【大阪・西成】庶民派の「洋食」・厳選5店

【大阪・西成】庶民派の「洋食」・厳選5店

文明開化の明治以降、欧米から学んだ西洋料理は、「洋食」としてこの日本で独自の進化を遂げ、百花繚乱の様相を呈しています。 大阪市南部の庶民の街、西成区には洋食の名店が多くあります。庶民派の「洋食」の名店5店を厳選、ここに紹介します。

更新日:2022/07/10 (2018/03/26作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる803の口コミを参考にまとめました。

もはや日本料理の一分野

 西洋料理が発祥ではあるものの、日本で独自に発展した洋食は、とんかつ、カレーライス、コロッケ、カキフライ、エビフライ、オムライスなど、西洋には存在しない料理を生み出したため、これはもう日本料理のひとつとして昇華しています。
 大阪市南部の庶民の街、西成区で、老若男女、誰もが大好きな洋食の数々を、手頃な料金でいただけるお店を厳選して紹介します。

日松亭

和洋食 日松亭

 地下鉄御堂筋線、堺筋線・動物園前駅の2号出入口から地上に出て南方向。飛田本通商店街(動物園前一番街商店街)にある洋食店です。
 メニューはステーキやポークチャップ、トンカツ、ビフカツ、海老フライといった洋食の定番に加え、なぜか肉うどんやきつねうどんも用意されています。なるほど、店頭の看板に「和洋食」と書いてあったが、理由はこれですね。

ノスタルジックな味わいの「ランチ」

和洋食 日松亭

 「ランチ」(1,100円)は、昔懐かしのステンレスのプレートにハンバーグ、小ぶりのオムレツ、ヘレカツ2枚、そして奥には生野菜が盛られています。
 ヘレカツは柔らかい仕上りで、オムレツは周りはしっかり固められているが中はふんわりしています。生野菜はキャベツ、レタス、キュウリ、トマト、ポテトサラダで、マヨネーズが掛けられています。
 ハンバーグは平べったく、しっかり硬めの焼き上がり。下味がしっかり付けられていて重厚な味わいです。甘めに仕上がったデミグラスソースが独創的です。

和洋食 日松亭

 カップのポタージュは実に濃厚で旨い。これは次回訪れるときは単品(350円)でお願いしたいほどです。

南自由軒

南自由軒

 地下鉄御堂筋線、堺筋線・動物園前駅の2号出入口から地上に出て南方向。飛田本通商店街(動物園前一番街商店街)にある洋食店です。

今度こそ「REBORN」した老舗洋食店

南自由軒

 「牛肉のオムライス」・「黒毛和牛の煮込みハンバーグ」・「海老フライ」のセット(1,200円)は、大きな四角いプレートにオムライスと海老フライ、ハンバーグ、サラダが並ぶワンプレート。
 グリーンピースが昭和感を醸すオムライスは、昔ながらの薄焼き玉子でケチャップライスをしっかり巻くタイプ。薄焼きなが ら、内側は少し半熟でとろっとしている。今や主流のふんわりオムライスとは一線を画すコンサバな仕上がりです。
 海老フライは有頭で、カリッと揚げられているので尻尾から頭までほとんど全部いただけます。ニューカレドニア産の「天使の海老」とのこと。

南自由軒

 オムライスとハンバーグには共にデミグラスソースが掛かっています。サラダのミニトマトは湯むきされています。実に丁寧で細やかな仕事だこと。
 ハンバーグは小ぶりなサイズで、牛肉を主体にしているのか、肉汁が溢れてくることはないが、赤身肉の味わいを堪能できます。デミグラスソースは淡い褐色で野菜の甘みを感じさせる軽い風合い。ハンバーグとの相性は抜群です。

日松亭

洋食 日松亭

 阪堺線・今池駅の近く、または南海高野線・萩ノ茶屋駅駅から東へ5分ほど。萩の茶屋商店街を通り抜けて堺筋を渡ってすぐのところにある洋食店です。
 シックなインテリアの店内は、10席足らずのカウンター席と、その奥にテーブル席が1卓あるのみの全13席。うっすらとスタンダードジャズの流れる落ち着いた空間です。

落ち着いた空間でいただける懐かしの洋食メニュー

洋食 日松亭

 ビーフシチュー(1,080円)をお願いすると、先ずサラダとスープがやってきます。サラダはたっぷり盛られていて、レタス、キュウリ、トマトの乗った豪華版。スープはオニオンコンソメです。

洋食 日松亭

 ビーフシチューは熱々の鉄板にたっぷり盛られていて、仕上げにクリームが掛けられています。シズル感あふれるビーフを注意深く口に運ぶと、じっくり煮込まれているんでしょう、お肉がほろっと口の中で解れます。やや酸味のあるデミグラスソースに包まれて、実に上質の味わい。
 お肉のカットはやや小ぶりながら、肉質もいいですね。ガルニはジャガイモとブロッコリー、シャトーにカットされたニンジン、素揚げされたレンコンです。鉄板の中央にでんと居座るジャガイモはほくほくしていて美味しい。レンコンも独特の食感がいい具合です。

Genji[源氏]

Genji[源氏]

 住吉大社から電車通りを北方向にずっと進んだところ、阪堺電車・塚西電停の目の前にある、洋食を主体にしつつも和食や中華の要素を取り入れ、 メディアにも度々登場している有名店です。
 店内はテーブル席、大テーブル席、カウンター席、個室からなる全60席とのことで、カウンターからは調理の様子がが見えるオープンキッチンになっています。

評判の源氏弁当は壮観

Genji[源氏]

 ランチメニューは弁当とコースからなっています。スペシャル弁当(5,000円税別)は14品の料理に、佐賀牛網焼きとアイスクリーム、食後にコーヒーか紅茶が付いています。
 正方形のトレイの上に器がびっしり並び、そこに色とりどり14品のお料理が盛り付けられている…これは壮観です。
 内容はエビのグラタン、豆腐ハンバーグ、海老フライ、白身魚のグリル、生ハムとピクルスといった洋のものから、白エビと南京、大根などの炊合わせ、赤こんにゃくと厚揚げの煮物、ウニととんぶりのすり流しなどの和のもの、そして中華のエビチリもある。
 さらに蕎麦をペペロンチーノ風にしてからすみを和えた和とも洋ともつかない折衷のものまで様々です。どれも量は少しづつだがバラエティー豊かで心躍ります。

Genji[源氏]

 佐賀牛網焼きは後ほど運ばれてきました。
 お肉はおろしポン酢かお塩でいただくようになっていて、こんがり焼いたガーリックも添えられています。肉質は実に柔らかくジューシー、網焼きならではの香ばしさがあっていいですね。

Genji[源氏]

 お造りはマグロやカンパチ、タコなどとともに、イカは糸造りにして胡麻で和えてあったり、サバは酢締めにしたり、サワラは炙ってあったりと、細かく手を尽くしています。

新富士本店

新富士本店

 南海電車・岸里玉出駅の岸里口を出て西に進み、岸里南交差点から国道26号線を渡り、田端公園を過ぎて北に少し進んだところの住宅街の中にあるお店です。
 店内は厨房に面した5席のカウンター席、奥が2卓のテーブル席、そしてその奥にお座敷のある全20席。昭和の風情が漂うレトロな空間になっています。

味も雰囲気も接客も文句なし!

新富士本店

 Bセット(1,150円)は、丸いお皿に中サイズのとんかつとエビフライ、ハンバーグが並び、その奥に生野菜のサラダが盛られています。
 とんかつをひと切れを口に運ぶと、ジュワッと旨味が広がります。柔らかすぎず硬すぎず。肉の旨みは濃厚だが、脂が少ないので軽快な仕上がりになっています。
 カツはきめ細かいパン粉の衣に包まれ、肉の旨味を閉じ込めています。

新富士本店

 エビフライは開きで揚げられていて、衣はサクサク、身は香ばしく揚げ上がっています。こちらもビーフカツと同じく細かいパン粉の衣になっています。
 ハンバーグは実に厚みがある。脂分は少なめながら適度に肉汁が溢れ、肉の旨みを充分に感じるとともに、ナツメグの香味が広がります。

※本記事は、2022/07/10に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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