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うなぎ 桜家三島広小路、三島田町、三島/うなぎ、日本料理、丼
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昼の点数:4.4
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¥4,000~¥4,999 / 1人
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料理・味 4.4
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|サービス 3.5
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|雰囲気 4.0
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|CP 3.5
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.4
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| サービス3.5
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| 雰囲気4.0
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| CP3.5
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| 酒・ドリンク- ]
うなぎも口の中で溶けると知った。「美味い鰻」とはこういうことか。
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源兵衛橋のたもとの店舗
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メニュー
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うなぎ重箱(1匹)
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うなぎ重箱(1匹)
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うなぎ重箱(1匹)
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2022/02/01 更新
静岡県も蔓延防止が取り沙汰される平日金曜日、三島に宿泊する機会があり、三島の北口しか知らなかった私は、南口に色々なお店があり、鰻も名物である、と知りました。
汽水で採れる鰻は、この辺りでは浜名湖ですが、浜名湖で飲み込みまくった泥を、富士の雪解け水が豊富に流れる三島の澄んだ水で1年間放しておくことで、泥を吐くのだ‥‥という、にわか仕込みの知識で万全の体制を築いた状態で、誰に聞いても三島の鰻といえば、「桜家」だという、この店をあえて外すという選択肢は、もはや取り得ません。
そういえば、福岡・柳河も有明海の汽水で、鰻が有名で食べましたが、まあ、うまいんですが、「本当に美味い鰻」なのかは、よくわからなかったのです。値段は同じく4千円台。となれば、当然、桜家の鰻で、何か発見があれば嬉しいところです。
前述の通り、人出が減っていると思われる蔓延防止措置前の金曜ですから、若干の入りやすさは期待したところ、11:30頃でしたでしょうか、行ってみると待ち人はおらず、「席が用意でき次第、入れます」とのこと。
こんな展開は、さすがに想定しておりませんでしたが、千載一遇のチャンス、待ち時間に完全に空腹にするつもりでしたが、悠長なことは言わず、もう入ってしまうことにします。
席ができるまで、源兵衛川にかかる源兵衛橋のほとりで、しばし待ちます。なお、待つには、店舗入口の紙に名前を書くと、整理役のリーダー格の男性がノートに転記するとともに、サポートのおじいちゃんも近寄ってきてノートに転記するという、不思議なシステムを採用しております。
入口の紙だけでは信用ならず、人的なバックアップを2系統用意しているということでしょうか。さすがに最低ラインが4千円台のお店、人件費のかけ方もゴージャスだな、と感じました。
5分ほどすると、呼ばれます。席は空いているのに、用意するのにこれだけかかるという、やはり高級店は、もったいぶってくるのだな、と感心しながら店内へ。
通されたのは2階でした。
お座敷の並ぶ2階で、メニュー見て感じたのは「うーん、なるほど。価格は1.4倍に抑えられてるとはいえ、1.5匹分だと、さらにいいお値段になるため、選択肢はほぼ一択なお品書きでした。多くの方が頼んでいるであろう、重箱(1匹)を注文し、待つことにします。
待ち時間は10分弱でしょうか。お重すらも、何やら高級に見えてきます。きっと普通なはずでしょうけど、期待値が高いということは、こういうことですね。
開けると、ツヤツヤで、香ばしく焼きあがった1匹の鰻が、そこに横たわっています。たちのぼる香りにも、芳醇なタレと脂が神々しく混ざり合って、これから始まる至福の時を鼻腔から彩ります。
端から崩していきます。まず、箸を入れると、ホロリと崩れる身の柔らかさに驚きます。なんと柔らかいことか。特にスーパーで買う鰻は、身は酒を振りかけて柔らかくできても、皮がゴムのように硬く、箸を突き刺すだけで切れることはありませんが、この鰻は、皮の存在を気付かせないほどに、柔らかいのです。
鰻が取り出せたので、一口。
おおっ、これは‥‥。
口の中で溶けるように崩れていきます。その実に含まれた上質な脂も一緒に溶けて、マグロのトロや黒毛和牛のように、とろけます。
それでいて、皮は香ばしさ溢れる焼き目で程よく歯応えもあります。カリっとまではいきませんが、それがかえって上品さを強調するのかもしれません。ふわっととろける身と、絶妙な焼き加減の表面、それらの協奏曲を何ら阻害することのないおしとやかな皮。この三位一体に愕然とせざるを得ません。
更に、ごはんと一緒に食べようと、箸をさらに突き立てると・・・。
おおお・・・。箸の先がどんどんと沈んでいく。柳川の時がそうだったのですが、よくある「見掛け倒しの深さ」という先入観が、見事に裏切られます。ちゃんと深い。ごはんがしっかり詰まっています。先達に「結構量があります」と事前情報をもらっていたのは、なるほどこういうことか、と実感します。
なお、鰻のタレですが、これも上品。これもアルアルですが、そこそこの鰻を甘辛の「うまいタレ」で浸して「タレのせいでうまい」というのもあると思います。日本人ですから、タレご飯がうまいのは論を待たないですが、こういうお店でそういう満足の仕方は邪道だと思うのです。桜家では、タレはわき役に徹しており、ちゃんと鰻を主役として導くことに専念をしています。ご飯に染みるタレもそれほど多くなく、私は追いダレすることなく、所定の分量で味わうのが王道だと思いました。それだけに、鰻の一挙手一投足を全身で感じた方がいいと思いました。
山椒好きなので、山椒をたっぷりかけても辛いとはおもいませんが、連れは「結構辛いですね」とのこと。私はさわやかさを感じて、これも美味。
鰻単体。鰻+ご飯。鰻+山椒。鰻+ご飯+山椒。この4パターンを、次の一口はどの方法で食べようか、、、と毎回迷う時間も贅沢で、迷って「次はこっち!」と言っているうちに、、、食べ終わってしまいました。
なお、肝吸いも、ちょうどいい塩梅の塩加減とダシのほのかな風味で上品で美味。白湯に塩を混ぜたようなものとは違います。程よい歯ごたえの肝もまた、おいしくいただきました。
いや、この鰻重は、完全に期待値を上回り、私の中での「うまい鰻」の基準になりました。いや、この基準を凌駕する鰻に、私は生きている間に出会えるのだろうか・・・。そんな心配にすら、なりました。
沼津は隣町です。沼津に来ても、鰻を食べて帰りたい。そんな気分にすら、させてくれました。
生きているうちに、また来ます!ごちそうさまでした。