1回
2020/07 訪問
「珈琲豆は生鮮食品」が信条の老舗珈琲店
安来市にある老舗の珈琲専門店です。
二軒のカフェ、安来市島田町の「CAFE ROSSO」と松江市菅田町の「CAFE VITA」、
それぞれのオーナーである門脇兄弟。
バリスタ世界大会などで輝かしい実績をあげたお二人のご実家でもあります。
店前の駐車場は3台分程度。
入口横のガラス越しに焙煎機が見えました。
中へ入るとベリーショートのママさんが静かに出迎えてくださいました。
こちらはコーヒーのみ。
紅茶やジュース、ケーキや軽食は一切ありません。
珈琲専門店としての信念を感じさせます。
唯一のサイドメニューとしてスイートポテトとのセットがありますが、この日は残念ながら品切れでした。
メニューはブレンドとストレート(豆の産地)に大きく分かれており、数種類ずつあります。
浅煎りから深入りまでチャート式に書いてあるとはいえ、ブレンドはそれぞれの細かな違いが分かりません。
「あまり酸味の強くない味が好みなんです〜」とママさんにおすすめを尋ねてみると、
「ウチのはどれも酸味が少ないんですよ」とのお答え。
ママさん曰く、コーヒーの酸味は豆が酸化する事で強くなるのだそうです。
サルビア珈琲は「コーヒー豆は生鮮食品」という信念を持って豆を扱ってらっしゃるとのこと。
それで自信たっぷりに「どれも酸味がない」とおっしゃった訳ですね。
今回は店名の付いた「サルビアブレンド」をお願いしました。
●サルビアブレンド(450円)
ひと口めはスッと入り、さらりと軽い飲み口。
飲みやすいな〜と思う間もなくふわっと柔らかな香りとまろみが豊かにひろがります。
ママさんの言うとおり酸味はごく控えめです。
焙煎も浅すぎず強すぎず、こくんと飲み込んだ後に鼻へ抜ける豆の繊細な香ばしさ。
良い意味で飲みやすいコーヒーです。
五味のどれひとつとも飛び抜けていない、バランスの取れた美しい味だと感じました。
思い出したのは息子さん達が営む二軒のカフェ、どちらのブレンドコーヒーとも同じように酸味を抑えた味わいだったような。
山陰(松江〜米子エリア)の観光ガイドには息子さん達の店がよく紹介されています。
コーヒーが本当にお好きな方でしたら両店とそのルーツとなったこの店も訪れて、受け継がれるDNAを確かめていただきたいです。
古くからお茶文化の根付く島根において、珈琲文化を醸成した店の一つ…
と云うのは少し大袈裟かもしれませんが、上質なコーヒーを片手に落ち着いた時間を過ごせました。
2020/09/10 更新
珈琲好きは一度は行ってみる価値あり
2020/09/30 更新