abx155さんが投稿した網元の宿 ろくや(千葉/岩井)の口コミ詳細

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網元の宿 ろくや岩井/料理旅館

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  • 夜の点数:4.5

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク -
1回目

2020/07 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

東京では食べることのできない鮮度の鮮魚・活魚(岩井:網元の宿ろくや)

岩井海岸近くにある網元の宿となります。自前の船で地元の小浦湊から毎朝定置網漁に出ており、その日に獲れた魚介類を 提供することを売りにしていて、新鮮な地魚料理を頂ける宿として人気です。

宿はリニューアルしたばかりなので、とても清潔で高級感があります。入館時に体温チェックと、お客さん同士が接近しないように時間差でチェックインさせるなど、感染対策もしっかりされています。

部屋に着いて備品等を確認していると冷蔵庫の中に小さな箱が。専属パティシエ特製のウェルカムスイーツです。温泉宿で起き菓子が洋菓子というのは珍しい。どれも本格的な洋菓子で生チョコパッションフルーツが特に美味しかった。

岩井湯元温泉の源泉を使った6つの貸し切り風呂があり ます。うち2つは半露天。弱アルカリ性の冷鉱泉の泉質はなかなか良好でした。そうこうしているうちに夕食の時間です。豪快グルメプランというコースで予約しました。

〇文月献立
・先付:薯養羹(山芋と昆布だしを合わせてゼラチンでまとめた料理)
     生ウニ、順才、オクラ、ラディッシュ
    黒ムツ唐揚げ
     打ち野菜、赤紫蘇の若芽、番茶吸地
    海老焼霜(直火であぶった後に冷やす料理法)
     ミニトマト、きぬさや、紫玉葱、酢橘、吸酢ジュレ、黄身酢ソース
    焼穴子寿司
     焼海苔、イクラ、芽ネギ
・主菜:地魚大量船盛り
・台の物:鮑踊り焼き
・八寸:ミニ冷やし鉢 夏鴨ロースト、地野菜、利休あん(胡麻あん)
    地野菜 山形だし風仕立
    姫栄螺甘煮 新丸十レモン煮
    鰆幽庵焼 酢取り茗荷
・油物:玉蜀黍(なんばんきび:トウモロコシ)と枝豆の掻き揚げ レモン塩
・鉢肴:鮪の兜焼き
・煮物替り:丸六石焼鍋
・御飯:とろろご飯
・デザート:パティシエ特製デザート

テーブルの上に箸置きだけある状態からスタートして、食べるスピードに合わせて一品一品出してくれるのが嬉しい。この宿はそんなに宿泊費は高くないのですが、さながら高級旅館や料亭のような配膳の仕方です。
まずは先付。 海老、生ウニ、黒ムツ、焼き穴子の料理です。今晩の料理は海鮮懐石ですよ、という宣言のような先付です。

続いて主菜。豪快な船盛りが来ました。仲居さんより、赤身や青魚などは醤油で、白身魚はポン酢で、脂の乗ったブリなどは塩で食べるように案内されます。
船盛りは、見た目が凄いだけでなくどの刺身も新鮮そのものです。
メインとなるのはマゴチ。マゴチは見た目はアレですが、東京湾の沿岸部でよく獲れる夏のフグとも呼ばれる高級の低魚です。刺身は一切れ一切れが大きくて分厚く、淡泊でもちっとした食感で甘く、とても美味しい。船上で活〆され、適切な温度管理をした上でその日のうちに食べないとなかなかこの食感と味にはなりません。こんなに美味しいマゴチの刺身は初めて。活〆されたマゴチは活魚として市場で高値で取引されます。ですのでこのボリュームを東京で食べようとすると相当な金額になるはず。
アジも鮮度が抜群です。尾ひれが黄色なので東京湾の金アジです。刺身は半身が2枚。つまり一匹分が2切れです。これにはびっくり。さらに刺身は透明感があってピンク色で、持ち上げてみると身がとても柔らかい。揺らすと抵抗がなくプルンプルンと揺れます。どうやら活〆されて死後硬直が始まっていないものを捌いた刺身のようです。食べてみるとアジの旨味よりも刺身の瑞々しさが勝っていて未体験ゾーンのアジ刺でした。こちらも普通に考えると都市部のお店で市場経由で入手した魚では味わえない鮮度です。
その他、サザエはコリコリだし、伊勢海老は房州産らしくトロっと甘く、ブリはハラスの部分の一番脂が乗っているブリトロの部位でもはや脂の塊で美味。黒ムツはさっぱりしていて、炙り梅雨イサキは信じられないほど分厚くカットされていて大変美味。炙りサワラもあっさりした中に旨味がしっかりあり美味。地ダコは新鮮なせいでクニクニしています。

仲居さんに聞いてみるとこの宿は自前の漁船で毎日漁をするだけでなく、近隣の岩井漁港や富岡漁港の入札件を持っていて、漁港から直接鮮魚を入手しているそうです。宿泊客に超新鮮な魚を提供する体制は万全です。
東京においても、中央卸売市場を通さないで漁港の入札に参加できる買参権を持つチェーン居酒屋は存在しますが、輸送コストがかかるのか、中央卸売市場又はお店近くの市場から買うよりも割高になるようです。
その点、この宿は、小さな漁港が連なる千葉内房の近隣の漁港から直接魚を入手することにより、その日の一番いい状態の魚を的価で直接入手しているものと思われます。
この鮮魚・活魚の入手システムは、東京のお店では実行不可能です。よって、この旅館で出てくる魚は、東京では食べることの出来ない魚ということになります。
なお、魚の鮮度の良さとネタの良さは別物です。魚は数日熟成したほうが味がよくなる場合が往々にしてありますし、そういう魚は、目利きの確かな仲卸を通じて中央卸売市場や各地の市場から上物を高価で入手したほうが、食べる側のお客としては満足度が高くなります。それを行っているのがいわゆる高級寿司店や料亭。ネタは素晴らしく美味しい。しかし水揚げされたてで新鮮という感じではないのは水揚げから時間が経っているからです。
どちらにも良さがあります。生鮮魚介類の世界は奥深いです。

続いて台の物。鮑の踊り焼きです。網で焼かずに陶板で焼くスタイル。こちらは火を入れる前からクニクニと動いていて生きのいい上物です。通常の踊り焼きとは異なり、身を下にしているため、焼かれる段階で鮑が大きく暴れます。180度回転しながら熱から逃れようとする鮑。可哀想なので蓋をします。数分後に蓋を開けてナイフで切って食べると、これが驚くほど柔らかく、濃厚な味わいです。こんな鮑を食べるのは初めてです。鮑のキモは珍味ですが、緑色でした。緑色だとメス、クリーム色だとオスということです。

続いて八寸。2度目のサザエは甘煮で登場。夏鴨ローストが久しぶりの肉料理。どれも丁寧に作られていて満足です。
続いて油物。トウモロコシと枝豆の掻き揚げ。揚げ立てではないもののアツアツでの提供が嬉しい。

続いて鉢肴。鮪の兜焼きです。これにはびっくり。オーブンで3時間焼いて出しているそうです。どうやって食べるのか仲居さんに聞くとある程度解体してもらえました。頭の部分の肉と目の周りのコラーゲンが食べられるそうです。仲居さんにどこから入手しているのか聞いたところ、銚子のマグロ漁師さんとのこと。流石です。鮪の頭ってそんな入手ルートがあるのか、と驚き。

続いて煮物替り。丸六石焼鍋です。簡単に言えば味噌汁ですが、大きな丸い石による石焼で一気に加熱する様子が圧巻です。
とろろご飯を食べ終えるとデザートです。デザートは3種類から選べます。一番人気という白桃コンポート&シャーベット~マスカットジュレ添え、を頂きます。専属パティシエの腕も確かなようです。さわやかなシャーベットが美味しかった。

かなり満腹になりました。お腹一杯でしばらく動けませんでした。

この宿は朝食も手を抜きません。朝食を手を抜かない宿はいい宿という、自分の中の法則があります。

〇朝食献立
・籠盛:小松菜と油揚げの浸し、烏賊沖漬け 柚子、薇(ぜんまい)巻き南瓜の炊き合わせ、焼き蒲鉾 わさび漬け、浅利佃煮、香の物、出汁巻き玉子 海苔餡、しらすおろし、鮪ぶつ 叩き長芋 山葵、サラダ 彩り野菜
納豆、生卵、富津産味付け海苔が付いてくるので、生卵と焼き海苔でご飯を頂きました。
・台の物 出来立て豆腐
・焼魚
・お味噌汁
・デザート ほんわかプリン

籠盛はどれも美味しく素晴らしいです。
メインの焼魚は前日の夕食時に6種類の魚から選べるので金目鯛にしました。籠盛を食べ終える頃に焼きたての状態で配膳されるのが嬉しい。お味噌汁には昨日夜の船盛にあった伊勢海老が入っていました。オレンジジュースは新鮮だしプリンは甘くて美味しかった。

食事は総じて、文句の付けようのない料理でした。特に自慢の船盛の鮮魚は、東京では高級寿司店や料亭でいくらお金を出しても食べられない鮮度の良さでした。これだけ上質の食事と良質な温泉が付いて宿泊料金は約18000円/人とはちょっと信じられないコスパです。リピーターが多く、なかなか予約が取れない理由が分かりました。自分もリピートするかも。

ごちそうさまでした。お世話になりました。

  • エントランス近く

  • フロント

  • ラウンジ

  • 館内の生け花

  • 館内の生け花

  • 専属パティシエ特製のウェルカムスイーツ

  • 開封:お品書きがありました。

  • ウェルカムスイーツはどれも美味しかった。

  • 泉質表:弱アルカリ性の冷鉱泉です。

  • 夕食スタート前

  • 文月献立表

  • 先付

  • 主菜:地魚大量船盛り

  • 地魚大量船盛り:マゴチ姿造り

  • 地魚大量船盛り:金アジ姿造り

  • 地魚大量船盛り:金アジアップ

  • 地魚大量船盛り:伊勢海老

  • 地魚大量船盛り:サザエ

  • 地魚大量船盛り中央部:左からブリ、スズキ、炙りイサキ、黒ムツ、メジマグロ、地タコ、アジ、炙りサワラ、メダイ

  • 脂の多いブリトロは塩で頂きます。

  • 台の物:鮑踊り焼き

  • 180度回転しながら熱を逃れようとする鮑(動画からのキャプチュアなので画質が悪いです)

  • 苦しそう

  • 苦しそう

  • 苦しそう

  • 焼き上がりました

  • お皿に移して

  • ナイフでカットして頂きます。驚くほど柔らかく、濃厚な味わいです。こんな鮑を食べるのは初めて。

  • 珍味の鮑のキモは緑なのでメスでした。

  • 八寸

  • 油物:トウモロコシと枝豆の掻き揚げ

  • 鉢肴:鮪の兜焼きドーン

  • 仲居さんが解体してくれます。

  • 煮物替り:丸六石焼鍋

  • 焼き終えました。

  • お皿に移して頂きます。

  • 御飯:とろろご飯

  • デザート:白桃コンポート&シャーベット~マスカットジュレ添え

  • 朝焼けの岩井の町と山並み

  • 朝焼けの岩井の町と山並み

  • 朝食献立表

  • 籠盛

  • 台の物 出来立て豆腐

  • 出来立て豆腐用の醤油、ポン酢、薬味

  • 納豆、生卵、富津産味付け海苔

  • 伊勢海老入りお味噌汁

  • 朝食メインの金目鯛干物

2020/08/04 更新

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