2回
2018/01 訪問
【1498】石田
北九州市は石田にある超人気のラーメン屋。
北九州歴の浅い僕。わたくしごとながら、他所から北九州に引っ越す前から、いつの日かの訪問が楽しみだった店の中うちのひとつ。待望の味は、勝手に高く設定したハードルを軽々と飛び越えた。
濃厚ラーメンと屋台ラーメンの2種があるが、濃厚ラーメンは脂やタレの濃さではなく、あくまでベースのトンコツスープの濃密さが高め。ただひたすらに「旨い」しワイルドさももちろんあるのだが、隠せない気品が店主の匠のウデを物語る。
屋台ラーメンは、優しくミルキーな味わいで、どこか小倉ラーメンたる珍竜軒をも彷彿とさせるもの。どちらが好みかは別れるだろうし僕の周囲には屋台ラーメン最高と言う人も珍しくないが、僕は圧倒的に濃厚ラーメン派。
チャーシューも、出汁ガラのようなものが多く見られる北九州にしては珍しく旨味が抜けていないしっかりと作られたものでこれまた好感。
僕が好みの北九州界隈のラーメンでは、洗練された「金田家」とも、野趣あふれる「ラーメン工房 龍」とも、昔ながらのラーメンをとことん極めた「らーめん力」とも毛色は違うが、それらと同じレベルにある、まぎれもない名店。言葉で語るなら、「力強いんだけど気品を感じる」、クラシックの技術を身に着けたロックミュージシャン、という感じか。
他の方の口コミを見ると以前よりさらに進化した、と書かれているのが散見されるが僕はどうやらどことん進化したあとに初訪問したようで、最初の一口からもう白旗を上げたのを記憶している。
何を食べても旨い店ながら唯一チャーハンだけは普通と感じたが、一つくらい普通なところがあっても、かえって魅力に思えてくる。
ラーメンには脱帽したし、人気をみても「僕の好み」などという次元ではない押しも押されもせぬ名店だろうが、接客についても相当に良い。有名店にありがちな態度は微塵もなく、誰がいつ行っても心温まる接客が受けられるのもポイント高し。
これだけ接客がよければ平凡なラーメンであっても応援するが、出てくるラーメンがまた最高だなんて、これ以上なにを望めば良いのだろうか。
2018/03/10 更新
ラーメンは以前に書いたから「再訪しましたよ」という報告にとどめ、今回はつけ麺を。のれん分けというか系列の「おがた家」はダシがちと甘かったが、あそこまでではないのはブレなのか仕様の違いか。いずれにせよこちらのほうが圧倒的好み。麺も旨いがトンコツラーメン用の麺に近い仕様で、ここは思い切って関東に倣ってもよいのではないかと思った。製麺所への義理もあるかもしれないが、製麺師でも雇って自家製麺に舵を切ったら無敵なのになぁと、マニアの端くれとしては思ってしまう。