2回
2021/01 訪問
「ミシュランガイド東京2021」でビブグルマンに連続して掲載された『銀座 八五』は、現代の名工にも選ばれたフレンチの達人が東銀座で営む名店
2021/01/22 更新
2019/10 訪問
百名店2019初選出店シリーズ:現代の名工にも選ばれたフレンチの達人が東銀座で仕掛けるのはタレを使わない極上ラーメン
2018年の暮れも押し迫る12月、ラオタたちの熱い注目を集めて東銀座にオープンした『銀座 八五』
ここはフレンチの名匠が営む「最高峰のラーメン店」です
銀座の賑やかな大通りからは少し離れた立地、この界隈は江戸城の大修築にあたる「木挽(こびき=材木を角材に仕上げる職人)」たちが多く住んでいたので「木挽町」と呼ばれていたそう
店主さまは京都全日空ホテル(現ANAクラウンプラザホテル京都)の総料理長をつとめ「現代の名工(卓越技能者表彰)」や「厚生労働大臣表彰」を受けるなど華々しいキャリアを持つフレンチの達人
フレンチを極めた店主さまが、新たにチャレンジしたのがラーメン
2015年3月、水道橋に『中華そば 勝本』を創業、昔ながらの中華そばを厳選した食材と調理法で昇華させたラーメンは、圧倒的な存在感で瞬く間に行列店へ
そして翌2016年2月には、神田神保町に2号店となる『つけそば 神田勝本』をオープン
立て続けに人気店を生み出してきた店主さまが、満を持して新たに仕掛ける新店が『銀座 八五』
屋号は店舗の広さ(8.5坪)に由来するのだそう、八の字を富士山に見立てて五合目から頂上を目指す思いも込められているのだという(因みに、中華そばの価格も850円というこだわり様)
10月中旬の火曜日12時半に到着すると外待ちは8人、ランチタイムで大行列を覚悟していたのでちょっと安堵
意外と回転が良く20分くらいで入店することができました
店内はまるで高級寿司店か割烹店のような佇まい、8.5坪と小さな店舗ながらもゆったりとしたレイアウトのカウンター席は6つ
入り口直ぐの券売機で中華そばの食券を購入して、カウンターほぼ中央に導かれて着席
カウンターには渋い色合いの紙製ランチョンマットに整然と置かれたレンゲと箸、さらに席に着くとおしぼりと高価そうな「うすはり」のグラスでお冷やが提供され、ますます期待が高まります
店員さんに紙エプロンをお願いすると「つめたいほうじ茶もございますので」とのこと、素晴らしいホスピタリティに感心しながら、厨房の店主さまと精鋭スタッフの調理の様子を眺めているうちに着丼
さりげなく屋号が刷り込まれた真っ白な丼に美しく透き通ったスープが張られた淡麗系ビジュアル
普通に見えるこのスープ、タレ(カエシ)を使っていないのだそうです
通常、ラーメンのスープは豚や鶏などの食材を煮込んだ「スープ」と、醤油や塩などの調味料と食材の旨味を合わせた「タレ(カエシ)」で味を決めるのが常道ですが
「本当においしいスープであれば、タレがなくても味を決めることができる」と店主さまが半年以上にわたる試行錯誤して完成させたのがこの「常識を破る」極上スープです
常識を超えたラーメンスープ、ひと口目は上品ですっきりした味わい
鴨、名古屋コーチン、ドライトマト、貝などで取った出汁に直接、塩を投入して約2日間煮込むそうで、生ハムが決め手なんだとか
そしてあとから複雑で繊細な香りが徐々に鼻孔に広がります
香りの正体は、フレンチの一流シェフが愛用していることで知られるマダガスカル原産のペッパーキャビアだそうで、店主さまのセンスが光ります
この斬新なスープに合わせる麺は、老舗製麺所『浅草開化楼』製
これまでの勝本系列すべての麺を手掛けた匠が八五用オリジナル麺を開発したのだそう
やや黄色がかった細くしなやかなストレート麺は、麺としての強い主張を打ち出すことなくスープに寄り添い、滑らかさと程よい歯応えも楽しめる麺でした
具材は肉厚なチャーシュー、コリコリで柔らかメンマ、九条ネギと至極シンプルですが、各々に丁寧な下仕事が成されています
これだけ手をかけ、素材を惜しまず使ったラーメンを堪能できる幸せを噛みしめながら完食完飲
店の雰囲気、サービスも含めて、まさにラーメンの常識破りの上質な逸品でした
2019/12/15 更新
《店舗情報》
オーナーシェフの松村康史氏は、京都全日空ホテル(現ANAクラウンプラザホテル京都)の総料理長をつとめ「現代の名工(卓越技能者表彰)」や「厚生労働大臣表彰」を受けるなど華々しいキャリアを持つ
フレンチの名匠
フレンチを極めた松村氏が、新たにチャレンジしたのが「1000円以内で誰もが楽しめる素晴らしい料理」というラーメン
2015年3月に水道橋で『中華そば 勝本』を創業、昔ながらの中華そばを厳選した食材と調理法で昇華させたラーメンは、圧倒的な存在感で瞬く間に行列店へ
そして翌2016年2月には、神田神保町に2号店となる『つけそば 神田勝本』をオープン
立て続けに人気店を生み出してきた松村氏が、満を持して新たに仕掛ける新店が2018年12月8日東銀座で開業した『銀座 八五』
ラーメンでは常識であるタレを一切使用しない斬新な製法で作られた淡麗スープは、和でも洋でも中華でもない、唯一無二の革命的な極上ラーメンと評され、「ミシュランガイド東京2021」でビブグルマンに連続して掲載されています
《訪問情報》
2020年10月より近隣への配慮と新型コロナウィルス対策として、整理券制度を導入
それまで2時間待ちは当たり前だったそうなので、訪問難易度は劇的に改善されました
1月中旬の木曜日、11時20分過ぎに店頭へ行くと、「13:10枠になります」と店員さんから千円と引き換えに整理券をゲット
2時間弱待ち時間があるので、築地まで足を延ばして暇つぶし、戻ったのは13時5分
店員さんに整理券を返却してデポジットの千円を返金してもらいます
《オーダー》
店員さんに案内されて事前に券売機へ、「中華そば」を購入して店頭に並び直すこと数分で店内へ
入口直ぐのカウンター右端の席へ着席すると、テーブルにはランチョンマットに箸置き、うすはりグラス注がれた水がセットされていました
すぐに店員さんから紙エプロンとマスク入れの要否を聞かれ、マスク入れをお願いすると「つめたいほうじ茶もございますので」とのこと
相変わらず素晴らしいホスピタリティに感心しながら、厨房の松村シェフと精鋭スタッフの調理の様子を眺めているうちに着丼
《スープ》
黄金に透き通った清湯スープは、鶏を中心に魚介系、植物系の食材を透明になるまで2日間炊いて
仕上げに金華ハムを加えることで、複雑で重厚感・存在感のあるしっかりした塩味を演出しているのだとか
コンソメスープのようですが、しっかりラーメンです
明確に何かが主張するのではなく、じんわりと優しい味わいの中から旨味が沁み出てくる極上スープ
《麺》
綺麗に折り畳まれた麺は中細のストレート麺
デュラム小麦を中華麺に練り込んでいるという、こだわりの麺は、『勝本』オープン時からタッグを組んでいる老舗製麺所『浅草開化楼』の名人製麺師と、試行錯誤を繰り返して完成させたそう
パスタのような香りと歯応え、ツルツルでモチモチとした食感はさすがです
《トッピング》
具材は、チャーシュー・青ネギ・メンマと超シンプル
豚バラ肉のチャーシューには何とも芳醇な香りの香辛料が散りばめられています
香りの正体は、マダガスカル原産のペッパーキャビアだそうで、フレンチでは有名な食材なんだとか
松村シェフのこだわりが感じられます
《所感》
1年ぶりの『八五』でしたが、店の雰囲気、味の奥深さ、接客、どれをとっても一流のラーメンに感動です
箸もレンゲも止まることなく、あっと言う間に完食完飲
感謝を込めて、目の前で黙々と調理されている松村シェフにお礼を言って退店しました