2回
2019/08 訪問
行列ができる飯田市民のソウルフード
「中華そば(並)」650円
ソウルフード(soul food)とは、元来アメリカ南部の家庭料理から転じて、地域特有の郷土料理のことを称する言葉になったようだ。子どもの頃から食べ続けている味は、実家のカレーライスのようで、おいしさに懐かしさが加わり、味覚と郷愁が混在する不思議な感覚になってしまう。
澄みきった醤油味のスープは、動物系のうまみと匂いが閉じ込められた芳醇な味わい。少し太めのストレート麺は、早く食べないと柔らかくなってしまうが、しっかりと歯ごたえがあり、モチモチと食感が良い。「並」は、普通なら大盛の麺量だ。素朴な煮豚チャーシューとメンマ、輪切りネギとトッピングの具材はシンプルながら、スープと麺の存在感で充分満足できる一杯だ。
サイドメニューの「ギョウザ(430円)」もオンリーワンの逸品。なぜかカレーライスの器で、揚げ餃子の下に刻みキャベツが敷かれ、特製タレをかけて提供される。パリッと揚がった皮は少し甘めで、風味豊かなタレとよく合う。味が染みたキャベツがまたクセになるおいしさ。
お盆の時期に長い行列ができるのは、ご先祖様の魂(soul)と寄り添う時期に、この地域で育った人達の心を揺さぶるソウルフードがどうしても食べたくなるからではないだろうか。理屈はどうあれ、いつ食べても本当においしいラーメンだ。あぁ御馳走様でした。
2019/08/14 更新
「中華そば(並)」720円
コロナ禍で2年ぶりの来訪。相変わらずの行列店だが、食べずに帰るわけにはいかない。
着丼すると中華そば独特の芳醇な香りが立ちのぼる。そうそうコレコレ!澄んだ清湯スープは動物系のうまみがたっぷりで、懐かしくて優しく滋味深い味わい。
なめらかなストレート麺は記憶よりもやや太くなった印象。モチモチとしていながらコシがあり、咀嚼する喜びに満ちたオンリーワンの逸品だ。しかしながら「並」といえども麺を繰っても食っても喰っても全く減っていかない。丼底から湧いてくるような麺量に圧倒される。普通の大人でも「半」で十分かと思う。
ダシのうまさ満載のスープ、サービス精神溢れる絶品麺、完食後のえもいわれぬ満足感が上海楼の真骨頂である。中華そばの私的“原点”がここにある。あー口福。ご馳走様でした!