raccostarさんが投稿したおかめ寿司(千葉/京成船橋)の口コミ詳細

美味いものは小デブに訊け

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おかめ寿司京成船橋、船橋、大神宮下/寿司、海鮮、日本料理

1

  • 夜の点数:4.9

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2024/05 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

【鮨 奈可久】鈴木親方へのレクイエム

金曜日の夜です。

船橋です。

今夜は数年前に【鮨 奈可久】で御名刺をいただいておきながら、なかなかお伺いするチャンスも無く、しばらく記憶の片隅に仕舞い込んできたお店。

それがこちらの【おかめ寿司】さん。

敬愛する【鮨 奈可久】の鈴木親方の元で薫陶を受け、ご実家の暖簾を引き継がれた三代目。
聞けば、もともとは同じ地で魚屋として創業。
当時は成田山新勝寺への参詣客が一休みする宿場町。花街で賑わい、それらのお店に仕出しを提供され、お祖父様の代に【おかめ寿司】として創業されたのだとか。

『先代から引き継ぐ際に、アッシは【鮨 奈可久】に暖簾変えするつもりでしたが、親方に「歴史のある実家の暖簾だもん、大事にしなきゃあ」と諭され、おかめの屋号でひっそりと営んでおりやす』と当代の柴田氏。

その当時の鈴木親方の推薦状の写真を一番最後に掲載しました。ホームページからの無断転載ですが、素敵な内容なのでぜひ皆様にもお読みいただきたく、ご容赦願います。

本題に戻ります。

『そのお話しは鈴木親方からもお聞きしたことが有ります。ご病気で引退されてから久しいけれど、親方はお元気でしょうか?』

『はっ、はい・・・、それが・・・』

ウッ、耳にしたくなかった報せだな、と察した私は、自然と背筋が伸びました。

『今週の火曜日が四十九日でした・・・』

ああっ、しばし固まります。
視界が霞んできた・・・

若くして帝国ホテルの【なか田】の店長を務め、六本木で【鮨 奈可久】の暖簾を掲げられたのが79年のこと。

私が初めてお伺いしたのは確か16年頃でしたが、その時にお出しいただいた″天端と本ミツバの山葵和え”。

これには参りました。
煮物もツメも抜群でしたが、このお皿は別格。今でもその時の感動が蘇ります。

加えて、東向島生まれの気風の良さと鯔背な心意気。カッコよかったなぁ。まさに男伊達。
月一で通っておりましたが、太くて深い男の優しさに、何度救われたことか・・・

同級生だった女将さんも忘れちゃいけません。
世話好きで人懐っこくて、お江戸の下町の町娘さんのような御侠(おきゃん)な香りに、ふぅ〜、癒されたなぁ・・・

それからいくつもの有名店にもお伺いしましたが、私にとっての理想の鮨屋の頂点は、今でも【鮨 奈可久】をおいて他に有りません。

【おかめ寿司】さんのレビューなのに、【鮨 奈可久】の鈴木親方へのレクイエムになりました。

でも、避けては通れない鈴木親方の足跡。
それを感じたのが、柴田親方の蛸の柔らか煮とツメ。

そこには、まごうことなき【鮨 奈可久】の味わいと、在りし日の鈴木親方の笑顔がありました。

さてさてそれでは本題です。
いただいたお皿は以下の通り。
基本はお任せのコースですが、いくつか追加のツマミも含まれております。

ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。

そしてご馳走様でした。


<まとめ>
煮物とツメの美味さに感嘆。
銀座よりも材木町よりも新潟よりも、鈴木親方の味に一番近い、というか、瓜二つ。

生前の鈴木親方に『どのお弟子さんが一番でしたか?』と不躾な質問をした際、ひと通りお三方の素敵な点を話されてから、『呑み込みが一番早かったのは、おかめかな』と、嬉しそうに呟かれたことを思い出しました。

その話を柴田親方に伝えると、『えっ、えっ、有り難うございます』と、一瞬、目が潤みます。
虚空を見つめる親方に『アンタ、良かったわねえ』と女将さん。
『うっうう、うんうんうん』
素敵だなぁ。

『xxxさんにお越しいただけたのも、親方のお導きかもしれませんね』と柴田氏。

そう言えば、とカレンダーから逆算します。
鈴木親方が帰天された日って、ええっ、食べログから予約を入れた日だ・・・!

出来過ぎだけれど、事実は事実。
偶然に導かれたラッコは、自宅から遠いものの、季節ごとに通わせていただきます、ねっ、鈴木さん?

ところでお店の雰囲気ですが、町寿司らしく小上がりがあります。ちょっと賑やかな、と言うか笑い声のデッカい若い三人連れが楽しまれておりました。
そっと親方が近づき、『他のお客様がいらっしゃいますので、トーンを落として・・・』と言い含めます。
少なくなりましたよね、こんな男気のある親方。

<つまみ>
⚫︎煮浅利:愛知
⚫︎鰯・海苔巻き
⚫︎縞鯵:伊豆大島
 ・藁炙り
 ・薬味:辛子、塩
⚫︎ミンク鯨:岩手
 ・尾の身
 ・薬味:浅葱、生姜、醤油
⚫︎泥障烏賊:エンペラのウニ醤油和え
⚫︎真河豚白子:炙り
 ・桜鱒のハラス炙り
 ・桜鱒の皮炙り
 ・シャリ
⚫︎蛸:柔らか煮
⚫︎茶碗蒸し:鹿島灘
 ・煮蛤の出汁鹿島灘
⚫︎蝦蛄:小樽
⚫︎穴子:対馬
⚫︎車海老味噌

<握り>
⚫︎春子鯛:柚子果汁〆
⚫︎泥障烏賊
⚫︎小肌
⚫︎車海老:黄身酢朧
⚫︎漬け:樋長、アイルランド
⚫︎鳥貝:室津
⚫︎中トロ:樋長、アイルランド
⚫︎煮蛤:鹿島灘
⚫︎馬糞ウニ:北方四島
⚫︎干瓢巻き
⚫︎玉子焼き

<お酒>
奈可久の看板の白鷹シャーベット酒は有りません。
あまりにも呑みやすく、千鳥足の船橋女子が増えたため、とか\(//∇//)\

・赤星:中瓶
・柚子サワー
・宝剣:純米、呉
・十四代:本丸、山形
・而今:特別純米、名張
・自然郷:純米吟醸、あらばしり、福島
・鍋島:純米吟醸、佐賀
・楽器正宗:純醸、福島
・宮泉:純米、福島


3.63

  • アイルランドの中トロ。前日の銀座のマグロは粉っぽく身焼けしていたけれど、やはりアイルは美味い。この時期、近海の延縄にこだわる必要は全くありません

  • 車海老の黄身酢朧。トッピングは炊いた海老味噌

  • 岩手産のミンク鯨の尾の身。脂がウンマイ\(//∇//)\

  • ふっくらと仕上がった煮浅利。ビックリポン! 『アッシが若い頃はたくさん取れたんで軍艦にしてたんですが、今はもう船橋沖も全然なんで、これは愛知産です』

  • 真河豚の白子の炙り。シャリとの間には桜鱒のハラスと皮の炙りが\(//∇//)\

  • 縞鯵です。藁で燻したタタキ。薬味は塩と和芥子。薫香に心地良く漂います

  • 縞鯵のタタキのアップ。伊豆大島産です

  • 酢橘サワー

  • 尾の身のアップ

  • 泥障烏賊のエンペラ(耳)のウニ醤油和え。このウニ醤油、一手間も二手間もかかった逸品でした

  • 混ぜ混ぜしていただきます。桜鱒の皮の炙りは無敵(^◇^)

  • 蛸の柔らか煮。思わず奈可久の味を思い出しました

  • 蛤汁の香り漂う茶碗蒸し。煮蛤の出汁を二週間継ぎ足してようやく20人前の完成。従い、毎日揃っているわけでは有りません\(//∇//)\

  • 小樽の蝦蛄。殻ごと炙って、ハサミで殻を切り取ります

  • 小樽の蝦蛄。このツメが鈴木親方の奈可久と瓜二つ

  • 小樽の蝦蛄。子持ちでした

  • 対馬の穴子の炙り

  • 泥障烏賊。振り塩で甘味を引き立てます。この小皿、奈可久と同じ人形町の陶器屋さんです

  • 小肌。〆加減も鈴木親方と瓜二つ

  • 炊いた海老味噌をツマミで所望。お酒が進む進む

  • 室津の鳥貝。前日の銀座のお寿司屋さんより美味しかった\(//∇//)\

  • 鹿島灘の煮蛤。鈴木親方の奈可久の味そのもの

  • 玉子焼き

  • 北方四島の馬糞ウニ

  • 〆の干瓢巻き。やはり奈可久系列の煮物は外せません

  • 赤星で乾杯

  • 福島の銘酒

  • 福島の銘柄

  • 佐賀の銘酒

  • 藤色の暖簾が清々しい

  • 鈴木親方は永遠です\(//∇//)\

2024/05/24 更新

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