耶馬英彦さんのマイ★ベストレストラン 2015

耶馬英彦の独断と偏見

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

クリヤム (長谷、由比ケ浜、極楽寺 / タイ料理、アジア・エスニック)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 ¥1,000~¥1,999

2015/03訪問 2015/04/01

ますます洗練されてきました

2010年7月
北鎌倉の散策を終えて、ベタですが、鶴岡八幡宮をお参り。予定では鎌倉の大仏を見て、そのあとで長谷の駅の近くのタイ料理店に行くはずだったのですが、既に夕方、鎌倉の大仏の観覧時間は終わりました。それでも、食べログで気になった長谷のタイ料理店に行くことにしました。

kuriyumという名前は、2009年12月15日の湘南経済新聞によると、オーナーの河栗雄介さんの愛称kuriにタイ語でサラダとか混ぜるを意味するyumを合わせたそうです。店名の由来まで載っているとは、恐るべし湘南経済新聞。

店に入るなり、ジャスミンライスが炊きあがったいい香り。ガパオは絶対食べるとすぐに決めました。平日の18時過ぎとあってノーゲストで、窓際の席を案内されました。海が見えていい感じ。サーフィンに帆がついているやつで遊んでいる人がいて、あれを何というのだか思いだせずに、セイルサーフィンだとか、サーフセーリングだとか、なんかちょっと違うなと思いつつ、いろいろ考えるが、やっぱり思いだせず。翌日会社で聞くと「ウィンドサーフィン」とのこと。そう言えば聞いたことがあるのに思いだせないのは歳なのでしょうか。

例によってとりあえずの生ビールを注文し、メニューを見ると、なんと、全品おいしそうなものばかり。困った。困ったときのおすすめメニューということで、本日のサラダを注文。それにやっぱり生春巻、そして自家製ソーセージと豚肉のサテイとオムレツと鶏のマリネグリルと、もう止まりません。

料理はどれもこれも本格的なタイ料理で、とても日本人シェフのタイ料理とは思えないくらい。修行もかなり大変だったんでしょうね。

料理を食べる間に家内は自家製のジンジャーエールを、私は自家製の白ワインのサングリアを何杯かおかわりしました。お代わりしすぎて、最後には奥様から、「あのお、サングリアがあと少しだけになって一杯取れないんですけど、ちょっと少ない量でいいですか?」と言われてしまいました。我ながら大酒飲みで申し訳ない。
さて、料理も進んで、結構お腹も張ってきましたが、お腹以上に食い意地の張っている私は、パッタイとガパオも注文。パッタイは少しだけ砂糖の甘さが気になりましたが、ガパオのジャスミンライスは多分今まで食べたジャスミンライスの中で最高のおいしさ。

ということで、食後にはチャイを飲んでデザートも食べようと思っていたのに、さすがにお腹が一杯で食べられずに出てきました。会計は1万2千円ほど。思ったよりも安い。あんなに飲んだのにね。
次回は、料理を減らして、必ずデザートを食べます。

店を出たら、長谷駅の周辺は既に真っ暗。このあたりは夜8時になると大体終わりなんですね。kuriyumが孤軍奮闘している感じ。頑張れkuriyum。
鎌倉駅周辺にはフレンチやらイタリアンやら中華やらがひしめいていますが、江ノ電で3駅の長谷に来て、窓から海の見えるタイレストランで、ご主人の本格的なタイ料理と奥様の穏やかな接客でゆったりと過ごした夕食は、本当に幸せな時間で、家内を連れてきてよかった。久しぶりに「ありがとう」と言いたくなる店に出会いました。

2010年8月5日再訪
この店がすっかり気に入った私たちは、前回行けなかった鎌倉の大仏を見ようという口実で鎌倉を再訪。
東海道線でボケっとしていたら大船を過ぎて藤沢まで行ってしまいました。大船まで戻って鎌倉から江ノ電に載るかどうかを少し迷いましたが、前回は鎌倉と長谷を往復したので、今回は藤沢から長谷までの江ノ電に載ってみようということになりました。鎌倉高校前では目の前に海が見えるなど、初めてみる光景が多く、こちらのルートを選んで得をした気分になりました。
鎌倉の大仏は予想した通りでそれなり。むしろ長谷寺のほうが見どころがたくさんあってよかった。

ということで5時の開店を待って2度目のkuriyumへ。
今回は長時間外を歩いたので、生ビールを3杯ほど、クイクイと飲み干しつつ、前回頼んでいなかった料理を注文。多分お店のウリだと思う本日のサラダは外せません。そのゴーヤと鶏のそぼろの入ったサラダは酸味も苦みもちょうどよくて暑い日にぴったり。

各種野菜と豚肉、海老のソースは、ソースがとても美味しくて、家内は早々とジャスミンライスを注文、そのソースをライスに乗せて食べていました。

イカと青菜炒めはおそらくイカに葛打ちがしてあって、味が乗ってとても美味しい。中華なら花切りをするところなんでしょうが、そこはタイ料理。素朴でいいと思いました。

豚肉の包み焼はサイズがあって、もちろん大きいほうを注文。これも一緒についてきた黒いペーストがとても美味しくてお酒がすすみます。

今回は食べすぎだった前回の教訓を生かして、グリーンカレーをひとつだけ。ココナッツミルクが利いていて、しかも結構辛い。誰もがハマる味だと思います。特に女性は好きなのではないでしょうか。

念願だったデザートも食べ、チャイも飲みました。チャイはやはりこれまで飲んだチャイの中で一番美味しいチャイでした。写真がボケているのが残念ですが、何度撮ってもピンボケになるので諦めました。

次回からは、鎌倉に来るのではなくて、kuriyumに来るということでまた来たいと思います。

その後、9月と10月に訪問しました。11月と12月は時間が取れなくていけませんでしたが、年明けの4日に再訪。この日は他に何の用事もなくて、文字通り夕飯を食べにだけ行きました。本日のyum、ポピアソッド、ムー、ガパオとゲーン。やっぱりとても美味しい。

仕事場から近い目黒区や世田谷区のタイ料理店にも行きました。クルンサイアムクルンサイアムサイアムタラートバンコクなどです。店名が同じだったり経営が一緒だったりしますので、比較の対象としてはあまり良くないかもしれませんが、これらの店の料理に比べると、kuriyumの料理は盛付と味のまとまり、パンチの面で飛び抜けていると思います。
1月中旬からご夫婦でタイに情報収集にいらっしゃるとのことで、春になったら新しいメニューが食べられるかもしれません。今からワクワクしています。小さな喜びですが、こういう喜びを与えてくれる店って、あまりありませんよね。ということで、今年も可能な限り通います。

2011年4月
訪問したら、メニューが少し変わっていました!
相変わらず控えめなご夫婦なので、メニュー変わりました!とは言わず、さりげなくいくつか新メニューがちりばめられているという感じ。
今回も注文はたくさん。ムーヤーンは外せません。カオパックンがあるのでぜひ食べてみたかったのですが、既にお腹が一杯になったのでまた次回ということに。計画停電もなさそうなので、時間のある限り伺います。

2011年5月
カオパックン食べました。ジャスミンライスが少し変わったかもしれません。もしかして新米?そういえば日本のお米だって毎年新米が出る訳だから、ジャスミンライスもそうなんでしょうね。カオパックンはプチトマトが入ってパクチーもたくさん乗って本当に美味しい。マンゴービールがあったので初チャレンジ。マンゴーの香りはします。当たり前かもしれませんが、マンゴーピューレと同じ味。甘さはあまり感じないのですが、香りで甘いような気になってきます。1杯飲むと後を引いて、思わずお代わりしてしまいました。
ご主人は少しひげを少なく整えたみたいで、夏向けでとてもさわやかでした。

2011年9月
なかなか行けずに4か月ぶりの訪問。この間に西麻布のライステラスに行きましたが、やっぱり私にはこちらkuriyumの料理のほうが口に合うみたいです。本日の混ぜご飯というのがあって、ジャスミンライスに野菜と肉、ナッツなどを混ぜていただく料理ですが、これが相当に美味しい。ガパオやカレーばかりではなく、これからは混ぜご飯も目的になりました。年内にあと何度かお邪魔できればいいのですが。

2012年1月と2月
9月以降、結局年内に行けずに、年明けの1月と、ご夫妻がタイ旅行から戻ってきた後の2月にお邪魔しました。久しぶりに生春巻きをいただきましたが、どうしたらこんなに柔らかい口当たりにできるのかと思うほど、やさしい味わいで、群を抜いて美味しい。
本日のヤムは豚挽き肉のヤムでしたが、これが酸味が効いてとっても美味。ぜひ定番メニューに入れてほしいくらいです。

2012年3月
豚肉を中心に新しいメニューが増えていました。今回は新メニューを中心にチョイス。
美味しい料理は、食べれば食べるほどお腹が空いてくるという不思議な現象が起こります。
知り合いのご夫婦と一緒に楽しく過ごしました。

2012年4月と5月
ほぼ月1回のペースです。世田谷から長谷に行くのが慣れた道になりました。
5月は知り合いのご夫婦と1歳の子供で、子供が泣くのでハラハラしましたが、優しい対応をしていただき、感謝です。

2012年6月
鎌倉と言えばアジサイ。アジサイと言えば明月院です。明月院のアジサイを見たあと、極楽寺に移動しました。極楽寺では見事な百日紅の木を拝みました。境内は撮影禁止とあちこちに立て札や張り紙があるにもかかわらず、たくさんの人が平気で撮影していたのには少し閉口しました。それも60代以上の男性ばかりで、注意しても知らぬ顔でその場を離れて、また違うところで撮影していました。日本人はこういう国民性じゃなかった筈なんですけどね。
極楽寺を出て成就院に向かいます。ここの坂のアジサイは、中井貴一さんと小泉今日子さんのドラマ「最後から二番目の恋」にも出てくる有名な風景で、坂の両側にアジサイが見えて、遠景には由比ヶ浜の海岸が見えます。まさに絶景。
ということで由比ヶ浜の海岸に座ってボーっとした後、ようやくkuriyumさんに伺いました。
いつも通りのぶれない味と接客。ここで食事をすると心が満たされます。

2013年7月
家から電車賃が1,000円近くかかるほど遠いので、なかなか訪問に間が空いてしまいますが、それでも数か月に一度はお邪魔しています。
ところで、毎年1月の終わりから2月にかけてシェフご夫婦でタイに行って、料理の情報を仕入れていらっしゃるのは、知る人ぞ知るところ。メニューが少しずつ変わっているのも知る人ぞ知るところです。
タイに行って本場のタイ料理を食べた方は、こちらの料理が繊細すぎるために本場とは違うと感じるでしょうが、もしこちらのお店がバンコクにあったら、間違いなく一番の人気店になるでしょう。最近はそう思えるほど洗練されてきました。

2013年11月
4周年を迎えたそうで、おめでとうございます。
タイは政情が不安定みたいで少し心配ですが、こちらのタイ料理をいただく分には平和に楽しめます。

2014年4月
ずいぶん間が空いてしまって5ヶ月ぶりの訪問です。
プチ改装をしたとのことで、ある程度予想していましたが、思ったとおりホールのレイアウトが若干変更されていました。全て2名テーブルになっていて、窓際にはくっつけられるように2名テーブルが二つずつ。キッチン側はベンチシートになっていて、2名テーブルが3つ並んでいます。こちらもくっつけられるようになっています。全部で14席ですが、席はフレキシブルなので多分8名まで座れる長い席が作れると思います。使い勝手としてはとてもよくなったと思います。
本日はランチでの訪問でしたが、11時半のオープン後すぐに行って、最初の客となれましたが、その後バタバタと来客があり、12時前には満席になりました。土曜日ということもあって、ほとんどの人がビールやワインを飲みながらの食事でした。休日の鎌倉ランチには最適のお店ですね。もちろん私もビールをお代わりしました。
昼からガパオとカレーとパッタイを食べて、元気一杯になりました。ご馳走様です。

2014年5月
久しぶりに夜に訪問できました。やっぱりメニューが変わっていて、楽しみが増えました。新しいメニューを全部食べたいけれども、これまでのメニューもやっぱり食べたくて、悩ましいところ。
ビールを飲むのにポピアソットとムートートプレーは外せません。
サラダも食べたいのでヤムカイダーオもいただきます。ついでに本日の料理からヤムトゥアランタオクンも注文。
パッカイヨーマも食べました。タイ料理はどこまでも食べられる気がします。リームーヤーンとパットヌアカピのふたつの肉料理をジャスミンライスとカオニャオと一緒に食べたところで自重しました。ソフトシェルクラブと小ヤリイカは次回のお楽しみということで。
6月はまたアジサイで忙しくなるでしょう。私たちは特に鎌倉観光はせず、自宅から直接この店に食事に来るだけですが、それでも東京から長谷まで来るとプチ旅行をした気分で、とても充実した休日になります。今日もご馳走様でした。

2015年3月
去年の9月以来の訪問です。なんだかんだでオープンしてから5年と4ヶ月にもなるんですね。由比ヶ浜の駅で降りて、歩きながら長谷方面へ。途中のするがやさんでいつもどおりお土産の和菓子を買います。お目当ての塩大福は既に売り切れで、代わりに桜餅と道明寺を買いました。長谷寺の近辺は平日の夕方でもかなりの観光客がいます。
さて久しぶりの訪問ですが、やっぱりポピアソッドとムートートプレー。生ビールがすすみます。魚のミンチをバナナの葉で包んだものを試作品で出していただきました。とても美味しいので、定番になるといいなと思います。
変わらないおいしさに感謝。

  • 2015年3月のポピアソッド
  • 2015年3月のヤムカイダーオ
  • 2015年3月のムートートプレー

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2位

礼華 青鸞居 (外苑前、表参道、青山一丁目 / 中華料理)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2015/10訪問 2015/11/23

五臓六腑にしみいる優しい料理

2013年3月の夜
青山の「礼華青鸞居」に家内を連れてお邪魔しました。
帰りには新山さんご自身が入り口まで出てきてくださり、名刺交換もしてくださいました。
上品で体に優しい料理を作るシェフにご挨拶できて感激です。しかもお土産にと、礼華特製の辣油までいただきました。店のロゴ入りの小さな袋も用意してあります。こういうところがさすがに高級店ですね。
家内はかなり勉強になったようで、料理のひとつひとつに感心していました。五臓六腑にしみいる料理とでもいうのでしょうか。皿出しのペースは早すぎず遅すぎずで、ビールも紹興酒も丁寧に注いでくれます。
料理は細かな仕事の結集という感じでした。最初に出てきた搾菜は、搾菜の食感を残しつつ塩分を抜き、八角と正油、甘みを効かせて、不思議にどんなお酒にも合う優れたおつまみに仕上げています。
トーストはふわっとやさしく、飛び子のプチプチした食感も楽しめる軽やかな出来栄えです。七皿の前菜はひとつひとつが少量ながら、技が効いてどれも美味しい。
帆立はとても柔らかな口当たりで、塩加減もちょうどよく、添えられたアスパラとソラマメが色と食感のアクセントになっています。
フカヒレの姿煮はおなじみの白湯仕立ての色ではなく、なんとトリュフ仕立て。ふかひれにトリュフが合うんだと、家内は非常に驚いていました。
牛肉の豆鼓ソースだけは、黒酢の味が勝ちすぎて豆鼓の風味が感じられなかったのがちょっと残念ですが、添えられた野菜の仕事は見事です。スモークした芋のムースが上に乗った素材の味を引き立てていました。
担々麺は間違いのない味。濃厚だけれどもしょっぱくない。麺の茹で加減もちょうどよく、胡麻の風味豊かな素晴らしい出来栄えです。
デザートは紹興酒のクレームブリュレかな。中華はデザート作りに苦労しますが、こちらは欧風の仕上げ。添えられたナッツの甘みとともに、香り豊かな黄金桂を飲みつつ、さらに出てくるイチゴと桜の花入りのココナッツ団子を戴いて、中華料理の奥深さに満たされた夜となりました。

2015年3月
1年ぶりくらいかなと思っていたら、もう2年も経っていました。去年の7月に新宿御苑のお店にお邪魔したので、なんとなく久しぶりではない気がしていました。歳月人を待たず。2年なんてあっという間ですね。
アミューズは旧正月向けのコースの最終日ということで、おめでたい紅白仕立ての鯛と鮭。柑橘系のソースが効いて、食べながらさらに食欲が湧いてくる素晴らしい一品です。
ところで、最初のビールはおすすめの「プレミアムモルツマスターズドリーム」をいただきました。もちろん材料は麦とホップだけなのですが、色が濃くてホップの香りがかなり強いビールでした。初めて飲んだビールですが、美味しくてお代わりをしてしまいました。サントリーは着実にアサヒ、キリンに迫りつつありますね。
前菜は2年前のコースでいただいたのと同じ豆皿の7点盛り。もちろん内容は少し違います。チャーシューやホタルイカ、鮑にフカヒレの刺身に酔蝦など、ひとつひとつが個性的な味付けで楽しくいただけます。ここで紹興酒に切り替えました。大越貴酒の10年。私は紹興酒はそれほど古いものよりも割と新しめのもののほうが好きです。古くなると独特の癖が出てくるので、それはそれで美味しいのですが、料理が繊細だと紹興酒に負けてしまうことがあります。ま、好みですね。
壷蒸しスープはこの日一番の個性の料理でした。素材から出たアミノ酸に加えて、フカヒレ(福建排翅かな)やクコの実や鹿のアキレス腱などの乾貨(ガンフォー)から出る薬膳風の香り。とにかく体には相当な効能がありそうなありがたい一品でした。この料理だったら相当に癖の強い紹興酒にも負けないかもしれません。
続いて、おなじみの北京ダックとフカヒレの姿煮。フカヒレはもちろん気仙沼産。たぶん尾ビレだと思います。とてもおおぶりで肉厚のフカヒレでした。これだけ大きいと、水で戻すときの掃除も大変だったのではないでしょうか。
続いてカサゴ系の魚の香り蒸し。尾びれが赤い魚でした。名前を教えてもらったのに失念してごめんなさい。取り分ける前に写真を撮るようでしたらどうぞと丸のままの状態を見せていただきました。バシバシ写真を撮っているのをご存知だったんですね。
最後の料理は牛ヒレと干し鮑です。まるでフレンチのような盛り付け。メインのふたつの間にシメジやゼンマイ、アスパラ、人参、赤と黄色のパプリカ、ブロッコリーなどが飾り付けられています。遊び心のある一品で、しかも牛肉も鮑もとても柔らかくて味がしみているのに、ちゃんと牛肉の味、鮑の味がします。生の鮑よりも干した鮑のほうが数倍も味が濃く感じますね。
〆はあんかけ焼そばか雲南豆腐ご飯のチョイス。私は焼そばをいただきました。相当にお腹がいっぱいになっていたので、やや小ぶりのサイズの量がちょうどぴったりでした。
デザートは贅沢にも燕の巣のココナッツミルクとタピオカ。パパイヤを器に使っているので、スプーンで削りながら器もいただくことができました。特別な中国茶がとても薫り高く、食後感はとても爽やか。
サービスは最初から最後までとてもよく気を利かせていただきました。個室でベルスターもついているのですが、最後に会計をお願いするときまで一度も押すことなく、先手先手のサービスでした。プロですね。料理説明も通り一遍ではなく、シェフの思い入れが伝わる上手な説明です。フカヒレを前菜とスープと紅焼で3種類いただいたのがとても印象的なコースでした。
気が付いたら食事を始めてから4時間が経過していました。歳月人を待たず。2年もあっという間ですが、4時間もあっという間ですね。2人で6万円ちょっとでしたが、決して高くないと思います。料理とサービス、雰囲気、いずれも最高でした。店も年数が経って料理も人もいい意味でこなれてきた感じです。ということで、点数を4点→4.5点にアップしておきます。
なるべく1年以内に再訪したいと思います。ご馳走様でした。

2015年10月
年内の再訪が叶いました。前回に続いての乾貨のコースです。
今回の目玉は何と言っても上海蟹です。アミューズが上海蟹の紹興酒漬けで、魚料理も上海蟹の姿蒸しでした。姿蒸しはあらかじめほぐして細かな甲羅を取り除き、金色の上海蟹の形の器に盛り付けてくれます。上海蟹を食べるのはいつも苦労しますが、これなら何のストレスもなく純粋に上海蟹のおいしさが味わえます。さすがの演出です。
お気に入りの壷蒸しスープは相変わらず濃厚で、すごい旨みです。家庭では入手困難な食材をふんだんに使ったこのスープは、外食の極めつけのひとつと言っていいでしょう。
その他は北京ダックやフカヒレ、和牛のヒレ肉と干し鮑は前回と同じですが、何度食べてもまた食べたい料理です。デザートは皇居の落ち葉をあしらった皿を使ったお洒落な盛り付けでした。シェフのもてなしの気持ちが伝わって嬉しくなります。
ご馳走様でした。

  • 2015年10月デザート
  • 2015年10月干絲の担々和え麺
  • 2015年10月ヒレ肉のアップ

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3位

喜臨軒 (池尻大橋、駒場東大前 / 中華料理、担々麺)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 ¥3,000~¥3,999

2015/12訪問 2015/12/29

滋味にあふれる街場の創作中華

2013年9月
隣の咲膳横井は、なかなか見つけにくい場所にある和食で、美味しいしリーズナブルなので通っていました。ビルの地下1階ですが、隣のスペースが工事中だったので、何ができるんだろうと思っていたら、9月にこちらのお店がオープンしていました。当然ながら、こちらもなかなか見つけにくい場所にあり、今のところはまだ混んでいないので続けて利用しました。

ランチはメインの料理とプラスワンのプレートの組み合わせで1000円から。
ご飯ものや焼そばにはスープがついてきます。クコの実と干しシイタケ、袋茸と鶏肉の小さなお碗のスープですが、シイタケと袋茸からいい出汁が出ていて、滋味深い味になっています。

麻婆豆腐は自家製の、おそらく円盤状の豆腐が土鍋に入れたご飯に乗って、その上に麻婆の餡をかけ、土鍋ごと火にかけて温めたもので、グツグツとシズル感を出しながら提供されます。辛さを聞かれるので、用心して「普通で」とお願いしました。普通でもかなり辛く、豆板醤や唐辛子だけではなく中国山椒(花椒)の痺れる辛さもかなり効いています。食事中は水やお茶をあまり飲まないのですが、かなりの辛さにお茶を飲みながらの食事となりました。ちなみにお茶は多分冷たいジャスミン茶で、香りもよく口中がすっきりします。
デザートのプアール茶のブリュレは甘さが控えめでよく考えて作られています。

13品目のあんかけ焼そばはいわゆる煎麺で太めの麺が中華鍋で焼き付けられています。パリパリした食感も、餡と絡んで軟らかくなった部分も、両方とも美味しい。
海鮮あんかけチャーハンはパラパラのチャーハンに卵の白身がとろっと入った餡が乗っています。イカの花切り、エビの飾り切りも丁寧な仕事ぶりで、副菜の枝豆や袋茸、ホタテの貝柱など、バリエーション豊かです。

総じてMSGはほとんど感じられず、食材のうまみと仕事の丁寧さが目立ついいお店です。この価格でこれだけの滋味のある料理が食べられるならコストパフォーマンスはかなりのものだと思います。若いシェフの意欲的な料理に好感が持てます。

隠れ家的な場所にあるのでまだ空いていますが、近いうちに混んできそうな予感がします。

2013年10月
と思いきや、それほど混んでいませんでした。自分のレビュアーとしての影響力のなさを反省します。
そんなことはともかく、ランチの副菜で出たエビのゴマ揚げは、きっちりとチャンされた海老にゴマがびっしりとまぶされて、しかもふんわりした揚げ具合で、ランチの副菜で出るのはもったいないくらい。これだけで一品料理と言えるレベルです。
カスタードのお餅は意欲的な作品で、中華デザートに対するシェフのチャレンジ精神が感じられて、ますます好感が持てました。
酸辣湯麺は塩味で、大きなエビのワンタンが4つも入っています。ただ、重箱の隅をつつくようで恐縮ですが、酸味と塩味が若干弱くて、ランチタイムでガツンと行きたい人には不満足の可能性があります。それでも料理としてのレベルはかなり高い。

このレベルの料理が出るなら、もっともっと混んでいいはずなんですが、今はまだそれほどでもありません。
ランチタイムなので、ひとつくらい1,000円を切るメニューがあると、入りやすい人もいるかもしれませんが、そのあたりはお店の経営戦略です。
とにかく料理に対する姿勢が評価できるので頑張ってほしいお店です。

2013年10月
念願のディナータイム利用。
赤ワインをいただきながらの会食でしたが、どの料理も上出来でした。
提供のタイミングもよく、お腹も一杯になってひとり6,000円ちょっとなら、この界隈ではとてもリーズナブルです。
また伺います。

2014年3月
少し間が空きましたが、ディナーでの訪問です。この日はコースをいただきました。
2種類の紹興酒を飲みましたが、高い紹興酒よりもかめだしの紹興酒のほうが美味しい気がしました。
日本酒でも高額な純米大吟醸よりも手ごろな純米吟醸あたりのほうが雑味が残っていて個性を感じることができます。
料理は相変わらず繊細で美味しい。素材も凝っています。
私が食べログに初投稿したときは3.50くらいだったのが、今では3.99となっています。もうすぐ4点となれば、予約が取れない店になるかもしれませんね。頑張ってほしいものです。

2014年5月
食べログの得点は一瞬4点を越えていましたが、何故かまた3.74に戻っています。得点を決定するアルゴリズムがあると思いますが、基本の考え方を決めかねているのでしょうか。迷走気味です。あまりブレると情報サイトとしての信頼性を損ねてしまう可能性があるので、気をつけてほしいものです。
医者がうるさいので、このところ体に気を使って外食を控え気味にしています。昼は1kgのトマトジュースに有機エキストラバージンを混ぜたのをランチ代わりにすることが多く、固形物はあまり食べていません。
でも時々炭水化物を沢山食べたくなります。たまにはいいかなということで炒飯を注文。前菜の皮蛋入り茶碗蒸しはとても上品な味。皮蛋も上等なものを使っているのか、まったく臭みがありません。とても美味しい。クコの実の入ったおなじみのスープも深みがあって美味しい。
しかし炒飯は微妙に味が薄い気がしました。噛んでいるうちに米の甘みが出てきますが、焦がし気味に仕上げたほろ苦さも出てきます。うーん、ランチとしてはどうなんでしょうか。食べていて無言になってしまいました。ただ、MSGのたっぷり入ったそこらへんの中華屋の炒飯とははっきり一線を画しているこだわりは感じられます。もうひと工夫というところでしょうか。
また次回に期待しますね。

2014年6月7月
昼を食べない生活をしていたら、なんとなく調子が悪くなり、ボーっとしたり午後に眠くなったりするようになったので、再びお昼をしっかりとることにしました。ということで頻繁に利用しています。
炒飯はきっちりと味が入っています。あおりも見事でパラパラの仕上がり。さすがの技術を見せました。青椒肉絲もシャキシャキなのに中まできちんと火が通っているという、家庭の火力ではできない調理です。このあたりは抜かりがありません。ずっと売り切れでやっとありついた冷やし汁なし担々麺は予想通りの仕上がりで、豆もやし、ナッツ、松の実、肉末、白髪ネギ、枝豆など、とにかく具沢山です。山椒の効きもちょうどよく、全体を混ぜて食べると一段と味が複雑になって、とっても美味しい。こんなことを書くとまたまた売り切れになってありつけなくなるかもしれないと危惧しています。

2014年8月
ずっと同じメニューが続くと飽きてくるのが人情です。飽きてきたら他店に行かれてしまいますから、お店では飽きさせない工夫が必要で、料理人がもっとも腐心するところです。
かといってメニューがガラッと変わると逆に不安になってしまうのも常連の心理なので、次の3点が大事です。メニューを少し変える、そして変えたのがすぐにわかる、しかも変えた商品がすごく美味しい、という3点です。
今回、ランチの前菜にワンタンが登場したのはとてもいいことだと思います。非常に空腹で来店した人も、少しの炭水化物を取ると、お腹が落ち着きます。炭水化物はいわゆる糖質ですから、消化されると脳に満足感を与えるのです。空腹ならなおさら、これは美味しいぞ、となります。
私は自分を元気にするために外食をします。新メニューの海鮮レタスチャーハンは枝豆などの野菜も入り、バランスよく食べられます。お客さんが食べて元気になって午後の仕事に向かうことができれば、客足が絶えることはありません。

2015年2月
その後も時々利用していますが、ランチで新しいメニューがありました。蒸しハンバーグ土鍋ごはんです。よく練られた挽き肉を土鍋の大きさに広げて蒸したものをご飯の上に載せて提供されるものですが、下味もしっかりとしていて、とてもおいしい。中華でハンバーグ?と一瞬思いましたが、注文して正解でした。これからもこういったチャレンジ精神あふれるメニューをどんどん提供していただけると非常に嬉しい。

2015年7月
休日のランチコースをいただきました。棒々鶏風の前菜、薬膳スープに続いて焼売が出ましたが、3日前にもランチで焼売を食べていたので、シェフの気遣いで小さなアワビの焼売に代わっていました。このあたりの気遣いは一流になる人の必須要件で、たいへん見事です。青菜、魚、東坡肉と出て、そろそろお腹も一杯でしたが、最後のちまきが具沢山の豪華バージョンで、非常に楽しい一品でした。誇張なしになかなかのものだと思います。このコースが3,500円ならコスパは最高ですね。
今日もご馳走様でした。

2015年12月
最近どうも少しのお酒で酔っ払うことが多くなりまして、料理の記憶が飛んでしまいます。この日も、食べた料理の味や食感、香りや温度の感じなんかは残っているのですが、メニューの名前が欠落してしまいました。ワインを1本と紹興酒をデカンタ1本飲んだだけなんですけどね。
焼売は中身がぎっしり詰まっていてとても食べ応えがあります。特筆すべき点心は、フォアグラの春巻です。熱々の揚げ春巻の中にフォアグラがちゃんとプリッとした食感を残して入っています。火の入れ方に工夫があるようで、春巻のパリッとした皮とフォアグラの柔らかさが相性がとてもよくて絶品です。喜臨軒ならフォアグラの春巻という風に名物になる可能性が大です。
他の料理もひとつひとつに特徴があって、飽きずに食べられます。おかげでお腹一杯になりました。
ご馳走様でした。

  • 2015年12月牡蛎
  • 2015年12月蟹炒飯
  • 2015年12月湯

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4位

ラ・ブランシュ (表参道、渋谷 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2015/04訪問 2015/04/16

ソースが美味しい力強いフレンチで、量もいっぱい

クリスマスは二人とも仕事なので、ちょっと早目のクリスマスディナーを予約しました。5年ぶりの訪問ですが、ちっとも変わっていない感じ。5年前に飲んだワインのことまで憶えていてくれました。
BGMはなく、ほぼ埋まっている客席の静かな会話が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。慣れない人は緊張するかもしれませんね。

当時は2つだったコースが3つに増えていて、新設(?)の12,000円コースを選びました。スペシャリテのジャガイモとイワシのテリーヌもお願いして入れてもらいました。ワインは05年のジュヴレシャンベルタンをチョイス。
最初に出たリエットは相変わらず美味しい。ただあまりにもパンチが効いているので少し残そうかなと思っていたところにパンが出てきたので、やっぱり全部いただいてしまいました。
ジャガイモとイワシは優しい味。イワシを色よく仕上げてしかも生臭さがないのは見事。周囲に巻いたベーコンがいいアクセントになっています。
カキのポアレは少し味が強かったものの、カキのムースと一緒に食べるとちょうどいい感じ。これもワインがすすみます。
フォアグラとマンゴーはマンゴーをソースにしてフォアグラを食べる感じ。焼いたマンゴーは甘みが強く、ほのかな酸味もあって、フォアグラの脂っぽさを緩和してくれます。こういう発想が出来るのはまだまだ脳みそが柔軟な証拠。ただ、しょっぱい→甘いと続いたので、少々胃がびっくりしてしまいました。
ノドグロはカリッと焼かれた皮が美味しい一品。すりおろしたカブがサフランに染まっていいソースになっています。和食で言う「みぞれ」のフレンチ版なのでしょうか。添えられたキャベツと焼いたカブもノドグロを引きたてるのに一役買っています。
軍鶏の黒米詰めは火の通し方がちょうどよく、黒米が抵抗なく食べられます。野菜もたくさん添えられているのでこれだけでひとつの完成した食事になります。
エゾシカの赤ワインソースは、シカ肉のいいところをそのまま出した感じなのに、臭みがまったくありません。もしかしたら低温調理なのでしょうか。赤ワインソースはかなり濃厚で本当に美味しい。フレンチはやっぱり、ちゃんとソースがあるのがいいですね。
ここまでで相当にお腹がいっぱいになりましたが、少し赤ワインが残っているので、チーズを2つ選んで追加しました。
デセールはお決まりのスフレ。この日は栗のスフレでした。少し甘すぎるかなと感じました。
コーヒーのおともはマシュマロとヘーゼルナッツのクッキーと塩チョコ。コーヒーを飲み終わったのは予約の時間から3時間半後でした。本当にお腹いっぱいです。

サービスは岡部さん以外はこなれていない感じでしたが、提供時の台詞を一生懸命覚えているのが健気でした。サービスマンになるのかコックさんになるのか道は分かれるところでしょうが、頑張ってほしいものです。

表参道へ向かう帰り道では、久しぶりの田代シェフの料理を楽しむことが出来ていいクリスマスディナーだったねとしみじみ頷き合いました。

2014年6月
3年半ぶりの訪問です。スタッフは代わっていましたが、田代シェフと岡部さんは元気そうで、ホッとしました。暑かったので思わずビールを注文してしまいましたが、注文した途端に、そういえばビールは置いていないんだったと思い出しました。気を取り直してスパークリングワインを注文。

乾杯してまもなく出てくるのがリエットとパン。リエットの塩加減がちょうどよくて、油もしつこくなく、パンにとても合います。懐石料理で最初にご飯がちょっぴり出るのも、イタリアンで最初にコペルトのパンがオリーブオイルとともに出てくるのも同じ意味合いなんでしょうね。お腹を空かしてやってきた人にちょっと落ち着いてもらうひと口です。最初が肝心。このリエットで店の評価が決まる場合もあるでしょう。決して気を抜かず、手を抜かず、渾身のひと口に仕上げているのがよくわかります。気合だとか根性だとかいう言葉はあまり好きではありませんが、田代シェフの並々ならぬ気合が伝わってくる一品です。
さて料理はどんどん進み、つられてワインも進んでいつも通り二人で二本のワインを空にしてしまいました。岡部さんがすすめてくれるワインはリーズナブルで美味しくて、言うことはありません。フランス万歳!

と言っても、チリワインや南半球のワインも好きです。世界のワインはみんなそれなりにちゃんとした味がするのですが、どうしても日本のワインだけが見劣りします。勝沼産のワインなど、値段だけは世界レベルですが、味はごつごつして飲めたものではありません。土壌なのか水なのか、兎に角、いまのままの造り方では、日本のワインは世界のレベルに達することはないでしょう。日本のワインメーカーを応援するつもりは少しもありませんが、このままいくといままで積み重ねてきたワイン作りのノウハウがすべて無駄になるのは間違いないところです。

日本のワインの話はさておき、フランスの21世紀のワインはいずれも力強い味がします。田代シェフの力強い料理にも十分対抗できる特徴も持っています。数年に一度のペースではあと何度この組み合わせをいただけるのかなと思うと、今日の食事を本当に大切にしたくなるのです。次は家内を連れてきます。ご馳走様でした。

2015年4月
幸運なことに去年に続いて1年以内に再訪できました。料理はカキやアスパラ、シャモなど。スペシャリテのジャガイモといわしのテリーヌは健在。ますます美味しくなっている気がします。ワインは2011年のブルゴーニュ。フルーティーで軽やかなワインもまた料理を引き立ててくれます。
岡部さんの動きもきびきびとしていてしかも丁寧。フレンドリーなのに礼儀正しいという微妙なラインの接客で、これはたぶん岡部さんにしかできない接客なんでしょうね。非常に勉強になりますが、誰にも真似はできません。
なんだかんだであっという間に4時間が経過して食事を終了しました。とても充実した幸せな4時間でした。今回も家内と一緒に来れず、知り合いのイタリアンのシェフと男同士でしたが、楽しく食事ができました。美味しい料理は話が弾みますね。
今日もご馳走様でした。

  • 2015年4月のディナー
  • 2015年4月のディナー
  • 2015年4月のディナー

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5位

Lien (池尻大橋、駒場東大前 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2015/07訪問 2015/07/11

荒削りながら創意工夫に満ちたフレンチ

2015年6月
オギノさんの移転前の場所です。通りがかりで別の店になっているのを発見してからずっと行きたいと思っていましたが、ようやく実現しました。消費者とお店との縁みたいなものがあって、予約が合わなくて行きたい店になかなかいけなかったり、人から誘われてついて行ったら、予てから行ってみたかった店だったりします。オギノさんには結局行かずじまいのままです。

さて、当日の予約でしたが、快く受け入れていただきまして、この時点で好印象です。この日は予約が少なかったようで、入店するとテーブルでもカウンターでもお好きなほうへとのことでした。シェフとお話が出来ればと思い、迷わずカウンターをお願いしました。
メニューは前菜と肉料理が選べる形式で、ラインナップがたくさんあるので結構迷いました。
アミューズは2種類+ソースが四角い皿で2皿出ます。キャンディみたいに包まれたフォアグラが印象に残りました。前菜のムール貝は普通でしたが、カキの火入れがお見事。これだけで白ワインを一杯飲んでしまいました。
サラダは野菜の下処理がきちんとされていて、野菜そのものが美味しい。
甘鯛のポアレが今日の一番の皿で、パリパリに仕上げた皮に身がふっくらとして、濃厚なソースによく合います。肉料理は山羊でしたが、やはり下ごしらえが十分で、臭みもなく食べやすい仕上がりになっていました。
素材をやっつけるのではなく素材を生かす方向の料理で、やや荒削りなところはありますが、一切手抜きのない一生懸命な仕事ぶりが伝わってきて、食べて元気が出ます。基本的に伝統的なフレンチだと思いますが、パンの生地を練るのに紅茶を使ったりするところが意欲的で好感が持てます。ソースをちゃんと作っているところも王道を外していません。

朝早かったのでお酒は控えめにするつもりが、料理が美味しくてつい飲みすぎてしまい、退店の頃にはかなり酔っぱらってしまいました。2,500円のワインセットの他に赤のボトルを1本頼んでの会計が2名で25,000円ほど。とてもリーズナブルで、すぐに次の利用を考えました。
ご馳走様でした。

2015年7月
梅雨になると毎年、いつまで雨が続くのだろうと思い、夏になるといつ涼しくなるのだろうと思い、冬になるといつ暖かくなるのだろうと思います。梅雨も終わっていないのに早くも台風の心配をしなければならないのは、やはり地球温暖化の影響なのでしょうか。一部の学者は地球は温暖化などしていないとも言います。何が正しいのか不明ですが、日本は昔から四季の土地です。その四季のありようが少しずつ変化していることは、このごろ日常的に感じるところがあります。今年の夏は去年の夏とは違います。思えば昔からそうだった気もします。諸行無常、そして一期一会なんでしょうね。
本降りの雨の夕方、二度目のお邪魔をしました。またしても一番乗りで、テーブルでもカウンターでもとのこと。ささやかな送別会もかねてでしたので今回はテーブルで。
いつも前菜と肉料理のチョイスに迷います。どれも食べたいから迷うので、楽しい迷いです。逆だととても困りますね。そして今回も大正解。多分どれを選んでも大正解だと思うので、いつか全部制覇したいのですが、メニューが変わるほうが早いでしょう。
今日の一番はホタテとタンのサラダ仕立ての前菜。シンプルな味付けながらホタテの風味もタンの味も歯ごたえもよく、いくらでも食べられそうです。鮎のコンフィと鯛、エゾシカも火入れ、味付けともに優秀。前回よりも仕上がり具合が満点に近くなっています。季節は移ろいますが、シェフの腕は確実に上昇しています。
ビールと赤ワイン1本を飲んで2名で20,000円。本当にリーズナブルです。料理が確実に良化していたので0.2ポイント上げて4.0とします。トータルも4.0。私の中で優れた店のカテゴリーに入りました。
ご馳走様でした。

  • 2015年7月帆立とタンの前菜
  • 2015年7月鮎のコンフィ
  • 2015年7月鮎のコンフィ

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6位

トラットリア スペランツァ エッセ (駒沢大学 / イタリアン)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥8,000~¥9,999

2015/04訪問 2015/04/10

若いシェフの進化する料理

2010年6月
この5月末にオープンしたばかりの若い夫婦のお店。
テーブルは4名掛けが4つと2名掛けがひとつ、カウンターが6席。カウンターがあるので、大人のひとり飲みにも向いています。
桜井シェフは若いけれども腕はしっかり。仕事も丁寧です。
奥様はパティシエ。渾身のティラミスは本当に美味しいのでおすすめ。
赤ワインの品揃えはピエモンテ、シチリア、トスカーナ、サルディーニャと徹底してイタリアワインにこだわっていて、実に潔いと思います。(すみません、白ワインは未確認です)
駅からかなり遠く、ルート246を左折してからも暫く到着しないので、思わずGPSで確認したほどです。
居抜きの物件らしく、以前も洋食だった模様。その頃のことを知っている方、どうかご投稿ください。
駒沢大学の近所と言っても、このあたりまで来ると学生の姿は少なくて、店内は静かな時間が流れます。
自宅まではタクシーですぐなので、ちょくちょく通うことにします。

ということで、ちょくちょく通っています。最近で一番美味しかったのは三元豚のグリル、黒トリュフとリンゴのソースです。このところ桜井シェフはフルーツの使い方が上手になっているようで、その前の桃のカッペリーニも定番と言えば定番ですが、やはり美味しかった。
平日の夜に利用したときは、入店時はノーゲストだったのに、帰る頃にはほぼ満席になっていました。
今後もシェフの料理の進化を楽しみに見守っていきたいと思います。

2011年6月
大震災の後、暫く訪問できなかったのですが、6月になってからようやく再訪できました。
コースがあります。
ウェルカムドリンク
鮎のコンフィすいかのスープに浮かべて
有機野菜のロースト バーニャカウダソース
牛ほほ肉のラグーパスタ たっぷりのサマートリュフ
トウモロコシのジェラート 自家製スモークハム
オマール海老の香草ロースト 十五穀米のリゾット添え
アメリカンチェリーのセミフレッド(ドルチェ)
以上でひとり5,000円は、出血大サービスと言っていいくらい、お得です。
2011年の3月に出産されたパティシエの奥様も夜は店に出ているそうです。

2012年3月
その後、ポルチーニずくしのメニューがあったりしたときや、夫婦だけの忘年会、京都からの大切なお客様を迎えての会食や、高校時代の友人との30年ぶりの会食など、大切な場面で利用しています。
料理に関しては日進月歩で進化しているので、私の批評は不要です。写真をご覧ください。

いつもは何かにつけて否定的な私ですが、ここに来ると肯定的な気持ちになれます。
料理は愛情、お店も愛情ですね。

2012年4月
広島から愛媛松山を旅行して、散々外食をした帰り、どうしてもここに寄りたくなりました。
新幹線のお弁当から始まって、広島焼き、スモークレストラン、寿司、フレンチ、和食膳、うどんと食べ続けていて、どれもそれなりに美味しかったのですが、最後はやっぱり知っている味と言いますか、安心できる味というものがありますよね。
羽田空港からこちらに直行して、ワインを1本飲んで、ホッとして帰りました。
前からいただきたかったカルボナーラロッサは、とても濃厚でいい出来栄えでした。
木曜日の夜でしたが、お客さんが次々に見えて、忙しそうでした。お店が流行るのは何よりです。

2012年5月6月7月
料理写真をアップしました。

2012年8月~12月
料理写真をアップしました。

2013年1月~5月
料理写真をアップしました。今年はランチで利用することが多くなりました。

2013年6月~2014年7月
料理写真をアップしました。ランチのスープはサラダ風のスープでしたが、今年からはクラムチャウダーやポタージュなど、バリエーションが豊富になりました。

2015年4月
久しぶりに写真をアップしました。日付も更新します。
平日の休日は、午前中に映画を見たり買い物をしたりして、そのあとランチをこちらでいただいて、午後は自宅周辺を散歩したり昼寝をしたりしてゆっくりするのが習慣になっています。
ランチの前菜はタケノコとパンチェッタ。タケノコはバルサミコをちょっとだけつけていただきます。しみじみ美味しい。パンチェッタの塩加減がアクセントになって、ワインが進んでしまいます。パスタはホタルイカとソラマメ。春ですね。春の味覚は苦味にあると思っています。ふきのとう、タラの芽、菜の花など、苦味と瑞々しさの両方を味わえる野菜や山菜が多く、この時期の健康はそれらの苦いものをいただくことで保たれる気がします。
新入社員にスーパーはなぜ入口に野菜と果物を並べているのかとよく聞きます。旬という考え方がわかっていれば、すぐに答えがわかるはずですね。季節を意識することで料理は一段と味わい深くなります。今日もご馳走様でした。

  • 2015年7月ティラミス
  • 2015年7月真鯛のロースト
  • 2015年7月カリフラワーとパンチェッタのクリームリゾット

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7位

ラ ペ (三越前、日本橋、新日本橋 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2015/12訪問 2015/12/20

シェフの心意気が感じられる文化的な料理

2015年12月
三井ホールで手嶋葵さんのコンサートの後にお邪魔しました。手嶋葵さんは泉谷しげるも驚きの独特な歌い方をする若い女性歌手で、柔らかい低音と伸びやかな高音を驚くべき肺活量でつなげる歌い方をします。CMソングにも多く起用されていて、若い人から年配まで、幅広い層に人気のある歌い手さんです。
三井ホールがあるのがコレド室町で、その近くのレストランということでこちらを選択しました。

日本橋三越前の大通りから路地に入り、昭和通との中間くらいの場所にあります。外に控えめな看板とボトルの飾り。階段を下りて店に入ります。中は予想よりもさらに狭い感じの空間です。調理場がやや高くなっていて、直接客席を見ることができるようになっています。これならシェフがダイレクトに皿出しの指示ができるので、オペレーションに無駄がありません。
食前酒はベルエポックというシャンパンをいただきました。花柄の模様が美しいボトルのシャンパンです。このシャンパンがあまりにも美味しくて、いきなり楽しくなりました。
さて料理です。カニとカブのミルフィーユは、遊び心は理解できるけれどもカニをそのまま食べたほうが美味しいよねと思わせるメニューでしたが、添えられたムースが非常に美味しくて、これはこれでありなのかもと納得させられました。メインの雷鳥は、ややクセがありますとの説明どおり、臭いが独特でしたが、濃い目のソースが味と匂いと食感をうまくまとめていて、二口目、三口目と食べ進むとうまみが増していく不思議な料理でした。ワインが進む料理です。進みすぎて料理の記憶がいくつか飛んでしまいましたが、最初のシューとポンデケージョにしても最後のデザートにしてもとても繊細にできていて、全体にまとまりがありました。そして細かな工夫に満ちていて、シェフの心意気が感じられます。文化的とさえ言える料理でした。
帰りもわざわざ階段を上がって見送っていただいて、一見さんの私たちは大変恐縮してしまいました。
ワインを冷ますのにややひんやりとする外気の中をそぞろ歩き、日本橋の麒麟の像を見ながら中井貴一の映画の話をしたりして、とても文化的な一日を終えることができました。
ご馳走様でした。必ず再訪したいと思います。

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8位

マザーエスタ (中目黒、池尻大橋、代官山 / 野菜料理、ビストロ、カフェ)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥3,000~¥3,999

2015/08訪問 2015/08/09

料理も優しい、接客も優しいオーガニックのお店

9月初め。
2時ぎりぎりというか、少し過ぎていましたが、快く入れていただきました。携帯で電話しながらの入店で、お店の方に失礼だとは分かっていましたが、どうしても後回しにできない仕事の電話だったので、どうもすみません。
なんとか電話を済ませてメニューを見ます。いろいろありますが、ランチメニューからの選択。同僚は日替り、私はカレーランチを選択。
最初に来たかぼちゃとコーンのスープは薄味で野菜の甘みが感じられるもの。
サラダは、初めて見る平行に並べた盛り付け。それぞれの味が分かって、こういうのもいいかもしれないと思いました。野菜が少なくて済むなんて、下司の勘ぐりは決していたしません。
さてカレーですが、予備知識も何もなかったので、玄米の周りに盛りだくさんに盛られた野菜にまず驚きました。色彩センスのない私には絶対にできない盛り付け。センスのある人は羨ましいですね。
野菜もそれぞれがしっかりと下処理されていて、歯ごたえも香りも十分。野菜の味を損なわない、優しい味のカレールウもいい。
豚肉のしゃぶしゃぶがとても柔らかく仕上がっています。よく中華の豚しゃぶなんかを頼むと、熱湯に入れたに違いない、硬くなった豚スライスが出てきますが、こちらはおそらく80℃くらいのお湯でじんわりと茹でているのでしょう、柔らかくジューシーな出来上がりです。豚しゃぶはこうでないといけません。
とにかく全部が美味しいので一気に食べてしまいました。
食後のプチデザートはこの日は生姜のアイスでした。これがまたよく出来ていて、さらにコーヒーもついて1,400円なら安いと思います。
接客の女性も本当に丁寧で笑顔が素敵でした。これくらい優しい接客をされると、とっても癒されます。このままここでゆっくりしたい、仕事に戻りたくねえと思ってしまいます(笑)。
お店のホームページによると来年3月で5周年とのこと。今まで訪問しなかったのは返す返すも残念です。
あ、あまり関係ないかもしれませんが、私は日本人の女優さんの中では中谷美紀さんが一番好きです。

2010年9月某日
すっかり気に入ったので翌週は連続して訪問しました。仕事が立て込んでいたので、頑張って2時に間に合うように急いだのですが、店についたのは2時5分くらい。ちょうど看板をしまうところでした。手でバッテンをして、「もうダメですか?」と聞くと、少しも嫌な顔をせずにニコッと「どうぞ」と案内してくれました。おじさんは嬉しいぞ。
この日は日替わりのチキンソテーを食べました。チキンソテーは皮がカリッとして焼き加減はいい塩梅です。何よりもトマトソースが美味しい。トマトソースは酸味があるので作り方によってはしつこい味になることがありますが、ここのは少しもしつこくなくて、いくらでも食べられます。
カレーにしても日替りにしても、野菜をたくさん食べられるし、玄米や雑穀米も野菜のひとつみたいなものですから、体に良さそうな感じ。女性客が多いのも頷けます。
翌日は数日前に誕生日だった別の課の女の子に誕生祝いでランチを奢りました。案の定、とても喜んでくれて、課の人に知らせてまたランチを食べに来ますと言っていました。売上に貢献したかな。

2011年。
昨年来、すっかりはまって、週1回程度はランチにお邪魔しています。仕事が遅いのでなかなか夜には来られませんが、是非機会を作って来てみたいと思っています。ランチはまた時々お邪魔しますので、今年もよろしく。
土曜日のお昼にもお邪魔しました。平日とはメニューが違って、ちょっと豪華です。前菜とパスタを戴きました。前菜はひとつひとつが凝っているうえに、しっかりした味付けで野菜中心なのに満足感があります。パスタはペペロンチーノ。1.4ミリくらいでしょうか、細めのスパゲッティで、具のスズキの処理がしっかりしていて臭みなく上品に仕上がっていて、パリッと揚げた小松菜が香ばしい。
女性客を中心に(多分9割以上です)賑わって、とても忙しそうな様子でしたが、ホールとキッチンがよく協力し合って気持ちのいい仕事ぶりです。

3月の大震災では相当に揺れたようですが、被害はほとんどなかったそうで、何よりでした。

4月になって目黒川の桜が咲くと、前の道は花見の人で大賑わい、マザーエスタの店内も大賑わいでした。何度か店の前までは訪問したのですが、お待ちの方もいらして、時間制限のある昼休みでは少し無理かなと思って遠慮しました。店が落ち着いてからまた伺います。

再訪できたのは4月末。真鯛のアクアパッツァをいただきました。アクアパッツァはこれまでにもたくさん食べたし、自分でも何度か作ったりしたのですが、今回のアクアパッツァが一番美味しかった。真鯛とエビとあさり、トマトと種を抜いたブラックオリーブに飾りのスナップエンドウ。材料も王道ですし、味付けも王道で、エビとあさりからいい出汁が出て深みのある味に仕上がっていました。

2011年の6月にはスタッフの衣替えがあり、秋山シェフは黒のTシャツ姿で涼しそう。ホールは白のTシャツで更に涼しそうでした。自分たちの暑苦しいスーツ姿に少し恐縮してしまいました。
料理は相変わらず美味しい。かなりの回数、日替わりをいただいていますが、全く同じだったことは記憶にありません。素材を変え、ソースを変え、付け合わせを変え、スープを変え、デザートを変えているので、飽きが来ないんですね。これは実は大変な努力だと思います。飽きのこないランチをいただくと、心がほぐされます。
一年中違うメニューを出すお母さんがいたら、それは本当に大変なことで、そのお母さんの愛情の深さを物語っています。そういうお母さんの子供は、きっと優しくておおらかに育つに違いありません。

桜の時期より少し前は、ランチなのにそれほど混んでいなかったので若干心配していましたが、今は毎日大盛況。いいことです。まあ、桜の時期とは違って、混んでいても少し待てば席を用意してくれるので、心配せずに通っています。
桜と言えば、花が散ってそのあとにできるのがサクランボ。秋山シェフの地元山梨から送られてきたというサクランボをランチのデザートにつけてくれました。生のサクランボは、やっぱり美味しい。自然の甘味に勝てる味つけはありません。

2011年8月
このところ土日に仕事があることが多くて、毎週末のようにお邪魔しています。平日も来ますけど。
土日祝日のランチはA1800円かB2400円のどちらか。更に本日のランチプレートを選ぶと+800円となります。Bのコースでランチプレートを選ぶと3200円のランチになります。私は大抵これをいただいています。高いと思う人もいるかもしれませんが、私は費用対効果は十分だと思っています。兎に角野菜をたくさん食べられるのがいい。プレートの代わりにサラダランチを選ぶと、パンとハムとソースとしてのポーチドエッグ以外は殆ど野菜です。
相変わらず女性客が大半です。

2012年4月
コンスタントに週1回程利用しているので、もう訪問回数は100回を超えたかもしれません。
写真をアップできるのは100枚までなので、その後の写真はPicasaにアップして保存することにしました。
相変わらず土日祝はとても混んでいます。特に桜の時期は大変。
それを過ぎると少し落ち着きます。スタッフも少し変わりましたが、相変わらずやさしい接客で癒されます。

2012年5月
このところ男性客が増えたような気がします。
前にも増して混むようになりました。
食べログのシステムが変わって写真を200枚までアップできるようになりましたので、撮っておいてアップできなかった写真をアップしました。

2013年
秋山店長は山梨出身で、ご実家でフルーツなどが取れるそうです。取れたフルーツはお店に送られてきて、時々ご相伴に預かります。先日はさくらんぼをいただきました。時季なんですね。
綺麗に咲いた花はいつか散ります。
花は散って実を残します。
残した実の中には種があり、そのうちのひとつは大きく育って数百年後には桜の大木となり、春が来るたびに人々の目を楽しませるようになります。
無常ですな。

2014年7月
この数年でスタッフが何名か入れ替わりました。入れ替わった人もまた入れ替わったりしましたが、店長をはじめ、ずっといる人はずっといて、安心感があります。野菜の仕入値段なんかもずいぶん変動があって大変だと思いますが、相変わらずのクオリティ。いつ来ても、食べた後は食べる前よりも少し元気になっています。安全で安心なお店は貴重な存在ですね。

2014年8月
土曜日の昼は相変わらず忙しい。心なしか、男性客が増えてきたように思います。ようやく男性にも認知されるようになってきたのか、あるいは男性が女性化してきたためなのでしょうか。私も含めて(?)、男性客は押しなべて礼儀正しく大人しい人ばかりです。
この日のプレートはフォアグラ入りのハンバーグでした。中に大きなフォアグラがドーンと入っています。マデラソースは甘みのある王道の作り方。こういう基本的な料理はいつ食べても美味しいものですが、ハンバーグの肉を練るときの下味の塩加減も火の通し方もちょうどよく、やはりプロの仕事です。こういうものを食べるために外食しているのだなと、しみじみ思いました。

2015年4月
すっかり桜も散って、しかし寒の戻りで肌寒い日々が続いています。桜の時期はとても忙しそうだったのでちょっと遠慮して、ぼちぼち空いたかなと思って訪問しました。事実、結構空いていました。寒いから仕方ないところです。
まだ桜用のメニューとのことで、メカジキか豚肉かカレーかパスタかという選択。豚肉とパスタは昨日のランチで食べたばかりで、カレーは夜に食べる予定だし、ということで豚肉の低温ロティをチョイス。前菜にはフルーツトマトのゼリー寄せとクリームチーズの大根包み、フリッタータとアランチーニでした。ひとつひとつ丁寧に作っていて、とても好感が持てます。次に出てきたごぼうのポタージュはもしかしてサービス? 揚げたごぼうがあしらわれた素朴な味です。いつもながら休日用のメニューは結構な量で、お腹が一杯になります。デザートは桜のアイスクリームでした。外食は天気に左右され、景気に左右されますが、季節を考え、食べる人のことを考えながら仕事ができる、非常に楽しい仕事です。今日もご馳走様でした。

  • 2015年8月チキンのパン粉焼き
  • 2015年8月ランチデザートのチーズケーキ
  • 2015年7月ランチの豚バラ煮込み

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9位

Trattoria Fonte (鎌倉、和田塚、由比ケ浜 / イタリアン)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥5,000~¥5,999

2015/06訪問 2015/06/27

ロケーションのギャップを跳ね返す心意気の料理

2015年6月
午前中に品川駅発の横須賀線。平日なのにどうしてこんなに混むの?というくらい混んでいました。北鎌倉に近づくと更に混んできます。もしかしたら、大絶賛上映中の映画「駆け込み男と駆け出し女」の影響でしょうか。北鎌倉を過ぎるとやっと座れました。と言っても一駅間だけですけど。

というわけで、へとへとになって辿り着いた鎌倉ではありますが、バスに乗って報国寺にお邪魔して、竹林の中を散歩してお抹茶をいただいたら、ほっこりと疲れが抜けました。報国寺の竹林は竹と竹の間隔が絶妙で、やおら手裏剣が飛んできてカンカンと竹に刺さったかと思ったら、どこからともなく忍者が現れたりしそうな雰囲気です。あるいは虚無僧が尺八を吹きながら遠くを去っていきそうな感じもあります。この場所にはさまざまな歴史が積み重なっていて、柔らかくそよぐ風に竹の葉がはらはらと舞い落ちる景色に何ともいえぬ風情を感じます。

報国寺から西に向かってそぞろ歩く、田楽辻子の道があります。それを最後まで歩くと金沢街道に当たり、左側、鶴岡八幡宮方面に少し行った右側にこちらの店があります。いわゆる車道沿いの店舗で、自動車の往来が多い上に、バス通りでもあるのでバスが通り過ぎるときに大きな音と風圧を感じます。しかもそれなりに観光客も行き来するので窓から店を覗く人が結構います。
こんなふうに書くと、やたらに落ち着かない店に思えてしまいますが、中に入って座ってしまえば、周りの音なんかもあまり気にならなくなります。
手作り感いっぱいの店内は、かわいらしい飾り付けや、入魂の食材ノートが置かれてあり、店主の思い入れが半端ではないことを感じます。トイレもきれいです。

さて2,300円のランチコースの前菜は四角い皿に盛付けられた6種の冷菜です。人参のマリネは人参そのものに甘みがあります。玉ねぎとポテトのサラダはマヨネーズを使わないお酢中心の素朴な味付け。玉ねぎの美味しさが引き立ちます。茄子もアーティチョークも素材を生かしてとても美味。自家製チーズのカプレーゼ風と自家製のハムは塩加減も歯ごたえもパーフェクトでした。
パスタはサルシッチャとキャベツのスパゲッティ。パスタのようなタイミングの料理は、食べている最中もパスタが水分を吸い続けるので、茹で加減はとても難しい。こちらのパスタは最初のひと口目がやや固め、最後のひと口がやや柔らかめという、理想に近い茹で加減でした。
メインの仔羊は火入れがちょうどよく、いい仕上がりでした。シャスール(カチャトラ)とのことでした。私はシャスール=キノコという固定観念があったので、ソースはやや驚きでしたが、たいへん美味しくいただきました。
前菜の途中で白ワインをお願いしたら、ボトルを並べて丁寧に説明いただきました。料理中でしたが、段取りがいいのでこうした余裕があるんですね。見事です。
兎に角、とても上質な野菜を使っているのがわかりますし、それにしてはメニューの価格が安く、お近くにお住まいの方がうらやましいお店です。他に在店していた方々は地元らしき方ばかりで、観光客にはまだ知られていないようですね。
鎌倉に来るならぜひ寄りたい穴場のお店です。ご馳走様でした。

  • 2015年6月ランチの前菜
  • 2015年6月ランチのサルシッチャとキャベツのスパゲッティ
  • 2016年6月トスカーナの白
  • 2016年6月ランチの仔羊のシャスール

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10位

ビストロ 集 (町田 / イタリアン、フレンチ、ワインバー)

1回

  • 夜の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.8
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2015/05訪問 2015/05/20

居心地がよくスタイリッシュ、しかもリーズナブル

2015年5月
コンサートの後で伺いました。町田で食事をするのは相当に久しぶりです。困ったときの食べログ検索で、あらかじめパソコンで町田駅周辺のレストランを探し、点数が一番高いこちらのお店にめぼしをつけておきました。ところが「町田駅 ビストロ」で検索しても出てきません。結局検索エンジンから調べて電話することになりました。
電話の声は落ち着いていて優しそうです。電話の出方によっては行くのをやめることもありますが、今回はとてもいい感じだったので、この店にしましょうということになりました。コンサートで心が安らかになっているときにはさらに安らかな場所で食事をしたいものです。
町田が不案内なのと、微妙にマイナーかもしれない場所(?)にあるので、少し迷いながらの到着でした。広めのテーブルに案内されてほっと一息。客層は落ち着いた人ばかりです。駅前のお店に行かなくてよかったと思いました。
席に着くとまず本日のパスタとリゾットと一品料理のメニューが案内されます。店名は「びすとろ集」ですが、料理はイタリアンが主体のようです。
生ビールは流行のプレミアムモルツです。ワインはボトルのラインナップがありましたが、最初のページにあった、葡萄の品種別のおすすめにしました。「ピノノワール主体」と「カベルネソーヴィニヨン主体」と「メルロー主体」の3つです。5大シャトーの中で私が一番好きなのがカベルネソーヴィニヨン7割とメルロー3割のラトゥールなので、最初のデカンタは「メルロー主体」にしました。
バーニャカウダはクラッシュアイスの中に入ったスティックタイプの野菜。ソースは濃厚すぎず、にんにくも控えめであっさり系です。写真は撮りませんでしたが、サルシッチャも味付けが控えめでいくらでも食べられる感じです。フォアグラはカシスのソースが点々と添えられて、こちらもあっさりいただけます。
おすすめの一品料理の鰆のブラックオリーブソースのあたりで、デカンタ2つ目となり、今度は「ピノノワール主体」をお願いしました。すると先ほどのワイングラスよりもボウルの底の部分が広い、ブルゴーニュグラスに替えてくれます。ピノノワールはブルゴーニュですからね。スタッフの中にソムリエまたはワインに相当詳しい人がいるからでしょう。ワインのラインナップはシロウトにはわかりづらいものがありますが、グラスはボルドーグラスとの違いがすぐにわかります。このあたりのさりげない気遣いはとても好感が持てます。
デセールを少量にしていただく要望にも対応していただき、2人で18,000円ほどの支払いでした。これはかなり安い。町田に来たらこの店ということに決定いたしました。
余計なお世話かもしれませんが、店名に「びすとろ」が入っているので、食べログで探す人の多くは私と同じように「町田 ビストロ」のようなキーワードで検索すると思います。店のジャンルが「イタリアン、フレンチ、ワインバー」となっているので、この中の「フレンチ」を「ビストロ」に変更しておきます。ちょっぴりお客さんが増えると思いますよ。

・・・・こちらのお店は「公式情報」とあるので店舗会員ですね。お店の詳細情報はレビュアーには変更できなくなっているようで、私にはジャンルの変更ができませんでした。スミマセン。

  • 2015年5月のデセール
  • 2015年5月の鰆のブラックオリーブソース
  • 2015年5月のフォアグラ
  • 2015年5月のバーニャカウダ

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