2回
2020/03 訪問
京橋で王道クラシカルなフレンチを堪能
シェ・イノ。クラシカルな王道フレンチが好きなので、気になっていたお店。
京橋駅5番出口すぐ、明治ホールディングス株式会社が入っているビルの1階、重厚な扉が迎えてくれます。
店内にはバースペースも完備。
11:30の開店と同時の入店は私たち1組のみ。奥の窓際の席に案内されます。店内は、地下にあるアピシウスのような重厚感というよりは、ウッディなアンティーク調なクラシカル感。私は残念ながら窓を向いて座ったため、店内をよく見渡せませんでしたが、装飾品を見ているだけでも楽しめるでしょうね。
コースは当日決められるのも嬉しいところ。税込サ別で、6,600円、7,700円、10,450円、13,200円の4コース。最後のデザートと飲み物は共通。
6,600円のコースは、オードブルとメイン。
7,700円のコースは、オードブルとスープとメイン。
10,450円のコースは、オマール海老コードドール、魚メイン、肉メイン。
13,200円のコースは、アミューズ、オマール海老コードドール等から選ぶ、鴨のフォアグラ、魚メイン、肉メイン。
という違い。
私たちは、肉も魚も食べたかったので10,450円以上のコースであることは確定。フォアグラ好きだし、10,450円ではスズキのところ、13,200円では舌平目というところにも魅力を感じ、13,200円のコースにすることに。
なお、注意点が2つ。
窓際むいて座っていた私からはよく見えませんでしたが、品数が少ないコースはその分1皿のボリュームが多そう(連れの話)とのことなので、どのコースでも満腹になるように設計されているのかも(お店の方に要確認)。大食漢で泣く泣く品数の多いコースにしようと思っていた方は事前確認をお勧めします。
もう一つが、予約をした方(ホスト)にだけ値段の入ったメニューが渡されるため、「◯◯円のコースで!」という注文の仕方はスマートではないようです。コース名がなく、価格以外で区別できないため、口頭で注文する場合そう言わざるを得ないのですが、メニューを指差して注文するくらいが良いでしょう。
本題の料理について。
アミューズは冷製。フレッシュチーズのムース、カリフラワーのムース、そしてコンソメのジュレ。チーズの酸味のあるムースから、見た目は同じ白で境目が一見分からないのですが、急にカリフラワーの甘味のあるムースに変わります。爽やかさからコクと甘味で安定感に変わり、最後に濃厚で味わい深いジュレでとどめを刺す。何これすごく美味しい。
次はホワイトアスパラガスに帆立のソテー。ジューシーなホワイトアスパラガスにかかっているソースは熱を加えられ卵とトマトを酸味でまとめたもの。ミルキーな白いソースでまた味変できます。そして帆立のレア具合。表面の香ばしさと温められたことによる甘味。たらの芽とふきのとうの天ぷら。ソテーとフリットで、一皿で二度美味しい。見た目から材料まで春らしさ満開です。本日一の皿。
連れはオマール海老のガトー仕立てコードドール風。人参やインゲンやナスやきゅうり(確か)と一緒に贅沢にオマール海老が巻かれています。周りはキャベツ。貴腐ワインとウニのソースで食べます。甘くて濃厚。サイドはマッシュルームとトマト(確か)のソース。こちらもなかなか。
続いて鴨フォアグラと胸肉の燻製。蜂蜜とともに真空状態で漬け込んだもの。添えられているのはポートワインのジュレ。まずフォアグラを単品で。まるでバターのよう。冷製でフォアグラを食べると脂分が口の中で溶けるまでに時間がかかりスルッといかない。次に胸肉。こちらも力強さに欠ける。そして合わせて食べてみてびっくり。胸肉のさっぱりさとフォアグラの濃厚さが一つになると、非常に合う。燻製香、蜂蜜の甘味が共通項になり二つのまとめ役となっている。ジュレも合わせて食べるとほんとに驚く。ジュレは甘味と酸味で、今度はギュッと食材を締めてくれました。
魚です。私はエイヒレのロワイヤルソースと焦がしバター。フレンチでエイヒレ?居酒屋くらいでしか食べたことのないエイヒレをフレンチで?物珍しさから、鯛の松かさ焼きを諦めてこちらを選びました。結果として正解。まずボリューミー。ボリューミーなだけで印象3割増ですね。横に崩れる珍しい繊維は、旨味があって美味しい。ロワイヤルソースの酸味と焦がしバターの相性良し。ケッパーが主張してきます。
連れは舌平目のブレゼ。こちらもロワイヤルソース。見た目は餅のよう。そしてエイヒレの1/3くらい。細かくしたパン粉で香ばしさをアップ。一度蒸しているから、中身がほろほろ柔らか食感。焦がしバターのないロワイヤルソースがまた別味で美味しい。
待ってましたの肉メイン。私はプラス3300円で仔羊のパイ包み焼きマリアカラス風に変更。黄色い皿に盛られた一部の隙もない、光り輝くような当店のスペシャリテ。仔羊の肉の中にはフォアグラが詰められています。うーん勿体無いけど、これはしっかり大きなポーションで食べた方が味がわかるだろう、ということで半分に切って、大きめのポーションで、パイ、仔羊、フォアグラ、そしてソースをいっぺんに口に。う、、うまい。。仔羊には羊の匂いが残っており、それとフォアグラが合う!!なんでだろう。濃厚なバターの香りでこれまた単品でもめちゃくちゃ旨いパイも合う合う。それぞれ別物なのに、燻製香とハチミツで統一した先程のお皿よりもむしろ、統一感が半端ではない。なんというか、分野は全部違うのに、ベクトルはミリ単位で合わせられているような。これは間違いなく当店のスペシャリテ。
連れは牛肉ソテーのソースペリグー。これももちろんとても美味しい。ソースはマリアカラスと同じですね?
デザートワゴン。好きなものをオーダー制。しかし、どんどん食べてくださいね〜的なことは言われず、「全種類」とオーダーした私には、量の確認はなく、全てちょっとずつでした。2種類だけオーダーした連れは割と大きめのポーション。お腹も割と膨れていたため、わざわざ「あの、もっと大きく」とは言いませんでしたが。たくさん食べたい人はその旨伝えましょう。
ちなみにチーズは聞かれませんでしたが、トイレに立った時に準備があったのも見えましたので、頼めば食べられるかと。
コロナの影響で外食全般が客数減なのは知っていましたが、当店も例外ではなく、ランチの客の入りは5組程度。60席以上あるお店ですから、少し寂しいですね。店員さんと話しましたが、全席貸切の予約もキャンセル出たとか。。かなり厳しい状況のよう。
全体を通してかなり満足です。また来たいお店となりました。
2023/02/09 更新
平日ランチで利用。一番好きな店の一つ。約3年ぶり、2度目の訪問。
重厚な扉をくぐると、完備されたバースペースが迎えてくれます。
11:30と同時の入店。ひとまずは私たち1組のみ。
3年前と変わらないウッディでアンティーク調な店内。
窓を大きくとってあるため、明るい。
適度に厳かな空気を残しつつも、優しい雰囲気に満ちています。
コースは当日決められます。税込・サービス料(13%)別で、
8,800円、9,900円、12,650円、15,400円の4コース。最後のデザートと飲み物は共通。
8,800円のコースは、オードブルとメイン。
9,900円のコースは、オードブルとスープとメイン。
12,650円のコースは、オマール海老コードドール、魚メイン、肉メイン。
15,400円のコースは、アミューズ、オマール海老コードドール等から選ぶ、鴨のフォアグラ、魚メイン、肉メイン。
という違い。
私たちは前回同様、肉も魚も食べたかったので12,650円以上のコースは確定。
鴨のフォアグラは前回もあった料理なので迷いましたが、せっかくなので(久しぶりにやって来たので)、15,400円のコースを選ぶことに。
こちらも前回と同様ですが、注意点を一つ。
予約をした方(ホスト)にだけ値段の入ったメニューが渡されるため、「◯◯円のコースで!」という注文の仕方はスマートではないようです。コース名がなく、価格以外で区別できないため、口頭で注文する場合そう言わざるを得ないのですが、メニューを指差して注文するくらいが良いでしょう。
なお、値段なしメニューは徹底されており、一緒に渡してもらえるアラカルトのメニューも、ゲスト側には値段の記載なしですので、ご注意ください。
本題の料理について。
アミューズは冷製。グリンピースのムースに、生ハムからエキスを抽出したジュレ、ペパーミント。生ハムのエキスは、ちょっと中華のような余韻を感じつつ、心地よい塩味。グリンピースは青臭さも残しつつ、素材の味が立っており、豆のうま味がしっかりと味わえます。ムースのまろやかさも加わりつつ、ペパーミントで締めてくれます。テンション上がるアミューズです。
次は前菜。オマール海老のガトー仕立てコートドール風。当店のスペシャリテの一つ。インゲン、にんじん、長ネギ、ほうれん草、パプリカ、ズッキーニ、キャベツ、オマール海老が見た目に美しく、モザイク状に配置されています。別々に熱を通したものを、押し固め、冷やしているそうです。ソースも4種類。ウニと甘口白ワインのソース、トマトのソース、マッシュルームのソース、アボカドのソース&ズワイガニ。ウニのソースは、後味ひく旨さ。磯の香りが心地よい。
連れはオマール海老と蕪とビーツの蜂蜜のビネガーソース。オマール海老、蕪、ビーツ、グレープフルーツ、アボカド、フルーツトマト。同じオマール海老ですが、グレープフルーツやトマトの酸味で非常に爽やか。蜂蜜のビネガーソースが、さっぱりしつつも、甘さが後を引く美味しさ。さっぱり好きにおススメ。
続いて鴨フォアグラと胸肉の燻製。フォアグラは蜂蜜とともに漬け込み、胸肉はさとうきびと合わせて燻製に。添えられているのはポートワインのジュレ。そしてブリオッシュ。フォアグラはブリオッシュに乗せて食べるのもおススメとのこと。フォアグラと胸肉を合わせて食べると、コクと鴨の香りが絶妙にマッチし、美味。フォアグラ、胸肉共通の甘み。フォアグラのコク。胸肉から感じる鴨の香り、燻製。ジュレの甘みと酸味。様々な味覚が刺激される一品です。
魚です。私は真鯛(桜鯛)をチョイス。白ワインとバターに海藻を混ぜたソース。撹拌し、卵白を混ぜて焼いた海苔。こごみ。小松菜のフリット。グリンピース。桜鯛は半分皮目がついており、ここがモチモチで美味しい。身はふっくら。小松菜のフリットはサックリ。こごみの苦みとうま味。そしてこのソースが美味しすぎます。酸味とコクがたっぷり。
連れはスズキをチョイス。ウイキョウ(八角)の香りがするお酒(ペルノ)を使用したスープにバジルを浮かべ、フレッシュトマト、インゲンなど。爽やかで香り高い一品。不思議と中華感はなく、華やかなフレンチを感じました。真鯛と正反対でまた面白い。
待ってましたの肉メイン。私はプラス3300円で仔羊のパイ包み焼きマリアカラス風に変更。白と金の皿に盛られた一部の隙もない、光り輝くような当店のスペシャリテ。仔羊の肉の中にはフォアグラとトリュフが詰められています。ソースはフォンドボーをベースに、刻んだトリュフと、ポートワインで調味。うーん勿体無いけど、これはしっかり大きなポーションで食べた方が味がわかるだろう、ということで半分に切って、大きめのポーションで、パイ、仔羊、フォアグラ、そしてソースをいっぺんに口に。う、、うまい。。仔羊には羊の匂いが残っており、それとフォアグラが合う!!なんでだろう。濃厚なバターの香りでこれまた単品でもめちゃくちゃ旨いパイも合う合う。それぞれ別物なのに、統一感が半端ではない。なんというか、分野は全部違うのに、ベクトルはミリ単位で合わせられているような。これは間違いなく当店のスペシャリテ。
連れは牛ほほ肉の煮込み。様々な牛ほほ肉を食べてきましたが、こんなに柔らかいほほ肉は初めてかも。ナイフは不要。絹豆腐といい勝負をして、おそらくこちらの方が柔らかさで勝つでしょう。マリアカラスはスペシャリテすぎるので除くと、本日一の皿。うま味が詰まっています。
デザートワゴン。好きなものをオーダー制。
スフレチーズケーキ、ガトーショコラ、カスタードケーキ、ベリーのタルト、アールグレイとレモンのケーキ、アロエのコンポート。
ポーションは決まっているらしく、大きさの指定はできませんのでご注意を。
全体を通して今回も満足です。そして非常に満腹。また伺います。ご馳走様でした。