7回
2023/12 訪問
宇都宮 恵 料理長の夕べ
12/06 道後「久保田」
【宇都宮 恵 の夕べ】
今夜は、久保田のお弟子さん(恵さん)を料理長とし、彼女に全てを任せて、店主は客席で僕達と一緒に呑む…という趣向…
久保田の脇を固めるお弟子さん2人は、よそのお店に行けば料理長に匹敵する腕前である…
彼女は、10月の愛媛県の「河豚名人戦」では、見事《準名人》を獲得した…という…
★膳出し
飯 穴子寿司 針林檎
汁 清仕立て
鯛 葛打ち 薄氷蕪
向付け あわび茸昆布締め
長芋 穂紫蘇
山山葵 加減酢
一膳目は彼女が嗜む茶道に習い、茶懐石のお膳出し(左に飯椀・右に汁椀・奥に向付)
今夜は飯椀の代わりに…穴子寿司。
柔らかな加減酢でいただく「あわび茸」は、アワビに似た…という不思議な食感…
冬の薄氷に模した蕪を乗せた煮物椀。
薄氷蕪の下には優しい味わいの鯛と、女性らしく柔らかな…心和ます汁が潜む…
久しぶりの茶懐石のお膳出しに、ゆっくりと背筋が伸び…身の引き締まる思いがした…☺️
★お造り 河豚
今年10月、愛媛県の「河豚名人戦」で、彼女は見事《準名人》を獲得した。
常連さんのほとんどが「今夜のお刺身は河豚!」と期待していたに違いない…
期待どおりの河豚は、愛媛・長浜産!
ほんの気持ち厚めに切っている気がする…
昔々、師匠の久保田さんは「ふなや」の料理長の頃、「いい河豚は、ほんの気持ち厚めに切った方が…」と言っていたような…
ポン酢は河豚の味を左右する……
僕は時には塩で食すこともあるが…
今夜のポン酢は、キリッと酸の立った男前なポン酢…
前に座る久保田さんに、河豚のポン酢談義を振れば……どうやらこのポン酢は久保田の流儀らしい…
★焚合
伊代美人 含め煮・才巻海老・蓮根餅・椎茸・方蓮草
久保田の焚き合わせは、僕のお気に入りのメニューの一つである……今夜もまた然り!
今夜のメインは伊代美人(里芋)
ふっくらとふんわりと舌を撫でる…
調味料の嫌な味も、雑味も一切なく…それぞれの素材の素朴な甘さが響き合う…
どっかのCMではないが……
「あぁ…これが家で食えたなら…」
★焼き物
金目鯛 黄身酒盗ソース 白髪葱
炭火でじっくり火を通したという金目鯛。
カリッと焼かれた皮と身の間の…まったりとした脂が舌を誘う……
その切なくも柔らかい甘さに…舌が震えた…
甘さを抑え…酸味を含んだ黄身酒盗ソースが、味わいをよりまろやかにし、細かな白髪葱の食感がさりげないアクセントとなって、口腔を洗う……
★温物
渡り蟹 羽二重蒸し 百合根あん
一瞬「茶碗蒸し?」と思ってメニューを見れば……「羽二重蒸し」
裏ごし器にガーゼをのせ、二重に裏ごしして蒸されたものらしい…
その滑らかな口当たりは、当然ながら茶碗蒸しの比ではない。
深く匙を入れれば…渡り蟹が、「私もいます」と、にっこり顔を覗かせる…☺️
品位の高い茶碗蒸しと言うのだろうか?……はんなりとほっこりと…奥ゆかしい蒸し物である…
★強肴 牛ヒレ炭火焼き
フィグビネガーソース
牛蒡 銀杏
メインはお師匠さんに習って?…牛ヒレ…
久保田のメインは、頑なに牛ヒレやな〜と思いながら食すと……
フィグビネガー(イチジク風味のビネガー)の味わいに、一瞬 咀嚼が…止まった…
今までの久保田の牛ヒレにはない…新しい爽やかさがあるような…
上に添えた「ごぼう」は、木枯らしを表現した物だという……和食は美しくも深い…
★河豚拉麺
今夜はメニューを見るなり、コレが目に飛び込んで来た…
河豚ラーメンだという……
道後の有名な中華「門福」のご主人が斜め前に座っていた理由が、今、分かった。
恵さんは、この〆の一品のために、門福に何度も通ったらしい……
生まれて初めて食すその河豚ラーメンは、驚くほど穏やかに柔らかに…河豚の旨味をさりげなく漂わせながら…喉をつたふ…
そのスープは何の躊躇いもなく全て飲み干した…できればオカワリしたいほど…
味変のための河豚の佃煮が…ラーメンに入れるには もったいないほど日本酒にピッタリ…
★御菓子 苺 うさぎ饅頭
薄茶
いつものように デセールは何も語らず…
ただニヤニヤと…楽しむのみ…
お膳出しの茶懐石の作法で始まった食事の〆は、やはりお抹茶…
和食はやはり、お抹茶で締めたいものである…☺️
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コースが終われば当然のように久保田さんが…セラーからワインを引っ張り出してくる…
目の前には、道後の有名な中華「門福」のご主人と、久保田さん。
料理人二人との料理談義に花を咲かせながら呑む酒に、瞬く間に師走の夜が更ける……
心地よく酔っ払って…最後は、よく頑張った恵さんと記念撮影…
満面の僕の笑顔が、彼女の料理の出来栄えを物語っている……
2023/12/30 更新
2023/09 訪問
お弟子さん…曽我部 玲の夕べ
9/27 道後「久保田」
【曽我部 玲の夕べ】
今夜は、久保田のお弟子さんの一人(曽我部さん)を料理長とし、彼に全てを任せて店主は客席で僕達と一緒に呑む…という趣向…
久保田の脇を固めるお弟子さん2人は、よそのお店に行けば料理長に匹敵する腕前である…
今夜の予算からしてスパークリングから……と思いきや、こっそりと久保田セラーから「アンリ ジロー・コード ノワール」が現れた…
ピノ・ノワールのシャンパン、好っきやなぁ〜
★先付
湯葉胡麻豆腐 山葵出汁
柿と菊菜の白和え 菊花
★煮物椀
清汁仕立て 菊蕪蟹射込み
いつものように、椀を少しずつ開けながら香りをいただく……
全てを開けると、見事な包丁細工の菊蕪が現れた。
中には渡り蟹の身を忍ばせた…
これは…料亭の仕事である…
透明感のある出汁の味わいは、やはり師匠の久保田さんに似ている。
この透き通るような美しさ・味わい、またその崩れゆく儚さ、微かに残る上質な余韻こそ……単なる「うまいもん屋」では味わえない、和食の醍醐味である…
★造り
1. 烏賊昆布〆 雲丹醤油
烏賊と雲丹の相性の良さは抜群である……
お品書きにその名前を見ただけで「不味いわけがない…」と、食いしん坊の脳が囁く…
まったりと雲丹が漂う…薄味の雲丹醤油を、昆布〆の烏賊で、たっぷりと すくい取るようにいただく…
前に座る久保田さんに、「これ、反則やわ…」と呟いた..
★造り
2. 鯛 鰆
鯛は今治沖、鰆は長浜沖で取れたものらしい…
鰆には、キャビアライムを添えてある…多分、同じ八幡浜の梶谷さんのものだろう…
酸味フェチの僕は…「もう少し、キャビアライムが欲しくない?」と久保田さんに呟く…
造りの順序も、こちらが先の方が…良かったかも?
大きなお世話だったりして…
★焚合
芋 蛸 南京
今夜は女性のお客様も半分くらい…とあって、女性の大好きな食材を集めたのかな…
蛸は良い色が出るように、小豆で炊いたものらしい…
その柔らかさと、しなやかな味わいは…やはり一味違っている…
ほっこりと…かつ 爽やかな焚き合わせだった…
★焼物
甘鯛丹波焼
甘鯛の焼き物に、栗を裏漉しして干したものを乗せた…
あるいは最後に乗せて、また軽く焼いた…かも??
甘鯛の火入れは柔らかくしっとりと……
ほろほろと儚く崩れる 栗の風味が…秋の訪れを感じさせる…
★揚物
車海老丸十巻 甘長唐辛子
薩摩芋を桂剥きにして、巻いてあげたものらしい…
車海老の淡い甘さを薩摩芋の甘さで包む…不思議な食感と味わい…
★強肴
牛ヒレ肉炭火焼
松茸 銀杏 舞茸のソース
最後のメインは、牛ヒレ。
コレは師匠・久保田さん譲りの、決まりごとかも知れぬ…
そして、ここで松茸!
松茸は「すき焼き」でもよく見られるが、松茸と牛肉のマリアージュは、それはそれは素晴らしい……
★留椀
合わせ味噌仕立て(撮り忘れ)
★御飯
鰻押し寿司 玉子焼
★水菓子
梨ゼリー寄せ
いつも撮り忘れる「牛ヒレ肉」をきっちり撮ったと思ったら…留椀を撮り忘れ…
鰻は天然!僕の地元八幡浜で取れたものらしい……地元では、なかなか食べれない貴重品だけど…
水菓子を食べ終われば…久保田さんが「時間があれば呑んでって下さい」と……久保田セラーから赤ワインがドンドン出て来る…
こんなに呑ませてもらっていいのかしら?と、次回の別のお弟子さんの会も、予約して帰途に着いた…
2023/10/19 更新
2023/08 訪問
お盆は久保田で…人妻と共に…
8/14 道後「久保田」総集編
今夜は、N響のヴィオラ奏者でもある人妻真弓さんが、僕を驚かせようと横に佇んでおられ、ご一緒に楽しくお食事となった。
人妻と言っても、目の前にご主人がいるので、全く問題はない…(^-^)
★とろろ汁
冷んやりとした「とろろ汁」が、乾いた喉を優しく癒やす…
★夏野菜の焼き浸し
産地は忘れてしまったが、素材の良さが漂う焼き浸し…
「黄色いズッキーニは初めて!」と呟いたら「絶対、何処かで食べてるはず…」と久保田さんに突っ込まれた…
そんな気がしたんだけどなぁ〜
★穴子の煮凝り
★猿海老の大葉巻き
猿海老は熱を加えると赤くなるところから、名前がついたらしい…
「ドン・ルイナール. ブラン ド ブラン2004」は、豊かな果実味で僕を迎えた…
折角ですから…皆で乾杯
『シャンパーニュの宝石』と呼ばれるルイナールの、洗練されたエレガントな味わいは…皆を幸せにする……
久保田さんのお弟子さん、恵さんの「美味しい」という、一瞬 ドキッと目を見開いた、にこやかな笑顔が…とても素敵だった…☺️
★煮物椀
煮物椀の今夜の椀種は「おこぜ」
涼やかに素麺もあしらった…
久保田さんに問えば、和食において素麺は「天の川」とか…川をイメージするものらしい……なるほど…
僕も真弓さんも「きゅうり?」と思った緑は、摘果されたメロンらしい…
久保田さんの椀は、京料理的な…綺麗な透明感がある
「おこぜ」は「一度 蒸したの?」と問いかけるほど、雑味がない…
研ぎ切ったピュアな甘みを出汁に溶かせ、露は舌を惑わせながら…静かに喉を震わせ…落ちてゆく……
お造りとなると日本酒が恋しい…
ましてここでは、僕が愛してやまない
「而今」が…いつも待っている…
★あまてがれい(マコガレイ)
調べれば…マコガレイのことを瀬戸内ではアマテガレイというらしい…大分では有名な城下ガレイとなる。
その身は ふんわりと柔らかく、
淡白な味の中に…繊細な甘みと旨味を感じるような…
★何処かの鰹?
★今治産のタコ(撮り忘れ)
飾り包丁の、きめ細かさが嬉しい…
★鱧の柳川風
鱧はやっぱり、出汁絡みがいいですね〜
★愛媛 美川の鮎
当然、頭から…
素材もさることながら、火入れもふっくらとしてほろほろと……
いいですな〜夏の鮎も……
酸味の効いた「而今」は、スルスルといくらでも入ってゆく…極めて危険
★フカヒレの豆乳蒸し
フカヒレは気仙沼の一級品らしい…
フカヒレ自体には味はなく、フカヒレにかける餡、出汁がその味を決める。
中華のコクのある餡とは違い、久保田の餡は…淡くふんわりと柔らかい…
★福岡の黒毛和牛 フィレ(撮り忘れ)
思わず「赤ワイン〜」と言ったところから記憶がない…
当然、撮り忘れ!
久保田さん、ごめんなさい…
★ご飯 汁物
★水物
記憶がなくても…残さず食べてる僕
「ドン・ルイナール2004」は、ゆっくりと時間をかけ…少しずつ温度を上げながら、いただいた…
愛する「而今」とシャンパン……
僕にとっては1番幸せで…1番危険な取り合わせである。
最後は記憶も飛び、せっかく奥様がいらっしゃるのに、記念撮影も忘れてしまった…
還暦を遥かに超えた いい歳をして……分かっていながら、ホテルの廊下で轟音と共にコケるまで呑んでしまう……大人の分別を超える酒と料理が、ココにはある…
そろそろ、ステッキでも買おうかと…真剣に思い始めている…
2023/09/25 更新
2023/01 訪問
椀は和食の華であり、椀がその店の品格を決める…
1/2 道後「久保田」
久保田さんの奥様は、天下のN響のヴィオリスト(ヴィオラ奏者)
以前からのSNSでのお友達でもある。
そのユニークな楽しい投稿で、初対面のような気もせず…思わずハグハグ
めでたい お正月の、久保田でのお食事会は、自称独身と正真正銘の独身の…男女4人で幕を開けた…
ワインエキスパートKumiちゃん持参のシャンパンは「マルゲ キュヴェ サピエンス 2009」
完全なる自然派のメソッドで造られた初のプレスティージュ・シャンパーニュ…らしい…
ソムリエ池田氏に感想を求めれば「繊細でエレガント!」…流石!上手いこと言うなぁ〜
その濃いめの色合いからは熟成感も感じさせた…
細くしなやかな腰つきの、香り高き美魔女…と言うべきか…
★カリフラワーのすり流し
★ 雪花菜和え(きらず和え)…おからの料理
耳慣れない料理の説明を聞けば……「おから」は切らないから「きらず」→縁を切らない「祝いの席の料理」らしい…
また、賢くなって帰れそうです…
★鮑の柔らか煮
鮑は、表面に鈍い艶があり、旨味にも…美しい艶がある。
3時間ほど煮込んだという、その柔らかな肢体に…ふんわりと歯が抱かれた…
★気仙沼産 生本マグロのにぎり
やはり、本マグロは「生」がいい。
まったりと舌にしなだれる本マグロに魅せられ、3秒ほど…じっと舌に乗せた…
それは、噛むのを ためらわせるほど色っぽい…
★而今 にごりざけ生
★数の子
「而今」は、僕の最も愛する酒である…
今まで都会のいろいろな名店でいただいて来たが、超入手困難酒「而今」の、ここまでの品揃えは見たことがない
選択を任され、迷いに迷って選んだのは、初体験の「而今 にごりざけ生」
瓶内では まだ発酵が進み「微発泡」を感じさせる。
すかさずソムリエ池田さんから「シャンパンの後で最高ですね!」と声が出る。
而今独特の綺麗な酸味のせいか、にごり酒特有の甘ったるさは微塵も感じさせない……当然、食事の邪魔もしない……
上質感溢るる「にごり酒」だった。
★煮物椀 海老真薯 蕪 人参
蕪は薄氷を現し、下に潜む人参は日の出を現すという…
金粉を散りばめた椀は、穏やかな光沢を放ち…海老真薯はホッとする微かな甘みで心をほぐす……
椀は和食の華であり、椀がその店の品格を決める。
久保田さんらしい…澄み切った気品を感じる椀だった……
★ふぐ刺し
久保田さんは愛媛認定の河豚名人5人を育てた大名人である。
以前、「いい河豚は気持ち厚めに引いた方が、美味しいような気がします」と聞いたような…
今日のもそんな気がして…大きさを聞けば…2.2kgの河豚だという……
その身は ねっとりと舌に絡み、その色香に戸惑いながら、そっと歯で甘噛みすれば…品のいい淡い甘みを振りまいた……
余談だが、僕の友人に豪華な新車をバラされ…奥様 真弓さんに、愛する「ハスキー犬メイちゃん」さえ乗せない事をバラされ……愛媛の大名人の河豚を引く手が微かに震えたのが…とても楽しい事件だった…
★ 焚き合わせ 伊予美人(里芋) 甘鯛
愛媛在住ながら…伊予美人という里芋は、初めてではなかろうか?
初めて食べるのに、なぜか懐かしい……地味ながらも贅沢な、ほっこりと心を包む味である…
★蓮根餅のフカヒレ餡掛け 生姜
★〇〇の天ぷら
★大分県産 黒毛和牛(撮り忘れ)
話は弾み、酔っ払い…この辺から撮り忘れ・聞き忘れの連発!
記憶も飛んで…もう、笑って誤魔化すしかない…
★ふぐ雑炊
サラサラとした綺麗な ふぐ雑炊。
ふぐ雑炊はネバネバではなくサラサラ…こうでなくてはならぬ…
★水物
奥様 真弓さんの命名であるが、久保田さんにはピュア夫さんという別名がある☺️
奥様と訪れたイタリアのレストランで、若いカップルのプロポーズの場面に出くわし…思わず感激、号泣してしまったのだ…
そんなピュア夫さんの…お正月らしい、ピュアで美しい和食だった…
2023/07/28 更新
2022/08 訪問
「而今 特等雄町」の誘惑…
8/16 道後「久保田」
2度目の久保田
オススメのシャンパンは2択、馴染みのボランジェを敢えて外し…ローラン・ペリエ。
まずは再会を祝して、皆で乾杯
★とうもろこしの擦り流し
★だだちゃ豆のジュレがけ&鱧の子のせ
ヒンヤリとした…滑らかな擦り流しが、淡くピュアな甘さで…喉を優しく撫でてゆく……
★キスの梅紫蘇巻き
軽く儚げに感じられるのは、衣の薄さか?油の良さか?
梅紫蘇の酸味が、キスの淡く繊細な旨味を引き立てている…
★煮オコゼを、赤酢の入った酢飯に乗せて...
★煮物椀 焼き鱧と松茸
今年初めての鱧松の椀
松茸は、初の北海道産だそうな…
蓋を少しずつ開けながら、最初の香りをいただき、口を寄せて汁を一口含む。
焼き鱧の香ばしさ、松茸の品のいい香りが…静かに口腔に広がってゆく……
久保田さんらしい、透き通った綺麗な椀……鱧と松茸の椀は和食の素晴らしい華である。
僕の地元八幡浜は、全国でも屈指の鱧の産地でもある。
近年、この鱧を売り出そうとしているようだが、悲しいことに誰も、この「鱧と松茸の椀」を作ろうとしない…….と、久保田さんに愚痴りながら蓋を閉じた……
★「而今 特等雄町」
★ 石鯛 アコウ
素晴らしい日本酒を、用意してくれていた…
「而今」は僕の最も好きな酒である…その特級品らしい…
お値段にも驚いたが、ヤボだから言わない…
またまた皆で乾杯して、神妙に口に含めば…たおやかに滑らかに舌を滑り、柔らかな香りを振り撒きながら落ちてゆく……
「而今」らしい爽やかな酸味は、言うに及ばず…
甘味・旨味・酸味の、繊細で絶妙なバランス…そして、ため息の出るような、ふくよかな余韻…だった…
肴は、今治、来島海峡の石鯛と、
アコウにキャビアライムを添えて…
今夜も、心地よく酔えるに違いない…
★真蛸の湯引き 梅肉醤油
★イカのピータン和え
イカのピータン和えは、料理の鉄人、道場六三郎さんから教わったそうな……
達人は鉄人と繋がっていた…
★アコウと ささがきごぼうの卵とじ
★アコウの皮の焼き物
アコウの皮が勿体無いので焼いてみました…という焼き物が、と〜っても好み…
そりゃ〜 皮と身の間が美味しいんだもの…
★車海老
インスタ映えする…とっても立派な車海老
お刺身と焼き物で、いただきました。
やっぱり、頭が好きかな〜
お刺身で呑む「而今」が、神々しく輝いているような…
★フカヒレの姿煮
★猿エビの天ぷら?(撮り忘れ)
★坊ちゃん南京?(撮り忘れ)
★ナントカ牛
★御飯・汁・香の物
★水物
この辺になると気持ちよく喋り続け……撮影もメモも忘れるばかり…
まあ…よくありがちな僕ですけど…
最後に記念写真を撮って終了。
今回も気持ちよく酔っ払いましたが、前回のように腰砕けにはならず…ナントカ面目を保って…ご機嫌な夜でした…
2023/07/05 更新
2022/05 訪問
松山に名店誕生の予感……
5/17 道後「久保田」
愛媛国体の折には、皇室の料理番も務められた久保田氏。
道後の名門「ふなや」の元料理長。
数々のお弟子さんも育てられ、この度、円満退社となり、念願の独立となったそうな……
開店は3月末、その素晴らしい人脈ゆえか…人見知りのシャイな性格ゆえか?…お店は未だ紹介制…
コースの皿数が15皿〜と聞いて、一皿ごとのレポートは当然ながら諦めた…
今夜は久しぶりの友と、コロナ以来の…懐かしい久保田さんとの会話を楽しむこととした…
★うすい豆の擦り流し
★さいまき海老 石川小芋のジュレがけ
★そら豆の塩茹で
聞けばメニュー以外にも、ワインも日本酒も、いろいろと あるらしい……
椀が出た頃に「日本酒を…」と言えば、僕の好みを知ってか知らずか?…おもむろに取り出した酒は、大好物の「而今」
★たこの湯引き みどり酢
(早くも 撮り忘れ)
★煮物椀 鱧
目を瞑り…香りを楽しみながら椀に口を寄せれば…鱧の旨味を含んだ出汁は滑るように口腔を撫で、鱧はふくよかに優しく舌を包む。
やはり鱧は…椀がいい…
★お造り イサキ
★お造り 鰹
この辺から、日本酒が飲めないソムリエ女史のために、白ワインも追加!
誰かが言った名言を借りれば…
「桃の産毛を感じるタルボ」
ん〜チョット意味深で…絶妙
★剣先イカ 雲丹
★イカの琥珀和え ピータン
★炊き合わせ
この一皿が…とても好きだった…
食の都 大阪では「冬の河豚、夏のあこう」と称される…
夏の魚 あこうを使った炊き合わせに、何とも奥ゆかしい甘み…綺麗に澄み切った美味さがあった。
スッと消え入りそうな品のいい甘さが…細い余韻を醸し出す…
日本人の心を撫でるような…静寂の味わいだった…☺️
★伊勢海老
目の前で捌かれる伊勢海老は、割烹の醍醐味。
普段、食べることのない伊勢海老に……思わず興奮してシャッターを押してしまう…貧乏性の僕
★じゃがいも 木の芽味噌田楽
★鱧の子 卵とじ??
(またも…撮り忘れ)
★メイタガレイ(目板鰈)の揚げ物
トルコで使われるという…「天使の髪」とも呼ばれる細い糸状の生地「カダイフ」を巻いて揚げられた。
当然ながら、その繊細な食感が素晴らしい…
「カダイフ」を巻かれた鰈が、チョット照れているような…
★黒毛和牛 赤味噌 唐辛子
★御飯 汁
★水物
不覚にも、この辺りからの記憶がない
楽しい酒に舞い上がり…腰は砕け…帰り道はふらふら…
久しぶりの友と、久保田料理長との再会に、心も身体も震えていた……と、いうことにしておこう…
地元愛媛に、再訪に値する割烹が現れたことが…何よりも喜ばしく…また何よりも悩ましい…
2023/01/11 更新
1/2 道後「久保田」
めでたい お正月の「久保田」でのお食事会は、麗しい美女が1人増えて……自称独身と正真正銘の独身貴族の、男女5人で幕を開けた…
★「而今 特上雄町」
久保田さんはコレを買う時に、僕の顔が浮かんだらしい…
品種改良がされておらず、栽培が難しい酒米「雄町」にとって、「特上」は整粒歩合90%以上という奇跡のハードル。
それを超えたのは、昭和26年農産物検査法ができて以来、平成30年と令和4年の2回だけ……
酒処 高知で育った同い年の友人に「冥土の土産やなぁ」と呟きながら口に含めば……
「而今 特上雄町」は、品位さえ感じさせる優しい甘さで舌を撫で、而今らしい柔らかな酸味を余韻に変えて…喉を伝い落ちてゆく…
★百合根の擦り流し
★ 雪花菜和え(きらず和え)
縁起のいい「おから」のお正月料理
「おから」は切らないから「きらず」→縁を切らない「祝いの席の料理」らしい…
★アワビの黄身酢和え
黄身酢は文字通り、卵の黄身と酢を使って作る和食のソース。
お店によって、また、使われる素材によって…その甘さ、コクに随分と違いがあるような気がする。
今回のそれは、アボガドも加えたという…
甘さを抑え、アボガドのコクを加えたような味わい…
それはアワビの強さに、合わせたものかも知れない……知らんけど…
★シャンパーニュ・オーギュスタン キュベ ・フー 自然派
★ 河豚唐揚げ
久保田さんによれば、世界ソムリエコンクール・チャンピオンのソムリエ…絶賛のシャンパンらしい……
口に含めば、僕のようにキリっと男前なシャンパン…
下関産の河豚の唐揚げは、はふはふの食感で旨味たっぷり…
シャンパンでも日本酒でも…どちらでも 美味ひい〜
★煮物椀
お正月らしい伊勢海老の椀
出汁の中に伊勢海老の柔らかな甘さが染み出し…金時人参と原木椎茸がふんわりと膨らむ。
汁を含んだ金時人参の…澄んだ甘さに癒される…☺️
★河豚刺し
河豚は下関産!
下関産と聞くと…「美味しいのかしら?」と
思ってしまう…ミーハーな僕…
酒は「黒龍」辰年バージョン
★鯛かぶら 菜の花と木耳
鯛は、もみじ鯛とか桜鯛とか、よく言われるが…僕は1-2月の鯛が、味わい深いと思っている…
鯛の品のいい旨みに、かぶの優しい甘みと香りが、しっとりと寄り添う…
久保田らしい、透明感のある綺麗な鯛かぶら……和食の冬の逸品である…
★ヒラメの赤味噌焼き
★タラの白子の里芋グラタン
ほろ酔いで…もうそろそろ記憶が曖昧…
可愛い器に入った「タラの白子」に、
「法善寺 㐂川」の親父と同じく……
僕の痛風を呼び覚まそうという…密かな陰謀を感じる…
★黒毛和牛 炭火焼き
★河豚雑炊
★水物
サラサラの河豚雑炊!
悲しいかな…コレが地元では見当たらない…
地元にあるのは河豚雑炊ではなく、チト粘りのある河豚おじや。
故に十数年前から、河豚コースは地元で食べていない…
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最後に記念撮影をして、僕だけ残り…しばし雑談…
すると、2月末にスタッフを連れ、宇和島・八幡浜に慰安旅行を計画していると言う……
行く予定のお店は、僕のご贔屓の店ばかり…
何故か僕も…参加者に加えられているような?
まあ…お気に入りの料理人の甘い誘惑には、逆らえない男ではあるけれど…