに美味しいものは世の中にそうはないと思っていますw
ワイフは遠慮して少ししか食べないのでw私が心行くまでオマール海老とリゾットとビスクソースの味わいに浸ります。
もうこの皿に飛び込みたいくらい好きw
美味しいとかそういう次元を超えてます。
口に含むと全身の毛穴が広がって瞳孔も開き、血管が膨張して血圧が急低下、心拍数が急上昇・・・
つまり死ぬほど美味いってことw
今日も息絶え絶えになりながら完食しました。
至福のリゾットで前菜を一旦終えて(カレー食べるし)、メインの前にワインを選びます。
お願いしたのはDomaine La Terasse d'Elise Enclos 2016、ラングドックのMourvèdreです。
モナストレルですね。
濃厚で果実味のはっきりした味わいですが、タンニンはそこまで強くなく余韻は短めです。
これなら幅広い肉料理をカバーできそうな感じw
ワイフは宇治京鴨胸肉蜂蜜ロースト、私は渡辺さんの至高の一品Bœuf Bourguignonをいただきます。
もちろんCarre d'agneau rotiもLe tournedos Rossiniも食べたいんですけど、あのビロードのように滑らかな赤ワインソースを一度味わったら病みつき、依存性120%です。
温度が上がって香りがさらに良くなったムールヴェードルを口に含んで舌を遊ばせながら待つこと20分ほど、私の頰肉が先に登場しました。
素晴らしい香り、美しいソース、これもこの皿に思いっきりダイブしたくなりますw
ナイフに力を入れなくてもスーッと切れる柔らかさ、ナイフなんか要らない感じです。
口に含むとホロホロと蕩けて脂の甘味と赤ワインソースの滑らかなコク、甘苦さ、仄かな酸味が全部混じり合って脳死しますw
どうせ死ぬんだから美味しいもの食べながらだったら最高ですよねw
岩牡蠣で1つ、蝦夷鮑で1つ、ビスクで1つ、既にバゲットを消費していますが、一滴残さずソースをいただくにはどうしてもバゲットに手伝ってもらわなければなりません。
バゲットはたくさん食べるものではないはずですけど、これだけソースが美味しいと残すのは犯罪ですw
宇治京鴨胸肉蜂蜜ローストにはソテーしたグリーンアスパラガスが添えられています。
完璧な焼き上がりの鴨肉ロースト仄かにピンク色しっとりと柔らかく、素晴らしい香りがします。
肉は軽くて甘味があり、堪らないほどジューシー。
もともと鉄分、ミネラルが豊富で脂が少なく、ヘルシーな印象がありますが、そんなことが全く気にならなくなるくらい純粋に美味い、もう失神しそうですw
これだけ美味しいと、他の店では食べられなくなっちゃいます。
脳死&失神のメインを終えてwでは愈々私の密かなお楽しみ時間・・・
埼玉県行田市さきたま古墳古代米カレーたじまっ!ですw
開発者の田島くんによれば、毎回必ず食べる客って私くらいしかいないとか。
皆さん、グランメゾン級のお皿を楽しみに来ているのは私も同様ですが、是非お腹に余裕があれば田島くんオリジナルの埼玉県行田市さきたま古墳古代米カレーたじまっ!もどうぞ。
お皿には行田古代米カレー専用のご飯用の型で古墳型にちょこなんと置かれ、上からどろりとした昭和風のポーク豆カレーがたっぷりとかけられます。
本当に毎回欠かさずいただいていますが、全く飽きの来ない美味さですね。
スパイシーなのに甘味があり、コクがあって食べやすいです。
適度な粘度があって古代米とよく絡んでじっくり素材の旨みを楽しめるのも良いですね。
私のお気に入りです。
目の前に渡辺さんがいらっしゃるので、あれがどうのこれがどうのというより、何をどのように使っているのか、火を外すタイミングは、肉汁を綴じ込めるコツは、など手が空き始めた渡辺さんへの質問タイムになりました。
申し訳ないですが、いろいろと気さくにご回答いただいて大変勉強になりました。
ご馳走様でした!!!
2023/10/21 更新
2023/03 訪問
[門仲]幸せが連鎖する下町ビストロ風グランメゾン 瞬く間に予約困難に
ワイフが愛してやまない渡辺料理店にやって来ました。
昨年オープンした際は毎月一回伺うことができたんですが、現在では3ヶ月に一度がやっと。
それくらいあっという間に人気になって、キャンセル枠も瞬く間に埋まるそうです。
マダム曰く、嬉しいことでもあるけどいつも贔屓にしてくれるお客様がなかなか来れないのは残念とのことですが、これだけ美味しいものを気取らないビストロでいただける店は日本広しと雖もここだけかなと思いますので、予約が取れたら是非伺いたいと願うばかりです。
まあこうなるのは目に見えていましたがw
本日は自宅から門仲までウォーキンング。
ワイフは仕事が終わってタクって来ましたが、私はテレワーク終了後、神田から日本橋を抜け茅場町から永代橋を渡って門前仲町まで約6kmの道のりを50分で歩きました。
代謝も上がって胃腸も絶好調、今日も大量摂取&大量飲酒になりそうな予感です。
もちろん今日もカウンター席から調理の様子や火入れの具合、盛り付けの妙などをガン見ですw
では、例によってお願いする皿で30分くらい揉めている間にJulien Pilon Mon grand père était limonadier 2021をいただきます。
このワインは以前ラミティエでいただいたことがあるジュリアン・ピロンのヴィオニエです。
この天才brasseurはいつも本当に面白い&個性的なワインを提供してくれますね。
アプリコットのような華やかで甘い香り、対して味わいは酸味に石灰のミネラル感が追いかけてくる意外なパターンです。
香りと味わいがこれだけ乖離しているワインも珍しい。
驚かせようと思っていたマダムは、我々がこのワインを知っていたので残念がっていましたけどw
でも、このワインに取り敢えずお願いしたシャルの盛り合わせがドンピシャでハマりました。
これだけ自家製のシャルの味と香りを引き立てえくれるワインも珍しいんじゃないかと思います。
我々がすごいすごいと興奮するので渡辺さんも味見w
ああこれは素晴らしいですねとお喜びなのを見てマダムもお喜びですw
幸せの連鎖ですな。
ワイフがリクエストしたフランス産の白アスパラガスに紋甲烏賊と生ハムを合わせた皿は、想像を遥かに超えた味わい。
一見合わなさそうな素材同士が、にんにくの香りを少し纏った円やかなクリームチーズのソースで見事なチームワークを発揮してくれました。
こういう組み合わせの妙が美味しいと素晴らしく楽しい時間になるんですよね。
二本めのワインは、SELECTION TAILLEVENTと書かれた、印象的な牛の顔のエチケット。
マダムによると、パリのタイユヴァンがセレクトした飲み頃ワインなんだそうで、これはラングドックのOlivie Pithonというbrasseurのマカブー主体の白ワインです。
ちょっとグルナッシュっぽい味わいで、果実味がはっきりとしており、すっきりした印象。
余韻は短いのですが舌に少し塩気を感じますからワイナリーは海のそばなのかな。
3皿めは私がリクエストした伝助穴子。
フォアグラを巻いてムニエルにした豪華版です。
普通のビストロでこんなメニューがあっても絶対食べませんけど、渡辺さんの手にかかったらどうなるかわかっていますから(結果だけね)楽しみです。
巨大な伝助穴子は鱧のように骨切りして使いますが、こちらも見事な下拵えがしてあり、淡白な身の味わいをフォアグラが強烈にマウントして主役の座を奪う勢い。
クリームソースに極太のグリーンアスパラガスのソースが合わせてあり、焦げる直前までソテーしたブロッコリーが異彩を放っています。
バランスは良くないように見えるんだけど、食べると絶妙に味わいが拮抗していてどれも邪魔しない味になっています。
こんなことできるんだねw美味しくて悶絶します。
もう前菜だかメインだか境界が危うい状況ですがw続いてポークローストがしっかり目の前のフライパンで焼かれ、そして休ませてから盛り付けられて登場。
この一連の工程を目の前で全て拝見できるのが料理の味をさらに引き立てます。
しっとりと柔らかく仕上がっていて、濃いめの橙色のソースが印象的です。
このソースはオランデーズのアレンジでレモンの代わりにオレンジ果汁、バターにクリームを加えた濃厚ヴァージョンでした。
脂が滴る鹿児島産の黒豚に負けない旨味の強いソースです。
肉は一週間ほど寝かせて余計な水分を抜き、旨味だけを綴じ込めて焼き上げてあります。
焼きめをつけたあとオーヴンでじっくり火を入れたポークローストは本当にヤヴァい。
とても印象的な一皿でした。
あったらまたぜひ食べたいものです。
で、ここまでが前菜だったようで(ポークローストが前菜のビストロって・・・w)、メインはワイフがBœuf bourguignon、私はPigeonneau rôti du Racan:ラカン産の鳩のローストです。
ラカン産ってことはエルヴァージュ・ド・ベリーだよねきっと。
と思って恐る恐る渡辺さんに聞くと、どうしてそんなこと聞くんだとばかりに頷きました\(^o^)/
やっぱり・・・マダム・ヴュルゴーとエルヴァージュ・ド・ベリーは外せないんだw
ワイフの赤ワイン煮込みがかなりのポーションで登場。
これを女性が(前菜あんなに食べてワインも既に2本空けて)食べられるのかと思いましたが、我が妻は呆れるばかりの食欲の持ち主ですから問題ありません。
もし食べ切れなかったら私が食べれば良いんだしw
ルビー色に輝くpasser au chinois à la finした赤ワインソースがうっとりするほど滑らか。
まるでビロードの上にお肉が鎮座しているみたいですw
これは食べなくてもワイフの表情を見ていれば美味しいかどうかよくわかります。
ワイフの小鼻が膨らんでいますから、これは相当美味しいようですね。
私も一口いただいて、すぐにマダムにワインをお願いしました。
3本めはDomaine BartのMarsannay Les Finottes 2019です。
マルサネはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ、もちろんピノ・ノワール100%ですね。
お馴染みのベリー系のやや甘い香りにスモーキーな香りも混じっており、口に含むと甘味よりも酸味が先に来ます。
ドライな印象ですがタンニンがじわじわと感じられてやや重めのミディアムといった感じ。
ピノの重厚な感じではなく、やや軽さのある赤ですから鳩にも合いそうです。
エルヴァージュ・ド・ベリーの鳩さんが漸く焼き上がりました。
拝見していると牛や豚よりも火入れにはかなり気を遣っているようです。
頻繁に確認して細かく火入れ加減をチェック&目を離しません。
黒トリュフとモリーユ、グリーンアスパラガスも盛り付けられてグランメゾンの皿です。
では鳩にナイフを入れて早速パクリ。
うわー皮と身の間の脂がうまーい!とんでもなくうまーい!
皮自体が厚いので硬めのゼラチンのような食感があり、舌触りが最高です。
超高級煮凝りをいただいている感じですね。
これは・・・控えめに言って最高ですw
ワイフも美味しくて笑ってます・・・高揚感が半端ない。
軽めのブルゴーニュの赤がさらに味わいを引き立ててくれます。
興奮と歓喜と高揚のメインが終わり、ワイフが苺のパルフェをデセールにいただいている間、私はいつものさきたま古墳古代米カレーたじまっ・・・へぇ今日は仔羊カレーなんだね。
例によって田島くんが気合を入れて作ってくれました。
豆のたくさん入ったカレールウに仔羊の肉が細かく切って入れてあります。
いつもの食欲を引き出してくれる香りと円やかで優しい味わい、硬めに炊かれて古墳に象られた古代米の淡白な甘さが心地良いです。
今日もこれでビストロ風グランメゾンの食事が終わってしまい、とても幸せな時間だっただけにお名残惜しく、寂しい気持ちが勝りますが、次回の予約をお願いして・・・え、次は7月まで空きがないんですか!?
予期していたこととはいえ、どんどん狭き門になる渡辺料理店のテーブル争奪戦、マダムがキャンセルが出たらインスタグラムに載せているので確認してみて下さい、平日は結構空くことがあるんですよ、と慰めにならない慰めの言葉を下さいました。
渡辺さんをはじめ、スタッフ総出でお見送りいただきました。
まだ食事中のお客さんに申し訳ないけどちょっと嬉しいですw
では7月までに席が取れたらお伺いします。
ご馳走様でした!!!
その後、ワイフが渡辺料理店のインスタグラムをフォローして都度空きを確認していますが、タイミングが悪いのか、悉く空振りしています。
斯なる上は電話しまくるしかなさそうですなw
2023/06/23 更新
2022/12 訪問
[門仲路地裏]美味過ぎて毎月通っちゃう
元銀座L'ecrin総料理長、渡辺さんのビストロです。
超サラブレッド&高級フレンチのイメージですが、実際に伺ってみると、マダムの親しみのこもったサービス、渡辺さんの薫陶宜しきを得て急激に腕が上がっている田島君ほかのチームワークを存分に楽しめる居心地の良い店であることが人気を支えているんだなと実感します。
もちろん、繰り出される料理のクオリティも極めて高いですし、ポーションも、ビストロ料理どーんとは一線を画す創造性も存分に楽しめます。
何より店のポジティブな雰囲気が素晴らしい。
渡辺さんからはばりばりオーラが出ていますけどw食事を楽しみに来た客の期待に満ちたポジティブな雰囲気で店内満ちてます。
騒いでいる人はいないけど、和気藹々な人の迷惑にならない程度の活気って日本人らしいよねw
では今宵も締めのさきたま古墳古代米カレーたじまっ!までしっかり味わいたいと思います。
まずはいつもの通り黒板と睨めっこして前菜系を何皿行くか、そしてメインをを魚にするか肉にするか両方行くか、選んだ前菜にどのワインを合わせるのか・・・で大体20分経過。
マダムと時々会話しつつ、渡辺さんにアドバイスもらいつつ、徐々に骨子が決まり出しますw
いつも盛り合わせでいただくシャルキュトリを白レバームースだけにして、バゲット(たむらパンね)と一緒に軽く摘みながらChampagne Follet Ramillon 2013(!)をいただいてメニューを絞り込み、私が食べたいグジの鱗焼に蝦夷鮑のソテー 肝と海藻ソース、ワイフのリクエストの雲丹とずわい蟹のトマト&パースニップジュレがけ、の3皿に、メインはラカン産ピジョンローストとロッシーニにすることにしました。
ロッシーニはメニューに入れてからまだ注文を受けたことがないそうで、ついに来たか!と喜ばれましたw
あ、サラダ食べないとね、スティックブロッコリーのグリーンサラダもお願いします!
ワインは奥様と相談しつつ、Louis ChezeのMarsanne 2020を開けてもらいました。
コートデュローヌの北部だそうで、もちろん名前の通りマルサンヌ100%です。
少し樽熟した感じの甘い香りがしますが、案外どっしりしていて味わい深い・・・
あ、これGeorges Blancで飲んだぞwこの香りと味で思い出しました。
裏ラベルには平均樹齢が15年なんてことも書いてある。
最初の皿は蝦夷鮑のソテーです。
焼いている最中から素晴らしく美味しそうな香りが厨房というかストーブ前から店内に充満w
これだけ距離が近いと料理のライブ感がすごいです。
蝦夷鮑の肝と海藻を合わせた濃厚なソースとバターソース彩り鮮やかです。
毎回来るたびに驚きますが、今日も美味しくて瞠目&喫驚。
なんじゃこれと心の中で叫びながらいただきますw
期待を遥かに超えてくるから驚いちゃうんですが、こちらではこれがスタンダードですもんね。
続いてはワイフが前回いただいて大感激だった雲丹とずわい蟹のトマトジュレがけ。
渡辺料理店の定番メニューですが、コースだとポーションが足りないのでà la carteです。
今日はトマトに加えてパースニップも使っているそうですよ。
白人参とも言われますが実は芹の仲間、甘味とかホクホク感はパースニップの勝ちです。
雲丹とずわい蟹とカリフラワーをフリールした奥深い味わいと酸味と甘味のあるジュレが渾然一体となると、もうカウンターバンバン叩きたくなるw
ヤヴァい美味さでマルサンヌともぴったりです。
見るからにカリカリの鱗焼が乗ったグジが出て来ました。
じゅわわ〜っと耳に心地良い音が聞こえて来ます。
甘鯛の骨から取ったスープを煮詰めたソースと泡立てたホワイトソースの競演、酸味と甘味と塩味と若干の苦味と香ばしさを同時に楽しめるなんて、人を骨抜きにする気か田島君w
カリカリの鱗とふわふわの白身を同時にいただいて、淡白な味わいを優しく包んでくれるソースの妙にうっとりです。
こういう料理いただいている時にハートアタックとかで死ねたら良いなぁ(店に迷惑だ)。
もう全然前菜じゃないけどw取り敢えずメインのお肉の前をしっかり楽しみました。
ワイフの言いつけに従って3皿にしたけど、これなら穴子のフリットかオマール海老のビスクリゾット食べれば良かったよとちょっと後悔しました。
メイン用にOlivier Pithon Le Pilou 2014を抜栓しておいてもらいます。
ラングドックなのにカリニャンなんだ、造っているとは知らなんだ。
裏ラベルを見ると古木を使っているようで、ミディアムボディながらしっかりした味わいです。
これは鳩とか豚には合いそうですね。
ロッシーニにはどうだろう、楽しみだ。
愈々メイン。
先にエトフェしたラカン産ピジョンのローストが目の前で仕上がりました。
モモ肉とムネ肉のローストにモモ肉のコンフィが添えられています。
ポーションも盛り付けも皿の温度も色合いも香りも完璧、パリに居るんじゃないかと錯覚しちゃうw
逸る気持ちを抑えつつ一口いただくと、淡白なピジョンがここまでゴージャスな味に変化するのかというくらい旨味が強い。
骨から取ったブロードのソースは軽い酸味と赤ワインのコクが素晴らしいです。
素材とソースが渾然一体となるラカンの皿が見事に再現されています。
そしてそして、満を辞してロッシーニが仕上がりました。
もう作っている最中からガン見ですwこんなに楽しいライブはなかなか見られない。
渡辺さんが解説しながら舞台で料理を作るライブショウ開いてくれたら絶対チケット買いますw(店に来いって)
完璧なセニョンに焼き上げられた牛フィレ肉の上に、贅沢極まりないトリュフとフォアグラの組み合わせ、作曲家のロッシーニは大変なグルメだったそうで、レストランも経営していたそうですから、好きこそ物の上手なれを地で行った人なんでしょうね。
マデラ酒がしっかり効いた濃厚で香り高いフォンドヴォーとの相性も素晴らしい。
お願いする前から絶対に美味しいのはわかっていましたが、ペリグーにもトリュフが効かせてあり、美味さ大爆発、これはビストロ価格ではありませんけど、強烈に美味しいんだから何もいうことはありません。
期待を遥かに上回る美味しさでした。
残念ながらOlivier Pithon Le Pilouでは完璧に力負けしているのでDomaine René Cacheux & FilsのVosne-Romanée 2018を緊急招集です。
もちろん最上級のクラシカル・ピノですからこれでがっぷり四つですね。
どっしりと構えた円やかな味わいと香り、強すぎず弱すぎないタンニン、複雑なのに驚くほど飲みやすいピノ・ノワールです。
では、田島君、例のものをw
今日の予約表見て来るのわかってたんできっちり仕込んで置きましたよ!という頼もしい言葉と共に出て来たのは埼玉県行田市のさきたま古代米カレーたじまっ!です。
まあたじまっ!は余計ですけどw古代米を炊いてさきたま古墳の型に嵌め、豆たっぷりで美味しいカレーです。
スパイシーではないのですが、カレーの最大公約数的な美味しさが全て含まれている印象。
辛さも甘さもカレーらしい旨味もたっぷりで、マイルドな味わいが特徴です。
初めてお邪魔した時からビストロの締めにカレーなんてと思いましたが、これが美味しくてハマってます。
今日もしっかりサラダと一緒にいただきました。
毎月一回ペースで伺っているのですが、マダムに次の予約をお願いすると最短で3月とのこと・・・
やはりこの美味さで人気大爆発中なんですね。
仕方ありませんが3月が来るのを楽しみに日々過ごしますw
今日もご馳走様でした!!
2023/04/02 更新
2022/10 訪問
[門仲路地裏]の骨太ビストロ 完成度を極めた皿がいただけます
一度伺っただけで虜になった渡辺料理店(わたなべりょうりみせ)に今月もやって来ました。
今晩は、前回伺った際に絶対カウンターでとお願いした席が確保できてワクワクしています。
だってカウンター=シェフズ・テーブルですよ!
こんな幸せなことはなかなかないw
レカンでは渡邊さんの厨房での作業を見ることはもちろん叶いませんでしたから、砂被り席wで食事できるなんて最高です!
先ずは渡辺さんご夫妻(とカレーも担当する田島くん)にご挨拶して、Bott Geylのアルザス メティス2018年をいただきましょう。
ミュスカとリースリング主体の正統派アルザスワインです。
ミネラル感があって香りが高く、酸味と僅かな苦味が特徴的な美味しいワインです。
2018年なのにフレッシュで爽やかな印象です。
では前菜をお願いします。
前回同様散々黒板と睨めっこして漸く決めたのは、豚モモジャンボンハム、マダムお勧めの鮪と帆立と赤海老のタルタル水晶文旦、穴子のフリット根セロリアーモンド添え、オマール海老のビスクリゾットはマイギネスなので今回もお願いするとして、雲丹とずわい蟹のトマトジュレ掛けも行っちゃいましょう!
わあ前菜だけで5皿になっちゃったw
鮪と帆立と赤海老のタルタル水晶文旦が最初のお皿。
水晶文旦は高知産、今が旬の柑橘です。
薄めに切りつけられた鮪の赤身と帆立貝柱、赤海老が美しく重ねられ、上には大量のグリーンリーフが乗せてあって大変美しい一皿です。
タルタルはまろやかな酸味があって魚介と一緒にいただくと大変な美味、一皿目から唸ります。
これ、すごく旨い・・・って渡辺さんなんだから当たり前なんだけど嬉しい。
続いて豚モモのジャンボンハムが目の前できれいにスライスされて出て来ました。
シャルキュトリが塊で置いてあって全部食べたくなりますが、既にアントレを5皿お願いしていてメインはまだですから、見るだけにしておきます。
うーん、カウンター席は途轍もなく楽しいけど、目が欲しがるって奴だw
しっとりと甘味のあるハムは噛み締めると美味さがじわじわと湧いて来て素晴らしい。
塩加減が絶妙で強すぎず弱すぎず、豚肉本来の持ち味を大変上手に引き出しています。
軽く振ってある胡椒が効いていますし、マスタードを使っても味わい深い。
3皿目は穴子のフリット根セロリアーモンド添え。
もう見た目から美味しいです。
カリッと揚がった穴子の下に根セロリとアーモンドを溶いた濃厚なピュレが敷いてあります。
アーモンドの香りを纏った穴子なんて食べたことないかも。
甘塩っぱい旨味を堪能しました。
目の前でだんだん出来上がっていく雲丹とずわい蟹のトマトジュレ掛けが凄く美味そうです。
料理にライブ感覚が加わると立派なエンタテインメントになりますね。
料理の鉄人が人気番組になった理由がわかるような気がします。
雲丹とずわい蟹とカリフラワーをフリール、上からコマ切りトマトを合わせたジュレをかけてカリフラワーの葉も使います。
どんな味がするんだろうと想像しながら調理の様子を眺めるのは楽しくて仕方がありませんw
味わいは素材の組み合わせの妙に感激しただけでなく、その軽さというかクラシカルなフレンチではないビストロ料理に纏まっていて、ポーションも含めて近年のベスト・オブ・ベストでした。
大興奮したままワインがあっという間に空になり、次のボトルをお願いします。
マダムのおすすめはMas Saint–LouisのChâteauneuf-du-Pape 2019とのこと、コート・デュ・ローヌのグルナッシュ主体の赤です。
オマール海老のビスクリゾットがこれから控えていますが、そのあとはメインを選ぶので赤でいきましょう。
お待ちかねのビスクリゾットも目の前で着々と完成に向けて進行中。
リゾットの上に大ぶりなオマール海老がごろごろと乗せられ、ムース状にしたビスクとセルフィーユが散りばめられた極上&P・ボキューズを彷彿とさせる正統派フレンチですが、ポーションがワイルドであくまでビストロ料理と云った佇まい、これが素晴らしい。
オマール海老は食感プリップリ、程良い甘みが感じられる大変良いものをお使いです。
1日に2尾程度しか仕入れないとのことなので、絶対食べたいという人は予約時にお願いしてください。
私は事前にお願いしていますw
この皿はとてもバランスが良いグルナッシュともぴったりで、マダムが勧めてくれた訳がわかりました。
初めは一人で全部食べる気満々だったのですけどwワイフにもお裾分け。
こんなに美味しいものを独占してはいけません。
喜びは2倍にしないとね。
余りに美味くて&ワインとの相性バッチリです。
歓喜と興奮の前菜wが終わって、愈々メイン。
ワイフは初めから蝦夷鹿のローストカシスソースの一択ですが(だって目が♡だし)、この肉を焼きますと目の前でプレゼンを受けてポーションにも納得ですので夫婦でシェアしていただくことにしました。
ということで、飲むほどに旨さを増すエレガントなグルナッシュをいただきながら、目の前で繰り広げられるジビエのローストライブを心行くまで鑑賞しました。
表面を丁寧にフライパンで焼き付けて(バターの香りが堪らない)満遍なく焼き色がついたら、今度は130度の低温でじっくりと焼いていきます。
鹿は脂肪が少ないので高温では焼かないそうですふーん。
渡邊さんの調理風景でワインが一本空いてしまいましたよ。
調理は立派な酒肴ですw
ということでワイン3本目、ドメーヌ・ラファージュのLéaです。
これもグルナッシュですがカリニャンとのブレンドらしく香りがシャープで酸味も感じられ、fraîcheな印象です。
裏ラベルにはLéaは娘さんのお名前と書かれていますね。
ワインに自分の名前を冠してもらえるなんて素敵な話です。
さて、20分ほどじっくりと火を通した蝦夷鹿がオーブンから出されて余熱を入れつつ休ませます。
そして見事な切れ味の包丁でサッと切り、美しいカシスソースをかけて付け添えのポテトを置けば完成。
もうずっと拝見していましたからワクワクが止まりません。
私も目が♡になってしまいましたよw
脂も申し分なく、大変ジューシーで柔らかく、しかも素晴らしい香りに包まれます。
これを至福と言わずして何と言うのだ。
噛み締めるごとに湧き出す旨味に、カシスの柔らかい酸味が絡んで絶品の蝦夷鹿ロースト。
これは蝦夷鹿料理のマイギネスです。
とにかくソースが素晴らしい、まさにグランメゾンの技です。
悶絶と愉悦のメインが終わりましたが、私にはメイン後のお楽しみがあります。
それが埼玉県行田市さきたま古墳古代米カレーたじまっです。
だからメインをシェアしたのさっw
注文すると田島くんの顔が輝き、行田愛で溢れていることがわかります。
一度も行ったことないけど。
前方後円墳の型に詰められた古代米がお皿に置かれ、豚肉のローストと大豆がたっぷりと入ったカレールウが合わさって、庶民的でスパイシーなカレーです。
古代米もしっかり甘味や独特の香りで主張してきます。
ワイフはメイン後にカレーを食べるなんてと呆れていますが、これも作戦ですからw
さて締めのカレーもいただいたので、今度は定番のチーズとマール酒。
フレンチの最大の楽しみは、これだけ美味しいものをいただいたのにdigestifをゆっくり嗜むことでしょうか。
ハイカロリーになることは承知の上、この魅力に抗うことは不可能ですから。
ゴルゴンゾーラとブリア・サヴァランにオリーブ・ペーストとレーズンを合わせて、マール酒をいただくなんて、贅沢の極みですね。
酒呑みはこれくらいが丁度良い贅沢なんですw
最後にフレンチローストの強い珈琲をいただいて本日の渡辺料理店もフィン。
定番の料理をひたすら完成度高く提供してくださる姿勢が大好きです。
フュージョンとか無国籍とかいろいろと混ぜ合わせて訳のわからないお皿になっちゃってる店はたくさんありますけどwオーソドックスな料理を完成度高く作ることの方がよほど難しい。
なんちゃってフレンチに飽きている人は正統派骨太ビストロ料理の実力に圧倒されに来て欲しいなとw
今回はワイン3本空けちゃったのでそれなりの金額になりましたが、レカンで同じことすれば桁が違っちゃいますからwコスパも素晴らしいと思います。
もちろんサービス料なんてもんもないしw
ご馳走様でした!!
次回も絶対カウンター席ですw
2022/12/03 更新
2022/09 訪問
[門前仲町]素晴らしいビストロに出会ってしまいましたっ!
フレンチ好きの友人から、L'ecrin(誰だカレンとか云ってるのw)の渡辺シェフが独立するんだけどレストランじゃなくてビストロ始めるらしい!と聞いたのが今年の春先のこと、夏にはこちらのお店がオープンしたとのことで、どんな店なのか楽しみにしていました。
何と意外なことに門前仲町でのオープンです。
電話で予約をお願いすると、案外あっさり席の確保ができました(これからはわからないけど)。
渡辺さんの料理の数々を目の前で拝見できる訳ですからカウンター席が良かったんですが、今回はテーブル席になりました残念。
ということでワイフと一緒に門前仲町へ。
一時良く通いましたが、最近はご無沙汰しています。
永代通りと大横川の間の一帯に良い店がたくさんあるんですけど、こちらも同じエリアにあります。
大きなガラス張りの入口で店内が通り過ぎる人達によく見える造りです。
幾重もの扉を開けて入るレカンの重厚な造りとはまったく別物ですが、とても親しみやすくて好感が持てます。
店に入って名前を告げると奥のテーブルに案内されました。
満席&満員で皆さんとても楽しそうに食事していますね。
アットホームで活気があって和気藹々、食欲を唆る空気が溢れています。
よ〜し、我々も食べるぞ〜って云う前向きな気持ちになりますね。
もう雰囲気からして昨日の店とは段違い平行棒ですw
ではグラスで泡をもらって、壁に掲げてある黒板メニューを眺めます。
ワイフは初めて来たんだからコースで(8,500円と黒板に書いてある)と主張し、私はコースもà la carteもメニューが決まっているので(それがビストロの良いところだからね)初めてだけどà la carteでと主張。
両者の言い分が平行線を辿り、膠着状態を迎えて長期化の様相を示し始めたところで、渡辺さんの奥様がお好みに合わせてお召し上がりになるほうがきっと楽しいですよとの鶴の一声でà la carteに決定しました。
こう云うケースでワイフが折れるって珍しいw(と記録に留めておこう)
では・・・今度は何をいただくかで議論は更に白熱。
周囲のテーブルを見るとポーションは普通ですから前菜4品くらいにメインをそれぞれ一皿ずつくらいかなと云ったら、そんなに食べられないとワイフが言います。
では前菜はワイフに選んでもらって少なければ私が追加、メインは前菜の後決めることにしました。
なかなか注文に時間がかかる夫婦ですw
コースにも入っていると云うお店一押しの玉蜀黍と雲丹のハーブティジュレは即決まりで、ブーダンノワールもパテ・ド・カンパーニュもジャンボン・ハムももちろん自家製なのでシャルキュトリは盛り合わせにしてもらいました。
ワイフはそれでメインに進むイメージだったようですが、ちょっと待った!
私はオマール海老のビスクリゾットに目が釘付けです。
聞けば本日オマール海老は2尾の入荷のみ、つまり2皿しかない訳ですから食べたいです。
売り切れてないですか?まだありますw\(^o^)/
ということで無事一皿追加完了です。
最初のワインはアルザスのリースリング。
柑橘系のニュアンスとフローラルば味わいで、グレープフルーツのような酸味があり、ミネラル感も十分あります。
結構複雑な味わいですから、温度が変化するとまた違ったニュアンスが楽しめそうなワインです。
ボトルだとスイスイ呑めるしw
最初は玉蜀黍と雲丹のハーブティジュレ。
このハーブティのジュレとウニとの相性が微妙でしたが、焼き焦がして甘香ばしい玉蜀黍がうまくまとめてくれてまずまずの出だし。
ワイフは雲丹にほんの少し入っている明礬が強調されてしまうと評論家のような指摘をカマシておりましたw
続いてシャルキュトリボード登場。
白レバーのムースは大変きめ細やかでクリーミーな口当たり、濃厚で繊細で申し分ありません。
ブーダンノワールも濃厚ですが塩味(しおあじ)は控えめでまろやかな印象。
パテ・ド・カンパーニュは素晴らしい香りと肉の味わいで、マイギネス級の美味さです。
ジャンボン・ハムはとても薄く切り出してあり、口溶けが抜群でこの10倍食べたいです。
つけ添えのピクルスも自家製で上品でシンプルな味わいでした。
テクスチュアは違えど、品の良い味わいがレカンを彷彿とさせます。
大横川を挟んで向こう岸にあるたむらパンの香ばしくて美味しいしっかり味のバゲットをいただいて、待望のオマール海老のビスクリゾットがやってきました。
わぁーお!見るからに美味しそうです!
大ぶりなオマール海老の身がお皿いっぱいに散りばめられて、ビスクがたっぷりと注がれています。
優しい火入れでふっくらと柔らかく、ビスクの旨みをたっぷり吸い込んだリゾットも激ウマです。
はっきりした味わいなのに全く飽きません。
これはお願いして大正解でした。
興奮と感激のw前菜を食べ終わったので、今度はメイン行ってみましょう。
前菜食べながら何にしようか、お互いに頭の片隅で考えていたのでw案外すんなり決まりました。
ワイフはニュージーランド産仔羊のロースト、私はレカンでもお馴染みのマグレ鴨のローストです。
マグレ鴨は偶然じゃない?という意味ではなくて、フォアグラ用に育成した鴨のムネ肉です。
栄養たっぷりに育てた鴨の肉は当然のことながら脂が多くて美味しい筈と選びました。
奥様がこちらのほうがコスパが良くて美味しいと勧めて下さったブルゴーニュのメルキュレ、レ・ボスビュ2017年のビオのピノ・ノワールをゆっくりと飲みつつ、メインの出来上がりを待つのは楽しくて仕方がない。
思わず、これまで行ったフランスのビストロでどこが一番美味かったかという話で盛り上がりましたw
あそこが良かった、ここも良かった、あのメートルが親切だった、あの肉が忘れられない、ここも意外と好きなんて話しているとキリがありません。
こう云うことが次々思い出されるのも、この店の一皿一皿が脳内の記憶を鮮やかに呼び覚ましてくれるからですね。
仔羊のローストとマグレ鴨のローストが同時に出てきました。
ちゃんと調理時間を合わせてくれているんですねありがとうございます。
モロッコインゲンや蓮根のソテーなどがきれいに盛り合わされた美しい仔羊のローストは、肉の脂が理想的な美味さ。
香りも抜群で低温でじっくり焼かれていることがわかります。
マグレ鴨のローストはドフィノワ付きで登場、これは嬉しい誤算ですw
私の好物はお見通しだと言わんばかりのドフィノワは焼きが完璧、焼き締められたチーズがヤヴァい美味さです。
マグレ鴨も脂が赤ワインソースに沁み出していて得も言われぬ味わいを醸し出しています。
マダム・ビュルゴーも素晴らしいですが、マグレも凄い。
しかも火入れが完璧でほぼ生のような(もちろん生じゃないですけど)繊細なローストです。
唸るしかない旨さ、これこそ日本を代表するフレンチの巨匠が作る一皿です。
興奮と感激のwメインが終わり、普段はマール酒とかデセールに大人しく進むんですが、今日は黒板に書いてあるメニューを絶対食べようと思っておりましたよ。
その名は「埼玉県行田市さきたま古墳古代米カレーたじまっ」ですw
ビストロにカレーのメニューがないことはないですけど、ここまで押しのカレーが、しかも個人名入りのカレーがあるのは余程だろうと。
なので、ワイフが前菜を2皿しかオーダーしなくても(追加したけど)あえてスルーしましたw
では田島くん、よろしくね。
しばらくすると田島くん本人が前方後円墳をイメージした型を載せた皿を持ってきてくれます。
ちゃんと行田古代米カレーと把手に刻印されていますね。
徐ろに型をオープンするときれいに古代米がさきたま古墳よろしくお目見えですw
カレールウにはごろごろっと牛肉と豆が入っており、いずれも行田産なんだとか。
田島くんももちろん行田の子らしく、行田愛を熱烈にアピールしていましたよ。
カレーとしては普通に美味しいですが、古代米というのがなかなか良いアクセントです。
門前仲町の超実力派ビストロで行田の古代米カレーをいただくなんて楽しすぎる。
美味しいものをたっぷりいただいて、締めにカレーまで食べて大満足です。
最後にワイフは珈琲、私はマール酒をいただいてフィニート。
早速次回はカウンター席に座らせていただける日を選んで予約です。
こちらには通うことになりそうですね。
これからが楽しみです。
こんなに楽しくて美味しいポジティブな空気に溢れているビストロはラミ亭以外寡聞にして存知ません。
ああ楽しかった・・・
ご馳走様でした!!!
2022/10/09 更新
案外早くやってきた日常の極上シリーズw気がついたら8回目になりました。
今更ですが、今回は渡辺料理店(てんじゃなくてみせと読むんだよ)です。
兎に角、この店の予約が取れるとしばらくテンションが高いまま&来店日が近づくと何食べようかマダムがアップするインスタ観ながら検討するほど好きです。
いつものように門前仲町5番出口から地上に出て、永代通りから大横川方面の路地に入ります。
それにしても永代通りでこの時間(午後6時過ぎです)に客引きがいるなんておかしいよね日本人じゃないですけどちょっとヤヴァい感じがしますw
そして門前仲町は、永代通りより路地裏のほうが圧倒的に楽しい。
実にたくさんの個性的な飲食店が建ち並んでおり、ここも入ってみたいここも良さそうだなといつも軒先を覗きながら歩いていますが、行きは期待で胸いっぱい、帰りはお腹いっぱいwなので滅多に他の店に行くことがありません。
次回はどこかで一杯ひっかけてから渡辺さんの料理をいただきに行きたいものです。
ではいつも通り、渡辺さん、マダム、田島くんに挨拶して・・・あ、新しいスタッフが入ったんですね。
若い男の子が2人、関さんと田中さん、初顔です。
やっぱり人気店は人手不足とは無縁なんだなぁ。
インスタで拝見した「渡辺料理店」で手書きされた細長い提灯も飾ってありました。
なんだか(勝手に)ホーム感持ってますw
Chanpagne Follet-Ramillon Terroirsを片手に、例によって黒板メニューを眺めます。
最近、マダムが毎日の黒板メニューを印刷して手元に持って来てくれるんですけど、それでも黒板メニューを直接凝視するのが好きですw
今日もメニューを見ているだけで垂涎ものの食材が並んでおり、渡辺さんのコンダクティングで美しい料理に仕上がるのが楽しみなものばかり、また夫婦での綱引きが始まります。
で、散々揉めてwメニューを検討すること20分ほど、漸く本日の構成が決まりました。
では本日いただいたものを順にご紹介します。
●ずわい蟹のアボカドムース キャビア乗せ
りんごのピクルスとアクセントにカレーオイルを遇らったアボカドソースの上にずわい蟹の身を解してジュレで固めたもの、さらに粒の大きめなキャビアを乗せた美しい一皿です。
アボカドソースがとても爽やかで軽く、初夏の味わいです。
しかも大粒のキャビアとアボカドが相性抜群でとても驚いたというか意外でした。
ポーションは小さいですが、素晴らしいスターターですね。
●ワイン:Domaine Denizot Sancerre Blanc 2022
1本目はロワール地方サンセールのソーヴィニヨンです。
ミネラル感もあり、ドライな口当たりですが徐々に甘味と酸味が現れて来てちょっと苦味のある桃のような印象です。
わずかに草の香りもあり、爽やかで明るい白ですね。
軽くはないんですが飲みやすいです。
●槍烏賊のティエド アスパラソヴァージュ添え
影包丁が細かく入った槍烏賊のティエド:tièdeです。
ティエドは素材の旨味を引き出すために程よく温度を上げる調理法で、生の烏賊の食感に甘味が同時に味わえます。
たっぷりと盛り付けられたアスパラソバージュが烏賊との相性抜群です。
ピスタッキオにサマートリュフも烏賊の美味さを見事に引き出していますね。
この温度感が最高なんでしょうね。
クレソンの香りが口の中で余韻に・・・完璧な一皿です。
田島くんに昨晩ワイフが田島カレーの夢を見た話wをしてちょっと盛り上がります。
ワイフ曰く、ハーフ古墳wを注文したそうで、古代米でできた古墳が縦に半分になるのか横半分で出てくるのか、楽しみに待っているところで目が覚めちゃったんだとか。
ハーフの注文は受けたことがないと田島くん言ってましたw
●ホワイトアスパラガス オランデーズソース
ボルドー産の超極太ホワイトアスパラガスの登場です。
目の前で見ると本当にエグい太さですw
オランデーズソースに青森産のサーモンを新人君が燻製して乗せてくれました。
ルーコラがふわりと添えられて、ルックスも味わいも完璧です。
アスパラギン酸特有の甘味と旨味が溢れ出して来て、燻製サーモンの塩気と脂が絶妙に絡んできます。
オランデーズソースの乳化の具合も完璧、バターとレモンの香りが食欲をそそります。
前菜にオマール海老のビスクリゾットがマストなので(メインにする人の方が多いんだとかw)、このホワイトアスパラガスはオミットしたのですが、目の前で調理されるとどうしても食べたくなりますよね。
今日も結局前菜4皿になってしまいましたw
●オマール海老のビスクリゾット
目の前で出来上がっていく皿を眺めるのは至福ですが、それが自分の手元に来ると失神しそうなくらい嬉しいw
よくきっとうちの皿だよと言って待ち構えていたら他のテーブルに行ってしまってがっかりすることもあるんですけど、お待たせしましたと渡辺さんが皿をガン見している私の前に置いてくれると、見えない尻尾が千切れんばかりにフリフリしますw
盛り付けを変えたようで、オマール海老の部位をそのまま配置したような盛り付けから、リゾットを中心に円状に配置しています。
もちろん味は変わらずの極上品、確かにメインで食べても良いくらいの押し出しがありますね。
このメニューが登場して以来、ずっと食べ続けている渡辺料理店のアイコンと言って良い一皿です。
●ワイン:Olivier Pithon Calce Laïs 2021
スペインとの国境に近いルシヨン地方のワインです。
実はこのエリアでのワインの生産量がフランス国内No.1なんだそうですよ。
マカブがメインで、グルナッシュグリとグルナッシュブランを使っていると裏に書いてありますね。
フローラル系の華やかな香りで肉にも魚にも合わせやすそうな印象があり、口に含むと柑橘系の味わいで後からミネラルの骨格が徐々に表れて来ます。
ごく僅かな塩味(しおあじね)があるので、畑は海に近いのかもしれません。
骨太な印象のある白ワインです。
Laïsはフランス北部カタロニア地方の牛だそうです。
だからエチケットが牛なんですね。
●甘鯛鱗焼きのブイヤベース
愈々メイン。
最初はグヂ、今日は白ですね。
先ほどから時間をかけてじっくり鱗を立たせて揚げ焼きしていましたから、火入れ完璧です。
敷いてあるソースはブイヤベースとのことですが、数日かけて仕込んでいるそうですから旨味の塊になっています。
添えてあるのは帆立の貝柱のソテーと焼き筍、鱈のブランダードなど、細部まで手を抜かない全てが完璧な皿です。
こんなに美味しいものが日本で東京で門仲で食べられるって本当に幸せ。
つけ添えの大きなクルトンもガーリックバターたっぷり&美味しすぎてそのまま食べちゃいましたw
●ビゴール豚肩ロースのロースト
メインのもう一皿は上州牛のフィレと散々迷って、結局ビゴール豚になりました。
渡辺さんも田島くんも上州牛はいつでもあるんでビゴール豚食べて下さいとのこと、毎回このシチュエーションにハマってまた一度も上州牛のフィレローストを食べたことがありませんw
ローズマリーのガルニチュールに大蒜ロースト、ホワイトアスパラに負けないサイズ感のグリーンアスパラガスを従えて、分厚くカットしたフランスバスクのビゴール豚肩ロースです。
Saint-Jean-de-Luzでビゴール豚をいただきましたが、肉の旨味が強くて脂が甘く、吃驚なことにビゴール豚は’Teriyaki'にすることが多いらしくて日本の醤油が地元のスーパーで普通に売られていたことを思い出します。
ともあれ、肉質がしっかりした肩ロースを噛み締めるとジュワーっと脂が湧いて来て口の中いっぱいに甘味が溢れます。
程よい塩気に豚肉の素晴らしい香り、噛むほどに旨味が溢れ出す感覚です。
やっぱり上州牛は次回以降で正解でしたw
●ワイン:Bourgogne Côtes D'Auxerre Corps de Garde Goisot Guilhem et Jean-Hugues
お馴染みのゴワゾ、ピノ・ノワール100%です。
息子のギレムさんとお父さんのジャン=ユーグさんの名前になってますね。
ピノ・ノワールらしいフランボワーズやサクランボの甘味と酸味、若干スグリのような香りとスパイシーさも持ち合わせていて、ビゴール豚をいただくにはこれ以上ないくらいぴったりです。
舌にピリッと辛味が来るのも素敵です。
●個人的メイン:埼玉行田市さきたま古墳古代米仔羊カレーたじまっ
今日はメインを2皿行っちゃいましたのでかなりお腹は膨れていますが、このカレーは外したことがありませんし、これを食べに来ていることもあり、田島くんのカレーを楽しみに待ちます。
目の前に炊きたての古代米を古墳の型に入れたものが置かれ、準備万端です。
しっかり炊き込まれたドロっとした仔羊肉ゴロゴロのカレーがたっぷり注がれて、いつものようにとても美味しそうな&実際にとても美味しいたじまっの完成です。
お腹いっぱいでもサクサク食べられる、肥満の元のようなw美味しいカレーなんですよ。
●ディジェスティフ:Soligny Single Malt Whisky Aube
なんとフランス産のシングルモルトです。
フランスでウヰスキー造っているなんて考えもしませんでしたので、単純に驚きました。
そう云えば先日インド産のウヰスキー呑んだけどw
プラネットという大麦のモルト100%のウヰスキーで、結構若い印象ですが香りが素晴らしい。
キレがあってフレッシュなので炭酸で割っていただき、ストレートとの違いを楽しみました。
炭酸で割ると甘い香りがとてもよく引き立ちますね。
ストレートだと喉が焼ける感じが若さですが、後10年寝かせたら嘸かし美味しくなるのではと感じさせる甘味とコクがありました。
食後なので、ちびちびとストレートで呑むのがオススメです。
今日もお腹いっぱい&満足感たっぷり&幸福感MAXです。
お会計して店の外に出たら、今日は渡辺さんご夫妻に田島くんだけでなく、新人くんお二人まで見送りに出て来てくれました。
嬉しいけど店内はバックヤードの女性しかいなくて大丈夫でしょうかw
次回は友人が熾烈な予約競争を勝ち抜いて8月で終わりと聞いたランチに伺います!
よろしくお願いします&ご馳走様でした!!!