東京のFさんが投稿した割烹たけした(鹿児島/市立病院前)の口コミ詳細

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割烹たけした甲東中学校前、新屋敷、高見馬場/日本料理、海鮮

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.1
      • |雰囲気 4.1
      • |CP 4.7
      • |酒・ドリンク 4.1
1回目

2016/03 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.1
    • | 雰囲気4.1
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク4.1
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

南九州の至高の割烹ここにあり

2013年7月再訪

一時期休業していたたけしたが営業を再開したと聞き再訪。
30周年ということで、鱧のコースを5000円で供していた。

しかし、大将は今や若いお弟子さんの監督役に回っており、自ら鱧に包丁を入れる姿はなくなっていた。
来年、齢70を迎えるこの大将、自らの料理人としての引き際を見定めているようでもあり、同時に、ここを訪れる縁故ある客のため、多少の無理は承知で後継者の育成を急いでいるようでもある。

私も含め、供される料理に関して思うところはあるものの、客の側もみな、それを承知で訪れている。
逆に言えば、ここはもはや、いや元々そうであったのだが、新規の客を招くための営業をしていない
縁故ある客のため、やめるにやめられない、というのが今の大将の本音のようである。

よって、今回のレビューをもって、私はここ割烹たけしたを人に勧めることはやめることにする。
今後も、大将の築き上げた食材の仕入れ先との関係は引き継がれるであろうし、大将の持つ技の多くも伝承されるだろう。
ただ、15の時から料理一筋に生きてきたこの大将の職人魂を受け継ぐことは容易ではあるまい。

大阪の古い料理人の職人技と、鹿児島の食材とが出会って生まれた割烹たけしたの味、それは今後、一体どのような命運を辿るのであろうか。


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追記

訪問時期は前後するが、ここが私の中では「美味いもの処」であり、河豚以外の食事内容についても遡ってレビューを記すと書いていたので、これまでの訪問時にした食事について一括して、断片的な写真とともに簡単な紹介をしておこうと思う。
なお、ここはカウンターで食事をしていると、話の流れや大将の思いつきで「美味いもん」がポンポン飛び出してくるので、「〇〇コース」と呼ぶ料理の合間にも、思わぬ美味い逸品と出くわすことがあり、実際のコース構成は必ずしも型どおりとは限らない。


【スッポンコース】(2011年5月、8月)
ここ割烹たけしたのスッポンはさり気なくすごい。
数日前に予約をしておけば、立派なサイズ(目方は失念)の天然モノを確実に用意してくれる。
しかもそれが、生姜も酒も使わず鍋に豪快に入れてあるのだが、驚くほど臭みを感じない。そして味は極上なのである。
大将によれば、鹿児島の川の上流では、こんなスッポンは豊富にいて、人に頼めば簡単に手に入るのだという。鹿児島にスッポンを食べる文化がなく、天然スッポンの産地としても特に知られていないので、仕入れは比較的簡単であり、従って安く供することができるとのこと。
分厚いエンペラーの食べ応えには、さすがの私も降参で、食べきれない分は唐揚げにして持ち帰らせてもらうのが常である。
スッポン好きの方には、是非ともこの無名にしてすごい鹿児島のスッポンというものを味わってもらいたい。

【鱧コース】(2011年7月)
河豚コースもさることながら、大阪で修業を積んだ古い職人気質の大将の腕が光るのがこの鱧コースである。
鱧は、地元鹿児島の海で揚がるものを使用。
大将自身、まさか鹿児島で質のいい鱧など揚がるわけがないとはじめは思い込んでいたそうである。
が、試しに使ってみると、驚くほど上質で、以来、鱧もスッポンと同様、この無名の地物を使うようになったとのこと。
私はこれまで鱧についてあれこれと書いてきたが、ここ割烹たけしたの扱う鱧の質は間違いなく五指、いや私の経験上ベスト3には入るものである。
このコースについて、たった1枚の(全く飾り気のない「)写真しか残していなかったことが悔やまれるが、満足度の高さは未だ忘れがたい。
特に、あの、濃厚な旨みの詰まった身の味わい、そして一切骨が当たらない素晴らしい食感、大将の腕の確かさもはっきりと分かる。
かつて、大阪で、少しでも骨が当たろうものなら客に文句を言われ、そうなればもう決してお代は貰わない、といった時代を経験した職人気質の大将ならではの技術である。

【伊勢海老コース】(2011年10月)
割烹たけしたの供する海老はどれも質が高い。
伊勢海老以外にも、初訪問時の夏に食したセミエビ、昨年11月に食したアシアカエビ(クマエビ)にパッチンエビ(ウチワエビ)など、あまり普通はお目にかからないような種類の海老も、非常に上質な地物が揃う。大将は、魚介類に関しては近海を避け、海の綺麗な屋久島などで揚がるものにこだわっているとのこと。どれもお造りで食べてみると、非常に清らかでいて豊かな美味しさがある。
私は特に伊勢海老にこだわる必要はないと思うのだが、この伊勢海老コースで供される鍋の豪快さには脱帽である。
ミソから何から、海老の旨みが凝縮されたこの鍋には悶絶する。
そして併せて、松茸の天ぷらも供された。何という贅沢であろうか。

【アラ(クエ)コース】(2012年1月)
宮崎のふじ木と同様、ここ割烹たけしたも30キロクラスのアラにこだわる。
お造りは河豚のようにネギとモミジおろしを添えて供された。一見して実にも見事なアラである。
そしてちり鍋、これはもうその具を写した写真を見ていただいた方が早い。サービス精神旺盛な大将が、アラ以外のオマケも載せているが、あまり気にせずに見ていただきたい。豪華というにもほどがあるというものである。
更に唐揚げ、これは河豚の唐揚げをも上回る美味さだったと記憶している。
どうしてこうも、何から何まで美味いものを供せるのだろうか。

【その他】
2011年4月、近所の常連客の間では持ち帰りの一品として人気の鯖寿司をいただいた。
血合いをあえて残してある鯖寿司である。これが滅法ウマイ。私は病みつきになった。
血合いが残っているのを一目見て、けしからんと怒る人もいるようであるが、鮮度の良い状態でさっと処理してしまえば、血合いは臭みが出ず、かえって濃厚なコクと旨みに転化するとのこと。
私は幾度も持ち帰った。翌月には宮崎の知人への手土産として持参し、大変な好評を博した。

また、2011年10月の訪問時にたまたま大将が供してくれた、ナスの煮物が極めて美味く、印象深い。
手間暇を惜しまず、昔ながらの技法で、真面目に丹精込めて仕込んでいる姿がありありと浮かぶ。
こうした何気ない一品に、古い職人気質の大将の、磨き上げられた技術が詰まっていると感じる。

2011年12月の訪問時には、10キロ超えの天然寒ブリと非冷凍の地物のクロマグロをいただいた。実は、ある程度通い慣れたならば、特に〇〇コースと指定せず、その日入っているものをおまかせで、という予約の方が、ここの楽しみ方としては相応しいのかもしれない。
締めのご飯について、ふと私がネバネバした山芋類が好きだと話せば、実にも立派な天然の自然薯を取り出してすってくれる。
天然の自然薯といえば、その希少性から高価で取引され、四国の奥地などでも滅多にお目にかかれず、あったとしても細いものばかりと聞く。
しかし、鹿児島の山では、今も立派な自然薯が掘られ、それが地元で安価に手に入るのだという。
鹿児島という土地は、スッポンにしろ鱧にしろその他魚介類、そして自然薯といった山の幸にしろ、地元の人間が知る以上に、素晴らしい食材の宝庫なのではないか、と思う。現在のところ、このCPは抜群であるといえる。
2012年1月には、オマケとして、常連客用のおせち料理の一皿も食べさせていただいた。
これがまた、具材の一つ一つに抜かりがなく、非常に細やかに良くできていて、美味い。


さて、ここ割烹たけしたは河豚料理だけではない、ということを強調したいあまり、散漫なレビューとなってしまったことを反省している。
これからの季節、看板の河豚料理がやはり主力となるであろうし、この冬に初訪問するならば、まずは河豚を味わうのが無難であろう。そして、そのうえで、ここは河豚以外の食材を扱った料理も極めて優れており、そして(元々原価の高い河豚以外は)驚くほどCPも良く、通い詰める価値がある、ということを分かっていただければと思う。
河豚料理に関しては、3万円のコースと新設された2万円のコースとなるが、それ以外は基本的に1万円~1万5千円の範囲で収まる。私のように酒量、食事量が多くなければ1万円未満で済むだろう。
最後に、初訪問をしてみようと思っている人への注意点を改めて列記しておく。

1.大将は旗幟鮮明な実質主義のアンチ京料理派であり、料理の盛り付け等に一切の飾り気がないなどの点は覚悟しておく
2.電話予約は必須
3.更に、基本的にこれまで常連客相手に営まれてきた店であるため、県外などからの一見客への対応には慣れていない
(電話で、どこかキョトンとしたような反応をされることもあるかもしれないが、普通に予約をして料理を楽しめば何も問題はない)
4.料理全体のボリュームが過剰気味なので、あらかじめコースを最後まで楽しめるよう、考えておいた方がよい


総評(年間を通じ):★4.7
通い詰める価値あり、(限りなく至高に近い)稀有なる名店。


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~河豚料理の名店めぐり その4~【割烹たけした】

その1【田中旅館
その2【ふく政
その3【多古安


ここは私の「とっておき」の店の一つであり、河豚料理専門店ではなく私の中では「美味いもの処」という分類なのだが、冬の河豚料理が店の看板と呼べるほどの名物となっており、その質の高さからしても外せない一軒であるので、一旦、「河豚料理の名店めぐり」という括りの中で取り上げることにした。

ここも本来、人と人との直接の縁を通じて訪れる客だけで自足している店であり、常連客の多くは無闇に知られたくないと考えていることだろう。まして赤い本にも載っていないのであるから、本当に「知る人ぞ知る」割烹といえる。
こうしたネットでの公開がある意味タブーであろうことを承知で、敢えて食べログのレビューを始めた初志貫徹のため、ここにレビューを記す次第である。

ここの大将は実質主義の大阪で修業を積んだ古い人間であり、旗幟鮮明なアンチ京料理派である。
食えない華美な装飾には全く無頓着、儲けも最低限しか考えず、ただ「本当に美味いもん」を「値打ちの分かる人」に食べてもらいたい、そんな頑固な職人気質の料理人であるから、「見た目も料理のうちでは?」という考えを括弧に入れられない人、接客を気にする人、などには向かないということをあらかじめ断っておくべきであろう。
そのかわり、扱うモノの質と、それに対するCPの良さは間違いない。

さて、河豚のコースであるが、これまでは3万円のコース1本であったところ、昨年の冬から2万円のコースも始めたそうである。
2万円のコースでは、メニューを見ると白子と唐揚げが抜きのように書かれているが、白子については一つだけ付くと聞いた。
私は3万円のコースしか食べたことがないが、白子が付くのであれば2万円のコースでもこの店の本領は十分に堪能できると言え、また、この店は河豚料理に限らず全てにおいてボリューム過剰気味なところがあるので、人によってはこちらがお勧めかもしれない。
とは言うものの、大将も私も、やはり3万円のコースでなければ満足できないだろう、というのが正直なところではある。

使用している河豚は、3キロ以上の天然、それも底物限定(同じサイズでも上物では全くダメとのことである)。
当然ながら、長年の付き合いがある、市場を通さないルートで仕入れている。
以下、具体的にコースの内容を記していくが、一部、やや歯切れの悪い書き方となり、公開する写真も不十分(例えば鍋の具材の全体を映した写真などは私のレビューには無い)である点、事情を斟酌のうえ了承されたい。

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お通し。
何のコースであろうと、席に着くとまずちょっとした酒のアテになるお通しが置いてあるのがたけした流である。
今回は自家製の生カラスミ。保存料代わりのニッキが香る。酒との相性は抜群。
(この店ではこうしたちょっとした一品がしばしば大将との話の流れでポンポン飛び出してくる)

皮のポン酢和え。
黒皮、白皮にへばり付いた透明なゼラチン質の厚みが河豚の大きさを物語る。
トウトウミや身皮も程よく混ぜ合わされ、絶妙な食感。

てっさ。
かつて、臼杵あたりで食べる河豚が本物なのだろう、などと思っていた私の河豚観を根底から覆した一皿。
地方で3万円以上を支払う値打ちのある、真に極上の河豚とはこれほどの味なのか、と唸った。
そして、別の皿でまた少し毛色の異なる刺身(写真は非公開)がワサビ醤油で供される。
「これで本物の味を覚えておけばいい」と大将。その素材にしかない名状しがたい持ち味が確かにあるということを知る。

白子。
ここたけしたの最大の名物にして、今でも不動のナンバーワンであり続ける至高の焼き白子。
餅のようにふっくらとして、一口頬張った途端、中身がトロトロと溢れ出してくる絶妙な焼き加減、臭みなど一切感じない至純の旨み、そして何より、あまりにも素晴らしい塩加減。表面の甘みを含んだ塩味がトロトロの中身と融和していく繊細で伸びやかな旨みの変奏。
串を打ち、塩を振って焼く、ただそれだけの料理だが、これがとてつもなく奥が深い。
白子のサイズ、質、鮮度、塩の種類、塩加減、焼き加減、この全ての要素を究め尽くした職人技の極致である。

唐揚げ。
他店に比べると衣が薄めでさっぱりと食べられる。
身のプリプリ感、ジューシーさ、旨みがギュッと閉じ込められており、贅沢な食感。思わず身もだえする美味さ。

鍋。
絶品。ただし、基本的に鍋の世話はしてくれない。
正しい順序やタイミングが分かる人ならば良いが、分からなければきちんと聞いた方が良いだろう。
暇な時、大将自ら指南してくれることもある。
上述のとおり、具材の全体を映した写真はない。あまりよそでは見かけない素材がどっさりと乗る。

雑炊。
鍋に残った汁から作るオーソドックスな雑炊。
鍋が絶品なのだから当然ながらこれも絶品。

新香。
ここの新香は非常に味加減が良く美味い。
ラッキョウ漬けにはファンも多い。

水物。
イチゴ。

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てっさ:★4.5
白子 :★5.0
唐揚げ:★4.5
鍋  :★4.5
雑炊 :★4.5
ヒレ酒:★4.0
その他:★4.5

ここで、総評については暫定としたい。
はじめにも書いたように、ここは河豚料理専門店ではなく、30キロ以上のクエのコース、鱧料理やスッポン料理なども素晴らしく、またそれ以上に九州・鹿児島ならではの珍しい食材を使った料理に出会えるという楽しみもある。
従って、河豚料理のレビューのみをもって総評としては偏りがありすぎる。
別の訪問時・食事内容のレビューについては、今後、時期を遡って追記していくこととしたい。

総評(暫定):★4.6
稀有なる名店。

  • お通しとともにスタンバイ

  • 皮のポン酢和え

  • てっさ

  • 身皮

  • 焼き白子

  • 白子(素材)

  • 唐揚げ

  • ヒレ酒

  • 鍋のはじまり

  • 雑炊

  • スッポンの甲羅

  • スッポン鍋(5月)

  • スッポン鍋(8月)

  • 旨み濃厚で骨が全く当たらない鱧

  • 伊勢海老

  • 伊勢海老のお造り

  • 鍋に投入する伊勢海老

  • 伊勢海老鍋

  • 松茸の天ぷら

  • アラのお造り

  • アラのお造り(お代わり)

  • アラのちり鍋の具材

  • アラの唐揚げ

  • アラ鍋の雑炊

  • パッチンエビとアシアカエビ

  • パッチンエビ(ウチワエビ)とアシアカエビ(クマエビ)のお造り

  • ナスの煮物

  • 10キロ超えの寒ブリと地物の生クロマグロのお造り

  • 締めに握りもあり

  • 天然の自然薯

  • 天然の自然薯

  • おせち

  • 外観

  • 鱧コース(5000円)

  • キモ

  • 自家製カラスミ

  • 鱧雑炊

  • 記念品

2016/06/03 更新

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