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夜の点数:4.9
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¥50,000~¥59,999 / 1人
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料理・味 4.9
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|サービス 4.7
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|雰囲気 4.9
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|CP 4.2
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|酒・ドリンク 4.5
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[ 料理・味4.9
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| サービス4.7
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| 雰囲気4.9
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| CP4.2
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| 酒・ドリンク4.5 ]
料理を通じて得る日本文化とその世界観◆飯田
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個室にて
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掛け軸
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ゆく年
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くる年
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店名入りブラケット照明
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表に待ち猫
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2024/01/26 更新
<The Tabelog Award 2024 Gold受賞、おめでとうございます>
京都府京都市中京区姉小路富小路西入ル南側、飯田。
茶懐石が礎の食事を通して四季や日本文化、美術を感じられる貴重な食体験が出来る。
2010年開店。予約困難店は会員制へ。ミシュランの三ツ星を返上されている。
10席(カウンター6席、座敷4席)。禁煙。カード不可。
阪急烏丸駅下車徒歩10分。
営業時間18:00~20:00。不定休。
京都市役所駅から歩いて程近い閑静な小路。
元々は茶道具屋だったと聞く、昭和初期に建てられたという風情漂う建物。
玄関を上がると、掘りごたつ式のカウンター座席と坪庭。
廊下を伝って、その奥に4名個室の座敷のテーブル席。
ご縁をいただいて、その座敷に案内いただきました。
大阪出身の明るく楽しい女将。
場が和みとても良い感じです。
滑舌よく通る声での説明はとても聞きやすい。
席には折敷に杉箸。朱塗りの盃。
演出に箸置きがあり印象的です。
最初に紫蘇の香煎茶。
店からの一献。盃を持ち女将から。
供されたのは、初亀醸造(静岡)の辛2(からから)べっぴん。
店に用意のある炭酸系は、ペリエとビールとシャンパーニュ。
ルイナール ブラン・ド・ブランのハーフをいただきます。
RUINART BLANC DE BLANCS。ルイナールを代表するシャンパーニュ。
100%シャルドネのみから造られたブラン・ド・ブラン。滑らかでバランスのとれた味わい。
繊細で長く続くパールのような泡立ちとともに、ブリオッシュやローストアーモンドなどの芳醇な香り…
アートシーンには欠かせないシャンパーニュとして確固たる地位。
京都の店では多く見かける印象。
先付。
丸穴子の焼き霜。味だけでなく香りもいただく。吉野おろし水菜巻添え。
器は魯山人の割り山椒、口があまり開いていないころんとした珍しい形。
お椀。
うずらの叩き寄せ。針人参、軸連草、柚子の皮の彩りが爽やか。
もち銀杏を団子状にして焼き上げたものは、ねっとりとした食感。
見た目も繊細で美しく、お出汁が美味しい…
利尻昆布と手削り本枯節の一番出汁、旨味が凝縮され香りが格段に違います。
器は大正時代の輪島塗。器だけでも秋を感じられる豪華で美しい紅葉の蒔絵。
向付。
愛媛県八幡浜一本釣り白甘鯛のお造り。
北海道の海胆、有明の炙り海苔、土佐酢を使った菊酢漬、安曇野産の山葵、白甘鯛の鱗揚げ。
日本一とも言われる白甘鯛。炙り海苔を醤油がわりにつけて。
器は珍しい大樋焼の乾山写し。
器と料理で完成された日本の美。盛り付けや素材の旨味が相乗し感激。
御凌ぎ。
鯖寿司二貫。京番茶で燻製にして炙り。間に茗荷の酢漬けで食感にもアクセント。
器は魯山人の備前の平皿。この器欲しい…!一体幾らなんでしょう。
強肴。
器の蓋を開けると声が上がります。
ふわふわと山になっているのは、丹波産の寝かせ栗を削ったもの。
とんぶり蒸し。丹波産のつくね芋、明石の鰆と唐墨。山葵。
唐墨が良い仕事をしているのでと、出汁餡を合わせ全体をバランス良く掬うことを勧められました。
緻密な計算を重ねて仕上がったであろう料理。
器は独特の間を感じる魯山人の鼠志野。匙は島根漆器の欅。
日本酒をいただきます。猪口選びが楽しい。
玉泉堂酒造(岐阜)の醴泉。
撥ね搾り、純米大吟醸。酒米、東条産山田錦。精米35%。
醴泉シリーズの最高峰の酒を目指して醸した醴泉 正宗。
純米大吟醸の初垂れと責めの部分を瓶詰めに。年に一度の数量限定商品。
上品な香りの中にしっかりとした味わいのある酒。
焼物。
笹鰈。店で半干しした炭火焼きと骨煎餅。身には好みで酢橘。
通称、座布団と言われる大サイズの鰈は肉厚。旨味が凄い。
ポリポリの骨煎餅でお酒も進む。
器は呉須赤絵。
日本酒すすんでます。
磯自慢酒造(静岡)の磯自慢。
希少な特A地区産の愛山を使用したグラッパボトルシリーズ。
大吟醸愛山グラッパエメラルドボトル。
酒米、特A地区吉川特等希少米 愛山100%。精米歩合50%。
米の持つ力を引き出した豊穣たる酒。
重厚な味わい。キレの良さも併せ持つ愛山の特徴が最大限に引き出されてます。
スマートなボトルデザインは、テーブルに映えます。
進肴。
小皿三品。
北海道仙鳳趾の牡蠣揚げ。実山椒醤油で。
器は葉皿。楽焼の旦入。
菱蟹内子の塩辛和え。千長芋と。
器は古染付。中国明末のもので食べ終わると鹿の絵が出て来ました。
胡麻和え。柿、胡瓜、人参、揚げ麩。繊細な品。カボスをくり抜いた皮器に。
器は備前の小皿。江戸時代のもの。その上に懐紙を置いてカボスが乗る形で。
炊き合わせ。
富田林のほくほく海老芋と金沢の源助大根の炊き合わせ。
上に京都の京菊菜。お出汁の淡い美味引き立つ。
器は初代須田菁華の赤絵金彩。
日本酒がすすんで…
和らぎ水もすすんで… 水差しもオールドバカラ。選べる猪口も骨董中心。
齊藤酒造(京都)の英勲。
昼ははしたてで英勲の中取り原酒をいただきました。
夜はこちらで純米大吟醸一吟。
酒米、山田錦。精米歩合35%。伏見七井の名水を用いた京都伏見の酒。
英勲の酒造りの情熱と最高の技術で醸した、国内外で多数の受賞歴を誇る究極の純米大吟醸酒。
口当たりは優しく味わい深く、淡麗でフルーティーな吟醸香。優雅で上品な味わい。
食事。
ほうじ茶が用意され、個室に女将と土鍋が登場。
炊き立ての米は、長野佐藤の良食味コシヒカリ。
量の確認あり。おかわりも、と。ツヤツヤの煮えばな。
味噌汁、品の良い5品の香の物。ちりめんじゃこ。
土鍋は信楽焼き、中川一辺陶の弟さんの焼かれたもの。
飯椀は永樂即全の麦藁手茶碗。
水菓子。
奈良の熟し代白柿。ブランデーゼリーを乗せて。きな粉で。
程よく冷えた平皿での提供。
茶菓子。
小盆に懐紙と塗りの匙。その上に蓋のついた碗。
丹波栗の亀山と白玉。
しるこ状の栗に柔らかな白玉二つ。
そして、お薄。
器は樂茶碗。裏に千家十職の茶碗師の樂が入ったもの。
余韻の会話も楽しく、店と同席の皆さまに感謝。
お酒が入って3万円台の価格帯。
私は泡飲みなので少し上がります。
最後に店主、飯田さんが部屋に。
ご夫婦で表まで送って下さいます。
帰る際に名残おしくなる、居心地のよい空間でした。
名品と料理が一体となって、目の前に出された瞬間その場の空気が変わる。
この経験は大阪の本湖月以来です。
縁や運を越えたところにある出会い。正にそんな感じ。
凛とした独特の空気感の中に満たされた寛ぎ。
深い真心や、店を構成する悠久の日本美学に触れることが出来ました。