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夜の点数:4.6
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¥30,000~¥39,999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス 4.5
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|雰囲気 4.5
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|CP 4.5
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|酒・ドリンク 4.5
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[ 料理・味5.0
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美しい器と洗練された料理
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2023/06/24 更新
金沢にある会席料理店。
2018年5月オープンの新店。
休日のディナーで訪問。
ミシュラン二つ星。
完全紹介制のため通常予約はできない。
店内と料理の写真は撮影禁止になっている。
大将・片折氏、女将、弟子の3名体制。
片折氏の妥協を許さない素材へのこだわり、女将のきめ細やかな心配り、弟子の実直な姿勢、これらのすべてがピタッとハマって心地よい。
店内は明るい色調で統一された木をふんだんに使った和の装い。
一枚板のカウンターが気持ちよく、凛として清々しい空気感がある。
静かな中、カウンターに座った我々の目の前でおもむろに弟子が鰹節を削り始める。
パフォーマンスで魅せることも心掛けている。
器は華やかで美しく、片折氏が時間を費やして収集したコレクションだ。
【おまかせ】
■ミントソーダ
■先付
・盃
菊姫 大吟醸(石川)
・白甘鯛の昆布〆
昆布の良い出汁が浸透。身はぷっくり。
■鰹節(枕崎)
削られた鰹節の一片をそのまま手で食べて、ダイレクトに味わう。
■鮑(能登)
5時間かけて蒸し上げる。
スープに塩や酒は入れず、鮑そのものの味を沁み出させている。
とろみがあるのは鶏ガラ。
中国を彷彿とさせる器は九谷焼。
■鱧(能登島)のお椀
鱧の骨切りをする「ジャッジャッ」という音と、鰹節を削る「ガガガ」という音がコラボレーションする。
鰹は網で擦れていない部分だけを使うこだわりようだ。
鰹節に梅肉と柚子が加わって香り高い。
水は中島の名水仕立て。
器には金をあつらえている。
■ボタン海老(新湊)
油通しをしている。
天ぷらの衣なしバージョン。
油をまとった身はまろやかで絶妙な食感になっている。
絹さや(山形)添え。
昆布醤油。
■キジハタ(七尾)
活け〆して2日間寝かしている。
もみ海苔(有明)の佃煮。
おろしの上には甘酢漬けのラッキョを乗せる。
■鮎の塩焼き(犀川)
つい先ほど漁師が持ってきたという、今年の初物。
身はとろんとしている。
酢に付けてもいい。
■天然鰻(柳川)の飯蒸し
もち米が上、鰻が下の逆うな丼。
鰻の皮がパリッとして素晴らしい火入れ。
飯蒸しのもち米は、富山にある片折氏の実家で作られている。
■茄子と雲丹
優しい出汁のあんかけのとろみが、茄子と雲丹を上手くまとめている。
■ノドグロ(対馬)
ノドグロは、対馬で獲れた1番のものを仕入れている。
箸で触れた瞬間に、驚くべき身の柔らかさを感じる。
滴る脂!
■氷見牛
炭火焼き。
氷見の湧き水で育てられた牛。
片折氏が氷見まで取りに行っている。
身は締まり脂は主張せずに上品だ。
マスタード添え。
■ジュンサイ(能登)
この上なく粒が大きい!
他県の多くが使う消毒液は使われていない。
出汁入り。
■ご飯
季節最後の鱒(長野)を使った〆のご飯。
コシヒカリ(氷見)は美しく輝いてみずみずしい。
鮭フレークをかけた最高級のご飯だ。
柚子の香り。
釜は中川一辺陶の信楽焼。
■お新香
胡瓜。
■お椀
蜆(七尾)汁。
蜆の身は味が抜けるということで入っていない。
白湯のように薄すぎるので、もう少し塩気があっても良い。
■デザート
青梅蜜煮。
上品な酸味。
■デザート
出来立ての葛切り。
モチモチしてコシがあり、つるんとして滑らか。
黒蜜がけ。
このデザートだけで甘味の店が開けると思うほど完成度が高い。
■焙じ茶
■抹茶
片折氏自らが点てる。
■香煎茶(神林)
【日本酒】
■手取川 大吟醸(石川)
お猪口は18世紀イギリスのアンティーク。
エッジが立った触り心地が素晴らしい。
■加賀鳶 藍 純米吟醸(石川)
酸味が強くてすっきり。
トイレは1室のみだけど、小と大の両方があり、小が豪華な作りでびっくりした(笑)
食後に桂で作った箸がもらえる。
大将と女将の人柄を象徴するような素朴な箸で、店名などの名入れをしていない。
ご飯の残りはおにぎりにして、お土産でもらった。
「小松弥助」と「片折」、金沢の素晴らしい店に出逢えた貴重な旅だった。