行列のできるさんのマイ★ベストレストラン 2010

きっと明日いいことが。

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行列のできる (70代以上・千葉県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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またまたベストレストランを選ぶ季節になりましたか。

2010年度も1年中を通してレビューを上げさせていただきました。健康に感謝です。この年はレビューを初めて3年目に入り、レストランレビューが1000件に到達したエポックの年でもありました。昨年の12月から、今日の時点11月16日までのレビュー数が521件ですので、おそらく月末までには年間530件くらいの数字になると思います。よく食べたわ。

見知らぬ土地で見知らぬ食文化との出会い。これがこの年の自分が掲げたテーマでした。旅行先でうまいものに出会う、ことを期待して今年行ったのは、

1月  新潟、山形
4月  長岡、宮内
6月  盛岡、遠野、八戸
8月  名古屋
9月  久留米、福岡
9月  福島
11月 大阪、京都
11月(これから) 九州
12月(これから) 九州

今年の3月に、それまで毎日のようにUPしていたラーメンが急遽健康上の理由でドクターストップ。代替に選んだ日本そばであっというまに減量して3ヵ月後にはまた元通り、復活できました。ところがちょっと調子に乗りすぎ、10月に入って再度ドクターストップに。今度は、インドカレーを代替に選び現時点でもダイエットに励んでおりますが、ラーメン禁止は未だ継続中です。そのお陰で、スリランカカレーに出会い、いまそいつを求めて右往左往している真っ最中です。

1月に行った新潟、山形の旅行は大雪に見舞われて思い出深いものになりました。新潟で食べた魚節の出汁ラーメン、ワンタンメン・ワールドの酒井で食べたギネス級薄さのワンタンメン。それらの序章があって、地吹雪が舞う中訪れたのが、庄内鶴岡のアルケッチャーノ(第一位)でした。今まで食べたことのない、ほとんど味を足さない庄内地方の食材を生かした奥田シェフのイタリアンに深い感銘を受けました。

6月に行った盛岡で、戦後から今までずっと添加物の入らない本物の食品を売っている店、盛岡正食会の先見性は信じられないほどです。遠野に行ったとき、今やブームの感がある農家レストラン横一(第二位)で伝統的な食事をしたのが忘れられません。3万、5万円だして東京、大阪、京都の高級レストランでうまいうまい、とレビューしているのが滑稽に思えるほどです。1000円でした。伝統を絶やしてはいけない、と思いましたね。店主はずっと永い間学校給食に携わった方です。

関東の古典的な醤油ラーメンを守り続けているお店が福島浜通りにあると聞いて行ってきました。南相馬市にある双葉食堂(第三位)。きりりと出汁のきいたラーメンは女性の手で作られていて、今なお健在でした。ぴか一の旨いラーメンでした。ラーメンと言えば、新潟宮内にあるいち井(第四位)の店主も忘れられません。ラーメンを食べる空間の設計からはじめ、トータルで旨さを追及しているその姿は、ストイックな修行僧を彷彿させました。あまりの旨さに、時間を大幅に調整し、醤油も塩も食べたくて2日間連続で行ってしまいました。

スリランカカレーがこんなにスパイシーでおいしいものだとは、今まで全く知りませんでした。それを教えてくれたのが、つくばにあるスリランカかリーの店アンマーカリヤ(第五位)。その後、近隣で行けるスリランカレストランにつぎつぎ訪問し、大阪まで飛んで行って食べた、スリランカレストランワサナが第六位。同じカレーですが、そのはじけるスパイスワールドに魅了されています。スリランカにすっ飛んで行きたい!

松戸にあるつけ麺のとみ田は、まったくぶれを生ずることもなく、クオリティの高いそばをずっと送り続けています。追従できるお店も未だ出現せず、トップランナーの地位は今年も不動のものでした。今年もベストテン入りの第七位。

10年間もレストランの理想形を追い続け、現実のレストランとして形にして、お料理もそれにふさわしいものを今も追い続ける店主の美学に敬意を表し、茨城県結城市にあるファミーユが第八位。お店の設計の基になった雑誌の切り抜き写真を見せていただき、その写真がそのまま形となってお店になっているところに、店主の並々ならぬ情熱を感じます。お料理もその家のデザインに負けることなく、存在感溢れるおいしいものでした。

久留米とんこつラーメンが食べたくて、思い出のひろせ食堂に行ったのが9月。一番最初に食べた10年以上前の感激がまた同じ大きさで戻ってきました。ひろせ食堂が第九位。そして、最後第十位もラーメンでした。東京に進出して一躍人気店の仲間入りしたこのお店。でも、本物の味は、やっぱり出身の新潟店でしか味わえません。秋葉原の味はもはや新潟の味を失っています。この宮内駅前で食べた青島食堂の本物のしょうがラーメン。ベストテンに入れなければ。大きな感動がありました。願わくは、秋葉原でも同じような味のラーメンが食べたい。の、気持ちをこめての第十位です。

泣き笑いの1年でした。また来年も健康で食を楽しみたいと思います。支えてくださった読者の皆様に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。皆様、来年もまたどうかよいお年を。


マイ★ベストレストラン

1位

アル・ケッチァーノ (鶴岡 / イタリアン、パスタ、ピザ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2010/01訪問 2010/02/04

庄内出身の奥田シェフが奏でる庄内地方の最高の食材で作るイタリアン。お返しは700軒目のレビューで。

ようやくレストランレビューの700軒目を迎える事ができました。読者のみなさまに深く感謝申し上げます。

今回の新潟、山形を駆け足で回る旅行を決めたのは、ようやく、アル・ケッチャーノの予約が取れたからです。過去、自由になる日には、なかなか予約が取れず、まあ縁がなかったなあ、で済ましちゃうんですが。ここが食べログをしていると、粘るんですね。予約が取れるまでがんばっちゃう。イタリアンの料理人で世界で名前を知られている人のなかに、この奥田シェフが含まれている。そんな記事を読んでから、いつか絶対奥田シェフのお料理を食べたい、そう思っていました。

奥田シェフは、故郷である庄内のすばらしさを熱く語っています。風土が良質な、豊かな食材を提供してくれる。四季が明確で、寒暖の差が大きい。夏の日照時間が長い。月山、鳥海山、最上川の肥沃な土壌。山から流れる川が海を豊かにして、多種類多様な魚介を育てる。このような稀有な土地が庄内である。

こんなに寒い日になろうとは、予約したときには夢にも思いません。それがまたいい思い出にもなりましたが、お店に向かっているときは必死でした。酒田に着いたその日、酒田で映画おくりびとのロケ地を周り、名物のワンタンメンを食べて、それから羽越線に乗って鶴岡までやってきました。レンタカーの移動はあきらめざるを得ない、大雪になってしまいました。鶴岡駅前のホテルにチェックインして、フロントにはそのときお店の予約時間に間に合うように、タクシーを頼んでおきました。そうすれば、もう絶対お料理が食べられる。

定刻になってホテルを出発。タクシーの中から鶴岡の小さな商店街を見ていたら、あっ、ここにもおくりびとのロケ地がありました。運転手さんに言って、回ってもらいます。銭湯です。映画では重要なシーンで出てくる銭湯です。はっきりとデザインを覚えている銭湯の前にとめてもらい、うれしいひと時。

そして、いよいよアル・ケッチャーノとのご対面。写真で見た建物が、雪の中、灯りに囲まれて突然現れました。入り口から中に入れば、別世界が待っているはずです。さあ、行くぞ。一声こころでつぶやいて、同行のBさんと入り口のドアを開けて中に入りました。入り口では、女性のスタッフが待ってくれてました。入り口の壁には、奥田シェフが信頼を置いている食材の提供者の写真が貼ってあります。これだけの人がいればこそ、このシェフが思う存分腕をふるえるわけですね。

階段を少し登りテーブル席に案内されました。この日のディナー、最初の客になりました。調理するところが見えるオープンキッチンは、階段を少し下がった平面にあり、テーブル席からは、見下ろすようになります。

この日予約していたのは、3つのコースの中で一人8500円のコースです。ほかの二つは、3500円、5500円です。食前にビールで、口と胃を洗浄してすっきりイタリアンがいただけるように準備しました。食事には、赤ワイン。3種類いただきました。

さあ、始まりました。まあ、これでしたか。シェフが自慢の一品です。

☆一切れの庄内浜の寒ブリと月の雫の塩
シェフがこの料理ことを書いています。実際はブリではなくワラサ。ワラサは対馬海流にのって北上し、もともと甘みの強い魚が、庄内の由良沖に来る頃には酸味、苦味が加わるというのです。この辺が奥田シェフの面目躍如。そして、魚を食べるには、魚が棲んでいた海の塩が一番合う。で、月の雫という塩をオリジナルで作ってしまったのだとか。

沖縄の琉球ガラスで出来た黒に金色の銀河が光る宇宙皿でいただきます。このお皿もシェフが選んだ、と説明されます。もう、ここからシェフの世界にぐっと引き込まれます。こんなおいしいおさしみ、食べたことがありません。うああ、すごいことが起こりそうです。ほどんどのコースのイントロにこのスターターを使っているとか。分かりますよ。これが、奥田シェフワールドの入り口なんですね。

☆黒鯛の冷たいカッペリーニ
庄内浜であがった黒鯛が、ねっとりとしてうまい。大きな透明のガラス皿の中央にほんのちょっとだけ。種類を多くしていろんなものを味わってほしいという、シェフ独特の料理構成が見えてきます。このビジュアル・デザイン、どうですか。食べるのが、もったいない、と思いながら、あまりのうまさに、もっと食いて~~。この細い細いカッペリーニを持ってくるところが、さすがです。ここで

☆自家製フォカッチャ
が配られます。ローズマリー、塩、オリーブオイル、味。さっとワインを飲んで、次のお皿に備えました。

☆寒ダラとゆずをオーストラリアの黄色い香りのオリーブオイルでゆっくり煮て
この黄色いオリーブオイルは、オーストラリア産のキオエという名前だと、教えていただきました。これは、白い大きなお皿。つばのような部分にもゆずやパセリやバジリコが乗っていて華やか。寒鱈をこんな形でいただいたのは、もちろん初めて。オリーブオイルで煮る、ってすごいですね。繊細なうまみも感じて、これまた、もっとくれ~~のうまさでした。

☆わんぱく卵とかぼちゃとハチミツ
蜂蜜は、ゆりの花由来って教えていただきます。かぼちゃのうまいこと。お聞きしたら、蔵王産。何を聞いてもパッと答えが返ってくるんです。全員が知ってるんですよ。これって、ものすごいことだと思います。このアル・ケッチャーノが1つのファミリーなんだって感じました。わんぱく卵も、もちろん庄内鶴岡産。ガラスの器がおしゃれでした。センスがいいんだなあ。

☆メジマグロのタルタータと庄内麩
これがまたすごい。庄内麩ってどこにあるのかな、と思ったら、なんと土台に使っていました。その上にメジマグロのタルタータ、その上にあるのは小松菜なんですよ。その上ににんにくチップ。この組み合わせ、どうしてここに行き着くんでしょうか。こんなにおいしい小松菜、もちろん初めてです。土台を食べたかって?もちろん、いただきました。ぱりん、ぱりんでうまい。郷土のお麩をこうやって使うなんて。お麩だってうれしいし、晴れがましいし。

このあと、9皿続くんです。ひとつひとつ解説してると、また食べたくなるので、ここで個別の解説は止めますが。もうお分かりだと思います。もう徹底して庄内の食材のオンパレード。そして、そのどれもが、想像をはるかに超えるおいしさ。シェフによって何倍ものエネルギーを与えられて、うまさの本質を味わうことが出来ます。味付けは、見事なまでに、塩。こだわった塩。それとオリーブオイル。こんな種類のイタリアン、初めてです。こんなおいしいイタリアン、初めてです。

以下、お料理の名前を列記させていただきます。
☆タラの白子とうるいのシンプルなスパゲッティ
☆ヤナギガレイのグリルとかまいしキャビアのソース
☆女ガニと板垣さんのブロッコリー、庄内米はえぬきリゾット
☆米沢の雪菜とパルマの生ハム
☆立川の鳩とゴボウのすんだスープ
庄内のお肉色々をつめたラビオリと焼いたほうれん草
☆羽黒の仔羊のローストと糸かぼちゃのマリネ、タイムの結晶塩
羊まで、牧場の方とうまさを追求した品種を作り上げたそうです。この、徹底ぶり。
☆じゃがいものニョッキ、庄内町マッシュルームのフォンデューダと冬トリュフ
☆お口直しのラフランスのシャーベット

すごいでしょ。全部いただきました。夢のようです。フィナーレは、

☆お好きなDolce
 ・モンテルーナ月山 モッツァレラチーズ、りんご
 ・ティラミス 山くるみ、ヌガー
 ・モンブラン うるしいんげん豆
 ・キャラメルムース
☆お飲み物

手作りのドルチェがトレイに乗って運ばれてきました。二人で1つずつ選んだら、一人二つずつですって。きゃっほ~~、でしょ。こんなところも、くすぐるんですよ。ドルチェだけでも食べたい?そうでしょ、分かってます。

本当に寒かった旅行でしたが、苦労して行った甲斐がありました。あの小さな町鶴岡の中でも、町はずれにあるアル・ケッチャーノ。そこで奥田シェフのお料理が食べたくて全国から人が集まるんです。良く分かりました。お礼を申し上げてお店を後にしましたが、そりゃあ四季折々、年に4回行きたいです。そう思わせる、自然や季節や風土を感じることができるお料理が、あそこに行けば会うことが出来るのです。また、絶対戻ってきますよ。

  • 一切れの庄内浜の寒ブリと月の雫の塩
  • メジマグロのタルタータと庄内麩
  • 米沢の雪菜とパルマの生ハム

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2位

農家れすとらん横一 (宮守 / 郷土料理、麺類、丼)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2010/06訪問 2010/06/29

レビュー900軒目は、地方の食文化を考えようと岩手県遠野にやってきました。お店からは大きな感動が。

どうにか、レストランレビューの900軒目に辿り着けました。これも、激励してくださるレビュアーさんがいてくれたからこそです。レビューを開始して、22ヶ月目。よく続いたものです。深く感謝申し上げます。

そして、この自分も楽しみにしていた100軒刻みの記念のレビューに、日本の伝統的なご飯を考えてみようと思い立ちました。

この2年近く食べログで、いろいろな方の、いろんなレビューを拝見してきましたが、最近特に都会あるいは大都会ではなく地方、田舎のお店に目が向くようになってきました。食べログの醍醐味で、地方のレビューも何の苦労もなく、すぐ見れます。そしてある事に気がつき始めます。それは、日本全体でどんどん画一化されたお料理がもてはやされている、という事実。

それを加速させるかのように、レビューも東京、大阪のような大都会にあるレストランをスケールにして、採点が進んでいるような気がします。地方にある食文化が、もっともっと日の当たる場所で花開かないのか。ウェブという媒体が持っている特性こそ、そんな地方のすばらしい料理の情報を一瞬にして遍く広めることが可能なのに。むしろ、発行部数の少ない雑誌のほうが一生懸命そういうお店、料理人、料理を発掘して知らしめているような気がします。

悲しいのは、地方から発信しているレビュアーの中には、上から目線で地元のお店の欠点をあからさまにして、これじゃあだめなんだと酷評価をする人がいることです。自分の行為がどう映っているのか、分かってません。おれって、すごいだろ、と勘違いしているレビュアー。

今回そのようなレビューを山ほど見たので、地方食文化の育成ってたいへんだなあと思いました。

子供の頃食べていた普通のご飯を食べたい。これは、そう簡単ではありません。日本全体の食生活が50年前と全く変わってきていますから、簡単でないのが当たり前なんです。そこをなんとか、ってようやくたどり着いたのがこのお店です。農家れすとらん横一。岩手県遠野市の人里離れた場所にあるようです。

お店の情報が徐々に集まってきます。店主の阿部さんは地元のご出身で、長らく調理の仕事をされ、村の農業振興室長などもやられている方。現在は、横一での飲食提供のほか、農業や酪農やそして猟もやっています。横一で提供されるお料理は、調味料だけは買うものですが、他の材料はすべて自分の手で取ったもの、育てたものと言います。冬には、狩猟で確保した熊や鹿など野生動物の料理、春には豊富な山菜の料理、秋はきのこ、と季節に応じた地元の食材で客をもてなす。そんなお店であることが分かってきました。農業体験のプログラムも走り出したそうです。

また遠野と言えば、曲り家の囲炉裏端でおばあちゃんから遠野地方に伝わる民話を聞く、という民話の里なんです。SFのような遠野の民話は現在語り部がわれわれには理解が難しい東北弁で語り継いでいるんです。そして、店主阿部さんは次世代の語り部1000人に選ばれた方です。子供の頃ご自身で聞いた民話をまた次の世代に継いでいく。ばりばりの遠野人のようです。

お店は完全予約制です。お店では予約を受けてから材料を準備します。予約の電話を入れたら、元気な声が聞こえて来ました。いったいどんなところと電話が繋がっているのか、まったく不思議です。

今度おじゃまして、ご飯をいただきたいのですが。あのお、おまかせコースがあると聞きましたが。

はい、ございます。お昼でしたら、おまかせコースはお一人様1000円です。

ははあ。それでは、おまかせいたしますので、よろしくお願いします。

こんなやり取りがあって。早朝自宅を出発して、上野から盛岡へ。盛岡駅前でレンタカーを借り、途中1軒寄り道をして高速自動車道へ。南尾に横一の住所、電話番号を入れますがいずれも登録なし。ま、住所の下宮守まで行けば何とかなるだろう。そんでもって、遠野の下宮守に着きましたが、いやあ甘かった。そこからどっち方面に行くのか、まったく見当がつきません。携帯の出番です。誘導してもらいました。

ようやくお店に到着です。予約時間より6分遅れ。すばらしい精度です。お店の外観はごく普通に見えたのですが、オリジナルは築100年近くになる木造の家で、それをお店仕様にご自身や仲間と一緒に作りあげたとか。ここも曲り家だったのです。中に入ると、阿部さんがにこにこ顔で迎えてくれました。田舎の家って広いですね。以前は土間で土だったというエントランスが広い。左側が調理場でカウンター席があります。右側は広い座敷が二間ですね。入り口近くにはグッドデザインの薪ストーブがあって、いい感じ。

どうぞ、ゆっくりなさっていってください。よかったら、こちらのカウンター席でいかがですか。そうしていただければ、自分も仕事しながらお話できますから。

そう薦められてカウンター席に今回一緒に来たBさんと並んで座りました。この日は、その時点からお店を出るまで、阿部さんからいろんな話を聞きました。この家も曲りやだったんですね。子供の頃の苦労された話を聞いて、自分たちが育った都会とは全然違うものを食べて、違う暮らしだったことに驚きます。そんなに違うんですか。おコメが足りないから他の穀物で増やす、なんて、今では五穀米を入れたりしますが。おやつが、さつまいもやとうもろこし。おいしそう!なんて暢気に言ってる場合ではないですよ。

話をしながらも、どんどんお料理が出来ていきます。さあ、準備できたものが全部お盆に乗って出されました。これ、自分が子供の頃に食べたものを食べたい、ってここに来てますが、食べたことのないものが多いです。

これは何ですか?ソーセージが入ったほうれんそうとの炒め物があったので聞きました。

それは、捕ってきた鹿の肉のソーセージです。これが、噛み応えのある独特の食感でおいしかった。山菜の天ぷらは、全部山菜の名前を聞きました。全部忘れました。阿部さん、ごめんなさい。食後に庭を案内していただきましたが、庭にたくさんの山菜が生えていて、これまたびっくり。山に入らなくてもこれだけあるんですよ。採りたての山菜の天ぷら、うまかったなあ。自然の恵みです。

ほだ木に菌を打ち込んで栽培したでっかい椎茸の煮物。ちょっと乾燥させて旨みを出しているんだそうです。この日は大鍋で一気に煮物にしていました。これも、うまかったよ。山椒の煮物。辛い!!花山椒の辛さと同じです。キャベツのマスタード煮。ふき。お新香。サラダには山椒のドレッシング。辛い!この辺は、奥様の担当ではないですか。この日はわれわれだけでしたので、店主お一人で対応されました。人数が増えると奥さまが手伝います。

なんですか、これ?ってお聞きしたのが赤飯の大きなおにぎり。うずら豆が乗って、海苔で巻いて、紅しょうがでお化粧。食べてみると、普通の赤飯です。うずら豆が甘い。甘い赤飯も不思議味でいいもんです。

お話しながら食べていて、最後にもりそばが出されました。今キーワードになっている地産地消が当たり前、というか、それしかないんです。

もりそば、おいしかったなあ。田舎風に打ってありところどころに星が見えます。甘めのつゆをつけていただきます。合いの手に山菜の天ぷらをもってきて、これが田舎で食べる田舎の料理なんだって。動物性は、鹿のソーセージだけ。これは、元気になること間違いないですね。自然をいただいた実感がありました。

あのお、失礼ですが、自分は丑年なんですが阿部さんは何どしですか?

いやあ、わたし、行列さんの(何で知ってるの?ああ、予約したからね。)1つ下ですよ。もっとずっと上かと思いました。ずるっ。

本当にお若い店主です。行列も世間ではお若いですね、って言われてますが、阿部さんの前では負けますね。自然なものを食べ、体を動かす毎日。椅子に座って、レストランのレビューなんて書いてる場合じゃないぞ。

いやあ、本当に気持ちが充実するご飯をいただきました。次回は是非、春先の山菜か冬の獣を薪ストーブで調理する料理か。お互い元気でまた会いましょう。

  • 農家れすとらん横一
  • 農家おまかせランチ
  • (説明なし)

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3位

双葉食堂 (小高 / ラーメン、うどん)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2010/08訪問 2010/09/06

旅館勤めをしていた豊田イク子さんが独立して半世紀以上前に始めた双葉食堂。そこで食べるラーメンの凄さ。

これがレストラン1000軒目になります。食べログでは、100件目、500件目の到達時にハンドルネームのデザインが変わります。そして、この1000件で再びご褒美で字体デコが変わります。それが見たくて、駆け足でここまで来ました。初投稿以来、764日目です。自分にとっては1つの大きな区切りと思っていますので、取り上げるお店も考えて決めました。やはり、ラーメン店が自分に合っていると思い、福島県南相馬市小高区にある双葉食堂、このお店に白羽の矢を立てました。

地元の方のブログでこぞって大絶賛しているラーメンがあることをキャッチします。特にイクおばあちゃんチャンの作ったラーメンは絶品だって。お店は女性の方たちで切り盛りされているようです。お昼時は地元のかたたちでごった返す。そして、この小高町というのは、小さな町のようです。どんな町のどんなラーメン店なんだろう。おばあちゃんが作って、全員女性って、熊本の黒亭みたい。どうしても、双葉食堂のラーメンが食べたい。

行ってきたのは、土曜日です。高速の片道料金が4450円ですので、土曜日に狙いを定めました。この日は自宅を朝の6時半に出て、お店に着いたのが10時10分。走った距離は246kmでした。この後、家に帰るのはもったいないんで、福島市と郡山市をまわり、全行程683km走行の日帰り麺歩きになりました。充実した一日でした。しばらく忘れることはないでしょう。単独行動です。これも記念レビューということで、気持ちが昂ぶっていたからだと思います。

常磐高速で北へ北へ。終点まで行きます。そこからは国道6号線を再び北上。時計で時間を確認しながら休憩を取りますが、思ったよりずっと早く到着してしまいそうな気配。双葉食堂の開店時間は、web上では2つあって、10時というのと11時。それで、10時半に着けば、11時だとしても30分待てばいい、と考えて到着目標を10時半にしました。そんなにスピード出してないんだけどなあ、なんて自分で言い訳して。休憩を3箇所も入れたのに、それでも10時10分には、あこがれの双葉食堂に着いてしまいました。

お店の場所を確認したあとは、ざっと流して町の感じを摑みます。町らしき商店街はそれでも1区画にありました。全部を見たわけではありません。見た範囲では、大きなスーパーもなく、小高駅の反対側に栄えたところがあるんでしょうか。やはり小さな町です。それでも、このような小さな町にわたしが名前を知っているくらい有名なラーメン店が2軒もあるんです。偶然そうなったのでしょうが。二つのお店もすぐそばにある町のサイズです。

町の見学を終え、双葉食堂の前を通過して、お店の横の駐車場に入りましたが、のれんが出てません。やっぱり、11時開店だったんだ。お店の前まで来ました。

思ったより大きな食堂です。冬の寒さ対策なのか、ガラスドアの部分以外はがっちり寒冷空気を遮断するような作りに見えます。右手には、ガスボンベ。やっぱり、田舎なんだなあ、小高プロパン。そのボンベのところにお店ののれんが出してありました。不自然な置き方です。入り口の戸は閉まってますが、お店に入ってみましょう。

思い切って戸を開けて中を見ると、ああ、やっぱり。お客さんが3人いました。2人はおばあちゃん同士で、もう既にラーメン食べてますねえ。幼馴染だと60年くらいずっと友達なんでしょう。そして、今日も一緒に朝ら~してます。この、幸せな人生。もう一人の客は、青年。今厨房で作っている1杯を待っている感じ。厨房には、女性が二人。イクおばあちゃんではありません。麺を茹でているところでした。3人は予約?だから早く食べてるのかなあ?

あのお、すみません。よろしいですか?のれん、出てないようですが。

どうぞどうぞ。入ってください。ホントは11時からで、11時にのれん掛けるんですが。いいですよ、お客さん来れば始めるんで。いつでも、声を掛けてください。

それでは、おじゃまします。声を掛けて入店。ローカル色たっぷりです。さっそく腰掛けて、食べさしていただくことにしましょう。うれしい限りです。

厨房の上のほうを見やると、お品書きがかけられています。イク子さんは、最初うどんから始めたと聞いてましたが、その名残なのか、うどんとラーメンがあります。

中華蕎麦      500円
チャーシューメン  700円
味噌ラーメン    600円
タンメン      600円
もやしラーメン   600円
冷やし中華     650円
月見うどん     450円
玉子うどん     500円
稲荷うどん     500円
肉うどん      550円
かけうどん     400円
親子うどん     600円
大盛り       100円

うどん類はシンプルなものだけ。ラーメンに味噌がありました。ここは、地元の方が絶賛する醤油ラーメンでいきましょう。

すみません、チャーシューメン(700円)お願いします。

お客さんは自分が来て4人になりましたが、忙しいです。出前の電話がしばしば鳴り響きます。どうやら、午前中に用事があるようで、その時間をはずして欲しい、と言ってます。厨房とホールの間にあるカウンターのしたには、出前配達用のおかもちが置いてあります。数えたら、7個ありました。出前する人、何人いるんでしょうか。小さな町でしょうから、出前もとりやすいのかな。生活感が溢れた電話の応対に、何故か旅情を感じます。

麺を茹でて豪快に平ザルを使って湯切りしているのは、お孫さんでしょうか。女性ですが、力強い調理をしています。最後に刻みねぎをぱらぱらと落として、さあ、完成。ホール担当の女性の手で運ばれてきました。

いやあ、こうなってましたか。スープを見て、やや驚きます。このシンプルなラーメンにはちょっと想像できなかった、脂玉がたくさん浮かんだかなり濃厚そうなスープです。醤油とめんまの魚出汁のいい匂いが立ち上がっています。いいなあ。昭和テーストと言ってもなんらおかしくない、50年の歴史が刻まれているラーメンです。さっそくいただきます。

このスープのコクの深さに驚きました。事前に鶏がらだけではなく豚ガラも使っていると聞いてましたが、これほどコクの深い味にしたててくるとは、正直思っていませんでした。おばあちゃんの豚使いは、並大抵じゃないです。うまい。実に、うまい。表面の脂は、それらのガラ由来の脂なんでしょうが、このチー油とラードのせいで、スープは冷めにくく熱々のまま。そして、動物出汁の力強さをそのまま最後までキープする役目を担ってます。コクと正反対に思われるさっぱり感もまた大きな魅力で、飲んでも飲んでもまた飲みたくなる魔法のスープです。

麺は昭和時代に全盛を誇った中太の強ちぢれ麺です。こうしてしばらくぶりで食べると、どうしてこんなにうまい麺が、日本から消えていったのか不思議な感じがします。おそらく特注で作ってもらっているか、それとも、その製麺所もまだ昭和テーストを残している麺やさんなのか。追いかけていきたくなります。もっさり感と歯キレの良さが同居していて、これも、わっさわっさいただきました。スープと麺の競争です。どっちも負けてません。

チャーシューは、自分の中では喜多方で良く食べたロースチャーシューの位置づけです。柔らかい部位と歯ごたえのある部位が混在していて、そのうすい味付けが実にうまい。1時間煮る、ということですので、食感を残す調理でしょうね。めんま、葱、ほうれんそう。

あっというまに、目の前には空のどんぶりがひとつ。

このなんともいえない充実感。達成感。虚脱感。小さな感動。よくぞまあ、自分のために、このレビューのために半世紀前から行列が来るのを待っていた、と錯覚するような、自分が捜し求めていたラーメンがここにあった、と思ってしまいます。旅の終わり、では、ありません。旅の始まりです。余韻を抱いたままお店を後にしました。

  • チャーシューメン
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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4位

いち井 (宮内 / ラーメン)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2010/04訪問 2010/04/17

レストラン800軒目は、新潟県のいち井。店主の徹底したトータルな美意識に感服の至りです。

新潟に来ています。

急遽決まった北陸出張。長くレビュアー稼業をしていても、こんな絶好の機会はそうはありません。

ブックマークしておいたお店を、ルートに沿って書き出し、そのお店以外に何かないか。それぞれの地元のブロガーさんのHPまで入り込んで、何かないか、どこかないか。候補のお店が徐々に増えていきますが、やっぱり一番最初に頭に浮かんだお店、いち井を越えるお店はなかなか出現しませんでした。

いち井については、夥しい数のレビューが世に出てます。いろいろのサイトに、必ず名を連ねる人気店です。行列が注目していたのは、ラーメンそのものも当然ですが、それよりも、レビューに少しずつですが、ついでに書かれたようなお店の雰囲気やお店自体。

並みのラーメン屋とは、何かちょっと違うその雰囲気が気になってしょうがありません。そして、ラーメンへのこだわりというか考え方とお店の空気の作り方が、合い通じるものであるかのような思いが頭の中をぐるぐる回って、これは一度自分のからだで確かめたい。そんな思いにとりつかれていました。現場主義で確認し、他人(ひと)の言葉を信じるな、といつも若いエンジニアに言っていることを、このお店で自分でも実践したい。

往きは上越新幹線を使いますので、いち井に行くには長岡で途中下車しなければなりません。いち井は、長岡から信越線で1駅目の宮内駅から歩いていきます。新幹線との乗り継ぎを調べると、どうにもタイミングが合わず、いち井に行ってしまうと仕事に間に合わなくなります。どうしようか、って2,3日悩みます。まさか、仕事の時間は相手があるので変えられないし。な~んだ、で仕事もいち井もwin-winになる解を見つけました。長岡からタクシーで行けばいい。3km弱です。解を見つけるまでが暗黒の時間でしたが、見つけてしまえば、な~んだこんな簡単なこと。

お店の大きな看板が見えたときは、さすがにうれしかったです。とうとう、いち井まで来てしまったか。成せば成る、ナセルはアラブの大統領、なんて言葉が浮かびます。

到着したのは、お店の開店25分前でした。先客は2人。若い人です。二人の横に座ります。空気は冷たく、風が強いため、コートの襟を立てました。

待っているとどんどん車が入ってきて、行列は10人を超えました。定刻5分前には20人を超えてます。聞きしに勝る行列店です。定刻の2分前に中から店員さんが、営業中と書かれた木の札を持って登場しました。

札を所定の位置に掛けてから、

大変お待たせいたしました。最初のお客様からご案内いたします。そこで、椅子に座って待っていた6人が一斉に立ち上がります。最初の方は、お二人様ですね、と言って二人を誘導して中に入ります。それに続こうと思って一緒に店内に入ろうとしたら、目の前で入り口の戸を閉められました。??、どういうこと?

10秒位して、違う店員さんが戸を開けて出てきました。

次のお客様は、すぐご案内いたしますので、どうぞお掛けになってお待ちください。

??が頭の中を駆け巡ります。こんな経験したことがありません。あの先頭の二人、中で何やってるんだろう。何んで待たなきゃあいけないの?開店でしょ。

2,3分待ちました。とても長く感じました。再び戸が開いて、今度は女性の店員さんが出てきます。

大変お待たせいたしました。お一人様ですね。どうぞ、ご案内します、と言って、行列の前を歩いて先導します。入り口を入ると、いらっしゃいませの合唱に迎えられます。5人以上の声です。入り口すぐに券売機があります。食券を買うように促されます。計画通り、買ったのは、焼きあご塩(800円)+海老わんたん(200円)+味玉(100円)。

オネエサンの先導で正面のカウンター席の一番左の席に誘導され、着席しました。こうやって、新しいお客さんを店内に入れ、席に誘導し、座るまでは次のお客さんを入れないのです。座ってから食券を渡すと、オーダーの内容を確認します。そのとき、別の店員さんが外に出て、次のお客さんを入れる、そんなシステムでした。

座る前に、実はもうすっかり店主の美意識を感じ始めていました。このお店の中の空間。天井がありません。まさに、カフェの作りです。天井を作らずに吹き抜けにして、壁は全部白、上に張り巡らされた太い梁の木はすべて黒に着色されています。高い屋根の内側から電球がぶら下がっていて、そのやり方、その電球の種類は、カフェそのもののやり方です。

お客様は、このようにして招待しなければならない。自分が作るラーメンは、こういう環境、空気の中で食べなければならない。

カウンター席は逆L字型にデザインされ、自分が座らなかったほうの辺の奥が厨房で、店主は先頭の二人分のラーメンを製作中でした。助手は二人。店主が全部一人で作り、助手はメイン配膳担当。自分が座ったほうの辺の目の前は、インテリアの小物をディスプレイする棚になっています。飾ってある小物も計算済みでしょう。昔の風薬、改元の袋。店主が嘗て使ったと思われるクラシックカメラ。そして、見たこともない麒麟麦酒の年代モノ。こういう小物を集めて、お店の中の空気を作っているのですね。

行列が座った右手には昭和30年代と思われるブラウン管の白黒テレビが置いてあります。台には、足が生えていて。ここで、店主の徹底した美意識を垣間見ます。テレビはただ置いてあるのではなく、そのテレビが現役だったころのテレビドラマを映しているんです。唖然としました。すべてのものが、理由があってここにある。その理由は、店主の美意識。その空気の中でいただくラーメンに求めているものは何か。どんなものなのか。もう一刻も早く食べたい!

およそ5分後に配膳されました。撮影許可をいただきます。目の前のオブジェやテレビの撮影もしたいのですが、って思い切ってお願いし快くいいですよの答えが。さあ、テンション高くいただきますよ。

また何と言う美しいラーメンなんでしょう。繊細な色使いで決めてきましたね。スープは泡だっています。これ、豚骨由来なんでしょうか。にごり系のスープです。おお、久しぶりの枕木めんま。水菜の葉。きくらげ。干し桜海老。白髭葱。トッピングの海老わんたんと味玉。そして、見えてませんが、チャーシュー。表面の脂メインの層をレンゲを差し込んで揺らすと、下からもう少し白っぽい色のスープが現れました。これは豚骨スープの特徴です。

なにはともあれ、スープですよ。れんげをスープに差し込んで、いただきます。ふ~む。うまいなあ。これが焼きあごの味なのか。上品な魚だしスープですが、コクがぐっと来ます。さらっとしていながら、ぐっと迫ってくるコクは知っているのでは豚骨以外に思い当たりません。塩の塩梅が結構主張してくるほどの沖縄焼き塩が多めに配分されていることを感じます。角張っては来ないものの、丸くても塩のエネルギーを感じます。やっぱり存在感あるし、出来がいい。

豚骨と焼きあごとそれに、干し貝柱とか丸鶏とか昆布なんかもあやしく。疑惑は尽きない深みのあるスープにあがっています。しばらくラーメンを食べていないこともあって、もううれしくて、おいしくて、涙がでそうになって困ります。年取って涙もろくなってます。ちくしょう、ものすごく、うめえじゃないか。目がうるうるしないよう、強気の発言をトライ。

麺は中細のややうねりがある麺で、不思議な透明感があります。食べてみると、弾力があってとってもうまい麺で、これも、この舞台ではこの麺でなければすべては完成しない、といった重要なロールプレイを担った麺であるはずです。最近こしの強さを標榜する麺が増えているような気がしていましたが、ここの麺はこしの強さよりも歯を押し返してくるような弾力のほうを強く感じます。いい麺です。うまい。

チャーシューの肉感と柔らかさのバランスもいいし、味玉の味がうまかったし、きくらげの食感がいい。このきくらげは、決めるまで相当選んでいるはずです。めんまの醍醐味も久しぶりでした。というように、脇を固める役者もすべて店主の哲学に応えたクオリティで、おどろくばかりです。

店内へのお客さんの呼び入れ。店内のデザイン。インテリア。カウンター席と2名ずつのテーブルボックス席。ラーメンは小分けでしか作らず。すぐ配膳できるように、配膳係りで2名。お客さん誘導、着席後に次のお客さんの招待を即開始できるよう、ホール案内サービス係りに2名。そうやって、アトモスウエアーとソフトウエアーをオンリーワンに固定して、空気をつくる。そして、主役のラーメン。

ここで役作りが出来ないのは、客だけ。最低限しているのは、グループを3人以上のロットにはしない。2人ずつしか座れないようにして、3人でも分断して座らせる。そのことは店外に掲示され、客の事前承知を促している。大勢で食べるときの異常なテンション、声高は空気に合わない。知らない間に店内に入ると、リラックスと期待感が溢れて店主の望む俳優に変化させられている。

このすべてが、いち井マジック。

満足な時間を満喫し席を立ちました。帰り際に厨房で調理中の店主を見ると、きっちりこちらを見て、会釈される。どこまでもこだわりを崩さない。

やっぱり、このお店を選び、ここまで来た甲斐がありました。そういうことだったんだ。先行レビューで読み取れなかった事実が、ここで分かりました。疑問が氷解しました。さて、夢から覚めて、仕事に向かいます。

次の日起こったいち井での出来事を書いていったら、14000文字になってしまいました。お時間のある方は、続きは下記で。

  • 焼きあご塩
  • 焼きアジ醤油
  • (説明なし)

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5位

スリランカカリーの店 アンマー・カリヤ (つくば、研究学園 / スリランカ料理、カレー)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2012/09訪問 2012/11/03

スパイスたっぷりでスパイシーなスリランカカレーに一味惚れ(ひとみぼれ)。こんなうまいカレーだとは。

(2012年9月 再訪)

お店で調理を担当していたアンマーさんがスリランカに帰国したという話を聞きました。独特のスパイス使いで我々を魅了していたアンマーさん。お店にとってどれだけだきであったでしょうか。お店の調理は店長が引き継いでやっているということです。アンマーさん不在であの味が出せているのか確認で行ってきました。

お店に入ると、先客が2名、あと客が数名。お店にいたのは店長と女性の二人。もちろんお二人とも日本人です。

この日食べたのは、ベジタブルカレー。2種類の野菜カレーとライス、サラダ、スリランカせんべい、フルーツがついたセットです。調理は店長自ら担当しておりました。アンマーさんと一緒にお店をまわしてましたので、そういった意味では適任でありましょう。

さ、どうなっているか。結論から言えば、アンマーさんがここで披露していたスリランカカレーを見事に再現していると言えましょう。独特のスパイス使いは健在でした。コク、辛さ、風味、ともに上手に再現できていると思いました。今後も引き続き、時々はスリランカに出向いて質の向上をはかっていただきたいとおもいます。


(2011年1月再訪)

このお店のスリランカカレーが、スリランカへの扉を開けてくれました。初めて食べたときの衝撃的なおいしさ。こんなにおいしいカレーがあったなんて。それ以降、スリランカ人のコミュニティがあった茨城県常総市をはじめ東京と大阪にあるスリランカ料理のお店を何軒か訪ねました。どのお店からもおいしさと幸せを分けていただきました。そして、この日、再びアンマーカリヤに戻ってきました。3ヶ月ぶりです。

開店時間の11時半すぎにお店に到着。お店の前の共同駐車場に車をとめて店内に入ります。先客は6名。開店時間を待って入って来たお客さんです。テーブル席に座ってメニューを拝見。カレーのメニューは同じみたいですが、スリランカカレーの紹介のページが増えてますね。それと、デザートのメニューが新しく作られていました。

このお店のカレーは、インドカレーとは全く違います。南インドカレーには親戚感を感じますが、使うスパイスの量が違う。お店で料理をするのは、スリランカから来たおかあさん(アンマー)が一人だけ。このアンマーのお料理のセンスがいいので、こういう垢抜けた料理になるのかもしれません。この日は、店主はいませんでした。店主がいれば、いろんな話が出来るのに残念でした。

さて、この日のオーダーはおとくランチセット(800円)とスリランカの焼きプリン、ワタラッパン(200円)。デザートをとったので、今回はおいしいロティは我慢することに。ロティはその後行ったどのスリランカレストランのものより断然おいしい。生地にたっぷりバターを練りこみ、ミルフィーユ状にして焼き上げる。ですから、ちょうどクロワッサンを食べている味と食感です。

配膳されたカレーがこれ。チキンカレーと野菜カレー。野菜は、竹の子とひよこ豆のカレーでした。デビルポテトにサラダ。スリランカせんべいとターメリックライス。マンゴラッシーがついて、800円ですよ。安!信じられません。

この日のカレーもスパイスの競演でした。味も勢い良くたって来る匂いも、どのスリランカのお店より強烈です。野菜もチキンもボールにたっぷりと入っていて。桂皮のかぐわしい匂いも。スパイスに酔いしれながら、この日も大満足なアンマーのカレーでした。

初めて食べたワタラッパンもおいしかった。カシューナッツを飾りに使い、黒糖と椰子の花の蜜とココナッツで作ったそうです。固めの焼きプリンで、甘さがちょうどいい。これ200円ですか、っていうくらい。このお店に3ヶ月ぶりで来たことを少し悔やんでます。今後はもっと頻繁に来よう。こんなにうまいのに。いろいろ回って、改めてこのお店の素晴らしさを再認識しました。アンマーに感謝の言葉を伝えてください、と接客の人に伝えてお店を出ました。


(2010年10月 初稿)

初めて食べましたスリランカカレー。びっくりしました。こんなにもスパーシーで香りが立っていて、幾重にも重なる味の多重奏。まったく知りませんでした。インドカレーとは、根本的な違いがあります。

いつものようにウエブサーフィン。この日見つけたのは、スリランカ・カリーのお店です。ここ数年あっというまにカレー屋さんが増殖しましたが、インド、ネパール、バングラディッシュなんかの冠を店名に付けてます。スリランカ?聞いたことありません。小学校で習ったときは、セイロンと教わった国ですね。ま、ものは試しです。場所は、つくば市の桜テクノパークですね。ラーメンで言うと、博多とんこつの一休があるところです。

お店は集合店舗の中にありました。つくばでは、よく見る光景です。中華料理、弁当、美容室、バー、そしてスリランカカレー。お店の開店15分前に到着し、開店を待ちます。定刻ぴったりにオープン。さ、どんなカレーが待っているんでしょうか。開店と同時に、4人が入店しました。

入店して、ふふ、期待が膨らみます。スパイスのいい香り我店内に漂っていました。店内は明るくて、清潔な印象。飾りつけもごてごてしていなくて、センスのあるインテリアです。丸テーブルが二つ、角テーブルが3つ。人数に合わせて組み合わせが出来そうです。ちょうど2人用角テーブルがあったのでそこに着席。

ランチはカレーが2種類ついて800円ですが、なかなかボリュームがありそうなプレートです。どうやらスリランカでは、ナンがなくてその代わりロティというパンがあるそうです。それでは、

おすすめランチのロティ付き(990円)
(野菜カリー、お肉カリー、ターメリックライス、スリランカせんべい、デビルポテト、ソフトドリンク)

野菜カリーは、この日の日替わりのなすといんげんのカレーを選択しました。お肉カリーは、豚と鶏があるということなので、鶏を選択。スリランカカレーは、標準が辛いということなので、辛さには弱いが、唐辛子以外のスパイスには強い、と話しました。ソフトドリンクは、マンゴーヨーグルトで。

オーダーのあと、テーブルに置いてあった雑誌の切り抜きを読んでいました。店名は、お母さんの(アンマー)カレー(カリヤ)という意味で、お店のシェフは本当のスリランカのお母さん、パドミリ・スリヤタラさん。ご主人が筑波大学に留学したということでこの雑誌が出た時点で在日15年だそうです。ご自宅に友人をよんでカレー、お料理をふるまい、また国際交流ボランティアでも料理を紹介し。そのどこかで、このお店のオーナーである猪亦さんと接点があったようです。猪亦さんが、スリランカ料理とパドミリさんの人柄に惚れ込んでお店をオープンした、と書いてありました。

スリランカでは、豊富な野菜と魚で料理することが多いそうです。現地のスーパーの野菜売り場が雑誌に載っていましたが、どれも新鮮そう。それで、このお店でも近隣の農家から直接野菜を買って使っているそうです。そう言えば・・・

駐車場で待っていたら、1台の車が中華料理屋さんの前にとまりました。女性が出てきて、きゃべつなどの野菜をお店に運んでます。格好はらしくないですが、八百屋さんかなあって思っていました。あとで、この女性が実は猪亦オーナーであることが分かりました。だって、カレー屋に入ったら、いたのですから。ちょうど、一緒に野菜を買ってついでにお隣に運んでいたのですね。

さ、そんなことをいろいろ読んでいたら、お料理がやってきました。まず、きれいですね。カレーが陶器の器に入れられています。ターメリックライスの上には、おおきなおせんべいがのってますね。カレーの2種類はまったく外観が違います。ロティは思ったより小さく、それはナンとの比較ですが、直径10インチ、25cmくらいでしょうか。

それでは、ってチキンカリーにスプーンをさしこんでいただきましょう。おおお、鶏肉がたっぷりです。鶏肉煮にカレーがかけてある感じ。カレーに鶏肉が沈んでいるカレーとは雲泥の差ですね。レモングラスでしょうか。スパイスがふりかけられています。一口食べて、ぶあ^^~~。ぶっとびました。スパイスの味、炸裂です。うまい。こんなカレー、初めてです。その味、香り、刺激、風味、すべてすばらしい。いつも食べているインドカレーとは、全く違います。粘度のないスープカレーのような液体ですが、味の深さがすごい。一目ぼれ、じゃなくて、一味惚れです。まいりました。トマトがゴロンと入ってましたね。これもうまい。

オーナーの猪亦さんが、惚れ込んだ理由がわかります。おそらく、今の自分の感情と同じじゃないでしょうか。この味をみんなにも味わってほしい。自分もそう思います。お肉もほろほろでうまいし、たっぷり感がいい。スパイスの効果で柔らかくなるそうです。辛さは自分の上限近く。スパイシー度は満点。

野菜カレーはまったくちがうスパイスで作っているようで、味も香りも全然違います。穏やかなスパイスのグループで作るんでしょうか。これもとてもおいしい。ちょっと食べたことのない味で、どう表現したらいいか。

ターメリックライスをスプーンに乗せてカレーをすくっていただきます。次は、ロティにつけていただきます。このロティは、またまた、インドナンとは全く違いますね。ちょうどクロワッサン生地のようにミルフィーユ状になっていて、実にうまい。さくさくしてます。もっちりしてます。カレーをつけなくてもうまいし、カレーをつけてもうまい。

せんべいも、スパイスが練りこまれていてこれまた感激のウマさ。これは、ビールですな。デビルポテトって何かなあと思っていました。じゃがいもが、茹で上がらない硬いうちに引き上げて、スパイスをつけたサラダのようです。生っぽくて、いいぞ。

いやあ、本当にサプライズなうまさでした。すっかり興奮してしまいました。レジで精算のとき、猪亦さんに思わず話しかけます。

初めてスリランカカレーを食べましたけど、いやあ、スパイスの量がとっても多くてうまいですねえ。

インドカレーとは作り方が違うそうです。インドカレーは、たまねぎやしょうがを炒めてルウを作りますが、スリランカカレーはスパイスだけで作るんだそうです。油をほとんど使わず肉の脂だけなんで低カロリーだとか。これだけのスパイスですから、当然薬膳ですね。いやあ、こんなお店が桜にあったなんて。またすぐ行きますよ。帰りに、いまスピードくじのサービス期間中で、ロティ1枚券、当たりましたから。う~ん、ブリヤ二(ビリヤニ)も食べたい。

  • ベジタブルランチ
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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6位

ワーサナ (福島、新福島、西梅田 / スリランカ料理、カレー、インドカレー)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2010/11訪問 2018/01/23

大阪に来た!食べた!巡りあえたぞ至高珠玉のスリランカカレー。この奥深いスパイスの桃源郷。

新宿で食べたスリランカカレーで、またまた火が点いちゃいました。カレー本やブログでは、東京のように大阪でもスリランカ料理のうまそうなお店が数軒あります。どうにも他人の庭は青く見えてしまい、いてもたってもいられません。特にその中でも大阪福島にあるワーサナというお店がすっごく気になります。何か違うものを感じてしまいます。ココに行けば、新しい出会いがあるかもしれない、そんな予感がします。大阪の福島って行ったことがありません。福島の福島はこのあいだ行きましたけど。

大阪に来てます。大阪の福島に来てます。とうとう来ちゃいました。新幹線で新大阪に着いてホームにいた制服の係りの人に訊くと、福島を知ってました。当たり前や。大阪駅で乗り換えで環状線の一つ目。ものすごく近かったです。福島駅からお店までも歩いてすぐ。お店の外観がど派手なので、大通りから入っていきますがすぐに目に留まります。ここかあ。時計を見ると開店30分前。

ドアが開いていそうなので、恐る恐る開けて中を覗くと、薄暗い店内のカウンターの奥に一人のスリランカ人がいます。にこっと笑って、もう少しで開店すると流暢な日本語が返ってきました。

それじゃあ開店まで福島ってどんなところか探検することに。お店の近くは基本的にオフィスビル街で商店街はありません。どんどん北に向かって歩いていくと、上等カレーの本店がありました。道にまで匂いを撒き散らしてますね。ここにも一人のお客さんが開店を待ってます。イタリアン、カフェ、喫茶店、和食など、オフィス街のお客さんをターゲットにしたお店がぽつぽつとありました。それじゃあ安心してワーサナの戻りましょう。お店では奥様でしょうか、お店から掃きだしているところでした。お店の前には椅子が3,4脚出してあるので、そこで待ちます。

しばらくして、どうぞ、という声に招き入られます。ウォー、すごいスパイスのいい匂いに迎えられます。ここまでのスパイス臭は、荻窪のトマト以来ですね。これは楽しみです。店内を改めて見ると、なかなかムードがあっていい感じです。照明をやや落として神秘的な空気感さえ感じます。調度品もすっかりスリランカン。正面がカウンター席になっていて、香辛料の瓶をずらりと並べてますね。カウンター席だと調理も見えますし、話も出来るので迷わずカウンター席まで進みます。

奥さんが大きなコップに入ったお水を持ってきました。ま、何はともあれ、ライオンスタウトを。ライオンビールの黒ビール版です。うぐうぐうぐ、ぷっふぁ~。よく冷えていてうまい。外で待っているときにメニューをチェックしていました。2種類のカレーが食べれるダブルカレーがいいですね。それにライスをチョイスして、別注文のチーズロティをオーダーしました。

このお店のメニュー構成で、カレーは2つの系統に分かれてます。1つがココナッツべースで、豆カレーと野菜カレーがこの範疇。もう1つがスパイスカレーで、エッグ、フィッシュ、ビーフ、チキン、かつがこのグループです。となったら、両方食べたいじゃないですか。それで、ダブルカレーにして、ココナッツ系からは野菜カレーを、スパイス系からはチキンを選択しました。

厨房で調理中なのが店主のラッキーさんですね。お聞きしたら、1997年から日本にいるそうです。フライパンを使ってなにやら作っていると思ったら、小皿に入って運ばれてきました。魚ですね。これなんですか?あて、ですよ。まあ、お酒のあて、なんて日本語も自由自在なんですね。少し黒く焦げたような魚を食べてみます。おお、これは子持ちししゃもじゃあありませんか。香辛料と一緒に炒めたのかなあ?めっちゃうまい。こんな、あて、毎日いただきたいですね。これだけでも期待が膨らみます。

おいしかったサラダをたいらげていると、ダブルカレーがやってきました。ごはんがたっぷりで、漬物のようなものが添えられています。カレーは見た目も違う2種類。ココナッツミルクの量の違いでしょう。

野菜カレーの見事なこと、筆舌に尽くしがたしです。ココナッツミルクの風味があふれる中、実にめりはりのきいたスパイスが口いっぱいに広がります。何がなんだか分かりませんが、スパイスが一体化しているようで、していないんです。一口ごとに違ったスパイスが順番に主役になっているようで、千変万化のスパイスの食文化の一端を味わった感じでした。こんな感覚、初めてです。どんだけうまいか。思わず目の前にいたラッキーさんに伝えました。いかんああ、またまた行きたくなっちゃう、スリランカ。

スパイスの刺激でからだもなんだか健康になっていくような気分に。このカレー、辛さだけで行ったらマイルドでしょう。でも、辛さとは全く違うスパイシーの領域でこんだけうまさを出す、そんなことが出来るんですね。これは参りました。ラッキー名人と呼びたくなります。

チキンカレーはどうでしょうか。これなんかは、最初からスパイスカレーと銘打っているじゃないですか。スパイシーカレーのメニューは見ますが、ずばりスパイスカレーというのは初めて。スプーンで一口分すくって食べてみます。もう口の中に入れる前からスパイスの匂いがすごい。そして味もまたいままで経験したことのないスパイス味が攻撃的に口の中で広がりました。こちらは少し辛味の成分も多めにしていますね。その分、スパイスの攻撃が鋭角的になって、もうたまらないうまさ。これも、ココナッツカレー同様、白いごはんがぴったり合う不思議さ。ごはんも炊立てでうまかったよ。このカレーはビールもいいし、ロティもいいけど、その10倍白いそのままのご飯がおいしい。多分、バターライスよりおいしいと思いました。

このカレー、rumba隊長やジンさんに食べさせてあげたい。

チーズロティのおいしさは、一度食べた人ならやみつきになるってご存知でしょう。どこかにも書きましたが、ピザよりうまい。なんだか、最初から最後までうまいうまいって言ってました。食べながらスリランカのことをいろいろ教えていただきましたよ。それでラッキーさんが出してきた本が、ああ、これですね。MeetsのLOVEカレー(780円)という雑誌のスリランカカレーはラッキーさんの代表で掲載されてました。お店を出てこっちもすぐに買いました。

ワーサナってどういう意味なんですか?

ラッキーということですよ。

紅茶はどうしても上手に作れないと作り方を教えてもらいました。が、答えになってません。おいしくなる紅茶とミルクの黄金の混合比があって、これ以外の混合比ではおいしくないって。紅茶とミルクを混ぜるところをお願いして写真を撮らせていただきました。掲載もOK.ありがとうございました。

またまたスリランカカレーの奥深さに驚愕のランチになりました。こうなると、ますます食べたくなる。時間がないので連食も辞さず。次、肥後橋にあるスリランカカレーのお店に向かいます。気分はすっかりスリランカン。

  • 野菜カレー
  • チキンカレー
  • チーズロティ

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7位

中華蕎麦 とみ田 (松戸 / ラーメン、つけ麺)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2010/12訪問 2010/12/31

2時間の行列の先で待っていたつけ麺。山岸神様の世紀の大発明を進化させたのは、笑顔の孫弟子だった。

(2010年12月 再訪)
今年最後のとみ田です。

この日は、久しぶりにつくばにある喜乃壷に行って来ました。最近何度か昼飯時にお店の前を通ったのですが、車が1,2台置けそうな感じでそろそろ落ち着いてきたのかな、的な空気感が漂っていまして。

いやあ、うまかった。煮干、塩、細めんでいきましたけど、死ぬほどうまい。大感激してお店を出ました。ここからの自分の行動が理解できません。なんと、松戸の中華蕎麦とみ田に向かって車を走らせます。喜乃壷の麺量はたっぷりあって、しかもスープの最後の1滴までいただき、満腹の満腹なのに、どうして?とみ田?。。。。。。食べたいから。

行き先が松戸駅であることを菜美に伝えます。あかん、終了時間に間に合わない。そこでトライアンドエラー。帰りも便利なように、車で我孫子駅まで行き、駅前の駐車場に車を置いて電車で松戸に行けば余裕であることが分かりました。喜乃壷からとみ田か。まあ、一燈、トニー、トミーには負けるけど、自分の年齢ではええほうやろ。まだ現役やさかい。

とみ田に着いたのが余裕の14時35分。ちょっと早すぎるわ。外待ちを数えてみたら23人か。この日はめっちゃ寒くてそれが幸いしたな。15分後には、長椅子に昇格。それから10分後には、座布団付き椅子に昇格、とスピード出世で店内に入ったのが到着して38分。ええやんか。この日は、ちょっと少なめで、つけそば+半熟玉子(900円)で。300gも要らないので、麺少なめにしてもらい、代わりにチャーシューを1枚プラスしてもらいました。

店内へ。調理場のだぼシャツ姿のトミーにご挨拶。案内されたのは、前回に引き続き元テーブルがあったところで、道をみるサイド。またトミーの調理が見えんがな。

およそ5分で配膳。これや。多分、今年最後のとみ田やね。星の入った全粒粉の麺はエッジが立ちまくり、眉目秀麗や。2本つまんで、いただきます。まあ、うみゃあことうみゃあこと。これ、蕎麦つゆでもいけますね。久しぶりですが、また、うまくなったようです。どうしてこんな麺が作れるのか?不思議です。他の店はどうしてまずく作れるのか。

硬い食感を残し、しめ、水切りともにパーフェクト。いつもながら、天才の仕事に凄さを感じます。少し麺を楽しんだあと、いよいよつけ汁。れんげですくい、いただきます。なんじゃいこれは、って思うテンションの高いうまみ。またまたこいつも進化しちょる。豚骨の濃度が一段と上がったンちゃう?魚節のインパクトも、世の中これだけ豚骨魚介が蔓延して猫も杓子もメニューにしてる時代に、全く次元の違う豚骨魚介のインパクトを追求している巨人。うまいまずいのチンケなレベルじゃないね。うますぎる。

麺を浸して食べると、小麦も魚介も一気に一段高みの風味が引き出されてきましたね。まったく、凄みまででてきたつけそばを、一気呵成にいただきました。チャーシュー、半熟玉子、なんのコメントも出来ないパーフェクトな仕上がりでした。割りスープもこれだけで400円取れるね。ありがとう、トミー。


(2010年9月再訪)
通算4回目のとみ田です。ようやく時間のやり繰りがついて、とみ田に行くことが出来ました。

なまじ、つくばの活龍に行ってつけ麺を食べたことから、麺休前の総決算、つけ麺の口直しにとみ田に行かないわけにはいかなくなっちゃいました。また、折りしも浜松町の大つけ博でとみ田の出番が近づいていて、つけ博出店期間中は当然臨時休業ですから。もうこの日しかない、という日に何時間でも行列待ち覚悟で行ってきました。食べられればいい。

事情から車で行かざるを得ないことになりまして、それじゃあヨーカドーの立駐がいいでしょう。とみ田の斜め後ろ30mにあって、3000円のお買い物で2時間まで無料。ビールをまとめて買えばいいので、助かります。首尾よく立駐に置けて、すっと行列の最後尾に並びます。

ざっと待ちは20人。この程度なら1時間位経てば、あの神聖なとみ田の店内に入れるはずです。待ちはほとんどが学生風、ときどきラヲタさん風。ら~のことを1時間しゃべりっぱなしのラヲタさん風には、こちらにはもうすっかり消え去った情熱と言うものを感じます。全く周囲が見えなくなるほどのあっぱっぱ~のしゃべりが、うらやましい。途中で若い店員から食券を買うようコールがあり。かねてから決めていた、特製つけそば(950円)の麺少な目、おまけが味玉でお願いしました。

さあ、徐々に列が短くなって、いよいよ入店です。列にジョインしてから55分後でした。いつもの店員Aが店内の先導役で、あれええ、そっち?テーブル席を取り除いて作った窓側のカウンター席の最左翼へ。つまり、製麺所の隣。やむなく座ったが、そうそう、店主にご挨拶やと思って振り向いたら、にこっと笑顔でこっちを向いた富田店長がいたわ。入店のときこちらに挨拶しようと待ち受けていたのかもね。相変わらずの気配りの店主に心がなごみます。

またしばらく来れないので、店主の芸術的な所作をこの瞳にしっかり焼き付けようと思っていたのにいい。ま、仕方ないね。それから4分ほどで配膳となりました。さ、ここからは、目の前のつけそばと自分だけがこの世に存在する時間の始まり。

すごいオーラやね。どうよ、この麺とつけ汁の存在感は。麺は角断面の太麺でつやつやしていて、凝視すると星が入っているのが見えます。これが風味をよくしているんですね。全粒粉を使いこなしてつけ麺の最高峰に挑戦する意欲。それ以前も日本一、麺を改良しても日本一。麺をつかんでそのまま食べてみます。このこしが強靭でそのうえでもっちりとした食感を出す。ここがすごい。時間前には弟子がふたりで粉だらけになって製麺しているのを目撃しますが、そこからすでに勝負が始まっていて。

仕上げは店主による茹であげと〆。どれかの段階かがだめなら当然このクオリティは生まれない。真剣勝負そのものを毎日連続して継続し、営業時間も緊張の糸を張り詰めたまま。富田店主の哲学そのものの気がします。

大つけ博で、オーバーボイルした麺のレビがありましたが、そんなあふぉなことはとみ田の名前にかけて絶対しない、できないから、店主以下全員でイベントに参加する。すべてやることに筋が通っていて、そんじょのぽっと出とは格段の差を感じます。

麺のクオリティを確認して、安心したところでつけ汁。箸でかき回しましたが、このつけ汁の粘度は他のとみ田ライクのお店のつけ汁と全然違いますね。全くの別物。箸でかき混ぜてふと表面を見ると、もう既に表面に膜が張っています。すかさずに麺をつかんで、さっと汁をつけて、わっせわっせ。うま~~。

濃厚な味に強靭な麺が受けて立つ。魚が先行して、ここまでやるかの濃厚な豚鶏のコク味がフォローしていく唯一無二のドロドロ汁のうまさよ。山岸翁の世紀の大発明である酸味を入れる、手法を極限まで追求してこういうふうに酸味を使うというお手本のような汁。う~ん、記憶にあるとみ田のつけ麺よりずっとうまい。汁はもちろん熱々。その熱で麺が息をふきかえすのがまた興味深い。ゆずの爽やかさ。ゆずの風が味蕾と鼻腔をくすぐる。まったくこの店だけが、雲の上に一軒あるような実力の違いを感じました。

バラ巻きチャーシューと味玉のうまさ。もう教えたくない、ってほどうまい。チャーシューをどのような味の設計にするのか。この汁とこの麺の世界で存在価値のあるチャーシューはどうあるべきか。そのような疑問に対して、このチャーシュー以外の答えを思いつきません。味玉のうまさよ。熱々です。おまけのハーフ味玉とは全く別物。せめて味玉はトッピングしたほうがいいですよ。そんじょの味玉と同じ値段とは思えない感激が待ってます。

う~んう~んうなりながら、一気にいただきました。麺が少なかった?それも事実ですが、その分大切に気持ちを込めて、一箸ごとに愛情をもっていただきました。いとおしみながら、いただきました。麺少なめ、これでいい。あっけなく自分たちだけの世界は終焉を向かえ、あっさり割りスープで一幕のドラマが終わりました。

ったく、富田店主って男は。席を立って振り向くとまた店主の笑顔がありました。ごちそうさまでした、断然うまいなあ。声を掛けて店から出て行きました。


(2009年12月再訪)

開店時間定刻の11時になりました。店内から出てきた店員さんから、大変お待たせいたしました。さあどうぞ、の声が掛かります。

2時間座っていた椅子から1つ背伸びをして立ち上がり、店内に向かいます。待ち行列の先頭でしたから、当然入場の列の先頭に立って、店内へ行進を開始します。さあ、ここから特別な場所、特別な空間に入って行きます。今から、壮大なギャラクシーオペラの第二幕が始まります。興奮を押させ切れません。

厨房にはすでに調理を開始している富田店主トミーがいてちょうどおたまでスープをどんぶりに移しているところです。それでも、きっちりこちらを見て笑みの交換を。できた天才です。一番奥のカウンター席に座り、長い時間待っていて乾いた喉に冷たいお水を供給してあげます。注文はすでに券売機で食券を渡した段階で言ってありますので、それをもとに調理が始まっているわけです。厨房にはトミーとベテランの補佐のふたり。フロアは愛嬌のあるひげが出てきて面倒を見てくれます。

この日は、今年最後の行列に並ぼうと決めてました。だんだん日程がなくなってくるし、寒さも厳しくなるんで2時間の行列ができるのはこの日が最後だな、と。ところが起きてみると、ものすごく寒い日で風も冷たく、試練という言葉がうかんだくらいです。いっぱい重ね着をしてお店に到着したのが09時丁度。一番端の椅子に腰掛けて読書開始。2番手は15分後に接続してきました。

店内ではもうスケジュール通りの麺製作。フードをかぶった2人の若手が製麺機と格闘しながら桜ROZEOのお客さんのために奮闘してます。やがて予定の分量がすべて完成され、麺箱に詰められた自家製麺が軽トラックいっぱいになって出発していきました。

10時半。スケジュール通り、食券買ってくださいのコールがかかりました。店内に入ってもう決めていた特製つけそば(950円)の食券を購入。券売機の横に立っている店員さんに渡します。

麺量を250gにしてください。(デフォルトで300gあり、減量中なので少し少なめをお願いしました。)

麺少な目でだいたい250gぐらいになりますが、それでいいですか。

いいです。そうしてください。

そのときは、トッピングののりかめんまが増量になりますが。

それでは、めんまでお願いします。

そんなやりとりがあったので、店内に入ればもう席に座ってつけそばの出来上がりをひたすら待っているだけです。前回も同じ席。席の目の前には、山岸神様が天才トミーのご子息をひざの上にのせている写真が飾られています。写真のなかで、神様も天才ジュニアも心から笑っているいいショットです。

お店の中にはクリスマスソングが流れてますね。うきうきの2乗になりました。

お待たせいたしました。背中から声が聞こえたので、あわてて体をずらしてこの日の主役をカウンターの上に置いてもらいました。

これだあ。やっと食べれる2009年年末のつけそば。8ヶ月ぶりになります。明らかに違うのは麺とめんま。これ増量の分です、と別皿に入っためんまが枕木から一般形に変わってました。麺は聞いていた通りの全粒粉を使った自家製麺で色がちがいますし、反射する光も違いますし、全粒ですから星もはいってます。でも見るからにうまそう。最近うまい麺を立て続けに食べて、うまいうまいと言ってますが、更に上を行くような風貌にまた一段とテンションがあがります。

麺の上のは分厚いバラ巻きチャーシューを乗せ、これも食いつきたくなるルックスです。一方つけ汁のほうは、見るからに粘度の高そうな汁の上に、のり、刻みネギ、なるとが乗ってます。味玉とめんまは沈んでました。

2時間並ぶだけでこれを食べることができる仕合せ。トミーが心をこめて作ってくれた一杯。

麺を2,3本つかんで試食してみましたが、こんな麺は初めてです。全粒粉でどうしてこんなコシのある麺が作れるのか。硬いくらいのコシでありながら、口の中で反発する弾力も兼ね備えている。そして、全粒にしたことで、麺の風味が強烈に伝わってきます。穀物が太陽から受けたちょっと枯れ草のような匂いがします。すごいなあ。今まで食べてきた全粒粉のラーメンは、風味を第一義にしているのだから食感はしょうがないな、と思っていましたが、天才にかかると、食感も風味もどちらも非の打ち所がない麺に仕上げてしまうのですね。

その麺をつけ汁に漬けてみると、麺が肩の力が抜けたようにすっと弾力が増して、歯の噛み応えもさっと変わっていくのが分かります。こっちのほうが麺のうまみをより強く感じます。温度なのかなあ。ここまで変わるとは思っていませんでしたので、おどろきました。そして、変わったことで麺の魅力がぐんと増します。この変化を読んで麺を作っているんでしょう。逆算をして製麺の諸元を決める。トミーは絶対そうしているはずです。出来成りじゃあない。計算して作る。

つけ汁のこの味はどうだ、と思うくらいもう完成された特濃トンコツ魚介です。この日も食べていてあまりのうまさに鳥肌が立ちました。バランスがどうだとかそんなレベルのつけ汁じゃあないですね。まさにゴッドハンドから創造された芸術品。この才能をラーメンの世界で生かすのがもったいない。イタリアンとかフレンチならもっと幅広く評価する機関やシステムがあるし、世界のグルメ富豪が自家用ジェット機で食べに来る料理も脱ラーメンとなれば、可能なんじゃないか。そんな才能の片鱗が見えるつけ麺です。びっくりしました。

計算と感性と努力、だと思いますが、ちょっとトミーは抜きに出ているどころか、断然他とは次元を超えた料理人だと思います。それが、チャーシューや味玉にもちゃんと気を抜かずに完成品の中のパーツとしてどうなんだ、取り出しての単体パーツとしてはどうなんだ。料理の全体を俯瞰視野でサーベイできるんだと思います。ご本人は、他の料理人と同じことをしていると思っているんでしょうが、実は全然違う世界で料理しているんです。

一杯のつけそばを食べながら、いろいろ考えていました。もしあなたが今年未だとみ田のつけそばを食べていないなら、どんな苦労をしても松戸に食べに行くべきだと思います。ここのつけそばは、いままでの自分の過去のつけ麺の概念が全部こわれて新しく生まれ変わる、と断言いたします。


(2009年4月初稿)
http://u.tabelog.com/000088607/r/rvwdtl/950962/

  • つけそば+半熟玉子
  • (説明なし)
  • 2010年9月の特製つけそば

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8位

カフェ・ラ・ファミーユ (結城、東結城 / カフェ、フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥2,000~¥2,999

2010/08訪問 2010/08/29

茨城県結城の町外れに忽然と現れるブルゴーニュ地方伝統の建物。夢見心地でいただくはごく旨のイタリアン。

この日、結城にあるこのお店までやってきました。先行レビューをつなぎ合せてみると、周囲とは全く違う世界のような建物が何棟かあり、そのうちの1つがカフェになっている。建物も素敵だが出される料理がまた特別なおいしさがある。そんなお店、結城にあるんですか?って、ちょっと自分で見ないと信じられない気持ちです。

茨城県の月間アクセス数の上位にもたびたびあがるこのお店。ちょうどいい、口コミ数が1000になる時期なんで、予約して行ってみようか。

それで、予約時間の1時間前に到着したので、待っている時間で結城の蔵の町並みを散策し、甘味茶蔵真盛堂で一息ついていたら、ファミーユから携帯に電話があって。お席のご用意が出来ました。と、こうなるのです。最初にファミーユに到着して、その建屋を拝見しました。なるほど、ここは別世界です。建屋のデザインが凝りに凝ってます。ニセモノではない、本当の本物だけが持つ人を魅了するオーラがあります。どうして、こんな建物のデザインを思いついたのか。それは、食後に明らかになりました。

申し訳ありませんが、予約時間までお待ちください。お席がご用意でき次第、携帯電話に電話いたします。そう言われてカフェ棟から出てきました。カフェ棟の前にあるのが、ブティック棟です。もうすでにBさんは、とっととそちらに入って行ってます。しょうがなく入店すると、なかなか感じのいいアンティーク小物や洋服が陳列されてます。

もう、買うもの見つけちゃった。

Bさんから先制パンチ。手にはブリキでできたアンティーク調のじょうろが。正札を見るとお料理より高い値段が。これ買ったら、食べログに載せていいから。ここは、食べ物のサイトですから、見たいっていうレビュアーさんがいればUPしますけど。

建物の裏には素敵な庭園が。何気なく見えますが、実はめちゃめちゃ凝っていて、さりげなくアンティークの小物が散りばめられていて、植物もセレクトされています。木陰でランチ、アフタヌーンティー、も、すっごくいいですね。ただ、35度を超える暑さですから、9月まではちょっと暑すぎるかな。その庭の裏が、実はオーナーシェフのお母様がやっている畑なんです。このカフェのおいしさは、この畑から来ることを、地元の方に教えてもらいました。

そんなことで、携帯で呼び出されて戻る前には、すでに買い物もし、建屋の観察も終え、畑の情報まで分かっていました。

お店に戻り、店内に入ります。ちょうど前の予約グループがひけたあとですから、店内はゆるい時間にもどってました。入り口には待っているお客さんもいて、予約なしで来たんでしょう。14時近くまで待たされるのかな。予約は必須条件だと思います。

案内されたのは、入って左側のほうのテーブル。2人用です。実は、この席がお店のことを理解するにはベストの場所であることが、後から分かります。

このテーブルのほか2人用がいくつかと、相席、グループ客を想定した10人掛けようの大きなテーブルがありますが、いずれもアンティークを改造したもので、インテリアに奥行きをもたらせます。窓もそう、ウォールランプもそう。すべてアンティークがいやみなく、ブルターニュの家を演出しています。

入り口から入って右に折れていくと、そこにも部屋があって4人がけのテーブルが並んでました。そこに行く渡り部に厨房があり、断って厨房を見せていただきました。オーナーシェフがどんな方なのかちょっと拝見したくて。

テーブルについて、すぐに渡されたランチメニュー。お店のスペシャリティもありますが、二人は大のパスタ好き。限定メニューには目もくれず、パスタランチ+オードブルのセット(1600円)をオーダーします。

*きのこ、長ねぎ、ベーコン、スパゲッティーニ
*鶏むね肉、オクラ、レモン風味のタリアッテレ

椅子は木製で背もたれの後ろに聖書入れがある、古い教会で使われていた物。テーブルは、同じく木製の古い机に天板を一枚はってアンティーク改造のアンティーク風。すべてに神経が行き届き、驚きです。

オーダーするときに、写真撮影の許可をお聞きしました。フロア担当の方がオーナーさんに訊きに行ってくださり、許可をいただきました。許可をもらえば、撮影禁止ではありません。

オードブルですね。生ハムとトマトが主役の一品でした。爽やかなおいしさで、う~ん、ワインと合わせたい。パンをはさんで、パスタが配膳されました。行列のは、野菜、ベーコンスパゲッティーニ。これ、どんな風においしさを表現したらいいか。一口で言えばめっちゃおいしい。素材がめちゃめちゃうまい。特に、長ネギ。こんなうまいネギ、食べたことないです。あま~い。これが、シェフのおかあさんが畑で栽培したねぎなんですね。今朝掘ったのでしょう。ねぎ、に感激するっておかしいですが、その前提はもちろんパスタがめちゃめちゃおいしいからです。ベーコンとしいたけも十分機能しています。味に深みがあって、この料理は十分堪能しました。料理まで完全主義、ということを感じました。

レモン風味のタリアッテレも少し食べましたが、これもさっぱりしているのにコク味もきっちりと計算されていて、非常にうまかった。あとは、好みの問題ですね。Bさんはこのパスタに感激してました。自分は、自分のオーダースパに感激してます。それで、いいやん。

スパは熱々。二人が最低限望んでいる条件は軽くクリア。量も、少なからず、多からずでこれはなかなかよろしい。この空間の中でこの料理。結城に是非行ってください。保証します。

そして、最後はアイスカフェラテとデザート。デザートについては、メモを自宅に置いてきてしまい、あとで追記します。いま、博多駅前のホテルの一室で執筆中。流行作家やで、ほんま。

それと、最後にナゾときを。食事が終わって、フロア担当の方(この日は、女性3名、男性2名。それでも、多いとは感じないほどのサービスの充実!)に訊きました。実は、この家はフランス風と主張するBさんと、イギリス・コッツウォルズ風と主張する行列のどちらが正しいか、訊いたんですね。

その机の中にファイルが入ってますから、どうぞご覧になってください。

言われたとおりにあけると、普通のA4のホルダーファイルが入ってます。あけてみたら、う~ん、なるほど。オーナーシェフが自分の店、つまりこの店を作るにあたって、自分のイメージに合う、家のスクラップを集めていたんです。家の形、色、屋根、壁の素材、インテリア。まあ、素敵な家の古い写真が一杯入っています。それを元にデッサンした図、設計図、そして、写真とこの家の比較までも。

ということは、この凝った家、インテリア、エクステリアすべてがオーナーのイメージ通りに作られていると言うことなんですね。家の基本となったデザインは、フランスブルゴーニュ地方の素敵な1軒。それが見事に結城市で再現されてます。安っぽい再現ではないです。すべて本物志向。是非足を運んではいかがでしょうか。口コミの1000件までお付き合いいただいた読者の皆様への、感謝の気持ちを込めて。ありがとうございました。トップでUPした写真のテーブルで、竹内結子主演の映画の1シーンを撮ったそうです。

そして、最後の目標のレストランレビュー大台まで、あと12軒。記念のお店、どこにしようか。

  • ほんとに、映画のロケに使われたテーブル
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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9位

ひろせ食堂 (花畑、試験場前、西鉄久留米 / ラーメン、食堂)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2010/08訪問 2010/11/16

やっぱり一味も二味も違う最高のトンコツらーめん。久留米の伝統をいかんなく発揮してます。

(2010年8月再訪)
丸星中華そばセンターで、うま~~い豚骨ラーメンを食べました。豚骨のうまみが、全く違いますね。豚骨先進国、歴史の重みをしみじみ感じます。東京の豚骨ラーメンの有名店で、豚骨は九州から取り寄せてます、なんて宣伝ありますが、そんな問題じゃあないでしょう。炊き方、しかありません。悪魔が天から舞い降りてきて、お前の魂と交換ということで丸星のラーメンを食わせてやるが、どうじゃ?当然、YES。魂を売っても食べたい。

車に戻り、夢前案内人のユー坊さんに、その興奮を伝えます。落ち着きを取り戻す前に、出発。同じ久留米市内のひろせ食堂を目指します。およそ、5,6km。

このひろせ食堂を教えてくれた、久留米観光協会のオネエサンにはお店に来るたびにずっと感謝していました。こんなうまいトンコツラーメンが世の中にあるのか、って初めて食べた時の衝撃的なうまさは忘れられません。2軒目にここを組んでいただき、今回のひとつの山場です。昔の恋人に逢いに行くような、ドキッドキッ。

お店の前に着きました。あれ?こんなビルだっけ?お店の前の駐車場は満車なので、しばらく空きを待ちます。先に下りて並べとの指示があり、夢前案内人を残して降ります。入店。おおお~~おおお、ここだよ。見覚えのある店内。カウンター席としょぼく見えるテーブル席。

ここには出張の途中でよりますので、来るのはだいたい平日の昼間。カウンター、テーブル席ともに、いつも高校生であふれてました。ラーメンと盛りのいいチャーハンをかきこんでいる姿が目に浮かびます。

車を無事駐車して店内で合流。じっと席が空くのを待ちました。この間、どうしても焼めしを食べたいが全部は食べられないので、1つはラーメンと焼めしのセット(850円)にしようと閣議決定。ラーメンは400円、焼めしは、490円です。

厨房は、ず~っと忙しいまま。お客さんが途切れず、ラーメンもチャーハンも同じようにオーダーが入るので、休むひまがありません。毎日、毎日、昼も夜も、同じ作業が延々と続くのですね。そして、求められているのは、どれもが、いつもおいしい、こと。フロアではオネエサンタチが急ぎ足で飛び回って、配膳と後片付け。よく見ると、全員に、小皿、ステンのスプーン、れんげを配給しています。焼めしを小皿に取り分けて食べる、が基本なんです。

しばらく待ちましたが、さ、配膳されてきました。来ましたよ、いよいよ。これかあ。

思っていたビジュアルとちょっと違うかなあ。もっとずっと薄いスープだったと記憶してました。記憶よりは濃度が高そうな印象です。こんなんだったんだ。RDBも食べログもない時代ですから、きっちり見てません。ぱっと見てさっとスキャンして、いただきます、だったんでしょう。1秒スキャンでは記憶に残りませんね。

豚骨スープは見事な白色で、製造過程でできた泡がこまかくたってます。スープ表面に浮いている脂玉も程よく多い感じで、これはうまそうです。乳化が相当進んでますので、目に見える以上に豚脂の含有は高いでしょう。チャーシュー、茹で玉子、青ネギ、のり。

スープを飲むのに、小皿の上に乗せてあるレンゲを取って。ずずずっと。いやあ、こいつも、素晴らしい出来です。見た目よりもずっと濃厚です。粘度が高いわけではありませんが、コク味が濃い。記憶にあったスープよりずっといい。十二分に豚骨のうまみ成分が抽出されて、乳化度は相当高いですね。こってりしながらあっさりしている、豚骨独特の特性がもろ出てる感じです。塩分はやや高めで、麺と一緒にはこのくらいがちょうどいいでしょう。

このスープにマー油を浮かせたら、熊本黒亭になるな、なんて考えてます。スープから立ち上がる匂いもたまらなく魅力的です。このスープの風呂で、溺死してみたい。豚骨を長時間煮込んで行くと、すべて溶けきっていくわけですが、水100kgに対しての豚骨の重量がどのくらいでバランスが取れて、うまいトンコツスープになるのか。それを精通しているのが、ここシリコンアイランド九州なんでしょう。正解は唯一ではない、ところが豚骨のエライところだと思っています。

麺は細麺ストレート。これも長浜麺ほどは細くはない。スープの中で泳いでいるが、茹でが決まっていて弾力を残しているものだから、なかなか口の中に入ろうとしない、ところが上質な証拠。この風味のいい麺が、すっとんすっとんと噛み砕かれたあと胃に飛び込んでいく姿は、まさにスバラ式世界。

丸星での1杯目からの直行でいただいてますので、どんどんお腹も膨らんでいきますよ。スープをずずず、焼めしをほうばり、麺を噛み砕きっキング。焼めしは、お茶碗2杯以上あるボリュームで、これは一人では食べられません。良く焦がしてあって、こうばしい。スープとの相性、麺より焼めしのほうが上かな、と思っちゃいます。

神田神保町のさぶちゃんの半チャンラーメンもうまいが、ここのだって負けてないですね。ベストペアでしょう。

他の具材もそれぞれ機能してうまかったですけど、あくまで麺、スープが主役のランチでした。これで、ひろせ食堂の記憶がリフレッシュされ、毎年1回はここに戻って来たいですね。

次なるお店は豚骨ラーメン発祥店、南京千両ですが、夜に備えて行列はスルーします。食べて見たいですけど、またチャンスがまわってくるでしょう。ひろせ食堂も100点なんですが、世間の目は大丈夫かなあ。


(2008年8月初稿)
今回は、連食の2軒目。そもそも、久留米にラーメンを食べに行きた~い、と思ったのは博多での情報収集の成果でした。博多で一番おすすめのラーメン屋は?という質問を福岡在住で気心の知れた者数名に問い合わせて一番多かったラーメン屋の名前は:博多では食べない???無性に食べたくなったらタクシー飛ばしても久留米まで行く。おいおい、ホント?とんこつ命としては、そのルーツ(発明者含め)を知りたい。ルーツを探す旅で遠くへ行きたいの1本撮れると思い、少し勉強。トンコツのルーツは久留米と聞いていたが、熊本→久留米→博多という説もあるそうな。では、久留米ラーメンとは一体。そこでまたお勉強し、これだの3軒を選んだ。
ひろせ食堂は、なにせ名前で有利だよ。もう内容調べず、いっと最初に決めた。なつかしさ、むかしながらの、を名前が主張していて分りやすい。場所は、駅から相当のかなり歩いたが、こっちはもともと路地裏探検隊なんで望むところ。お昼をかなり回って到着。8分の客入り。入店前は迷わずラーメンで来たが、よーく観察すると99%ラーメンチャーハンで。じゃあ、それで。
目の前に到着。まあ、そのお姿の美味しそうなこと。一口スープから。まあ、ナンでしょうか、この味。そうとう薄味に感じるんですけどその分滋味豊富の全く経験のない”うすこく”。薄味だがこく味。う~んまい(いつもよりフォルテッシモで。)。これを超えるのはわたしてきに当分なさそうだ、のお味。(評論になってない。)。チャーハンは、こく味でご飯のこげた香ばしさがまず立ち上がってくる逸品で、まあ地元人気店の美味い、安いの典型ですね。くすぐり、つかみともに満点。最近連食にだんだんかげりが見え始め辛く思う事も少なくないが、今回はラクショー。うまいもんは別バラ。絶対のおススメです。

  • (説明なし)
  • 焼めし
  • (説明なし)

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10位

青島食堂 宮内駅前店 (宮内 / ラーメン)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2010/04訪問 2010/11/16

本当に本物の地方の名店青島食堂宮内駅前店。ラーメンに凄みがあり、秋葉原店とは全くの別物のうまさ。

いち井で連続2日間、塩と醤油。店主の心意気に心酔しました。

もうすっかり楽しませてもらいました。幸せなことです。席を立って厨房の店主に小さく手を振ります。前の日と同様、調理中の手を止めて、会釈されます。二人の距離は6,7m。ものすごくゆったりしたレイアウトなので、距離はありますが、この半分以下の距離にいる他の店主とは、やっぱり違う。

駅まで歩きました。途中でバス停があって長岡行きの時刻を確認しますが、当分来ません。駅に着くと、あと5分で長岡まで行く列車がありました。長岡で降ります。天気はいいのですが空気は冷たくて思わずコートの襟をたてました。

所用が終わって15時過ぎ。さあ、あとは長岡駅でおみやげの駅弁でも買って上野まで帰りますか。もう一軒、軽く寿司でも食べて今回の出張のしめにするか。ちゃんと調べてきてあります。タクシーだな。駅まで歩きますが、どうしても宮内駅前にあった青島食堂の時代とともに歩んできた、古い看板が思い出されて仕方ありません。食べたいなあ。宮内に戻るか。また見たい、あのがんぎ。

宮内では、歩いていて3軒の青島食堂を見ました。製麺部と書かれた建物も見ました。歩いて回ったからでしょう。今年の1月に新潟に行ったとき、青島食堂の東堀店でラーメンを食べました。感動しました。秋葉原店とは別物でした。宮内は発祥ですから、新潟市内の店舗とはまた違うのかな。そんなことを思いながら、もう一度宮内に戻ることを決めてます。また丁度いい列車はなく、タクシーに乗りました。

ここです。青島食堂の看板の字が風雪に洗われてかすんでしまっています。他店は普通の食堂風の作りですが、ここは横に長い独特のデザインをした風情ある店です。創業して何年になるんでしょうか。

ココも、お店の外に券売機があります。いい匂いが店から流れてきます。麺の茹でる匂いとしょうがの匂い。買ったのは、青島ラーメン(600円)と薬味刻みねぎ増し(50円)。わくわくしてます。

戸を開けて中に入ります。あったかい。中途半端な時間でしたが、それでもお客さんは半分くらい席を埋めてます。相当でかいお店なので、7,8席しかないラーメン屋なら満席ですね。休日なので、ゆっくりの時間に食べている人たちでしょう。地元の人たちです。

ちょうど入って目の前の席が空いていたのでそこに座ります。若い麺職人に向かって、カタメンでお願いしますコール。

店内を目に焼き付けようときょろきょろしていたら、あっというまの配膳。

すごい。もう見るからにうまそうです。50円のねぎが、わんさか入っています。このザク切りがうまいんだなあ。スープは醤油色が濃く、表面にはたっぷりの脂。しょうがの匂いが立ってます。薄く切ったチャーシュー。自家製と銘打っためんま。なると。のり。ほうれんそう。この辺は東堀店と変わりません。いまどきのラーメン屋がラーメンのビジュアルを重要視するのに比べて、このぶっきらぼうはどうだ。やっぱり地方ラーメンの面目躍如です。

どんぶりを持ち上げて、何はともあれ、スープ、スープ。くい~っつ。しみるなあ。熱々でヤケドしそうです。動物系のコクとしょうがのバランス。しょうがはこれ以上入れるとラーメン味が損なわれるぎりぎりでしょう。しょうがが弱い、というレビューが多いですが、マイしょうがを持ってきて入れてごらん。後悔するでしょう。

醤油色が濃いですが、味はとてもあっさりしていて濃い感じは全くしません。塩加減が決まっています。長い年月が作り上げて来たものでしょう。うまい、うまい、でちょっとも先に進みません。スープばかり飲んでます。どんぶりを置いて、ねぎをごっそりつかみ。このちょっとくたったねぎの、うまいのなんの。どんなトッピングよりうまい。

麺はほとんどストレートな中細麺。地方ラーメンはやわいのが多いので、前回の新潟店を思い出しここでもカタメンコールして、正解。麺が生きている感じで、食感が実にいい。こういうラーメンを食べていると、スープが麺にからむとかからまないとか、何を変なこと言ってるの、と思います。おいしいか、おいしくないか。いつごろから、誰が言い出したのか、今や1億人がからむ、からまない、で右往左往。

めんまがじつにいい。軟骨マイナス1くらいの食感。素材を選んでますね。あと、チャーシューも小判が数枚入るタイプ。おいしい。残りのトッピングも普通においしい。と、そっけなくしたくなるほど、うまい順番が、①ねぎ②スープ③麺、だからしょうがない。

わがままだなあ、と自分で思いながら、また戻ってきた宮内、曙。こんな幸せ、当分ないだろうな、なんか考えながら再び長岡を目指します。今度は本当に新幹線に乗って上野までのぼります。

  • 青島ラーメン+葱増し
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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