やっぱりモツが好きさんが投稿したいちふじ(東京/亀有)の口コミ詳細

春は山菜・夏は川魚・秋は茸・冬は獣肉・モツは一年中

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この口コミは、やっぱりモツが好きさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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いちふじ亀有/居酒屋、日本料理、海鮮

16

  • 夜の点数:4.2

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス 3.8
      • |雰囲気 3.8
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク 4.2
  • 昼の点数:4.6

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 3.8
      • |雰囲気 3.8
      • |CP 3.8
      • |酒・ドリンク 4.5
  • テイクアウトの点数:4.6

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
16回目

2022/05 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気3.8
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

いずれ下町の名店となることを願って

1,164文字★

01.マフグ昆布〆の子持ち昆布巻きキャヴィア乗せ
02.海老真薯と秋田産蓴菜コゴミ木の芽のお椀
03.お造り(塩釜産天然生本鮪の大トロ、中トロ、赤身)
04.お造り(北海道産鬼ボタンエビ、京丹後産生鳥貝)
05.千葉竹岡産ノドグロ蒸し寿司
06.気仙沼産活け渡り蟹の酒盗(剥き身、内子、蟹味噌)
07.蝦夷鹿の低温ロースト 木の芽味噌
08.鳴門産鱧(炙り、湯引き、おぼろ重ね)
09.甘鯛松笠焼き 島らっきょう酢漬け 蕗の葉炒め煮
10.茶碗蒸し(スッポン、マフグの白子、塩水うに)
11.桜海老を纏った毛蟹真薯揚げ
12-1.貝尽くし炊き込みご飯(蛤、蒸し鮑、ながらみ、磯ツブ貝、姫サザエ、オマール海老)
12-2.香の物(いぶりがっこ、奈良漬け)、蜆汁
12-3.鼈甲餡(2杯目に)

予算20,000円でお願いしたのですが下町のワンオペ店だけあって使用する食材がゴージャス。
OMAKASEの食べ手(レベル71)として巡った経験から申し上げると、
銀座や六本木であれば体感1.5倍以上の値付けになると思います。

もちろん課題もいくつかあって(無ければ予約困難店になっています)、
挑戦的な料理を楽しめる反面、美味しさにブレがあって安定感には欠けます。
OMAKASE掲載のプレミアム店とやらはコース一択で内容も固定的。
お決まりの料理の開発に全力を注いでいるのでそれはそれは欠点なく美味しいのです。

OMAKASE店と比べるとお椀の吸い地の塩分が強くてそもそも全体的に塩が強いです。
日本酒と合わせるのである程度は許容範囲なのですが、
12品もの料理を食べることで舌が疲れてしまい酸味や甘味のアシストが欲しいところ。

また本鮪もクオリティとしては都心の高級店に負けないのですが提供温度が低め。
融点を考慮するともう少し温度を上げたほうが本鮪の脂が蕩けてもっと美味しくなると思います。
お造りと握りでまた理想となる温度は異なるのでしょうけど、
食べログGOLD鮨店ではトロを24℃や25℃といった温度で出していました。

鳥貝はOMAKASE掲載4万鮨店より大振りで生そのままで十分に美味しいのですが、
OMAKASE掲載店では軽く炭で炙るなどして徹底的に生臭みを排除していました。
筆者は基本的にOMAKASE掲載店とは相性が悪いのですが、
そういう配慮に関してはOMAKASE掲載店を評価しています。

まだ若いお店なので今後の精進に期待しています。
千葉県佐倉市のプレゼンテスギ(4.34)というイタリアンも、
初めて訪れた頃(スコア3.50台の頃)は美味しさよりコストパフォーマンスでしたが、
シェフの弛まぬ努力でドンドン美味しくなって予約困難店へと変貌しました。
いずれ下町の名店となることを願って。

  • 2022.5 マフグ昆布〆の子持ち昆布巻きキャヴィア乗せ

  • 2022.5 海老真薯と秋田産蓴菜コゴミ木の芽のお椀

  • 2022.5 塩釜産天然生本鮪の大トロ、中トロ、赤身

  • 2022.5 北海道産鬼ボタンエビ、京丹後産生鳥貝

  • 2022.5 千葉竹岡産ノドグロ蒸し寿司

  • 2022.5 気仙沼産活け渡り蟹の酒盗(剥き身、内子、蟹味噌)

  • 2022.5 蝦夷鹿の低温ロースト 木の芽味噌

  • 2022.5 鳴門産鱧(炙り、湯引き、おぼろ重ね)

  • 2022.5 甘鯛松笠焼き 島らっきょう酢漬け 蕗の葉炒め

  • 2022.5 茶碗蒸し(スッポン、マフグの白子、塩水うに)

  • 2022.5 海老を纏った毛蟹真薯揚げ

  • 2022.5 香の物(いぶりがっこ、奈良漬け)、蜆汁

  • 2022.5 貝尽くし炊き込みご飯

  • 2022.5 貝尽くし炊き込みご飯

  • 2022.5 2杯目は鼈甲餡を掛けて

2022/05/16 更新

通風弁当

486文字★

予算10,000円で「通風弁当」をお願いしてみました。
同店(3.30)を高く評価している理由は、近所に在って便利なこと、そしてこういう遊び心にあります。
まだ若い店主ということもあって無茶振りにも柔軟に対応して頂けるのです。

通風弁当(10,000円、内税)

余市産アンキモと雲子(真鱈の白子)ポン酢、フォアグラと白子の赤ワインソース、
フォアグラとアンキモと雲子の煮付け、ミニ塩水うに丼、ご飯(秋田こまち)、
ノドグロ塩焼き、子持ちヤリイカ、カラスミ、数の子、磯ツブ貝、ナガラミ、奈良漬け、柴漬け。

本日の白眉だったのが赤ワインソースのフォアグラ。
ネットリやわらかくコッテリ濃厚、分厚くカットされており食べ応え抜群、メチャクチャ美味しかったです。
アンキモは都心の高級店も御用達な北海道余市産(アンキモの最高級ブランド産地)を使用。

さりげなく奈良漬けも美味しくて、濃厚コッテリな食材の箸休めに良かったです。
(すし匠系の高級鮨店ではアンキモと奈良漬けの組み合わせで握ったりします。)
お気に入りの「穴子重(2,200円)」はいつも通りのフワフワ食感。

  • 2021.2 通風弁当(10,000円)

  • 2021.2 通風弁当(10,000円)

  • 2021.2 通風弁当(10,000円)

  • 2021.2 穴子重(2,200円)

2021/02/16 更新

時短要請でテイクアウトに注力

467文字★

オードブル盛り合わせ(20,000円)
穴子重(2,200円)
鯖棒寿司
鯛茶漬け瓶詰め(2,200円)

(注)表示価格は内税です

緊急事態宣言の再発令によって都内の飲食店は20時までの時短営業を強いられておりますが、
テイクアウトに力を入れているとご主人から連絡あったので、
予算20,000円でオードブル盛り合わせをリクエストしたり鯖棒寿司をリクエストしたり。

オードブル盛り合わせの内容は、香箱蟹、自家製カラスミ、蒸し鮑(肝付き)、磯ツブ貝、
数の子、大根たまり漬け、銚子ノドグロ塩焼き、桜海老真薯、合鴨フォアグラ、鳩腿肉、
お刺身の盛り合わせ(大間本鮪大トロ、大間本鮪中トロ、高知アオリイカ、走水真鯵、
北海シマエビ、ツブ貝、小鰭、黒ムツ、小柴太刀魚、鰤)。

穴子重には羽田沖の穴子、鯖棒寿司には松輪の真鯖を使用、どちらとも旬を迎えて脂ノリノリ。
非冷凍でお願いした鯛茶の真鯛は昆布〆と胡麻ダレ漬けによってギュッと身が締まり、
やわらか食感であることが多い「関東の真鯛」とは対極なコリコリ硬い食感を楽しめて満足。

  • 2021.1 オードブル盛り合わせ(20,000円)

  • 2021.1 オードブル盛り合わせ(20,000円)

  • 2021.1 穴子重(2,200円)

  • 2021.1 鯖棒寿司

2021/01/17 更新

ばらちらし

545文字★

ばらちらし(5,000円)
香箱蟹(2,200円)
穴子重(2,200円)
穴子棒寿司(1,700円)
ハナイグチ旨煮(サービス)秋田県に於ける呼称はラクヨウ茸

(注)表示価格は内税です

予算3,000円~5,000円で「ばらちらし」のテイクアウトも可能とのことで5,000円で発注。
大間産生本鮪の赤身とトロ、マカジキ、鮃昆布〆、小鰭、雲丹、生ボタン海老、
閖上産赤貝、小柴産太刀魚炙り、本ミル貝、蒸し鮑(肝付き)、子持ち昆布、
とびこ、鰯、青柳、錦糸玉子、胡瓜ツマ、計17種類の具材が盛られ、本山葵、金箔の乗る豪華ちらし。

高級和食店の魚介だけあって素材のクオリティが高いのはもちろん、
フルフル官能的なやわらか食感に仕上げた鮑の火入れも素晴らしいです。
都心で同レベルのばらちらしを求めると、もっと高額になりそうな予感がします。

この日は江戸前羽田沖産という穴子重には巨大な穴子がドーンと乗ります。
広島県宮島の「あなごめしうえの(3.85)」の穴子とは対極に位置するようなフワフワ穴子。
うえのの穴子を好む人には合わないでしょうが、こういう穴子が好きな人には堪らない美味しさ。
今ならでは「香箱蟹」で内子や外子も楽しめてテイクアウトグルメとしてはトップクラスの満足感。

  • 2020.12 ばらちらし(5,000円)

  • 2020.12 香箱蟹(2,200円)

  • 2020.12 穴子重(2,200円)

  • 2020.12 ハナイグチ(ラクヨウ茸)旨煮

2020/12/06 更新

下町のテイクアウト四天王(魚担当)

421文字★

穴子棒寿司(1,700円)
満腹セット(5,000円)

亀有の同店(魚担当)、亀洋(洋惣菜担当)、喜界(焼鳥担当)、そして北千住の河の家(牛担当)。
以上4店で購入した惣菜や食材を持ち込むと(ex.亀有駅すぐのカラオケまねきねこは持ち込み自由)、
下手な飲食店より遙かに美味しい料理を楽しむことが可能です。

コロナ禍もあって都心のデパ地下で惣菜、お弁当、焼鳥など色々と購入してみましたが、
上記4店(下町のテイクアウト四天王とでも呼びたいところです)を超える美味しさにはまず出会えません。
下町の個人店は都心より地代家賃が安いこともあって、探せば面白いお店が見つかるのです。

なお「魚担当」と書きましたが本日の満腹セットにはトリュフソースのハンバーグ入り。
香り豚トンテキ弁当(1,400円)や合鴨フォアグラなど肉料理もそこそこ楽しめます。
とはいえ動物の脂より魚の脂のほうが融点低いので、テイクアウト向きなのは魚料理でしょう。

  • 2020.11 穴子棒寿司(1,700円)

2020/12/02 更新

11回目

2020/08 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

【★4.6】夏はアブラボウズの白子に脂が乗るらしい【11回目】

729文字★

お通し(磯ツブ貝、子持ち昆布、山椒じゃこ)
あぶらぼうず三題ポンズ(肝、白子、胃袋)
刺し盛り
あぶらぼうず白子焼き
煮穴子あぶり
鱧の唐揚げ 車海老とアボカド旨出し汁

アブラボウズ(♂ 35キロ)の白子と肝と胃袋を楽しめると聞いて再訪。
本日の刺し盛りは、鱧落とし、大間生本鮪の大トロ、中トロ、赤身、竹岡ノドグロ、銚子キンメ、
北茨城アブラボウズ、名残の新子、白海老、塩水うに、エゾイシカゲガイ。
どれも都心の高級和食店が出してもおかしくないクオリティの高さ。

そしてお目当てアブラボウズの内臓は全て軽く湯引きしてあります。
ご主人曰く夏のアブラボウズは白子が大きくなって脂ノリも良くなるそうで、
確かに白子や胃袋の大きさが真鯛の白子や胃袋などとは桁違いに大きいです。

凄まじい大きさの白子を口にすると、白子というより脂身を思わせるギトギト感。
コッテリ嗜好の筆者はポン酢を好まずトラフグやカワハギも醤油や塩で食べるのが好きなのですが、
この白子を食べるときだけは身体がポン酢の酸味を欲しました。

冬(2月)に食べた魚体21キロのアブラボウズの白子のほうが適度な脂ノリで美味しいと思いましたが、
ここまで脂ギトギトな白子を食べるのは初めてだったので貴重な経験となりました。
フワフワやわらかくシャキシャキ食感も楽しめる胃袋の美味しさは新たな発見。

白子は焼いたほうが脂が落ちて食べやすくなるのですが食感の滑らかさには劣りました。
やはり「白子焼き」で味わうのであれば天然トラフグの白子が王様なのでしょう。
鱧は落としと唐揚げで食べましたが美味しさという点では唐揚げの圧勝。
淡泊な白身の鱧は油の旨味や出汁の旨味を加えたほうが活きると思います。

  • 2020.8 お通し(磯ツブ貝、子持ち昆布、山椒じゃこ)

  • 2020.8 あぶらぼうず三題ポンズ(肝、白子、胃袋)

  • 2020.8 刺し盛り

  • 2020.8 あぶらぼうず白子焼き

  • 2020.8 十四代

  • 2020.8 煮穴子あぶり

  • 2020.8 鱧の唐揚げ 車海老とアボカド旨出し汁

  • 2020.8 本日のおすすめ

  • 2020.8 本日のおすすめ

2020/08/28 更新

10回目

2020/05 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

【テイクアウトもやってますよ】金目鯛の白子

955文字★

・満腹セット(5,000円)
1.刺身盛り合わせ
1-1.メカトロ(メカジキのトロ)大蒜醤油
1-2.太刀魚炙り
1-3.天然鮃
1-4.真ツブ貝
1-5.平貝
1-6.小鰭
1-7.鰯なめろう
1-8.富山湾スチーム蛍烏賊
2.焼き魚八寸
2-01.マナガツオ西京焼き
2-02.磯ツブ貝
2-03.伽羅蕗
2-04.合鴨ロース煮
2-05.筍
2-06.奈良漬け
2-07.炊いた金目鯛の白子
2-08.蓬麩
2-09.姫皮(筍)と天然真鯛の和えもの
2-10.新牛蒡醤油漬け
2-11.白柴漬け
2-12.天豆 自家製カラスミ塩
2-13.蕗の葉炒め煮
2-14.真蛸やわらか煮
2-15.子持ち昆布
3.天丼(海老、淡路天然真鯛、コゴミ、コシアブラ、茄子、南瓜、ピーマン)
・鮃茶漬け(2,200円)

(ご主人の出身地である)秋田直送コシアブラなど季節の山菜に加えて金目鯛の白子まで、
筆者の好むマニアックな食材を積極的に取り入れているのが好印象。
東北中心に地酒(ex.十四代)を揃えており、日本料理店として調理技術も高いと思います。

3ヶ月前に食べたアブラボウズの白子は究極の美味でしたが金目鯛の白子も絶品。
白子の定番となっている雲子(真鱈の白子)より旨味強いです。
脂ノリの良い深海魚の白子は「当たり」の確率が高いのかも知れません。
春の白子といえば真鯛と思っていましたが金目鯛も対抗馬に浮上してきました。

江戸を思わせる(ご主人は秋田出身ですが)真っ黒なタレの濃厚天丼。
コシアブラの独特な香りと天然山菜ならでは旨味の強さが素晴らしかったです。
市場を通さず秋田から直接仕入れているので新鮮なのでしょう。
(山菜は足の早い食材と言われております。)

冷凍瓶の状態で持ち帰った鮃茶漬けはクリーミーな白胡麻ダレの中に天然鮃の身とエンガワ入り。
昆布〆にすることで身が締まって、胡麻ダレで濃厚な味わいとなった天然鮃のエンガワ。
これもアブラー(脂っ濃い食材が好きな人)には究極の美味かも知れません。

鯛茶も鮃茶も原材料は天然食材のみ添加物無し。
コロナ禍の影響でスーパーマーケットにも良質な鮃が流通するようになってしまいましたが、
それでも同店の鮃のほうが遙かにレベル高いと思います。

  • 2020.5 刺身盛り合わせ

  • 2020.5 富山湾スチーム蛍烏賊、鰯なめろう

  • 2020.5 焼き魚八寸

  • 2020.5 炊いた金目鯛の白子

  • 2020.5 子持ち昆布、真蛸やわらか煮

  • 2020.5 秋田直送コシアブラ

  • 2020.5 天丼(海老、淡路天然真鯛、コゴミ、コシアブラ、茄子、南瓜、ピーマン)

  • 2020.5 白ゴマ鯛茶漬けの素

  • 2020.5 本日のおすすめ

  • 2020.5 本日のおすすめ

2020/05/17 更新

9回目

2020/04 訪問

  • 昼の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

穴子好き鯛茶好きに朗報

1,104文字★

海鮮ちらし八寸弁当(3,000円)
焼き魚八寸弁当(2,500円)
穴子棒寿司(1,700円)
穴子重(2,200円)
香り豚トンテキ弁当(1,400円)
鯛茶漬け(1瓶3人前 2,200円)

穴子重とトンテキ弁当には別パックの小鉢(筍と野芹のお浸し)付き。
穴子棒寿司には筍、野芹、牛蒡、柴漬けを添えてあります。
海鮮ちらし八寸弁当と焼き魚八寸弁当のご飯は別パック。

海鮮ちらし八寸弁当には、ヒラマサ、鮃、金目鯛、ノドグロ、平貝、小鰭といったお造りが入り、
合鴨、(手羽先のように見える)鶉、なめろう、蛤、空豆、助子、子持ち昆布、筍、小梅煮、いぶりがっこ、
焼き魚八寸弁当は「お造り」に代わって甘鯛の若狭焼きが主役。

トンテキの豚肉は冷めても脂が固まらないようロースの部位を使用したりと、
テイクアウトで食べて美味しいように色々と工夫あるのですが穴子と鯛茶が特に気に入りました。
穴子2尾がドカーンと乗った穴子重は「関東風鰻」のようなトロフワ食感。

こういう蕩ける食感の穴子を好むのは関東ならではかも知れませんが、
個人的には広島県の「あなごめし うえの(3.79)」で食べた穴子より全然美味しいと思いました。
関西の穴子はムキムキというかゴワゴワした食感でどうも苦手なのです。

そして美味しさという点では酢飯と蕩ける穴子が一体化した「穴子棒寿司」が最高。
薬味が本山葵なのも嬉しいですし、木の芽が乗っているのも春を感じられて好印象。
前述うえのではもっと高価な特上あなごめしでも穴子少なくお米ばかりが余り、
白焼きの薬味もアレな山葵でした、そう考えるとコストパフォーマンスにも秀でていると言えるでしょう。

冷凍になっている鯛茶漬けの瓶は解凍後4日ぐらいが賞味期限。
まずはお好みの薬味で、そしてアツアツに熱した麦茶をかけて「お茶漬け」にするのがオススメとのこと。
熱して香りが飛んでしまうことを考慮すると緑茶や焙じ茶より麦茶なのだそうです。

瓶の中には胡麻ダレに漬かった天然真鯛の角切りがゴロゴロ入っています。
真鯛は昆布〆にしているのでしょうか、適度に水分が抜けて締まっており食感が良いです。
関東の鯛はやわらかく熟成するほうが好まれ、個人的に真鯛に関しては関西のほうが好きなのですが、
この鯛は旨味の強さも弾力ある食感も胡麻ダレの味付けも気に入りました。

そして角切りカットで厚みがあるのでアツアツの麦茶をかけても中心がレアー。
火が入ることで真鯛の旨味が活性化して、お茶漬けとしてサラサラ食べられるという素晴らしさ。
某ミシュラン三つ星日本料理店の鯛茶より美味しいかも知れません。

  • 2020.4 焼き魚八寸弁当(2,500円)

  • 2020.4 海鮮ちらし八寸弁当(3,000円)

  • 2020.4 穴子棒寿司(1,700円)

  • 2020.4 穴子重(2,200円)

  • 2020.4 香り豚トンテキ弁当(1,400円)

  • 2020.4 鯛茶漬け(1瓶3人前 2,200円)

  • 2020.4 テイクアウトメニュー

2020/05/12 更新

8回目

2020/04 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

超お得な満腹セット

1,040文字★

満腹セット(5,000円)
1.刺身盛り合わせ
1-1.下田産マカジキ
1-2.ウメイロ
1-3.銭洲産天然シマアジ
1-4.北海シマエビ
1-5.小鰭
1-6.平貝
2.焼き魚八寸
2-01.甘鯛パリパリ焼き
2-02.蓬麩
2-03.スダレガイ
2-04.鯖棒寿司
2-05.青森産合鴨ロース煮
2-06.野芹お浸し
2-07.子持ち昆布
2-08.いぶりがっこ
2-09.子持ちヤリイカ煮付け
2-10.ホタルイカ煮付け
3.天丼(海老、天然鮃、コゴミ、茄子、獅子唐、沖縄南京)
わたり蟹酒盗二題(2,280円)内子、味噌、蒸し身
赤イサキとフォアグラのにんにくバター醤油焼き(1,680円)
フォアグラリゾット(1,180円)

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で仕入れ価格が安くなっている今だけ、
刺身盛り合わせ(5~6点盛り)、焼き魚八寸、天丼まで楽しめる、
「テイクアウト満腹セット(5,000円)」を始めたと、ご主人からメッセージが届きました。

5,000円で多種多様な料理を楽しめるボリューミーなセットとなると、
普通は高級食材など楽しめないのですが、同店はハイクオリティ食材のオンパレード。
分かる人は天然シマアジが刺し盛りに入っているというだけで驚愕するでしょう。
(シマアジは養殖と天然の価格差が激しいことで知られています。)

そして希少高級魚のウメイロも白身とは思えないぐらい旨味が強くて美味しい。
5,000円のセットでも薬味の山葵はいつも通りの本山葵。
高級和食店の矜持を感じられます。

「焼き魚八寸」の主役はパリパリに焼き上げた鱗もフックラ蕩ける身も楽しめる甘鯛。
ジューシーな汁と旨味が迸るスダレガイ、生に近い酢〆の鯖棒寿司なども非凡な美味しさ。
野芹のお浸しも野生ならでは生命力の強さを感じられて素晴らしかったです。

天丼は下町を思わせる甘辛くて濃厚なタレと、東京で主流となっている硬めなお米が特長的。
お刺身で食べられる天然の鮃まで天ぷらとなっていてクレイジー。
コロナ禍で苦境とは思いますが、そんな今だからこその、超お得なテイクアウト満腹セット。

通常メニューでは合鴨のフォアグラを定番化させたようでフォアグラ好き歓喜。
渡り蟹の酒盗(内子や蟹味噌の塩辛を楽しめます)などプリン体の豊富な料理が揃っています。
満腹セット以外のテイクアウトメニューも充実しており、コロナ禍が過ぎ去るまでの強力な助っ人が登場。

  • 2020.4 銭洲産天然シマアジ

  • 2020.4 ウメイロ

  • 2020.4 刺身盛り合わせ

  • 2020.4 甘鯛パリパリ焼き

  • 2020.4 焼き魚八寸

  • 2020.4 子持ちヤリイカ煮付け、ホタルイカ煮付け

  • 2020.4 天丼(海老、天然鮃、コゴミ、茄子、獅子唐、沖縄南京)

  • 2020.4 新政

  • 2020.4 赤イサキとフォアグラのにんにくバター醤油焼き(1,680円)

  • 2020.4 わたり蟹酒盗二題(2,280円)内子、味噌、蒸し身

  • 2020.4 フォアグラリゾット(1,180円)

  • 2020.4 十四代

  • 2020.4 本日のおすすめ

  • 2020.4 本日のおすすめ

  • 2020.4 テイクアウトメニュー

2020/12/02 更新

7回目

2020/02 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

【★4.6】アブ肝アン肝の食べ比べ!

2,216文字★

01.お通し
01-1.鯖(松輪サバ)棒寿司
01-2.穴子南蛮漬酢
01-3.白子豆腐(雲子豆腐)
02.刺し盛り
02-01.福島アブラボウズ
02-02.鰹大蒜醤油で
02-03.淡路天然真鯛
02-04.カワハギ肝醤油で
02-05.閖上の赤貝
02-06.青柳
02-07.竹岡ノドグロ炙り
02-08.北海しま海老
02-09.塩水ウニ
02-10.白魚
02-11.江戸前小鰭
03.アブラボウズの肝ポン酢
04.アブラボウズ(魚体21kg)粕味噌漬け焼き
05.アブラボウズ(魚体40kg)塩焼き
06.蛤とあおさの天ぷら
07.北海しま海老の頭(素揚げ)
08.秋田県横手市山内地区(発祥の地)のいぶりがっこ
09.アブラボウズ煮付け
10.噴火湾鮟鱇鍋どぶ汁仕立て
11.茶碗蒸し(真鯛と天豆入り)クリ蟹あん
12.貝づくしの炊き込み(蛤、浅蜊、ムール貝)

アブラボウズの肝を手に入れたと、ご主人からメッセージが届きました。
北茨城の漁師さんが福島沖で一本釣りした40kgのアブラボウズを丸で仕入れたので、
お腹にたっぷりと肝も入っているのです、前回は21kgだったので倍ぐらいの大きなサイズ。

料理まずは脂ノリ抜群な松輪サバや、柚子が効いて爽やかながら脂ノリの良い穴子などに舌鼓。
お造りで味わうアブラボウズは前回より脂ノリノリでテカテカに光っていました。
白身魚でここまで脂っ濃いお造りはまず見ないです。

80kg~90kgという巨大サイズまで育つこともあるアブラボウズ。
前回の21kgより40kgの今回のほうがサイズの大きさに比例して脂ノリが増すのか、
たまたま脂ノリの良い個体だったのか、市場にはなかなか流通しない魚だけあってよく分かりません。

11種類も盛り込んだお造りですが、どれも非凡な美味しさでお店のレベルの高さを再確認。
カワハギは肝の美味しい魚という認識ですが同店のカワハギは身のほうが美味しいという逆転現象。
これだけ身の美味しいカワハギには地方を巡ってもなかなか出会えません。

本日のお目当て「アブラボウズの肝ポン酢(略してアブ肝)」はご主人曰くアン肝より美味しいとのこと。
アン肝の最高級ブランド余市産を絹豆腐とすると木綿豆腐を思わせるボソボソ感を少し感じたのですが、
凄まじい脂ノリで確かに一般的な国産アン肝より美味しいかも知れません。
(アブ肝の調理法は蒸しではなくボイルだそうで、調理法によってもまた印象が変わりそうです。)
コッテリしたチーズのような味わいとも表現可能でしょう。

そしてアブラボウズの焼き物で21kgの個体と40kgの個体を食べ比べ。
前回仕入れて粕味噌に漬けて保存している21kgのほうが余計な水分が抜けて身に締まりを感じるのですが、
40kgのほうが水っぽさはあるも脂ノリ凄まじくて気に入りました。

21kgのほうは銀ダラやメロに近い味わい、40kgは真鱈のムニエルといったイメージでしょうか。
これだけ脂ノリノリなのに脂の質が爽やかで意外と軽やかに楽しめるのがアブラボウズの特長。
白子や肝も美味しいですし総合力では鮟鱇や真鱈を上回るのかも知れません。

アブラボウズ以外のメニューも色々と注文していきます。
アオサ天ぷらの中には大粒のハマグリがゴロッと入っているのが嬉しい。
去年は高知県でアオサを食べ歩きましたが、こういう合わせ技のほうがアオサが活きると思います。
四万十市で食べて一番美味しかったアオサ天ぷらもアオサに餅を加えているようでした。

同席者が気に入っていたのが秋田県横手市山内地区(発祥の地)のいぶりがっこ。
がっことは秋田の方言で「雅に香る」という意味だそうですが確かに素晴らしい香りでした。
ご主人(秋田県出身)の仕入れルートの賜物でしょうか。

先ほどはアブ肝を楽しみましたが、今度は噴火湾の鮟鱇をアン肝スープ(どぶ汁)で味わいます。
大洗(茨城県)の郷土料理と知られる鮟鱇のどぶ汁。
同店では二番出汁、味噌、酒をベースにアンキモを加えてスープを作っているのですが、
このどぶ汁スープは過去最高クラスに美味しいです。
大洗までどぶ汁を食べに行ったこともありますが同店のほうが遙かにレベル高いです。

食べ方としては、まず椎茸と木綿豆腐(と長ネギ)を入れて、アラに近い身も投入。
そして灰汁を取ってから残りの身と白菜を入れて加熱。
鮟鱇の身は水分が多くて「しゃぶしゃぶ」のように食べると水っぽさが気になるので、
しっかり煮込んで水分を落とし身を凝縮させたほうが美味しくなると思います。

そのまま飲んで美味しいスープ(どぶ汁)で煮込むわけですから、
煮込んで水分の抜けた身はもちろん、皮や骨周りのプリプリした身の美味しさは超絶でした。
大洗現地でもこれより美味しいどぶ汁にはなかなか出会えないでしょう。

また意外なヒットだったのが木綿豆腐。
煮込むことで豆腐が旨味を吸い、そして余計な水分が抜けることでチーズのような食感に変質。
どぶ汁で豆腐がここまで美味しくなるとは新たな発見でした。

ご主人セレクトの日本酒も、田酒、十四代、磯自慢と日本を代表する銘酒ばかり。
相対取引でアブラボウズを仕入れるなど、食材も日本酒も良いものを仕入れています。
そして(どぶ汁の美味しさなど)調理技術も高いという亀有の隠れ名店(3.07)。

  • 2020.2 鯖(松輪サバ)棒寿司、穴子南蛮漬酢、白子豆腐(雲子豆腐)

  • 2020.2 刺し盛り

  • 2020.2 カワハギ肝醤油で

  • 2020.2 竹岡ノドグロ炙り

  • 2020.2 北海しま海老、塩水ウニ

  • 2020.2 福島アブラボウズ(魚体40kg)

  • 2020.2 アブラボウズの肝ポン酢

  • 2020.2 アブラボウズ(魚体21kg)粕味噌漬け焼き

  • 2020.2 アブラボウズ(魚体40kg)塩焼き

  • 2020.2 蛤とあおさの天ぷら

  • 2020.2 北海しま海老の頭(素揚げ)

  • 2020.2 秋田県横手市山内地区(発祥の地)のいぶりがっこ

  • 2020.2 アブラボウズ煮付け

  • 2020.2 噴火湾鮟鱇鍋どぶ汁仕立て

  • 2020.2 噴火湾鮟鱇鍋どぶ汁仕立て

  • 2020.2 噴火湾鮟鱇鍋どぶ汁仕立て

  • 2020.2 茶碗蒸し(真鯛と天豆入り)クリ蟹あん

  • 2020.2 貝づくしの炊き込み(蛤、浅蜊、ムール貝)

  • 2020.2 田酒

  • 2020.2 十四代

  • 2020.2 磯自慢

  • 2020.2 本日のおすすめ

  • 2020.2 本日のおすすめ

2020/02/24 更新

6回目

2020/02 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

【★4.6】超珍品!アブラボウズの白子!!

2,618文字★

1.お通し
1-1.子持ち飯蛸
1-2.子持ち昆布
1-3.公魚(わかさぎ)南蛮酢
1-4.スダレ貝
2.刺し盛り
2-1.アブラボウズ
2-2.マカジキ大蒜醤油で
2-3.生ボタン海老
2-4.無添加バフンウニ
2-5.閖上の赤貝
3.アブラボウズの白子ポン酢
4.ボタン海老の頭(素揚げ)
5.アブラボウズ粕味噌漬け焼き
6.ブリ大根ならぬ「アブラボウズ大根」
7.キンキ生湯葉蒸し クリ蟹の銀あん
8.貝尽くし(鮑、地蛤、スダレ貝)の炊き込みご飯、香の物(柴漬け)
9.蟹出汁の味噌汁

ご主人セレクトの、大那(だいな)、而今、十四代、と1人酒を楽しんで、お支払い金額 17,420円

久しぶりにアブラボウズを仕入れたとの連絡を受けて再訪。
スズキ目クロタチカマス科に属するアブラソコムツやバラムツ(脂に人体に有害なワックス分を含む)は、
食品衛生法で販売を禁じられていますが、カサゴ目ギンダラ科に属するアブラボウズの流通は合法。

とはいえ市場にはなかなか出回らない希少な魚、同店は北茨城の漁師から直接仕入れています。
大きいものは80kgぐらいまで育つのですがご主人曰く大味ではないかとのこと。
今回は福島県の海で釣れた魚体21kgのアブラボウズ(♂)を丸で購入。

まずは「お通し」として、ワカサギの南蛮酢、カラフルな色合いのスダレ貝、
子持ち飯蛸と子持ち昆布の子持ちコンビ(昆布とコンビで韻を踏んでいるわけではありません)。

卵が飯粒のような食感だから「飯蛸(いいだこ)」という説もあるように、
まるで硬いお米のような食感となっている卵の美味しさが光っていました。

刺し盛りは、今が旬のマカジキ、赤貝の最高級ブランド閖上産、ミョウバンが邪魔しない無添加バフンウニ、
頭の素揚げも後料理に楽しめるボタン海老など粒揃いな陣容。
とはいえ今回の主役はやはりアブラボウズのお刺身でしょうか。

鮃、星鰈、天白(天然トラフグ)、明石の鯛など、白身魚の中でも王様クラスに美味しいお刺身に比べると、
旨味の強さより脂の強さのほうが目立っており、生のままでは本領発揮とならない印象。
クエやアコウ(キジハタ)が刺身より鍋や清蒸で活きるのと同様に脂の融点が高いのかも知れません。
(それでもトロッとした白身でまずまず美味しかったです。)

一方でホームラン級の大当たりだったのがアブラボウズの白子。
自然界の魚は雄♂より雌♀のほうが多く(魚の産卵において雄は精子をかけるだけで役目が終わるので)、
ただでさえ市場に入荷の無いアブラボウズ、しかもその雄、更に今の時期しか身体に蓄えていない白子。
ご主人も初めて見たという超希少品となります。

口にするとトラフグの白子を刺身で食べたときと同じような味わい。
天白(天然トラフグ)の焼き白子(白子の世界のチャンピオン)には負けると思うのですが、
それでも天白の白子をお刺身で食べたときより美味しくて驚愕しました。
臭みやクセとは無縁で純な旨味だけを楽しめる何とも良質な白子。

2日前に食べログでスコア4.78を叩き出す全国No.1高級鮨店で雲子(真鱈の白子)を食べましたが、
ハッキリ申し上げて同店で食べたアブラボウズの白子の圧勝です。
(しかも同店はポン酢の美味しさも高級割烹クラスで大衆店とは別次元。)

雲子、天然トラフグ、養殖トラフグ、マフグ、ゴマフグ、真鯛、金目鯛、イサキ、スマガツオ、
ボラ、真鯵、秋鮭、スッポン、淡海地鶏など、今まで10数種類の白子を食べてきましたが、
まさかアブラボウズの白子がトップクラスに美味しいとは予想もしなかったです。

ここからは火を入れたアブラボウス料理が続きます。
ご主人は前職で養殖の銀ダラを扱っていたそうですが、それより脂が爽やかとおっしゃるアブラボウズ。
日本橋に本店を置く「京粕漬魚久」のぎんだら京粕漬を定期的に食べているのですが、
それより身がやわらかくて脂ノリも凄いような印象でした。

ブリ大根ならぬ「アブラボウズ大根」も白子に次ぐスマッシュヒット。
本家ブリ大根のブリのように身がパサつくことなど全く無くて蕩けるやわらかさ。
アブラボウズ同様に蕩けるやわらかさとなっている大根ですが、
煮汁が染み込み過ぎて味が濃いということもなくて、ご主人の調理技術が光っていました。

アブラボウズほどではないですが脂ノリの良い魚と知られるキンキ(キチジ)。
生湯葉と蒸してクリ蟹のほぐし身が入った餡かけとなっていましたが、
これも餡に蟹の旨味がしっかり出ており、生湯葉の官能的な食感も相俟って絶品。

鮑1個、蛤1個、スダレ貝4個を贅沢にぶち込んだ炊き込みご飯もまた貝の旨味が凄いです。
先日は和歌山県の加太(かだ)漁港で、サザエ、おく貝、アサリの貝丼を食べましたが、
やはり東京で食べるほうがお米のアルデンテな硬さといい洗練されていると思います。

お味噌汁は年末に捌きまくった香箱蟹の殻をリサイクルして出汁を取っているようで、
凄まじい旨味の強さを感じられて味噌汁まで桁違いに美味しかったです。
こういう調理センスの非凡さも同店の特長でしょう。

下町の亀有にしては安くないお店ですが、相対取引も活用してマニアックな食材を仕入れ、
(出身地の秋田からツキノワグマ、野ウサギ、天然キノコ、山菜、漁師からアブラボウズ)
ネットで買えば一升瓶が数万円になる「十四代 中取り純米吟醸 播州愛山」も飲めて、
薬味は本山葵、ポン酢の味付けや大根の処理の上手さなど、都心の高級割烹クラスの腕前。

アブラボウズは小田原(神奈川県)の食堂でも食べられると聞きますが、
おそらくここまで洗練された調理では無いでしょうし、本山葵を薬味には使ってくれないでしょう。
高級店でありながらここまでマニアックな食材を楽しめるお店は希少性が高いのです。

2日前に食べログでスコア4.78を叩き出す高級店を訪れたと申し上げましたが、
都心で同レベルに美味しい料理を肴に十四代を飲んだ場合、30,000円では済まないような気がします。
下町にしては絶対額の高いお店ですが相対的に考えれば割安なのかも知れません。

なお21キロも丸で仕入れたアブラボウズですが、かなりの量を粕味噌漬けにして真空パック保存した模様。
品切れになるまではアブラボウズの粕味噌漬け焼きを楽しめるとのことでした。

  • 2020.2 お通し(子持ち飯蛸、子持ち昆布、公魚南蛮酢、スダレ貝)

  • 2020.2 刺し盛り

  • 2020.2 アブラボウズ

  • 2020.2 マカジキ

  • 2020.2 閖上の赤貝

  • 2020.2 生ボタン海老、無添加バフンウニ

  • 2020.2 アブラボウズの白子ポン酢

  • 2020.2 ボタン海老の頭(素揚げ)

  • 2020.2 アブラボウズ粕味噌漬け焼き

  • 2020.2 ブリ大根ならぬ「アブラボウズ大根」

  • 2020.2 キンキ生湯葉蒸し クリ蟹の銀あん

  • 2020.2 貝尽くし(鮑、地蛤、スダレ貝)の炊き込みご飯

  • 2020.2 貝尽くし(鮑、地蛤、スダレ貝)の炊き込みご飯、香の物(柴漬け)、蟹出汁の味噌汁

  • 2020.2 十四代 中取り純米吟醸 播州愛山

  • 2020.2 本日のおすすめ

  • 2020.2 本日のおすすめ

2020/02/07 更新

5回目

2019/12 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

【★4.4】年末お土産

463文字★

香箱蟹(2,500円)
特上唐墨(15,000円)

12月29日or30日引き渡しの「年末お土産」を受け取りに行ってきました。
香箱蟹(メスのズワイガニ)は前回同様、丁寧に処理されており食べやすいです。
11月後半に食べたときのほうが蟹のサイズは大きかったような気もしますが、
このあたりは年末のほうが不利になるのかも知れません。

そして無血栓の最上級ボラ子で作ったという特上カラスミ。
ソフトな仕上がりとなっていて、薄皮を取り除いてスライスすればネットリ美味しい。
カラスミの食べ方として、大根と合わせる、餅と合わせる、炙るなど、色々とバリエーションありますが、
この最上品はそのままストレートに味わうのが一番だと思います。

塩加減も理想的で日本酒の肴として大活躍するでしょう。
食べログのスコア4.00を超える全国の日本料理店で色々と食べ歩いたカラスミに負けません。
むしろトップクラスに美味しいと思いました。
(基本的に安くて美味しくないとウケない)下町亀有で最高級のカラスミを購入可能となったことは僥倖。

  • 2019.12 香箱蟹(2,500円)

  • 2019.12 特上唐墨(15,000円)

2019/12/31 更新

4回目

2019/11 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

【★4.4】香茸と比内地鶏の秋田最強タッグが炊き込みご飯に

2,206文字★

1.お通し(江戸前東京湾小鰭の握り、宮城ムール貝)
2.京都香箱蟹
3.東京湾羽田沖穴子の薄造り
4.刺し盛り
4-1.宮城鰹
4-2.閖上赤貝
4-3.銚子金目鯛
4-4.石川〆鯖
4-5.北海道ヤガラ昆布〆
4-6.北海道天上鰤
4-7.牡丹海老
4-8.無添加雲丹
5.肝たっぷりスルメイカの塩辛
6.秋田ラクヨウダケ(トンビマイタケ)旨煮
7.牡丹海老の頭の唐揚げ
8.秋田ムキタケ旨煮
9.秋田香茸と比内地鶏の炊き込みご飯、秋田サワモダシ(ナラタケ)お味噌汁、香の物(胡瓜の白柴漬け)

秋田県で香茸の天日干し(香茸は干したほうが香りが強くなるのです)が完了したとの連絡を受けて再訪。
同じく秋田県の名産品「比内地鶏」との炊き込みご飯で楽しませてくれました。
本日はお店に秋田美人の奥さまもいらっしゃってまさに秋田尽くしなのですが、
豊洲市場から仕入れた全国各地の魚介の美味しさもまた同店の魅力。

まずは江戸前(東京湾産)の小鰭握りがお通しで登場したのですが、
大振りな小鰭のクオリティの高さ、酢〆の塩梅の良さ、そして硬めな酢飯と全て良いです。
街場の大衆寿司より洗練された握りを楽しめて驚きました。
貝殻に残った汁まで美味しいムール貝と一緒に先制攻撃を受けます。

更に京都産という香箱蟹(♀のズワイガニ)は丁寧に処理されており、食べやすくて美味しさも抜群。
同店「おせち」はやっていないそうですが、年末は「おみや」として、
蒸し鮑、合鴨ロース煮、無血栓のカラスミ、香箱蟹を販売しているとのこと。

昨年末は120匹の香箱蟹を捌いて腱鞘炎になったとおっしゃっていましたが、
(そういえば前職で雲丹の試食をし過ぎて痛風になったとも聞きました。)
その経験が活きているのか香箱蟹はシャクシャクした外子まで美味しくて感動的。
内子や蟹味噌と合わせた身の美味しさはもう申し上げるまでもありません。

穴子の最上品とも言われる「羽田沖」。
〆たばかりでないとお造りは出せないそうですが今回は薄造りを楽しめました。
小骨が少し障るのですが旨味の強さは羽田沖ならではでしょうか。
お造りで食べた穴子としては過去最高クラスの美味しさ、薬味が本山葵なのも嬉しいポイントです。

8種類のカラフルな刺し盛り、秋田直送天然キノコの旨煮の美味しさも相変わらず。
牡丹海老の頭を無駄にせず唐揚げで提供する姿勢も好印象(そして火入れバッチリで美味しい)。
自家製というスルメイカの塩辛(肝たっぷり)も市販の塩辛とは別次元な美味しさ。

そして本日のお目当て「香茸と比内地鶏の炊き込みご飯」。
香茸を出汁で戻した真っ黒なタッパーを見せて貰ったのですが漂う香りだけで既に素晴らしいです。
土鍋でご飯を蒸らしているときも、穴から出てくる蒸気を嗅ぐだけで蠱惑的な香りを楽しめました。

お米は秋田こまちを使用しているようでまさに秋田尽くしな炊き込みご飯ですが、
これがまた炊き加減(硬めです)、香り(香茸由来)、旨味(比内地鶏由来)と全て素晴らしくて絶品。
今秋は岡山県真庭市や長野県飯田市といったキノコの産地でも香茸ご飯を食べましたが、
日本三大地鶏の中でも最強(と思っている)の比内地鶏が加わった同店の香茸ご飯がマイベスト。

今月は大森のミシュラン三つ星「まき村(4.44)」でも松茸(岩手産)ご飯を食べる機会ありましたが、
個人的には同店の香茸ご飯のほうが圧倒的に美味しいと思ってしまいました。
(市場経由の松茸はどうしても香りが弱くなってしまうのです。)

鮮度命の松茸(産地で食べた朝採れより美味しい松茸にはまだ出会ったこと無いです)と異なり、
天日干しすることで香りの増す香茸は松茸より保存性に秀でているのかも知れません。
東京でキノコの炊き込みご飯を食べるのであれば松茸より香茸が正解なのでしょうか。

香の物(胡瓜の白柴漬け)は既成品とのことでしたが、サワモダシ(ナラタケ)のお味噌汁も絶品。
天然キノコから溢れ出てきた旨味のおかげか汁の美味しさが何とも鮮烈でした。
まき村(4.44)の松茸ご飯、柚木元(4.39)の香茸ご飯といった、食べログ全国クラスのお店を超える、
「香茸と比内地鶏の炊き込みご飯」の美味しさもあって今回の満足度は過去最高。
(その代償としてお支払い金額も過去最高となりました。)

圧倒的な資本力で47都道府県からピンの魚介を吸い上げている豊洲市場からブランド産地物を仕入れ、
豊洲市場では手に入らない秋田食材の直送ルートという武器も持つ亀有の隠れた名店。
現時点における同店の食べログスコア3.05は明らかに過小評価と思います。

本日のお支払いが過去最高となった理由は、而今、十四代などプレミアムな日本酒にもあるのですが、
それでも30,000円を超えたミシュラン日本料理店の半額ぐらい。
秋田直送ルートのおかげもあって、今回は倍額のミシュラン店を凌駕する満足度の高さでした。

秋田から春は山菜、(夏の鮎は豊洲から仕入れるとのこと)秋はキノコ、そして冬はジビエを直送。
野うさぎ(1月から2月ぐらいが美味しいそうです)が手に入ることもあるようで、
ジビエ好きとしては「野うさぎ鍋」も気になっています。
なお年末年始は31日(大晦日)から年明け4日までお休み、新年は1月5日から営業となるようです。

  • 2019.11 お通し(江戸前東京湾小鰭の握り、宮城ムール貝)

  • 2019.11 江戸前東京湾小鰭の握り

  • 2019.11 京都香箱蟹

  • 2019.11 東京湾羽田沖穴子の薄造り

  • 2019.11 刺し盛り

  • 2019.11 刺し盛り

  • 2019.11 肝たっぷりスルメイカの塩辛

  • 2019.11 秋田ラクヨウダケ(トンビマイタケ)旨煮

  • 2019.11 牡丹海老の頭の唐揚げ

  • 2019.11 秋田ムキタケ旨煮

  • 2019.11 出汁で戻した香茸

  • 2019.11 秋田香茸と比内地鶏の炊き込みご飯

  • 2019.11 秋田香茸と比内地鶏の炊き込みご飯

  • 2019.11 秋田サワモダシ(ナラタケ)お味噌汁

  • 2019.11 本日のおすすめ

  • 2019.11 本日のおすすめ(裏面)

2019/11/27 更新

3回目

2019/11 訪問

  • 夜の点数:4.1

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

【★4.1】秋田伝統ツキノワグマ鍋

1,188文字★

ご主人の同級生が秋田で撃ったフレッシュなツキノワグマ肉が手に入ったとのこと。
同店は豊洲から仕入れたハイレベルな魚介だけでなく、
出身地の秋田県から直送される山菜、キノコ、ジビエにも魅力があります。

お通し(小鰭奉書巻き、いくら、ながらみ、翡翠銀杏、しらす煎餅)
刺し盛り(秋刀魚、雲子、無添加ウニ、羅臼天上鰤、鰆、平貝、黒ムツ、銚子金目鯛、〆鯖、ブドウエビ、鰹)
秋田産天然キノコ(ムキタケとラクヨウダケ)旨煮
ツキノワグマ鍋
鍋の〆うどん(稲庭うどん)

まずお通しの翡翠銀杏からハイレベル。
大粒でホクホクした食感、銀杏特有の風味、旨味の強さが堪りません。
他の料理も一定レベル以上の美味しさで素材力の高さと調理技術の高さを再確認。

刺し盛りで扱う魚介も下町亀有とは思えない、都心の高級和食店クラスの美味しさ。
先日は岡山や愛媛など瀬戸内エリアで定番となっている鰆(さわら)を食べましたが、
こちらのほうがクオリティ高いと思います。
圧倒的な資金力で47都道府県からピンの魚介を吸い上げている豊洲市場の凄まじさ。

そして豊洲市場からは手に入らないけどご主人のツテで仕入れる天然キノコ。
ムキタケもラクヨウダケ(トンビマイタケ)も大きなサイズで食感も旨味も現地顔負け。
天然キノコからの出汁の旨味もあって煮汁まで美味しい。
東北現地ですと味付けの濃さが気になることもありますが同店は優しい味付けで汁まで完飲。

メインの熊鍋にはツキノワグマのロース肉やバラ肉を使用。
ただフレッシュなものではなく2日かけて下処理してやわらかくなっています。
例えて言えば「熊の角煮」といった味わいでしょうか、ジビエ特有の獣臭さを少し感じます。

味噌と醤油ベースの鍋スープは熊の骨と鰹節から出汁を取っているようで旨味たっぷり。
大根、人参、牛蒡、豆腐、そして熊の角煮を最初から鍋に入れてあって、
途中から椎茸、平茸、春菊、白菜を(ご主人の手で)加えて完成。

下処理のおかげでホロホロやわらかな角煮となっており熊肉の弾力は感じません。
滋賀県、岐阜県、長野県、山梨県で食べた熊鍋はフレッシュなロースやバラを極薄切りにして、
しゃぶしゃぶのように味わいましたが、これが秋田での伝統的な熊鍋とのことでした。
(個人的にはフレッシュな熊肉を極薄切りにする熊鍋のほうが好き。)

熊鍋の残りスープも無駄にせず〆うどんに(佐藤養助の稲庭うどん使用)。
スープは煮詰めずそのまま飲める濃さに調整してくれていました。
鍋のスープも完飲して秋田のツキノワグマを余すところなく堪能。

岐阜県ではもう天然キノコは終わりと聞きましたが秋田県では今月いっぱい採れるそう。
現在は香茸を干しているようですし(干したほうが香りが増します)、
比内地鶏と天然キノコの鍋などリクエストも可能だそうで気になります。

  • 2019.11 お通し(小鰭奉書巻き、いくら、ながらみ、翡翠銀杏、しらす煎餅)

  • 2019.11 お通し(小鰭奉書巻き、いくら、ながらみ、翡翠銀杏、しらす煎餅)

  • 2019.11 刺し盛り(秋刀魚、雲子、無添加ウニ、羅臼天上鰤、鰆、平貝、黒ムツ、銚子金目鯛、〆鯖、ブドウエビ、鰹)

  • 2019.11 刺し盛り(秋刀魚、雲子、無添加ウニ、羅臼天上鰤、鰆、平貝、黒ムツ、銚子金目鯛、〆鯖、ブドウエビ、鰹)

  • 2019.11 秋田産天然キノコ(ムキタケとラクヨウダケ)旨煮

  • 2019.11 ツキノワグマ鍋

  • 2019.11 ツキノワグマ肉アップ

  • 2019.11 鍋の〆うどん(稲庭うどん)

  • 2019.11 本日のおすすめ

  • 2019.11 本日のおすすめ(裏面)

2019/11/07 更新

2回目

2019/08 訪問

  • 夜の点数:4.1

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

【★4.1】内子と蟹味噌をたっぷり使った「ワタリガニ真薯揚げ」

716文字★

淡路ハモ南蛮漬け(お通し)
ばくらい(980円)
鱧の子酒盗(580円)
秋田雄物川天然鮎うるか5年もの
刺し盛り
1.エゾアワビ(肝付き)
2.クビレズタ(海ぶどう)
3.鰹にんにく正油
4.新子(コノシロの幼魚)
5.鱧おぼろ重ね
6.鱧湯引き
7.白海老
8.無添加ウニ
9.鹿児島アオダイ
尼鯛パリパリ焼き(2,280円)
羽田沖煮穴子あぶり(1,580円)
大阪湾いわし お造りとなめろう
ワタリガニ真薯揚げ 男鹿半島の塩と竹炭塩で

比内地鶏の焼鳥、秋元屋系のモツ、地中海料理の洋惣菜、広島風のお好み焼き、ラーメンなど、
大衆的なグルメには困らない下町亀有ですが、たまには日本料理で四季を感じたくなります。
このエリアにしては高級価格帯となる同店へ。

まずは突き出しに鱧の南蛮漬けが出てきて夏を感じられます。
(鱧が夏の魚というイメージは京都人が作り出しただけで、実際は冬が旬という意見もあります。)
鱧の子の酒盗、前回同様にばくらい、更に店主の出身地秋田は雄物川の天然鮎うるか。
魚のモツ料理で日本酒が進んでいきます。

相変わらず臭みや苦みが無くて純な旨味を楽しめる無添加ウニ、
鱗ごとパリパリ焼いた甘鯛なども美味しかったですが本日の白眉と思ったのはワタリガニ真薯揚げ。
ワタリガニの身、内子、味噌、つなぎに少し魚のすり身を使って「真薯」に。

厚めの衣を付けた揚げたそれは「ワタリガニのドーナツ」なイメージ。
ドーナツを割ると黄色い内子がたっぷりと詰まっていて、
同じ時期に南九州で地物のワタリガニも食べましたがこちらのほうが美味しいと思いました。
安いお店ではないですが下町亀有では何とも貴重なお店です。

2019/09/09 更新

1回目

2019/05 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.8
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

【★4.2】自家製という莫久来が5.0満点の美味しさ!

3,084文字★

2017年7月18日にオープンした亀有の新店です(3.05)。
秋田出身の若きご主人(34歳)が豊洲市場の魚介と秋田直送の地物食材で腕を奮う和食店。
居酒屋というよりは割烹・小料理に近いカテゴリーになると思います。
下町亀有にしては高級路線ですが、美味しさを追求する葛飾区民にとっては抑えておきたい1軒。

店内は厨房前の直線カウンターに6席、4人テーブル2卓、掘りごたつ式の座敷に6人テーブル2卓(計26席)。
下町に在りますが全席禁煙で単価も高めなので客層は良いかも知れません。
カウンターの下に棚があって荷物を置けるのは便利だと思いました。
ご主人1人で切り盛りしており料理の提供はスローペース。

とりビー(アサヒスーパードライ中瓶 580円)で乾杯した後は、
店主オススメの日本酒をおまかせでリクエストして、以下の順でひたすら飲んでいました。

山本合名(秋田県)白瀑 純米酒「ど辛」
八戸酒造(青森県)陸奥八仙 芳醇超辛
松崎酒造(福島県)廣戸川 純米吟醸 雄町
磯自慢酒造(静岡県)磯自慢 青春
亀の井酒造(山形県)くどき上手 純米吟醸 酒未来
安本酒造(福井県)白岳仙 純米吟醸 涼純辛口

石川スダレガイ、佐島マダコ、秋田天然アイコ(お通し)
おさしみ盛り合わせ
ばくらい(980円)
わたり蟹の酒盗二題 内子・ミソ・蒸し身と共に(2,380円)
山菜盛り合わせ 醤油マヨネーズ
山椒じゃことわらびタタキ味噌(680円)
赤メバル煮つけ(1,980円)

食べた料理の寸評は以下の通り、【】内は個別の採点

【4.0】石川スダレガイ、佐島マダコ、秋田天然アイコ(お通し)

山口県で瀬戸内海のスダレガイ(お造り)を食べて以来のスダレガイ(煮物)。
ただ関東の市場に入るスダレガイは本種ではなくアケガイという情報もあります。
確かに山口県で食べたスダレガイとは少し見た目が異なっていましたが十分に美味しい。

佐島(明石と並ぶマダコの二大産地)のマダコは生から調理しているのでやわらか。
スダレガイもマダコも、たまり醤油でも使っているのか、少し甘味が気になる味付けですが、
2万円クラスの高級鮨店で出しても見劣りしないクオリティの高さと思います。

そして秋田直送の天然アイコ(ミヤマイラクサ)を楽しめるのが同店ならではの特長。
山菜ならではの風味に春を感じられます。
仙台の鮨屋ではお通しにシドケ(モミジガサ)が出てきましたが都内でアイコとは驚きました。

【4.1】おさしみ盛り合わせ

平政のなめろう、鳴門の天然真鯛、コチ昆布〆、鰹ニンニク醤油、無添加ウニ、コハダ、
甘海老卵の酒盗を乗せた生の甘海老、竹岡のどぐろ炙り、銚子金目鯛、タイラギの10点盛り。

下町の酒場で刺し盛りを注文すると質の低いマグロやサーモンが出てきてガッカリすることが多いですが、
同店は白身の魚を中心に繊細な食べ比べを楽しめて下町の平均的な酒場とは一線を画しています。
コチは昆布〆に、ノドグロは炙って、甘海老の卵は酒盗にするなど芸が細かい。
そのままストレートに味わう刺身もあれば手を加える刺身もあったりと使い分けにセンスを感じられます。

意外なヒットだったのが無添加ウニ。
下町の酒場で登場するウニは例外なく苦味と臭みが気になって食べられたものでは無いのですが、
この無添加ウニは苦味や臭みとは無縁で、数ヶ月前におまかせ2万円の高級鮨店で食べたウニより美味しい。
亀有といえばラーメンやモツのイメージでしたが近年は魚介も侮れなくなってきています。

【5.0】ばくらい(980円)

自家製という莫久来(ばくらい)。
ホヤは青森産の天然ホヤを使用、店主曰く養殖と天然では美味しさが全然違うとのこと。
そしてコノワタは冬にお店で出していたアカナマコの内臓を塩蔵して熟成。
天然のホヤが入る時期にだけ塩蔵コノワタと組み合わせて作る季節限定料理。

質が悪いと臭みの気になるホヤですが清々しいまでに澄んだ香りで鮮烈。
コノワタも清々しい香りと強力な旨味があって、両者がマリアージュすることで至高の莫久来に。
都内の大衆酒場でも酒肴メニューとして既成品の瓶詰め莫久来にたまに出会いますが、
そういう工業品のような莫久来とは本当に次元の違う美味しさで感動しました。

この翌月(6月)には宮城県の食べログ寿司ジャンル県内2位の高評価店「小判寿司(3.78)」で、
本場三陸の地物天然ホヤを酢の物で食べる機会もあったのですが同店の莫久来のほうが遙かに美味しい。
コノワタとのマリアージュで天然ホヤの美味しさが更に昇華しているのでしょう。

今回は注文しませんでしたが、通年楽しめる珍味として5年物の鮎のうるかも冷蔵庫にあるそうです。
前述の甘海老卵の酒盗、後述するワタリガニ内子とミソの酒盗、この莫久来、鮎うるか。
ご主人はモツラーではないでしょうか。
(なお1日に何十箱とウニの味見をしないといけなかった職業病のためご主人は若くして痛風を発症。)
モツラーでこういう珍味系の料理を好む人に特にオススメできそうなお店です。

【4.3】わたり蟹の酒盗二題 内子・ミソ・蒸し身と共に(2,380円)

宮城県産。
生きたままのワタリガニをベキベキ捌いて、内子や蟹味噌を取り出して酒と淡口醤油で酒盗に。
身は蒸してカニ酢(鰹節を効かせた自家製)または酒盗と合わせて。

トロプルな内子や蟹味噌の酒盗が文句無しに美味しくて日本酒がガンガン進んでいきます。
蟹の内臓としては上海蟹の評価が高いですがワタリガニだって負けていません。
蒸し身も楽しめますし、自家製というカニ酢は酸味穏やか、鰹節の旨味が強いのでそのまま飲んで美味しい。

【3.5】山菜盛り合わせ 醤油マヨネーズ

山菜のオススメの食べ方を尋ねたところ、反則だけど醤油マヨネーズも美味しいとのこと。
秋田直送のワラビ、タラの芽、雪割りのフキノトウ、白い部分はクセが強いという山ウド。
シンプルに茹でたこれらを、マヨネーズ、味噌、酢味噌、醤油マヨネーズで好きなように味付け。
なお醤油マヨネーズにはヒゲタ醤油の本膳を使用。

この春は山形県、茨城県、山梨県、岐阜県、岡山県、鳥取県まで山菜を食べに行ってしまい、
現地で食べた採れ立て山菜に比べると、どうしても山菜に苦味やえぐみが出てしまっています。
山菜に限らず鮎やキノコも含めて山の食材は足が早いのです。
(岡山県の山菜料理店ではコシアブラ炊き込みご飯の持ち帰りを足が早いからと断られたほど。)

都内で食べられる山菜としては楽しめるほうかも知れません。
そして醤油マヨネーズの味付けが良いので、これはそのまま日本酒の肴にしていました。
トンカツや海老フライなど揚げ物の調味料にしても最高でしょう。

【3.8】山椒じゃことわらびタタキ味噌(680円)

ワラビは叩くと粘り気が出てきて(わらび餅になるぐらいです)味噌との相性が抜群。
個人的にはシンプルに味わうワラビよりワラビ味噌のほうが気に入りました。
山椒と炊いたジャコも上品な味付けでお店の実力を感じられます。

【3.6】赤メバル煮つけ(1,980円)

お通しのときほど甘味を効かせない煮汁で、上品な味わいが下町の標準的な味付けと一線を画します。
どの料理を食べてもハズレなくモツラーの好む珍味アイテムが感動的な美味しさ。
「酒盗」という料理名の通り日本酒がどんどん減ってしまって嬉しい悲鳴。
地元亀有にまた1軒お気に入りのお店が出来てしまいました。

  • 2019.5 石川スダレガイ

  • 2019.5 山本合名(秋田県)白瀑 純米酒「ど辛」

  • 2019.5 おさしみ盛り合わせ

  • 2019.5 ばくらい(980円)

  • 2019.5 わたり蟹の酒盗二題 内子・ミソ・蒸し身と共に(2,380円)

  • 2019.5 内子の酒盗アップ

  • 2019.5 山菜盛り合わせ 醤油マヨネーズ

  • 2019.5 醤油マヨネーズ

  • 2019.5 山椒じゃことわらびタタキ味噌(680円)

  • 2019.5 赤メバル煮つけ(1,980円)

  • 2019.5 本日のおすすめ その1

  • 2019.5 本日のおすすめ その2

  • 2019.5 夜のメニュー

  • 2019.5 食事メニュー

  • 2019.5 ドリンクメニューその1

  • 2019.5 ドリンクメニューその2

2019/06/06 更新

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