レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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1位
1回
2015/11訪問 2017/06/12
フレンチの技法と茶の湯のおもてなしの精神が結びついた創作料理が感動を生み出すお店
2015年11月2日(月)のランチで訪問
2015年11月1日、2日の日程で賢島旅行に出かけた。前日に賢島の「プロヴァンス」に宿泊し、2日目のこの日、「レストラン リュウ」を訪問した。「10月~11月限定 9周年記念ランチ」3,024円、グラスワイン(白)540円、洋梨スパークリング540円(いずれも税込)を注文した。
食事の前にシェフがおしぼりにローリエのハーブティーを注いだ。花火の蛇玉のように、おしぼりがモコモコと湯気を上げながら膨らんだ。ハーブの爽やかな香りが広がった。「レストラン リュウ」は、単に料理を出すだけのお店ではなく、シェフによるショーやエンターテインメントを展開する劇場のような空間なのかもしれないという期待を持った。
ドリンクを飲みながら待っていると、抹茶茶碗に入った緑色のポタージュが供された。このお店では、料理をすべての客のテーブルに運び終えた後、シェフ自らが料理の説明をするようだ。なるほど、この方式なら、提供する料理について一番理解している者による説明を効率的にすることができるため、その分だけ料理に専念することができるだろう。
ポタージュは、客によって異なる抹茶茶碗に入れられていた。それぞれの客のイメージによって選んでいるのだろうか。ポタージュは、安納芋、ほうれん草から作られたもので、鮮やかなエメラルド色だった。抹茶のように両手で器を持って飲むスタイルは斬新だった。こうすることで、触覚を使って料理を感じることができるだろう。貫入(陶器が焼かれた後に冷えていく過程で、陶器本体の素地と釉薬の 収縮度の違いにより釉薬がひびのような状態になって固まる現象)のときに発するピンピンという金属音をBGMで流すという演出は新鮮で、視覚だけでなく聴覚も楽しませようとするものだった。
前菜は、晩夏から初冬までの季節野菜を八寸仕立てにして紅葉皿に載せたもの。右上から反時計回りに季節を進めるもので、南高梅のジュレ、赤ピーマンのパテ、冬瓜、しまかぼちゃ、八頭、黒豆の枝豆、茶豆、紫芋、銀杏、むかご、はやとうり、次郎柿、生落花生、大根が配置されていた。紅葉皿の中央には、まいたけのパテ、ハモンセラーノなどの肉類が据えられていた。
前菜の野菜料理の特徴は、上質なものを使っているだけでなく、調理によって形容しがたい味付けをされていることだ。銀杏と生落花生は、これまで食べたことのない高貴な味で、栽培方法から一般的なものとは異なるだろう。冬瓜、しまかぼちゃ、はやとうりは、和風の味と思われるが、何らかの方法で美味しさをしっかりと湛えており、手が加えられていることを感じられるものだった。次郎柿は焼かれたことでキャラメリゼされたような状態となり、甘みが凝縮されていた。柿を焼くという調理法は思いもよらない発想だった。
リゾットは、松阪ぶな、コガネダケ、錦爽どりを使ったもの。黄金色をしていたが、コガネダケから生み出された色なのだろうか。この料理も和を感じさせる器を使っていた。
メイン料理は、松阪”極み”豚のプレート。グリル、こめかみの煮込み、クネルの3種類の調理法によるものと、からし菜、玉ねぎなどの付け合わせにマスタードソース。クネルとは、小麦粉、卵黄をバターなどの油脂と練り合わせた生地とすりつぶした肉を混ぜて団子状にしたもののことらしい。3種類の調理法のうち、一番ストレートに松阪”極み”豚の旨みを伝えてきたのはグリルだった。香りが素晴らしくジュワっと旨みが染み出してきた。
パンは最初何を供されたのか分からず、石かなにかを置かれたのかと思った。このパンはあおさを練り込まれたもので、鮮烈なあおさの風味、磯の香りを感じるものだった。
最後はムジカティーとデザートで締めくくられた。ムジカティーは、シェフ自らが創作したティーポット、ティーストレーナーなどで楽しむものだった。実際に目の前にいる人が作ったものであることがわかっていると温かみを感じられるものだ。そして、茶器を通じてシェフの人柄を推し量ることができるだろう。
デザートは、スポンジの上に栗のアイスを乗せて琉球かぼちゃクリームをかけたもの。栗と琉球かぼちゃを使って秋を表現したものだった。
どの料理も最善の食材を集めて手間を惜しまずに作られた料理で、秋だけではなく、季節の移り変わりまで表現されたもので素晴らしい料理だと思った。その料理は、味覚、視覚、嗅覚だけでなく触覚、聴覚にまで訴えかけるものだった。食器はシェフ自らが創作したものも使われ、客のイメージに合わせて器を選ぶところは、茶の湯の精神世界に通じるものがあるだろう。シェフはもともとフレンチの料理人だが、その垣根に囚われることなく、とにかく美味しい料理を食べてもらいたいと考えているはずだ。客の立場からも、美味しければジャンルなどそれほど意味があるものではないと思われる。
これだけの料理ならば、都会に出店すればもっと料金を取れるはずだが、シェフは地元で最善の料理をできる限りお値打ちに提供しようとしているのだと思う。そのために、完全予約制にして開始時間を一律にし、料理説明を一斉に行い、従業員を雇わないことでコストを削減する工夫をしているのだろう。料理の完成度を高めるために、従業員に任せるようなことはせず、自分の目の届く範囲で行おうと考えているのかもしれない。一歩間違えると、食材自慢、料理自慢に陥りがちだが、シェフが生み出す料理からは客に満足してもらいたい、美味しい料理はお値打ちに提供したいという想いがひしひしと伝わってくるものだった。2015年は残り2ヶ月だが、いろんな意味で、年間を通じて「レストラン リュウ」を超えるお店には出会えないだろうと思った。
2位
1回
2015/11訪問 2017/06/11
2015年11月25日(水)の夜に訪問
初日の出張業務を終え、夕食のために「味どころ ふくえ」を訪問した。2階の座敷席で、周りに気兼ねなく談笑することができた。先輩社員とは年齢が近く素晴らしい料理に囲まれて気がついたときには2時間半以上滞在していた。業務多忙のため職場でゆっくりと話している時間はないが、親睦を深めることができてよかった。
アカハタの刺身、アカハタの煮付け、箱フグ味噌焼1,050円、並にぎり840円、天丼840円、酒2合1,050円(いずれも税込)を注文した。
突き出し
連子鯛とカマスの南蛮漬け
絶品としか表現のしようがない南蛮漬け。これほどまでに美味しい南蛮漬けを食べたことがない。
アカハタの刺身
一匹3,500円のアカハタから刺身と煮付けを作ってもらった。
焼き霜造りだろうか。かなり弾力のある身だったので、ひと手間加えないと薄造りにできないのだろう。上品な甘みのある刺身だった。
箱フグ味噌焼
まったく想像できない味だったが、味噌に負けないくらいパンチのある濃厚な味で、身はコロっとして弾力のあるもの。
アカハタの煮付け
アカハタ本来の味を楽しめる醤油、砂糖などを控えめの煮付け。
身は弾力があって口の中でホロホロと崩れ、皮、顔の周りの身はプルップル、とろっとろで、旨みと甘みを感じられた。
お互いの趣味の話をしているうちに、先輩社員がゲームのモンスターハンターにハマったことがあるらしいことがわかった。倒したモンスターの羽根や尻尾などを切り取って新しい武器や防具の材料にすることを「剥ぎ取り」というらしい。
モンスターハンターの話をしているうちに、さっそく剥ぎ取りのチャンスがやってきた。アカハタには、骨の周りに身がたくさんついていて、剥ぎ取らなければ美味しい身を食べ損ねてしまうことになったからだ。
チマチマ食べているうちに、けっこうお腹がいっぱいになってしまった。
並にぎり
鯛、いさき(皮つき)、水いか、ハガツオ、いさき(皮なし)海老、アカハタ、鉄火巻き
締めの料理ということで、先輩社員は天丼、私は並にぎりを注文した。正直なところ満腹に近い状態だったが、美味しい寿司はどんなお腹のコンディションでも食べられることがわかった。
水いかはアオリイカのことだが、ねっとりとした食感、甘みを感じられるもの。
ハガツオの身は脂が乗って滑らかで、甘みを感じられるもの。
すべてのネタになんらかの手が加えられているのか、単なる鮮度のよさだけの味とは思われず、握りの技術の高さも感じられるものだった。笹の飾りは本物の笹を使っていた。これまでの人生の中で、840円(税込)の寿司としては考えられない味で衝撃的なものだった。並にぎりでこのレベルだとすると、上にぎりはどれほど素晴らしい寿司を味わうことができたのだろうかと思った。
五島市に再訪することがあれば、間違いなく「味どころ ふくえ」に足を運ぶだろう。この店を見つけ出した自分自身を褒めたいし、食べログに感謝したいとも思った。五島市には他にも素晴らしいお店はあるだろうが、このお店を超える満足感を得られるお店はそうそうないだろうと思った。素晴らしい食材を技術のある料理人が作り出す絶品料理、これだけ食べて二人で7,000円強とお値打ちといえる値段だった。
3位
1回
2015/03訪問 2017/07/16
2015年3月15日(日)のランチで訪問
1日遅れたが、ホワイトデーのランチということで訪問。「サンタキアラ」は、徳川園の近くにあり、閑静な住宅街にあるイタリアンのお店。
Prannzoa A(前菜2皿、パスタ、メイン、ドルチェ、カフェ、パン)4,100円(税込)を注文。
前菜
師崎の春日子鯛 カルパッチョ
春日子鯛の旨みと酢の酸味のバランスが絶妙。しばらく置くことで味を馴染ませて身を柔らかくしているのだろう。その名のとおり、春が旬な魚のようだ。
渥美の浅利と大府の春野菜
浅利は大き目のもので、雑味はなくすっきりとした旨味だけを感じた。何らかの手を加えているのだろう。
大府の春野菜は、つぼみ菜、かつお菜、紅芯菜と初めて聞く名前ばかりだ。火を通し過ぎることなく、野菜がそれぞれの個性を主張している。シェフは、食材が持つ味や香りを大切にしているように感じられる。
パスタ
土岐の天然ふきのとうとアンチョビのソース イカスミのトレネッテ
ふきのとうは、野趣あふれる大地を感じさせる力強い味だ。土岐の山野から顔を出しているところを想像出来そうだ。
もう少しアンチョビソースが強くてもよいかもと感じられたが、ふきのとうの苦味と香りを際立たせようとしたのかもしれない。
トレネッテは、幅が3〜4ミリ、厚さが2ミリほどの平打ちパスタのこと。
メイン
恵那のいのししのロースト
いのししを藁で炙り焼きにしたもの。付け合わせはプチヴェール。熟成させたものだろうが、肉自体の旨味が凝縮されている。クセなど全くない。藁で炙られたことで香ばしさが加わり、まさに絶品の料理だ!
この肉にマスタードなど不要だ。純粋に肉の旨味と風味を味わえば十分だろう。
提供される前からなんともいえない薫りが店内に漂っていた。これほどまでに美味しい猪肉、というより美味しい肉に出会ったことはあっただろうか。衝撃を受けた!
プチヴェールは、ケールとキャベツを交配した12月から3月が旬の野菜のようだ。
パン
モッチモチの食感で、表面からは塩分を感じるもの。これほどまでに特徴的なパンは初めてだ。
ドルチェ
ピエモンテのココアプリン”ボネ”
なんとも表現しがたい食感と風味のドルチェ。印象に残るドルチェだ。
ピエモンテ地方のドルチェで、アマレッティを砕いて入れたココア風味のプリンのことのようだ。アマレッティとは、メレンゲ菓子の一種で、アーモンド・プードルを使った焼菓子のことらしい。
プリンといっても、滑らかさは感じられず、アマレッティと思われる粒々した食感があり、洋酒の風味を感じた。アマレッティは、きな粉のような風味と食感だった。
いちごと赤ワインのソース グラッパのミルクソルベ
いちごとミルクのシャーベットのドルチェ。相性がよいのは間違いない。
赤ワインソースは、ほとんど赤ワインを感じさせるものではなく、甘いシロップに近い。
グラッパは、ポマース(ブドウの搾りかす)を発酵させたアルコールを蒸留して作るブランデーの一種らしい。
カフェ
ハーブティー
カモミールをベースにしたハーブティー。
コーヒー
小菓子
メインの恵那のいのししのローストは絶品だった。ピエモンテのココアプリン”ボネ”は、初めて出会う味で印象に残るものだった。
「サンタキアラ」の料理は、前菜からデザートまで一貫したメッセージがあるように感じられた。
それは、徹底的に旬の食材を使って季節(この日は春)を表現すること、旬の食材を主役にして、その個性を感じられるように調理することだ。
なんというか、これほどまでに強烈なメッセージ性を発する料理は珍しく、他のお店の料理とは一線を画しているように感じられた。
シェフの料理を食べると、この季節に生きていることを実感させられ、そのことを素直に喜べるのだ。
シェフはさぞかし無骨な方だろうと思われたが、私より若いと思われる方で実直そうな方だった。料理に対する内に秘めたシェフの想いは相当なものだろうと感じられた。
このシェフが創り出す四季折々の料理を、ぜひまた味わいたいと思った。
4位
2回
2017/01訪問 2017/07/16
2017年1月17日(火)のランチで訪問
約1年半ぶりに、「旬彩 天ぷら 心来」を訪問し、心来かき揚げ丼1,080円(税込)を注文した。
相変わらず、美味しさがギッシリと詰まったサクッとした食感のかき揚げだった。かき揚げの上に半熟の玉子の天ぷらを乗せるのが、このお店のかき揚げ丼の特徴だ。また、「光村」のように海老をふんだんに使った厚いものとは対照的な薄いかき揚げだ。薄いかき揚げなのに美味しさ、旨味を感じる秘密は、桜海老以外にホタテを使っていることにある。かたい食感で貝の旨味を放つ食材が使われていたので店主に聞いたところ、ホタテの端の部分を使っているとのことだった。
初訪問時ほどの感動ではなかったが、それでも私が知っているお店の中では最も美味しいと感じるかき揚げ丼だ。前回の訪問時に、このお店のかき揚げ丼を別次元のかき揚げ丼と書いたが、何回か味わううちに別次元のかき揚げ丼も、いつしか私の中では標準的なかき揚げ丼になってしまうかもしれない。悲しいことに、ヒトの感動は経験するたびに薄れてしまうものだ。ビックリするほど高額なお店なら、次なるステージのかき揚げ丼に出会えるかもしれないが、おそらく今後、このお店の味を超えるかき揚げ丼を食べる機会はないだろう。
2015年10月20日(火)のランチで訪問
出張業務のついでに、「旬彩 天ぷら 心来(しんら)」を訪問し、心来かき揚げ丼1,080円(税込)を注文した。
心来かき揚げ丼
海老、小えび、小柱と思われる貝柱、ごぼうなどのかき揚げに揚げた玉子を乗せたもの。
玉子を箸で割ると、黄身があふれてきた。揚げた玉子とは珍しい。濃厚な黄身をひと舐めした後、本丸のかき揚げに迫った。
軽くてサクッとしていて、具材の旨味が口いっぱいに広がった。ひと口食べただけで、他の店のかき揚げとは次元が違うことを感じられるものだった。今まで食べたかき揚げ丼の中で最も美味しかった。食べ始めてからは、あまりのうまさに一気に食べ切った。貝柱のかけらが、豊かで力強い旨味を放っていた。いま思い出してもヨダレが出てきそうだ。
具材と具材の間に適度な空間があることが、絶妙な食感と美味しさを生み出しているように感じた。ベシャっと具材同士がくっつき、密度が高くて固いかき揚げを口にすることがこれまで多かったが、このお店のかき揚げは別次元のものだ。
かき揚げ丼と天ぷらのどちらにしようか迷ったものの、料理人の腕を見るにはかき揚げ丼のほうがいいだろうと考えて注文したのが正解だったようだ。店主自身も、客からの問いに、玉子を揚げることに比べるとかき揚げは数倍難しいと答えていた。
店主は快活で職人然とした感じはなく、客とのやりとりを聞いていると、率直に料理が好きなんだろうなぁと感じられた。
友人、知人に自信を持って薦められるお店だ。自宅近くにあって欲しいお店だと心から思った。
5位
1回
2015/09訪問 2017/07/16
2015年9月22日(火)の夜に訪問
2015年9月20日(日)から同月24日(木)まで4泊5日の日程で「ご当地グルメを食べ尽くす九州西部ハイライトツアー(ハウステンボス、世界新三大夜景、指宿温泉の砂むし風呂)」に出かけた。今回のツアーは、福岡空港からレンタカーで、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県を巡るもので、訪問地のご当地グルメを味わいながら、ハウステンボス観光、稲佐山公園展望台からの世界三大夜景、指宿温泉での砂むし風呂体験など盛り沢山のプランが組み込まれたものだった。
この日の旅程は、出島資料館を観光、「海鮮さかなや」にてランチ、雲仙地獄、島原城観光後、フェリーにて熊本市に移動、「城見櫓」にて熊本郷土料理の夕食というものだった。
「海鮮さかなや」にてランチ後、雲仙地獄を巡った。灰色の噴煙が上がり、強い硫黄臭が立ち込めていた。島原城を観光後、鯉の泳ぐまちを散策した。街の水路に鯉が泳いでいるのは素晴らしいことだ。立ち寄った四明荘では、お茶をごちそうになり、池の鯉を鑑賞した。その後、フェリーで熊本に移動し、「城見櫓」を訪問した。
「城見櫓」は熊本城のすぐ近くにあるお店で、熊本郷土料理を楽しめるお店だ。だご汁500円、大王炭火焼き1,200円、郷土盛合わせ1,900円、泰斗650円、プレミアムモルツ(中)680円(いずれも税込)などを注文した。食べログのプレミアムクーポンを使用したので、料理については30%OFFとなった。勤勉なる食べログ活動が評価されてのことかどうかは不明だが、プレミアムクーポンを無料で利用させてもらえたのはありがたいことだ。
だご汁
小麦粉を練って作ったと思われる団子、鶏肉、しめじ、みつば、ねぎが入ったもの。汁は、出汁と醤油仕立て。
大王炭火焼き
天草地方で飼育される天草大王(鶏肉)の炭火焼き。炭火焼だが宮崎地鶏のように黒くはならず、噛みごたえのある弾力はなくて身は柔らかく、想像以上に淡泊な味でクセは感じられなかった。おそらく、宮崎地鶏のほうが脂肪の量が多く、焼いたときに脂が落ちて燻されて黒くなるのだろう。どちらかというと、旨味が強くて弾力があって、いかにも地鶏と感じさせる宮崎地鶏のほうが好みだ。
郷土盛合わせ
上赤身馬刺し
赤身と霜降りの2種類の馬肉。どちらも上質な馬肉でクセはなく美味。霜降りは特に肉の甘みを感じられるものだった。肉の中で馬肉ほど甘みを感じられるものはないだろう。
辛子蓮根
品のある辛さの辛子蓮根。この料理を考案した人はすごいと思った。昔は藩主への献上品だったらしいが、現在は一般人も食べられるありがたい世の中だ。
田楽焼き
素晴らしい一品。茄子と味噌、麩と味噌との相性はバッチリだ。味噌は数種類で、蕗味噌を使ったりと芸が細かかった。この日は泰斗(日本酒)を飲みながらということもあり、特に美味しく感じられた。
一文字のぐるぐる
一文字(わけぎ)をぐるぐると巻いて酢味噌をかけた料理。さっぱりとして美味。
豆腐の味噌漬け
豆腐を味噌漬けにしたシンプルな料理だが、これが形容できない美味しさだった。いやー素晴らしい。
自家製辛子明太子
絶品としかいいようのない明太子。軽く炙ったことで美味しさが増し、中はジューシーで、どんな調味液に浸けたのかは不明だが、これまで食べた明太子の中では最も美味しかった。この明太子をご飯に乗せて飽きるまで食べ続けたいと心の底から思った一品だ。
「城見櫓」の郷土盛合わせは、この一皿で熊本郷土料理を表現したと言ってもよいだろう熊本を詰め込んだもので、それぞれ個性的な料理であるのに全体として調和も取れていて素晴らしいの一言に尽きる料理だった。今回の旅行で最も満足した一品だった。
このお店の料理は良心的な値段で、その味は間違いのないものばかりで、熊本を訪問するときは必ず訪問したいお店だ。いけす料理、馬刺し、馬ホルモン焼きなど気になる料理は無数にあり、心惹かれるものばかりで、次回の訪問が今から楽しみなお店だ。
6位
1回
2015/05訪問 2017/07/16
キノコ、山菜など地元食材とシェフの個性、創造性が生み出す料理は、軽井沢まで足を運ぶ顧客の期待に応えてくれます
2015年5月7日(木)のランチで訪問
2015年5月3日(日)から7日(木)までの4泊5日の日程で「内陸県のご当地グルメと秘湯を巡るGWハイライトツアー」に出かけた。
このツアーは、岐阜県(郡上八幡城、白川郷)、富山県(五箇山)、長野県(上田城)、群馬県(草津温泉、ロックハート城、こいのぼりの里まつり)、栃木県(老神温泉、中禅寺湖、華厳の滝、東武ワールドスクエア、那須どうぶつ王国)を巡り、熊肉料理、いわな料理、高山ラーメン、水沢うどん、栃木黒毛和牛、宇都宮餃子、佐野ラーメンといったご当地グルメを味わうツアーだった。私の読みはおおむね的中し、ツアー期間を通して、渋滞をうまく避けながら目的地を巡ることができた。
この日はツアーの最終日で、松葉食堂(佐野市)にて朝食、こいのぼりの里まつり観光、エブリコ(軽井沢)にてランチの旅程だった。
「E.Bu.Ri.Ko(エブリコ)」は、軽井沢のメインストリートにほど近い位置にある。軽井沢はお洒落な街だが、エブリコも負けず劣らず雰囲気を感じさせるお店だ。
ランチメニュー2,400円、本日のキノコの一皿1,780円(いずれも税別)を注文した。
マッシュルームのポタージュ
マッシュルームのポタージュは、自宅でも作ったことがあるが、やはり料理人が作るものは違う。濾し方が違うのだろうが、きめが細かく滑らかだ。また、冬虫夏草、菊の花、パセリを粉末を乗せることにより、彩りを添えていた。
本日のキノコの一皿
えのきだけ、生椎茸、なめこ、巨大マッシュルーム、クロラッパタケ、しめじ、舞茸、はなびらたけなど、数多くのキノコをソテーし、塩、胡椒、スパイスなどで味付けしたもの。周りには、ポルチーニ茸の粉末を散りばめたもの。どのキノコもそれぞれの個性を主張していて美味しい。キノコにこだわるお店にふさわしい味で、注文してよかったと思った。
東御産豚肩肉のソテー
火の通し方が素晴らしく、ソースが美味しい。ソースはきのこを叩いてつぶして作ったソースで、豚肩肉との相性はよく、より美味しく食べることができるもの。
付け合わせは、イタドリ、こごみ、にんじん、かぶ、ベビーコーン、ブロッコリーで、イタドリとこごみを使うところが素晴らしい。わざわざ軽井沢に立ち寄った甲斐があるというものだ。
鮮魚のポワレ
鮮魚はブダイ。付け合わせは肉料理と同じだ。
イチゴとフランボワーズのクレームダンジュ
クレームダンジュは、「フチテイ ア ヴ」で食べて以来のデザートでお気に入りのデザートだ。エブリコのシェフがアレンジしているのは、白樺の樹液、炭酸を使っている点だ。このためかどうかは不明だが、独特のツヤと滑らかさを感じた。やわらかいクリームチーズの風味と、イチゴとフランボワーズの酸味が調和し、満足できるデザートだ。
その他、メレンゲの上に乗った杏のジェラートと、焼菓子の上にクリームを据え、さらにその上にイタドリ、苺を乗せたデザートが同じ一皿に提供された。
杏のジェラートは、当たり前だが杏が主張するもので、かなりの酸味と独特な風味が個性を発揮していた。
デザートにイタドリを使うところが、シェフの創造性を感じさせる。
食後のお飲物
ミントティー、カモミール
ふんだんにキノコを使い、イタドリ、こごみなどの山菜を使い、デザートに白樺の樹液、イタドリを使うなど、さりげなくシェフの個性、創造性を感じさせる素晴らしい料理だった。シェフは軽井沢という地理的特性を理解していて、しっかりと顧客の期待に応えてくれている。
キノコは秋ではなく、梅雨開け後が、一番種類が多くなってベストシーズンのようだ。シェフがキノコについて熱く語ってくれた。シェフの実直な人柄が伝わってきた。やりとりを通じて、ご夫婦のホスピタリティも伝わってきた。
エブリコは、季節に応じて、その時季にあったキノコ、山菜を使った料理を提供してくれるだろう。
軽井沢方面に足を運ぶときは、何度でも訪問したいと感じさせるお店だった。
この後、せっかく軽井沢まで来たということで、急きょ、旧軽井沢メインストリートを散策することにした。
7位
1回
2015/03訪問 2017/07/16
2015年3月3日(火)の夜に訪問
高知出張の夜に「黒尊」を訪問。食べログがなければ出会うことがなかっただろうお店。この日は、夕方から、出かけるのに心が折れそうになるほどの大雨となった。
料理は大将のおまかせ、飲み物はビール500円、それ以外は値段が不明であり、高給取りでなければ不安になってしまうお店だ。
つきだし(二皿)、刺身盛合わせ(二皿)、鰹のたたき(一皿)、ぶりのあら鍋(一鍋)、瓶ビール(一本)、鏡月のお湯割り(一杯)、熱燗(一合)で9,700円
つきだし
ぶりの白子と思われるもの。
刺身盛合わせ
鮃
新鮮な鮃。この鮃に醤油、わさびは不要だ。
鰆の炙り
炙ることで旨味が活性化されている。まさに絶品。完全に当たりだ!
ぶり
刺身にしてはダイナミックな切り方だ。下手なぶりだと痛い目に遭うが、このお店のものは質が高いので、上品なぶりの味しか感じられない。口の中に広がる旨味は格別だ。醤油、わさびをつけるのは惜しいだろう。ぶりといえば氷見が有名だが、高知のぶりも身が締まり脂がのっているようだ。
ぶりの炙り
炙ることで香ばしさが増し、旨味が凝縮されていた。それにしても厚く切られていて、厚みが1センチ以上はあった。
しめ鯖
おそらく土佐清水の鯖だろう。柑橘による風味づけがされていたが、わずかながら臭みを感じた。とは言っても、一般のお店に比べるとはるかにレベルが高いものだ。
これほどまでに見事な刺身盛合わせには滅多にお目にかかることはないだろう。かなりダイナミックな切り方だが、その味は抜群だ。店主が鮮度が高いものを目利きし、それぞれなんらかの手を加えているのだろう。生の魚が苦手な方でも、おそらく刺身の美味しさに気づかされるのではないだろうか。
鰹のたたき
これまたこのお店にふさわしいダイナミックの切り方だ。それぞれ優に1センチを超える。言うまでもなく、鰹は新鮮で臭みは全くない。やや塩が強いように感じた。これだけ見事な鰹なので、それほど塩を振らなくても鰹本来の味だけで十分かもしれない。この時点ですでにお腹がいっぱいになってしまった。
ぶりのあら鍋
魚の旨味をしっかりと吸い込んだ白菜が美味しい。白菜からは魚の旨味と白菜が持つ甘みを感じた。実に美味しいが、すっかりお腹いっぱいになってしまった。
すっかりお腹いっぱいになった。どの料理も満足感があった。特に刺身盛合わせは絶品だった。これだけの刺身盛合わせを食べることができるお店は滅多にない。一品いっぴんの量は少なくてもよいので、たくさんの種類を食べたいものだ。次回は寿司も味わいたい。
高知で高評価を受けている「座屋」がクラスに一人はいる優等生だとすると、「黒尊」は学年に一人いるかいないかの、スポーツや芸術の分野で異彩を放つ生徒のようなものだ。献立、調理技術、料理の味、客とのやりとり、値段設定など店主の個性によるところが大きい。
それにしても、このお店は値段がわからない。それでも料理の内容と値段を考えると妥当なもので決して高いとはいえない。隣の席では、ぶりのあら鍋の後に寿司が出てきて同じくらいの値段だったので、料理はどれだけ食べても値段は変わらずに、ドリンクの量によって値段が上がるのかもしれない。客を満腹にさせるまで食べさせたいという店主の心意気なのだろうか。このあたりは微妙なところで単なる推測ということになる。
食べログがなかったら、おそらく「黒尊」に出会うことはなかっただろう。食べログに感謝したい。
食べログのシステムを考えた方は実に賢い。お店、利用者、レビュアー、運営会社ともに、WIN-WINの関係になっている。特別な事情がなければ、不利益を被るのは不誠実なお店だけだ。評価されるお店は無料で宣伝効果を得られ、利用者は無料で素晴らしいお店の情報を得られ、レビュアーは自己表現の場を与えられ、運営会社はレビュアーの存在によって低コストで運営して利益を得ることができているわけだ。やはり、素晴らしいビジネスモデルとしかいいようがない。
8位
3回
2018/02訪問 2018/03/01
2018年2月27日(火)の夜に訪問
職場の同期と「ラ ペッシュ」を訪問した。上前津駅の近くにあるので利用しやすいお店だ。
ディナーコース4,298円、チャージ料(パン代含む)324円、グラスワイン518円(いずれも税込)を注文した。ディナーコースは、前菜、メイン、デザートが付いているもので、それぞれ複数のメニューから選ぶもの。
前菜
自家製鶏レバーのムース
いきなりガツーンとラペッシュらしさを感じさせるもの。野性味あふれるレバーは、本来的な風味とクセといえる風味との間の微妙なバランスだった。キャラメルソースの甘さがレバーの風味を受け止めて、ワンランク上の味となり、最後まで味わえるものだった。
チコリとブルーチーズ、クルミ、ゆで卵のサラダ
メイン
詰め物をしたうずらのロース肉のロースト
鶉に、臓物(フォアグラだろうか)を詰めたものをローストしたもの
香辛料などを巧みに使ってクセを感じさせず、風味豊かに仕上げたもので、ワインとの相性も最高だった。フランス人は肉料理に精通し、フレンチは肉料理に神髄があるなぁと感じられるもの
ホタテ貝柱のソテー アメリケーヌソース
アメリケーヌソースは、海老の殻と香味野菜を炒め、フュメ・ド・ポアソン(魚の出汁)を加えて煮詰めて、漉し、海老の味噌を加え、再び煮詰めて、生クリームでのばしたもののことらしい。
デザート
濃厚なチョコレートのテリーヌ ヴァニラアイス
思ったほど個性的な料理ではなかったが、チョコレートのテリーヌとヴァニラアイスとの取り合わせを楽しめるデザート
洋梨のタルト
いずれの料理も手の込んだ料理で美味しかった。日本料理とは全く違う感覚の料理で、香辛料の使い方、臓物を使った肉料理などフレンチの神髄を感じさせる料理だった。
ちょっとした居酒屋に行けば、5,000円くらいの料金になることを考えると、「ラ ペッシュ」の技巧を凝らした料理を食べたほうが私にとっては満足度がはるかに高い。
メニューが豊富にあり、また訪問したいと思った。コースとアラカルトはそれほど値段が変わらないので、アラカルトでもよいかもしれない。
2017年9月22日(金)のランチで訪問
この日は人間ドック後の再検査に出かけた。血液検査と尿検査の結果がよくなかったからだ。尿検査は毎年のように所見が出るが、血液検査の数値が悪かったことはない。私は食事には気を使っているほうで、生活習慣病は自己責任と思っており、正直なところ血液検査の結果は意外だった。再検査の結果に問題はなかった。人間ドックの日に体調が悪かったことに原因があり、ウィルスによる炎症で数値が上昇したようだ。実際に人間ドックを受けた日は、体調不良で受診していた。
身体に問題がないことを確認した後、どの店でランチにするか決めることにした。「ル ボル」に電話するもつながらず、「ラ ペッシュ」に電話した。おそらくつながらないだろうと思っていた。営業開始時刻の1時間ほど前だったからだ。しかし、意外なことに電話はつながり予約することができた。これでわかったことは、「ラ ペッシュ」のスタッフは、かなり早い時間から開店のための準備をしているということだ。始業時間ギリギリに出勤する私の部下とはかなり違う。
そんなこんなで、約1年ぶりに「ラ ペッシュ」を訪問した。サワラ アサリ お野菜のオーブン焼き1,188円(税込)を注文した。「岐阜県産豚肩ロースの炭火焼き」が絶対的におススメなのだが、毎回同じでは能がないということで決めたもの。
本日のサラダ
ビーツ、にんじんのラペ、海老、マッシュルーム、トマトのサラダ
ビーツが入ることで一気にフレンチ感が出てくる。海老の鮮度は高く、トマトは甘く、見た目以上の美味しさのサラダだ。
サワラ アサリ お野菜のオーブン焼き
鰆、浅蜊、トマト、ヤングコーン、いんげん、じゃがいも、ブロッコリーのオーブン焼き
どのように味を創り出しているのかは不明だが、とにかくスープが美味しい。野菜に味が染みているのも嬉しい。下手なお店だと、ただ野菜がたくさん乗っているだけの味気ない料理になるだろう。
浅蜊は小ぶりだが質の高いもので、鰆は香草で味を引き立たせていて満足できる味だった。
パン
フォカッチャとフランスパン
飲み物
アイスコーヒー
総じて見た目以上の美味しさの料理で、その味は食材の質の高さと調理技術に支えられていると感じられるものだった。
今回食べたメイン料理は、「岐阜県産豚肩ロースの炭火焼き」の味には及ばないが、このお店の実力を十分に感じられるもので美味しかった。
料理の提供までメニュー表を眺めた。このお店のディナーは税別3,980円であり、ちょっとした居酒屋で飲食するなら、このお店の料理を味わうほうが満足感が高いのではと思った。
2015年9月18日(金)のランチで訪問
出張業務のついでに、「ラ ペッシュ」を訪問した。この日の業務は、特別な記録を閲覧などするものだった。閲覧だけして全ての内容を頭に入れられるはずもなくメモすることになるのだが、膨大な量を相手に時間と闘いながらの作業となった。腱鞘炎になったら労災になるのだろうかというくだらないことが時折り頭に浮かんだ。ミッション達成後、「ラ ペッシュ」に足を運んだ。
本日のランチ1,188円(税込)を注文した。この日のメインは、「真鯛のブイヤベース風」、「ローストチキン」、「岐阜県産豚肩ロースの炭火焼き」、「ハムとチーズを巻いたクレープのグラタン」だったが、「岐阜県産豚肩ロースの炭火焼き」を注文した。「真鯛のブイヤベース風」と迷ったが、昨日、真鯛を食べていたことからチョイスしたもの。後になって、どのメニューも魅力的なものだったということに気づいた。選択肢が多いということはありがたいことだ。
サラダ
自家製なのかどうかは不明だが、一般的なお店のハムよりも質が高いと感じられるものだった。ランチで提供されるハムとしては満足感があった。
岐阜県産豚肩ロースの炭火焼き
ボリューム満点の豚肩ロースの炭火焼き。ドーンとかたまりで出てきたと思われた肉は、実際には切られていた。肉は厚く切ればよいというものではなく適当な厚さががあるだろうが、ちょうど美味しく食べられる厚さだった。赤身の肉で多少かたい部分もあったが、クセのない美味しい肉で、脂身もクセは感じられなかった。肉自体が良質なうえに、炭火で焼かれたことで香ばしさをまとっており、口に入れたときに美味しさがダイレクトに伝わってきた。
ソースがまた美味しかった。作り方は不明だが、旨味、辛味に加えて肉と出会ったことで香ばしさも取り込んだもので、このソースをつけて食べるほうが断然美味しく、意味のある存在感のあるソースだった。
肉にかけられた粉唐辛子、パセリと思われるハーブ、塩、胡椒が、刺激的、麻薬的な風味を加え、肉、ソースとともに複合的な味わいを生み出していた。
付け合わせはマッシュポテトとラタトゥイユ。
マッシュポテトは、バターを練りこまれたと思われるもの。
パン
コーヒー
ボリュームがあるだけでなく、美味しさも伴っている料理だった。画像から想像した味よりもはるかに美味しい料理で、もっと早く訪問すればよかったと悔やまれた。家族や友人を連れてきたいと感じさせるお店だった。この日の「岐阜県産豚肩ロースの炭火焼き」は満足できるものだったが、他のメニューも気になるものばかりで、ぜひ再訪したいと思った。
2016年11月4日(金)のランチで訪問
この日は、区役所で住民票の交付などを受け、その後に銀行口座を開設した。ひと仕事終えた後に、「ラ ペッシュ」を訪問した。
前回も注文したと思いながらも、メインを「岐阜県産豚肩ロースの炭火焼き」にした。
前回のサラダのハムが美味しかったのが印象に残っていて、今回はベーコンだったのが残念だったが、今回のサラダのキャロット・ラペが美味しくて印象に残った。ヨーグルトかなにかを使った酸味のあるドレッシングがとっても美味しかったのだ。
豚肩ロースの炭火焼きは、前回に比べると炭火の香ばしさが乏しく感じられ、もう少し火を通したほうがよいかもしれないと思ったが、相変わらず美味しかった。粉唐辛子などのスパイスが豚肩ロースの美味しさを引き出しているのだろう。何事も回数を重ねるごとに感動は薄れるものだが、豚肩ロースの炭火焼きは2回目のオーダーであり、初めて食べたときほどの感動はなかったが、それでも十分に美味しく感じられた。
食べ始めてから、メニューに「ハムとチーズを巻いたクレープのグラタン」が追加されたようで、最初から用意があれば注文したかったなぁと思った。
9位
1回
2015/06訪問 2017/07/16
本州では馴染みのないモノが多く、函館訪問時は何度でも足を運びたいと感じられるお店
2015年6月25日(木)の夜に訪問
函館での出張業務を終え、金森赤レンガ倉庫を観光した。帰りの便がないので、この日は宿泊することになっていたが、2年前に五稜郭、函館山を観光していたので、特に観光するところもなかった。金森赤レンガ倉庫は、修学旅行の生徒と中国人で溢れていた。海岸に近づくと、ご当地ハンバーガーショップの「ラッキーピエロ」を発見し、修学旅行生に続いてお店の中に入ると、巨大なハンバーガーが設置されていた。なんとなく記念に撮影した。その後、「根ぼっけ」を訪問した。
根ぼっけ刺身890円、活真いか刺身500円、赤皿煮付け820円、幸神めぬき煮付け1,600円、生ビール、レモンサワー、日本酒を注文し、合計6,000円ほどだった。
突き出し
鶏の煮凝り、鶏のつくねなどだが、海鮮のお店なので、せめて海鮮ものにしてもらいたいところだ。
根ぼっけ刺身
店主によると、ほっけの刺身を提供するようになったのは、27年ほど前のことで、このお店が初めてだったらしい。ほっけにいる寄生虫が原因のようだが、店主が工夫したようだ。妹の旦那から、ほっけの刺身は北海道でないとなかなか食べられないと聞いていたので、ぜひ食べたいと思っていた。
甘みのある柔らかい味で、これまで食べた刺身とはいずれも違った。
活真いか刺身
本日2度目の活き真いかの刺身。真いかの内臓も美味しく、間違いのない味だ。
赤皿煮付け
赤皿とは、赤皿貝のことで、ホタテと同じ二枚貝だが、ホタテより小さく旨味が強い。味はホタテの方が上品で、赤皿のほうが無骨な感じだ。
幸神めぬき煮付け
めぬきは、めばるのようなプリプリっとした弾力のある魚で、脂が乗っていてとても美味しかった。相当美味しかったが、量が少なく、値段も1,600円とかなりの高級魚だ。
私は日本酒だけを飲んだが、やはり魚介類には日本酒が合う。突き出しを除けば、どの料理も美味しくて素晴らしかった。隣の客が、焼いた根ほっけ(小)を食べていたが、とても大きくて、その味は想像するだけでヨダレが出そうだった。皮が美味しいと言っていた。輸入の冷凍モノとは比較にならない味だろう。注文すべきだったと悔やまれた。
店主は70歳に近いが、話好きで、(当然と言えばそれまでだが)魚に関する知識は豊富、タブレットを使いこなす感性豊かな方だ。自分が美味しいと思わないモノは客に提供しないというこだわり、信念が伝わってきた。私は、こうした料理人のこだわりが好きだ。せっかく遠くから来て、どこにでもあるようなものは食べたくないからだ。
店主が熱く語ってくれているうちに、そこそこお腹がいっぱいになってしまった。他にも気になる料理はたくさんあったので、再訪したいと強く感じたが、再訪する頃には店主が引退しているかもしれない。店主が引退することになっても、現在の店主のこだわり、心意気を引き継いでもらいたいものだと思った。
10位
1回
2015/10訪問 2017/07/16
2015年10月9日(金)のランチで訪問
この日は出張業務があった。訪問先での滞在時間は約3時間で、移動時間のほうが長いものだった。出張業務のついでに、「グリルくいしん坊 北店」を訪問した。ミックス定食1,400円(税込)を注文した。
ミックス定食
ハンバーグ
ふわっふわで柔らかいハンバーグ。和牛100%使用しているようだ。肉のクセは感じられず美味しかった。
ポテトコロッケ
単なるジャガイモのコロッケなのに、とても美味しかった。ジャガイモの自然な美味しさを再認識した。こんなに美味しいコロッケを食べたのは初めてではないだろうか。デミグラスソースとの相性もバッチリだ。このデミグラスソースが優しい味で主張しすぎることがないので、コロッケの味を上手に引き立て調和していた。
カニコロッケ
カニの風味を十分すぎるほど感じられるもので絶品だ。紅ズワイガニを使っているらしい。
洋食屋で一番期待するものはカニコロッケだが、期待以上の味だった。手間をかけて作られていること、込められた想いが伝わってくるようだ。
おろしヒレカツ
肉の質の高さを感じられるヒレカツ。ひと口サイズなので、もっと欲しいと感じさせるものだ。どの料理も、もう少し食べたいと思わせるサイズで、そうしたところがより美味しく感じさせているのかもしれない。
「グリルくいしん坊 北店」のミックス定食は、絶対的におすすめの一品だ。どの料理も満足できるもので、オールスターのような料理だ。1,400円(税込)という値段が高く感じられない。カニコロッケは文句なしの美味しさだが、単なるポテトコロッケがなぜこんなに美味しいのか秘訣を知りたかった。ハンバーグとからあげ、カニコロッケとからあげが1,060円(税込)であることを考えると、ミックス定食のほうがお値打ちだと思う。2015年のマイベストレストランに入ることは間違いないだろうと思った。
食べログの精度は高く、旅行、出張などで活用すれば、行く先々でより有意義な時間を過ごすことができるものと思われます。 2015年においても、食べログがなければ足を運ばなかっただろう素晴らしいお店にたくさん出会えました。
私の評価基準では味とお値打ち感を重視していますが、その基準だけでは低価格なお店ばかりになってしまうことから、「マイ★ベストレストラン2015」の選定にあたっては、そのとき受けた感動や衝撃を加味して総合的に評価したものです。感動や衝撃はマインドに影響されやすいものであり、旅行、出張などで訪問したお店が多数選定された感は否めませんが、いずれのお店も2015年の私の人生を彩ってくれたことに間違いなく、自信を持っておすすめできるお店ばかりです。