【大阪】庶民の街・生野区に息づくネパール【ダルバート】

【大阪】庶民の街・生野区に息づくネパール【ダルバート】

大阪市の東部にある庶民の街・生野区には、多くの外国人が居住し、さまざまな文化が交錯しています。そんな生野区で味わえるインド・ネパール料理をピックアップしました。バスや自転車に乗って、気軽に異文化体験してみませんか。

更新日:2024/06/03 (2019/05/17作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる65の口コミを参考にまとめました。

いろいろな食文化が交錯する街

 大阪市の東南部に位置する生野区は、西端が大阪環状線の鶴橋・寺田町間、北端が近鉄奈良線の鶴橋・布施間によって区切られたエリアに、小規模な住宅や商店が立ち並ぶ庶民的な街です。
 多くの「渡来人」がこの地にやってきた古代・仁徳天皇の時代、渡来人たちがブタ(猪)を飼っていたことからこの地域を「猪飼野(いかいの)」と呼ぶようにり、それが現在の生野に転化したものとされています。
 さまざまな歴史的な経緯から、日本最大規模のコリアンタウンを形成するなど、韓国人をはじめ多くの外国人が居住し、多彩な文化が交錯。インド・ネパール系の外国人も多くなってきており、彼らが作りだす本場のカレーを気軽に味わえるようになってきました。
 下の写真は大阪でのスパイスカレーブームの草分けで、このほど惜しまれつつ閉店した「カレーちゃん家」のカレーです。(カレーちゃん家は滋賀県に移転)

オアシスカフェ 桃谷店

オアシスカフェ 桃谷店

 JR大阪環状線・桃谷駅を出て、桃谷商店街を東へまっすぐ5分ぐらい歩いた最深部、疎開道路に至る手前あたりにあるネパール料理のお店です。
 店内は4人掛けのテーブル席が6卓ほど、掘りごたつ式のこ上がりが20席ぐらいのやや大きめの造りです。

巨大絵画が見ものの絶品ダルカレー

オアシスカフェ 桃谷店

 ネパールの国民食「ダルバート」(1,200円)は、4区画に仕切られたステンレスの器で出てきます。、手前にたっぷりのライスがもられ、アチャールが添えられています。
 奥の左はダル、中央がマトンのカレー、右が野菜カレーとなっています。ダルを一口啜ってみると、レンズ豆が主体のさらっとしたテクスチャー。豆の甘みに抑制的なスパイスの香味が掛け合わさってスパイシーながら優しい味わいです。

オアシスカフェ 桃谷店

 カレーにはマトンがたっぷりで、マトン特有の旨みがありつつ、独特の臭みはスパイスで見事に打ち消されています。これは旨い。
 ライスはバスマティではないが、長粒種がブレンドされていて、適度な粘りを持ちつつ淡泊な風合い。ネパールカレーには最適かもしれない。ダルやカレー、アチャールをぐちゃぐちゃに混ぜていただくと様々な風味が口いっぱいに広がります。

ナマステマリカ

ナマステマリカ

 いまざとライナーの大池橋BS下車すぐ。今里筋と勝山通りが交わる大池橋交差点の北東側にあるインド・ネパール料理店のお店です。
 店内は7卓のテーブル席のみ、全部で30席足らずです。ネパールの風景写真や織物、置物などの装飾が施され、エスニックっぽい雰囲気です。

スパイシーさが際立つダルバート

ナマステマリカ

 「ダルバートセット」(1,200円)は、ステンレス製のターリ皿で出てきます。「ダル」は金属の器に装われ、クリームで星形に飾られています。アチャールは陶器の器、「バート」は平皿にたっぷり盛られています。
 軽い仕上がりのダルは、クミン等によるスパイス感と豆の甘みが際立ちます。挽き割りのひよこ豆が溶け込んで、最初は甘いが、後から辛さがやってきます。

ナマステマリカ

 タルカリはジャガイモ、大根、タマネギがゴロゴロと器に盛られています。こちらもスパイシーな仕上がりだが、野菜の味が活きてます。
 ライスは普通の白飯だが量が大盛なので、最後のほうはもうお腹がはちきれそうになります。

ハーブスパイスキッチン 生野店

ハーブスパイスキッチン 生野店

 地下鉄千日前線・北巽駅から勝山通を東に少し進んだところにあるインド料理のお店です。
 店内には18席のテーブル席と5席ほどのカウンター席、それとインド料理店には珍しい小上りがあります。

ハーブスパイスキッチン 生野店

 濃い茶褐色のダルカレーは、最初に直線的な辛さが襲ってくるが、その後にじんわりスパイスの香味とレンズ豆のほのかな甘みが広がります。ねっとりとした食感が特徴的です。

ハーブスパイスキッチン 生野店

 チキンティッカもマライティッカもかなり大ぶり。ともに充分ジューシーだが、スパイシーなチキンティッカに対して、マライティッカはクリーミーでマイルドな味わいです。
 ナンはかなり大きめで、モチモチ感が強くほんのり甘め。ライスはジャポニカ米だがビリヤニのような風合いになっています。

アヌラジャ

アヌラジャ

 JR大阪環状線の寺田町駅から国道25号線を東へ、生野本通商店街に入ってまっすぐ進み、疎開道路を越えてさらに進んだ生野銀座商店街にある、インド・ネパール料理のお店です。
 店内は狭めでテーブル席ばかりの20席ほど、各席の間にはスクリーンが設置されていてやや圧迫感があるが、これもご時世、仕方のないところです。

甘くて辛いチキンカレー

アヌラジャ

 カレー1種(チキン・キーマからのチョイス)にスープ、サラダの付いた「サービスセット」(1,180円)は、銀色の丸い大きなトレイにチキンカレーの満たされたやや大きめの器が乗り、巨大なナンがはみ出しながら横たわっています。
 ナンは大判サイズで、ギーも甘さ控えめのあっさりとした風合いです。これだけ大きいと食べても食べてもなくならない。

アヌラジャ

 淡褐色のチキンカレーはドロッとした風合いで、鶏肉がたっぷり浮かんでいます。ソースをスプーンで口に含むと、甘さが一気に広がるとともに、その後じわじわ辛さがやってきます。
 これはいわゆるバターチキンですね。甘さと辛さが共存するカレーは大阪人の大好物。辛口でお願いしてたのだがそれほどでもないので、これだと激辛でもよかったかもしれません。

ブッダキッチン

ブッダキッチン

 大阪環状線・寺田町駅の北口から北東方向へ歩いて10分ほど、府立桃谷高校近くのいわゆる「疎開道路」沿いあるインド・ネパール料理のお店です。
 やや狭い店内は4人掛けのテーブル席が6卓の全24席。テーブルの間隔が狭めで、しかも感染対策のビニールがぶら下がっているのでかなり窮屈。

ボリウム感のあるダルバート

ブッダキッチン

 「ダルバート」(1,350円)は、ステンレスの丸皿の中心にたっぷりのライスが盛られ、その周囲にダルとチキンカレー、アチャール、パパド、ポテトフライが並びます。
 ダルとチキンカレーはステンレスの小鉢に満たされていて、チキンカレーはチキンがたっぷり入っていて食べ応えがある。

ブッダキッチン

 ダルはドロッとした仕上がりで、豆の形は残っていません。甘みのある優しい味わいながら、クミンのスパイスの風味が光ります。
 アチャールはジャガイモとキャベツが主体でシャキシャキした食感が特徴的、野菜の味が活きてます。ライスはジャポニカの白米とバスマティーライスのブレンド。カレーとの相性は馬群です。

インドネパールレストランアシカ

インドネパールレストランアシカ

 大阪メトロ千日前線・南巽駅と北巽駅の中間ぐらい、内環状線の「巽東2」交差点を西に入ってすぐのところにあるインド・ネパール料理のお店です。
 ネパール風の装飾を施された店内は、テーブル席と3席ほどのカウンター席の30席ほど。2人のインド・ネパール系のスタッフでランチ営業をされているようです。

ボリウムに圧倒されるダルバート

インドネパールレストランアシカ

 「ネパリカナセット」(1,550円税別)はまさしくダルバート。ステンレスのターリ皿の上に並ぶのは大きめのステンレスの器にダルが、小さい器にドライチキンカレー、アルコアチャール。そしてたっぷりのライスが盛られています。
 ダルはドロッとした風合いで、辛口でお願いしたので直線的な辛みが来るが、豆の甘さがじんわり浮き出てきて旨みが際立ちます。豆はレンズ豆や赤インゲンなどのミックスかな?ほぼ豆の形が失われ、スパイスの香味が光ります。

インドネパールレストランアシカ

 ドライチキンカレーは鶏肉のカレー炒めという感じで、香り高い仕上り。アルコアチャールはジャガイモと胡瓜のサラダ風。アチャールながら酸味がまろやかであっさり美味しい。
 ライスはジャポニカで粘りのあるタイプ。ボリウムたっぷりで食べても食べても全然減らない。

JHARANA

JHARANA

 JR大阪環状線・桃谷駅から桃谷商店街を東に3分ほど歩き、猫間川筋を北に少し進んだところ。桃谷公園の手前のところにあるネパール料理のお店です。
 ネパール風の装飾がなされた店内は、2人掛け、4人掛けのテーブル席からなる全22席。天井を青く塗っているのが印象的。

ダイナミックな仕様のダルバート

JHARANA

 「ネパールセット」(800円)はまさしく「ダルバート」。ステンレスのターリ皿の中心にたっぷりのライスが盛られ、その周囲にダル・チキン。マトンのカレー、サグ、パパド、生のキュウリ・ニンジンが並びます。
 ダルはドロッとした仕上がりで、豆の形はほぼ残っていません。甘みのある優しい味わいです。

JHARANA

 チキンカレーは大ぶりな鶏肉が沈んでいます。マイルドな刺激の中、鶏の旨みが引き出されています。マトンは羊肉独特の風味をスパイスが効果的に引き締めている。こちらもマイルドな辛さです。
 ライスはジャポニカとバスマティーのブレンドで、適度にパラパラしています。カレーとサグをぐちゃぐちゃに混ぜると、一口一口が違った味わいになって、複雑怪奇な美味しさがあります。これぞダルバートの醍醐味です。

PUJA

PUJA

 地下鉄千日前線・南巽駅の3号出口からすぐ近く、内環状線から西方向に少し入ったところにあるお店です。
 タルチョーのたなびくやや狭小の店内は、キッチンに面したカウンター席とその奥のテーブル席からなる10数席。階段があるので、上階にも席があるようです。

甘くて辛いカレーは大阪人好み

PUJA

 「デラックスランチ」(1050円)は、ステンレスのターリ皿に2種のカレーが並び、その奥に大ぶりのナンが横たわっています。そしてナンの上にはパパドとライスの小皿が乗っています。
 ナンは大きめでギーがたっぷり塗られています。周囲はパリッと、内側はモチモチに焼かれています。ほんのり甘いナンはこの近辺のインネパ店の中では上位の質感です。

PUJA

 褐色のカレーがチキン・インゲンで、赤褐色のカレーがキーマですね。それぞれドロッとした風合いで、辛口だけにピーキーな刺激があるが、それを追っかけて玉ねぎの甘みがやってきます。
 甘くて辛いカレーは大阪人の好むタイプ。特にチキン・インゲンが気に入りました。

NAMASTE OSAKA Indian and Nepali Restaurant

NAMASTE OSAKA Indian and Nepali Restaurant

 JR大和路線・東部市場前駅から今里筋を北方向に3分ほど歩いたところ。大阪シティバス田島六丁目BS近くにあるお店です。
 店内は4人掛けのテーブル席が6卓程が並ぶ20数席。厨房に面したカウンターにはインドやアジアの食材がずらっと並んでいて、食品販売店も兼ねているようです。

本格的なダルバートで大満足

NAMASTE OSAKA Indian and Nepali Restaurant

 「マトンカレーセット」(1099円)は、ステンレスのターリ皿の中央にバスマティライスが盛られ、その周りに各種の副菜と、金属の器に盛られたマトンのカレーが並びます。
 これはまさしくダルバート。

NAMASTE OSAKA Indian and Nepali Restaurant

 マトンのカレーは直線的な辛さとともにお肉の旨みがあります。羊肉は一部骨付きで身がたっぷりです。
 カレーとマトンの相性の良さを実感します。

NAMASTE OSAKA Indian and Nepali Restaurant

 ダルは遅れて別の器に盛られます。黒っぽい色合いでサラサラの風合い。
 スプーンを淹れるとそこに砕けた豆が沈んでいました。控えめな塩加減で素材の風味が活かしています。

※本記事は、2024/06/03に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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