kennnyさんのマイ★ベストレストラン 2013

kennnyの外食放浪記 since 2009/06

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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正直に言えば年間のベストレストランを投稿するということ自体がけっこうナンセンスだと思うのです。そもそもハレの日に行くレストランを1年間に何回も行くということ自体が異常。また、ジャンルを超えてベスト10というのも意味がないことだと思うのです。

そんな思いもあってこれまでベストレストランを投稿するモチベーションがあまりなかったのですが、とはいっても見ていてレビュアーさんの性格が出るのは確かにおもしろいですね。本当に自分の足と舌で素敵なお店を探すレビュアーさんもいれば、地元の良店を熱心に紹介するレビュアーさん、さらには有名店に行く征服欲・自己顕示欲主眼のレビュアーさんもいたり。

ということで、今年は日本酒を楽しめるお店に限定して投稿してみることにしました。ここ数年、首都圏では日本酒を意欲的に提供するお店が激増していて、しかもお店のタイプもどんどん広がっています。もう地酒を数置けばいいのではなく、地酒をどう提供するか、そこになにかお店のポリシーが入っているかが問われる時代になりつつあります。もちろん、客の側も、お店の姿勢と対等に向き合うことが大前提です。

今回選んだお店は、結果としてここ数年でオープンしたお店がほとんどとなりました。しかも、どちらかというとクセのある、お店との相性は人によってはっきり別れるお店が多いような気がします。もちろん老舗居酒屋や大衆酒場も大好きですが、またの機会に選んでみたいと思います。また、まだまだ足を運んでいない素晴らしいお店がたくさんあることは百も承知ですが、みなさまがよいお店に出会い、ますますよい日本酒に酔うための参考になりますように。

PS 今回10という数制限ゆえ入りませんでしたが、20軒であればあげてたたであろうお店を付け加えておきます。

・やまだや(築地) http://tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13007651/dtlrvwlst/5012467/
・居酒屋純ちゃん(四谷三丁目) http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13143650/dtlrvwlst/4849345/
・和創作 太(目黒) http://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13034770/dtlrvwlst/4812485/
・件(学芸大学) http://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13025213/dtlrvwlst/5717668/
・一東庵(東十条) http://tabelog.com/tokyo/A1323/A132304/13143622/dtlrvwlst/5102307/
・にほん酒や(吉祥寺) http://tabelog.com/tokyo/A1320/A132001/13107739/dtlrvwlst/4644859/
・ラコタ(吉祥寺) http://tabelog.com/tokyo/A1320/A132001/13113814/dtlrvwlst/4394906/
・なごみや佳辰(東久留米) http://tabelog.com/tokyo/A1328/A132802/13116186/dtlrvwlst/5633295/
・びじゃぽん(野毛) http://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140102/14049406/dtlrvwlst/5084737/
・蕎麦切りさいとう(伊奈) http://tabelog.com/saitama/A1104/A110402/11003173/dtlrvwlst/3105451/

あと欄外枠として今年行ってなかったり、閉店したり、諸事情のあるお店が以下。(これから年内に訪れる予定のあるお店もあったりして)
・オール・ザット・ジャズ(四谷三丁目) http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13104523/dtlrvwlst/1616788/
・天★(東高円寺) http://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13043236/dtlrvwlst/3966481/
・おおはま(阿佐ヶ谷)閉店 http://tabelog.com/tokyo/A1319/A131905/13121048/dtlrvwlst/2946350/
・おがわ(浦和) http://tabelog.com/saitama/A1101/A110102/11028872/dtlrvwlst/3797759/
・八咫(名古屋・栄) http://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23043882/dtlrvwlst/5460383/

つか、我ながらよく飲みに行ってるよな、こんなに。。(爆)

マイ★ベストレストラン

1位

まにわ (阿佐ケ谷、南阿佐ケ谷 / 日本料理、居酒屋、日本酒バー)

1回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2013/04訪問 2013/12/26

再々訪 本当は内緒にしておきたいお店

その後も2度ほどおじゃましています。
もっとお値段の張るお店には素材の質ではかなわないところがありますが
それでもこのお値段を守ってベストを尽くそうという心意気があります。

こちらのビールは、デフォルトがサッポロの黒ラベル。
今回、同行者が「私も(ビールでは)これが好き」と言ったところ、
女性主人さんも「私もです」とおっしゃいました。(もちろん私も)

呑兵衛には赤星派がけっこう多いと思うのですが、
その一方黒ラベル派は量をこなす派が多い気がします。
黒ラベルは質実剛健、美味しいけれど主張が強すぎず
どんな料理にもあっていくらでも飲めてしまう・飲み飽きしない。。

日本酒もいろいろな傾向のものを揃えているけれど
やはり私の好みとかなり近かったりします。
どうやら、私がこのお店に足がむくのは、店主のそのあたりの
センスに共感を覚えているから、かもしれません。

相変わらず予約はなかなかとれませんが、またおじゃまします。
★4.5から4.7に修正。


以下2012/4のレビュー>>>>>>

1年ぶりに再訪。もっと早く訪れるつもりが、予約がとれなくなってしまいました(泣)

今回も、料理は税別3,000円のコースを。このコース、お値段を考えたらすごいコストパフォーマンスです。そりゃ、料亭の味ではないし、寿司屋の味でも無いけれど、限られたコストの中で旬の食材を使い精一杯のものを提供されようとする女将さんの心意気であふれています。どの料理にも(野暮な言い方ですけど)愛情がこもっています。

今回は酒友4人で訪れましたが、4人のコミュニケーションを遮ることなく、でも時折そのコミュニケーションにすっと入ってくるその距離感も素敵。気がつけば隣のお客さんたちとも話が盛り上がり、女将さんはそれを手を休めずにニコニコと見守ってたりして。これはこのお店のこじんまりとした規模だからこそ可能な空気。

コースのお鍋にご飯を追加した雑炊を平らげれば、お腹もいっぱいです。今回も女将さんセレクトの趣味の良い日本酒をたっぷりいただき、すっかりいい心地。ごちそうさまでした。また必ずお邪魔します。お付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。前回は人気が出過ぎないよう★4にしましたが、今回は★4.5で。


以下2011/3のレビュー

阿佐ヶ谷駅北口「まにわ」で4人でゆっくり料理とお酒を楽しみました。料理もお酒もなかなかという美人女将のお店、という噂はしばらく前から聞いてましたが、今回お誘いをいただき訪れることができました。

カウンター8席だけの小さなお店で、料理は基本的に税別3,000円のコースのみ、追加で締めのご飯ものをお願いできます。料理内容は書かれていて、最初にダメなものはないか聞いてくれるので安心。お酒はビールの他、日本酒が10種類ほど、焼酎など。いたずらに数をそろえるのではなく、またただ有名銘柄を揃えるのでもなく、味のバラエティを考慮しながらのラインナップで、店主のセンスの良さがうかがえます(後で直接話をうかがいましたが、お酒をよく勉強されているようです)。もちろん、お燗も対応してくれますし、半合からのオーダも対応してくれます。

まずはビールで乾杯。先付、早速日本酒にスイッチ。おちょこを選ばせてくれるのもうれしいなぁ。お造りは入荷が少なかったらしくて替りに生湯葉が添えられていました。個人的には生湯葉は大好きなので嬉しかった!。焼きもの、煮物、揚げ物。。どれも、控えめだけれどきちんと取られた出汁がベースがベースになっています。味つけは薄めで素材の良さを感じさせるものでした。季節の素材を使いながら、新ジャガのコロッケなんて和風らしからぬ料理も(これ、とても美味しかった)。最後の自家製ぬか漬けまで美味しくいただきました。店主が一人ですべてを仕切られているので、料理が出てくるタイミングは少し遅めですが、その分ゆっくり話がはずみます。

女将さんの、心遣いと節度のある接客で、雰囲気も居心地もいいですね。あまり人気店になってしまうと予約が取りづらくなっちゃう(おしかけないでほしい)けど、お値段も良心的ですし、また訪れたいと思います。ごちそうさまでした。

  • '11/3訪問時
  • '11/3訪問時
  • '11/3訪問時

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2位

ら すとらあだ (中野坂上、中野新橋、西新宿五丁目 / そば)

2回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 ¥1,000~¥1,999

2017/02訪問 2017/03/06

(2015/12追記)看板なし、メニューなし。これ以上混んでほしくない、というのが正直な処。

今年も数度おじゃましましたが、かなりの確率でお店で知り合いに遭遇します。
そんなに広いお店じゃないのに。(笑)

基本、メニューはないお店ですが、おじゃまするたびに店主さんが食材と格闘する姿があり
何気ない料理の背景にもいろいろなものが見えてきます。
蕎麦であれば幅広の麺であったり、熟成の粉であったり、その時々で変わる産地の粉だったり。
正解のない世界をあれやこれや試行錯誤されながらも、
店主さんの謙虚さと遊び心は常に保たれています。

こちらのお店でよく感じるのは、料理っていろいろな人の信頼関係の上に成り立ってるんだなぁ、と。
食材の生産者、器の作り手、同業異業の方々の横のつながり、そしてもちろんお客さんとの信頼関係。

お客さんでもよく信頼関係を築こうともせず頭ごなしな方もいらっしゃいますけど
(腹いせで食べログに悪口書く方とか、ね。あ、こちらのお店のハナシではありませんが。。)
横から一人の客として見ていてみっともないなぁ、と思うこともしばしば。
私はああはならないようにしようっと。

来年も、また美味しいお蕎麦をいただきにうかがいます。

写真追加、使った金額修正。


以下2013/12のレビュー>>>>>>>>

引き続き定期的におじゃましています。
玄関の上に小さなサインが出来ましたが、ぱっと見は民家という外観は相変わらず。

最近は主に摩周、益子、茨城、新潟、富山、大分などのお蕎麦を打ち分けられ、
一度挽き、三度挽きなど自在な打ち方をされています。

また日本酒の蔵元を招いた会や異業種店(たとえばワインバー)とのコラボなど
いろいろな企画をたてられいます。お店にはよく飲食店の方がいらっしゃってることも多く
同席した方の話を聞かせてもらうのもまた楽しいです。

不定期なお休みも多い点にはご注意。一般的な蕎麦屋さん、飲食店とは勝手が違う
個性的なお店なので、飲食店はこうあるべき、という考えが強い方には向かないことを
ご留意いただいたほうがいいかと思います。


以下2012/12のレビュー>>>>>>>>

以下レビュー後、昼は十数回、夜2回再訪。
とてもていねいでマイペースなご主人ゆえ、万人向けのお店ではないかと思います。
(スピード=サービスと言う方には間違いなく向かないでしょう)
しかし、打たれたお蕎麦のレベルはいつも高く、期待を外しません。
いや、それどころかますます進化している気がします。
訪れる度に産地の異なる蕎麦を扱われ、日々格闘されながらおいしいお蕎麦を打たれてる様子が伝わってきます。
蕎麦前として供される料理も、いわゆるお蕎麦屋さんのそれとはちょっとベクトルの違うものが多くユニーク。
器もさりげなくなかなか凝ったものを使われています。

7人で満員の小さなスペースゆえ、これ以上混んでほしくない、というのが正直なところ。
また来年も通わせていただきます。
評価を4.0→4.6に修正。


以下は2012/6の開店早々のレビュー ------

中野坂上駅から青梅街道を荻窪方向へ、ガソリンスタンドの角を左へ入り2つ目の小路を右に入ってすぐ右「ら すとらあだ」もり850円をずずずずっっっっ。

時々ランチタイムウォーキングで通りかかる小路に、なにやらお店ができたらしいと気づいたのは10日ほど前。しかしお祝いの花と人の出入りは見えたものの、看板も出ておらず躊躇してまいしたが、ご近所の方からお蕎麦屋さんと教えていただき、お昼に訪れてみました。扉は民家のそれそのもの、開けて「こんにちはー」と声をかけると、よかった、やっぱりお店だ(堵)。靴を脱いで上がると、厨房側にカウンター席が3つ、あとは卓席があります。

ご主人は30代でしょうか、竹鶴小笹屋の前掛けをされ「すみませんがメニューはないんですよ」とおっしゃいます。この日の蕎麦は最上早生の粗挽きの二八150g、850円とのこと(蕎麦の産地はどんどん変えていくとのこと)。粗挽き好きなので思わずニコニコしてしまいました。オーダーすると先に水と蕎麦汁と猪口、そして目の前で剥いて摩り下ろされた本わさびが出されます。白い猪口や器に鮮緑の山葵が映えて綺麗。水は球形の上品なグラスで、しかも水道水ではなく別のところから汲まれてたもの、、あの水も気になるナ。

カウンター席からは厨房が丸見えで、ご主人の作業を眺めることができます。茹で上げられてから盛りつけられるまでが特にていねいですね。蕎麦は笊ではなく器に盛られますが、水切りがしっかりとできているので器に水がたまることもありません。パフォーマンス的に豪快な水切りをするラーメン屋さんとは正反対、実に理に適った作業です。

さて、蕎麦は粗挽き手打ちでこの日はやや太め。そばの種類などで切り分けられてるようですが、現在の自家製粉の関係でこういった蕎麦になることが多いそうです。大きめのホシが目立ち少し短めですが、力強い香りと上品な甘さがあります。麺線はゴツゴツとワイルド。汁はかえしが効いていて蕎麦の力強さをきちんと受け止めるけど、けして邪魔をせず後を引きません。ザラリと喉を落ちていった後に、鼻に抜けていく香りの心地よいこと。あっという間に完食。そば湯は、茹で湯そのもので(実際茹で湯とおっしゃって提供されてたような→訂正 釜湯 とおっしゃってます)ほぼ無色透明、サラリとして後口よし。個人的にはトロリ系よりもこういうそば湯のほうが好き。

いかにも民家を改装したような雰囲気で、吟八亭やざ和竹やぶ柏本店眠庵など数々の名店で修行されたというご主人はニコニコと物腰柔らか。堅苦しい雰囲気はないけど、お話をうかがってるといろいろとこだわられてるのがわかります。昼夜同じメニューだそうで、すなわち昼酒もOKなわけですが、サラリーマン的にそこは我慢。しかし、奥にいろいろ美味しそうな一升瓶が見えるんですよね。銘柄も冷/常温/燗とご主人のセレクトはなかなかツボなものが多いようですし、これは近々夜にゆっくり訪れていろいろお話をうかがわなければ。(お酒のアテに小鉢メニューがいくつかあるようですし)。ごちそうさまでした。

ちなみに店名の「ら・すとらあだ」は、現時点ではお店の外にも中にもどこにも書かれてませんでした。イタリア語で「道」の意味ですが、フェデリコ・フェリーニ監督の同名の映画を連想させます。この店名の由来も今度聞かなきゃ。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • もり 150g(この日は最上早生)

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3位

宇木央 (新橋、内幸町、汐留 / 日本酒バー)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2013/06訪問 2013/12/25

純米無濾過生酒をお燗で楽む

再訪。某所でそこそこ飲んでから、2軒目で訪問。

前回はガラガラでしたが、この日はカウンターはほぼ満席。ただし遅めの時間だったのでだんだんお客さんは少なくなっていきました。
酒肴のレベル、お酒の揃え、そして提供方法は相変わらず。

店主さん一人でお店を回しているので、お客さんとの距離感で勝負するお店ではありません。
でも、空いているタイミングで、店主さんのお話を聴くのもまた楽しいんですよね。
日本酒メインのお店というと、なんだか妙に堅苦しかったりヘンにこだわりばかりが
先行するお店も少なくありませんが、こちらは大丈夫。日本酒に詳しくなくても
店主さんに相談すればきっと美味しいお酒をいただけるでしょう。
ただ、比較的個性の強いお酒が多いので、あっさりしたお酒が好みという方にはあわないかも(笑)

ごちそうさまでした。またおじゃまします。


以下、2012/5のレビュー>>>>>>>>

新橋駅烏森口を出てニュー新橋ビルの裏手、有名な居酒屋大露路の2階「宇木央」で日本酒を愉しみました。

帰宅難民の日第3弾(苦笑)、腰を落ち着けて呑もうと思いこちらのお店へ。大露路を出てそのまま2階へ向かいます。天候が災いしてか、先客は一人。カウンターに座り、メニューを眺めます。カウンターの中のリーチインがのぞけないのがちょっと残念(苦笑)。

メニューを拝見すると日本酒の揃えが個性的。ほとんどのお酒は無濾過生原酒、味わいのしっかりしたものを中心に揃えられています。酒徒庵のように何百とお酒を並べるより、こういうポリシーのある揃えのほうが私は好きだな。何をいただこうかと考えていると、30代後半くらいと思われるご主人が「最初は軽めのものをいかがですか」と高知のアリサワ酒造の鏡野を勧めてくれました。さらに「お造りを盛り合わせましょうか」とのプロポーザルを受けてお願いすることにしました。

実際、いただいた鏡野は無濾過生原酒だけあって味わいはしっかりしてるものの、いかにも高知らしいさらりとした飲みやすいもの。うん、こういう勧められ方をすると嬉しくなっちゃいますね。お通しのサヨリと菜の花の炊合せをいただき、お造りの登場。毎朝築地で仕入れられているという魚の鮮度もいいですが、ご主人の包丁もなかなかの腕と拝察、ひとつひとつきちんと包丁仕事が入っています。サワラの皮が炙られていて、香ばしさが楽しい。すっかり気分も良くなり、先客さんやあとからいらっしゃった方とも話をしながら、和やかな空気が流れていきます。

続いて岡山の山間のお蔵が醸す克正を。山廃と生酛、それぞれをお燗でいただきました。最初に常温の状態で一口、それから燗をつけてくれますが、この提供方法は錦糸町の井のなかと同じですね。お燗をつければ味がぐっと開き、豊かな味わいに思わず顔がほころびます。同じ銘柄でも作りが違うとこれだけ差が出るというのがよくわかります。いろいろと目から鱗。アテに何か、と尋ねると、自信作らしいじゃがいもの酒粕クリームチーズ和えを。酒粕といっても酒臭さは皆無、ごく軽いねっとり感のあるポテトサラダのような食感で、これは癖になります。作り方教わりたい。。

日本酒主体のお店ですが、ご主人のお人柄か、とても和やかな雰囲気。お客さんも品のよい方ばかりですし(居合わせた他のお客さんとも話が弾んでしまいました)、女性一人で訪れても大丈夫。新橋は行ってみたいお店が沢山ありすぎるのですが、こちらのお店はまた足を運んでみたいと思わせるものがありました。ごちそうさまでした。

  • お通し(サヨリと菜の花)
  • お造り

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4位

ポコ ア ポコ (荻窪 / ダイニングバー、日本酒バー)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2013/08訪問 2013/12/25

家にお招きされたような隠れ家バル

その後3度ほど訪問。お店の基本スタンスは変わらず、落ち着いて寛げる雰囲気は相変わらずです。

ふらりと寄って2、3品と一杯ではなく、一軒でゆっくり腰を落ち着けるというお店なので
人によって相性がはっきりわかれるかもしれません。
一度顔なじみになるとどんどんおもしろさが増す、とも言えます。

相変わらず日本酒の揃えもなかなかおもしろいですし、国産のワインも置かれています。
料理も基本スタンスは変わらないものの、新しいものにもどんどんチャレンジされている様子。

個人的なこちらのお店の難点は、ついつい飲み過ぎること。
気が付くとあっという間に23時近くになってしまってること。
またおじゃまします。

★4.0→4.2に上方修正。


以下 2011/8のレビュー >>>>>>>>

荻窪駅から青梅街道を西へ、杉並公会堂のほぼ向かいにある小路を入ってすぐ左側のビル1階、今月(2011年8月)開店したばかりの「小料理バル poco a poco」で美味しいお酒と料理を楽しませていただきました。

お店は青梅街道沿いではなく小路を少し入る上、表に看板が出ていないのでわかりづらいです。たいていの場所は地図を頼りにたどり着くことができると自負してる私ですが、ここはちょっと迷いました。阿佐ヶ谷に移転された鮨「なんば」があったところ、といえばわかる人にはわかるでしょうか。そのまま居抜きで入られたとのことで、なるほどよく見るとお寿司屋さんの雰囲気もわずかに残っていますが、内装にはかなり手を入れられていて(相当ご苦労されたよう)、和風でもあり洋風でもあり。ちょっと隠れ家のようです。カウンターの中では、女性店主のカンザワさんと自称?バイトのイタバシ氏のお二人が切り盛り。カンザワさんが料理で一生懸命の間は、イタバシ氏が気さくにおしゃべりの相手をしてくれたり、気がつけば他のお客さんとも会話が弾んでたり、いい雰囲気です。

訪れた時点では、料理は基本的に3,500円(だったかな?)のコースのみ。刺身(しめ鯖、カツオのづけ)・ウドきんぴら・ほうれん草のナムルを盛り合わせた一皿から始まり、キッシュ、イカ耳、豚と夏野菜のソテー(名前は勝手につけました^^;)、内容は日替わりのようです。どの料理もどこかちょっと気が効かせてあって、酒呑みのツボをうまく押さえられているものばかり。

店主のカンザワさんは、元利き酒師・酒匠、某レディスコミック誌に連載されたコミックの日本酒監修をされたりという経歴をお持ちの方。この規模のお店にしては大きすぎる、と自嘲されていた一升瓶のリーチインの前に座ってしまったこともあって、日本酒好きの同行者たちと冷蔵庫を眺めることしきり。しっかりした味わいのお酒が中心ですが、レアなお酒も少なからずあり、黒松仙醸「こんな夜に」に始まり、来福のX、奥播磨のダブルXなどいろいろといただいてしまいました。ちょっと洒落たガラスのグラスでいただきます。もちろんお燗も対応いただけるので、七本槍をツイーっと。(こんなに呑み過ぎなきゃお値段はもう少し安く上がるはず。。^^; )

堅苦しいことを考えず、カンザワさんとイタバシ氏の家にお招きされて呑んでいるように気楽に構えられるのがいいです。〆の「大人の辛口ビーフカレー」はサイズを選べ、アルコールが回った体を心地良い辛さがシャキッと刺激、ほろ酔いくらいでお店を出ることになります。お店の外までお見送りいただきました。

まだ開店早々で、これからいろいろと成長し変わっていくかもしれませんが、とても居心地よく結局3時間半もゆっくりしてしまいました。こういうお店は人によって相性の良し悪しがかなり出るような気もしますが、私はまたぜひうかがいたいです。ごちそうさまでした。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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5位

日本酒BAR 希紡庵 (池袋、要町 / 日本酒バー、海鮮)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2013/09訪問 2013/09/14

祝移転再開。相変わらず日本酒のラインナップがすてき。

2013/9/7より西口に移転して営業を再開されたと聞いて、早々におじゃましました。説明しづらい場所ですが、駅から歩いて4、5分、ラーメンの中本の道を入っていって、フォー・ベトの入ったビルの6階。雑居ビル、フロアの隣はガールズバーなのでお間違いなく。

東口時代は地下だったこともあり、ちょっと閉塞感もありましたが、ビルの上階だからか開放感もあり、カウンター席に加えてテーブル席もできました。ただ、やはりこちらのお店ではカウンター席で、若いご主人にお酒のセレクトをお任せするのが一番楽しそう。

メニューやお酒の揃えも基本的には東口時代から変わりません(下のレビューを参照)が、厨房が若干広くなって酒肴も少し増えたかな? まずはお通しの小松菜と油揚げの煮浸しと上喜元の純米大吟醸のにごりと組み合わせで。シャキシャキした歯ざわりにホッとします。メニューに焼き貝3種類があったので、この中からほっき貝の酒盗焼きを。これには播州一献のひやおろし・無濾過原酒で。貝に酒盗の塩分は少々高め、これにはキレイな酒では負けてしまうので、と山口・永山酒造の男山で。これがピタリ、こういう組み合わせが可能なのはこのお店ならでは。

隣のお客さん(や店員さん)と、お酒やイベントなどの話をはさみつつ、2、3杯美味しいお酒をいただいたり。ふらりと気楽に行きたいお店、またおじゃまします。


以下2013/2のレビュー「直球勝負も変化球も、マスターのセレクトは自由自在」>>>>

池袋駅東口を左へ、東池袋一丁目の信号を右手に戻るように、ビルの地下1階「希紡庵」日本酒をツツーっと。

開店早々にこちらのお店の噂は聞いていましたが、なかなか訪れる機会がなく、また偶然時間が空いても満員だったり、と訪問しそこねてました。それだけ人気店でわずか7席は満員のことが多いのです。めずらしく予定が立てられたので予約しておじゃましました。

カウンター席だけのお店は日本酒バーと言っていいと思いますが、照明はかなり明るめ。白い壁にはいろいろな酒造メーカーの前掛けが飾られています。この日はマスターと女性の二人でお店を切り盛りされていました。とりビーも捨てがたいのですが、せっかくなので最初から日本酒を。リストはぞろぞろとすごい数の銘柄が書かれていて読み切れないほどですが、よく見れば店主のポリシーが貫かれた選択であることがわかります。しかも一つの銘柄でも複数のスペックのものが用意されていたり、かなりマニアック。レギュラーのお酒の他に新しく入荷したお酒というリストもあったりして、この日は天野酒の8号あらばしりがありこれでスタート。あとで見回したら、店内のお客さん、ほとんどこれを飲まれてました。冷酒は半合か1合、お燗は1合が原則、値段が高くなるものは60mlでの提供との工夫をされてます。

この日のお通しの粕汁スープをいただきながら食事のメニューを眺めます。種類はあまり多くはないけれど、日本酒向きのものが揃ってますね。調理スペースがごく狭いので(しかもほぼ丸見えだし)、あまり凝った料理はありませんが、まあバーですし。お店としては岩手の佐助豚、山形の蒼生舎の無添加ハムやソーセージなどがウリのようですが、まずは横浜みやぎや特選豆腐の冷奴でつつきます。荒ばしりのような風味の強いお酒と淡白な豆腐は合わせにくいのですが、この豆腐は味わいに底力があって負けてませんね。

二杯目はお燗で栃木は大田原の山奥で醸されている旭興のたまかを。隣で一人でお酒を楽しまれていたお客さんとお酒や食べ物の話をしながら、のんびりいただきます。やっぱり豆腐にはこういう燗酒の方があうかな。せっかくなのでもう1品、佐助豚のハンバーグという変化球をいただくことにしましょう。その場でマスターが手でこねて整形され、焼きに入ります。これに合わせるお酒ということで、オススメいただいたのがあずまみねの純米吟醸・美山錦、なるほどこれは岩手つながり。このセレクトはすてき。肉汁の甘さと美山錦の酸味が効いた旨酒との組み合わせ、美味しくいただきました。

他のお客さんも、マスターと相談しながらお酒を選んでもらう方が多かったようです。忙しかったからか、マスターは自ら積極的に話に加わったりということはなかったものの、何か尋ねれば的確な答えがきちんと返ってきます。お客さんは男性、女性半々くらい。女性一人のお客さんもいらっしゃいますね。予約の電話も入りますし、ひっきりなしに扉が開いてお客さんの出入りがあります。やはり予約は必須、また来る時もちゃんと事前に電話を入れよう。。ごちそうさまでした。

  • お通し
  • ほっき貝酒盗焼き
  • 横浜みやぎや 特選豆腐の冷奴
  • 佐助豚のハンバーグ

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6位

酒坊主 (代々木公園、代々木八幡、代々木上原 / 居酒屋)

3回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥4,000~¥4,999 -

2017/02訪問 2017/03/06

(2015/12追記)変態的な日本酒にあわせる想像を超えた酒肴たち

その後も時々おじゃましてますが、相変わらず不思議な料理がよく並びます。

たとえば。

 ・苺と黒豆のフムス
 ・イワシ、キウイと水ナスの皿
 ・トムカーガイ
 ・レンコンのアリオリ
 ・長芋とピータンの腐乳ダレ
 ・仔羊豆腐

(料理は基本日替わりなので、どんな料理はあるかはその日次第)

和洋中エスニックと自在な組み合わせ。本場の味そのものを持ってくるのではなく
あくまで味のしっかりした日本酒にあわせる前提の味になっています。
そして、時には日本酒とチョコレートのマリアージュなんて体験も。

目をしかめる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、おもしろそーと飛び込んでみて、その味わいに驚き、
より発想を豊かにするほうが人生ずっと楽しくなるんじゃないかしら。

日本酒、古酒やにごり酒の燗は、最近それなりにいろいろなお店で提供されてますが
燗酒が多様な料理に合わせられることを実感できるという点において
酒坊主さんは一日の長があります。
こういうお店にありがちなストイックさもなく、でもきちんとスジの通った雰囲気もすてき。

またおじゃまします。

★4.2から4.5に変更。


以下2013/12のレビュー>>>>>>>>>>

かなり個人的にツボだったので、早速再訪しました。

目立たない場所にあるのに、遠くから駆けつける日本酒マニアはもちろん
近所の方がちらほらといらっしゃってますね。
カウンターの中は、坊主さん一人の時と、女性のCさんが入る時とありますが、
坊主さん一人の時はのんびり構えましょう。

再訪の時には、白子の炙りラムのハンバーグ仕立て牡蠣と大根のたいたん
などをつつきながら、悦凱陣他を常温や燗でちびりちびり。なかなか大胆な酒肴類ですが
これが燗酒にピタリとあっちゃいます。このあたりが、坊主さんのセンスのすごいところ。
そして、隣のお客さんと、お互いのお皿を見比べながら話に花が咲いたり、と、和やかです。

締めのカレー、この日は砂肝のカレー。燗酒のあとのカレーって、なんでこんなに美味しいんでしょうね。
またおじゃまします。ごちそうさまでした。


以下2013/10のレビュー>>>>>>>>>>

井の頭通りの代々木公園交番前と富ヶ谷の間、通り沿いの南側のビル2階「酒坊主」カウンター席でゆっくり日本酒を。

吉祥寺のにほん酒やの料理スタッフだった坊主さん(通称)が独立してお店を出したと聞き、早速おじゃましてきました。表にあまり目立った看板もなく、大通り沿いですが初めてのときはちょっと迷うかも。平日21時過ぎ、お店の扉を開けると先客なし(後から2組ほど)。ゆったりとしたスペースに、カウンター席とテーブル卓、ニコニコ顔の坊主さんと女性スタッフのCさんがいらっしゃいます。

クラフトビールと日本酒のお店、とおっしゃるとおり、アルコールはそれだけ(多分)。志賀高原ビールサンクトガーレンベアードなどの国産実力クラフトビールも置いてありますが、どれも最近飲んだばかりなのでまずはブリュードッグのIPAを飲みながら、しげしげとメニューを眺めます。日本酒の揃えがヘンタイですね(超褒め言葉)。もちろんマニアでない普通の人にも美味しいお酒。お酒の棚には悦凱陣のスペック違いの一升瓶がズラリ。。壮観です。他にも、日置桜睡龍など、その手のお酒が好きな人にはたまらないセレクトで、一つの銘柄で複数のスペックを揃えているのは当たり前、米の違いや醸造年度の違いなど、マニアックなラインナップです(あとで「日置桜の強力」と言ったら、ずらりと一升瓶が並んで壮観でした-写真参照)。基本150ccでの提供とのこと、酒器には京都の今宵堂さんのものを使われてるのが、個人的には嬉しいなぁ(私も家で愛用しています)。

いただいたのは、ひたし豆鹿のタルタル、そしてこの日たまたま入荷していた猪のホーデンなど。鹿も猪も、癖はないけれど旨みはあり、しっかりした味の酒の燗にぴったりです。2009年に廃業したとあるお蔵の古酒をいただいたり。もちろん最近の実力あるお蔵のお酒もありますし、そのあたりのセレクトは自由自在。

〆に坊主のカレーをいただいてごちそうさま。このカレーもクミンやマスタードシードなどが効いたなかなか本格的なもの。ちゃんと人数分に小分けして提供してくれるのも親切。いやー、気に入りました。家からは微妙に行きにくい(というか帰りにくい)場所なのですが、これはちょくちょく行きたいな。ごちそうさまでした。

  • 秋刀魚のテリーヌ
  • 山芋のポテサラ
  • 温かい仔羊のカルパッチョ

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7位

大塚 みや穂 (大塚、大塚駅前、向原 / 居酒屋、海鮮、ラーメン)

1回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2013/02訪問 2013/06/28

料理と日本酒、バランスに感服

大塚駅南口、都電沿いに進み天祖神社の裏手「大塚みや穂」楽しいメンバーで美味しいお酒。

もともと三業地だった大塚は、今でも大小の飲食店がひしめきます。しかも、なぜか日本酒のお店が集まっているのは偶然か必然か。こちらのお店の噂も以前から聞いていましたが、なかなか伺うチャンスがなく、お誘いいただきようやく訪れる機会を得ました。ありがたやありがたや。(しかも美女揃い♪)

今回は6人での訪問、予約でこの人数の場合コースになるとのこと。メンバーが揃って、いきなり日本酒からスタート。お酒は基本的にお任せで、まずは秋田の両関酒造が醸す新ブランドの花邑から。ピンク色のラベルが華やかですが、重さを感じさせず軽く甘味のある一杯、楽しい宴のスタートにぴったりです。数年前までは秋田というと大手蔵の昔ながらの造りのお酒がほとんどでしたが、ここ数年で状況は激変してますね。この花邑あたりはその最たる一本。

まずはサラダ、「最初に野菜」主義としては思わず顔がほころびます。静岡から有機野菜を取り寄せられてるとのこと、クレソン、チンゲンなばな、紅蕪、赤高菜、かつお菜、サラダほうれん草、カラーニンジン、、名前のわからないものもたくさん。野菜好きとしては大満足の一品。いや正しくは満足ではなく、もう一皿いただいてしまいたい。。

刺身の盛り合わせは、甘海老、中トロ、ダルマイカ、クジラ、サゴチ、ホタテ、それに白子ポン酢。サゴチとホタテはテーブルに運ばれてきてからバーナーでゴーーッと炙ったりと、演出も楽しいです。2種類の醤油、塩、それにスダチでいただきます。ダルマイカの柔らかくもねっとりとした旨みや、動物性の複雑な旨味を持ちながら全く臭みがいクジラが特に印象に残りました。

蛤のお吸いものは早春の幸。堂々ぷっくりと旨みをたたえた貝と、その旨味をしっかり吸い出したお汁がなんとも言えません。続いて焼き空豆大人のポテサラ筋子の酒肴三点盛りは鉄壁の酒肴シリーズ。ちょうど空豆が出回りだしたタイミング、ほっこりとはかない青臭さが楽しい。大人のポテサラ、なるほどポイントは塩昆布ですか(あとで家でも真似して作ってみたりして)。ねっとりと舌にまとわりつく筋子の旨みは大根おろしでやさしく流され、その余韻でお酒の味わいが膨らみます。

そして名物料理のカツオのカツレツ・特製タルタルソース。サクごとフライにして揚げてしまったもので、中心部がほんのりとレア。幹事さんの話だと今回はかなり火が通ってるとのことですが、個人的にはこれくらいがちょうどよいです。純米の力強いお酒たちならこの揚げものともナイスタッグ、お酒のペースが落ちるどころか進んでしまって困っちゃう。

蟹の炊き込みご飯をいただくころには、満腹のメンバーも少なからず。でもわずかの生姜で味がしっかり整えられていて、私はしっかり食べました(^^;デザートにアイスクリームの古酒がけ。白いアイスクリームにすっかり茶色くなった王録の17年古酒「琥珀のしずく」をたら〜りと垂らすと、寝かされていた芳香がふわりと舞います。最近では銘酒居酒屋のメニューでも見かけるようになりましたが、日本酒のお蔵では随分前からデザートとして食べられていたこのいただき方、〆に文句なしの美味しさですね。

いただいたお酒は花邑・純米、結人武勇・純米、七本槍(純米渡船)、長珍・ささにごり生、日置桜・純米生原酒初しぼり、亀泉鏡野、をいただいたと記録にあります(他にもあったはず 汗)。メンバーが多かったこともあり、エキセントリックなものよりは比較的バランスがよく酸味や華やかさが明確なものを主体に、それでも時々カーブやシュートの変化球という構成。店長さんはメンバーの反応を見ながら次の一本をセレクトされてるのでしょう、こちらのお店の定番の結人や亀泉を交えつつ、最後に鏡野と綺麗にまとめられたあたり、さすがのセレクトだと感心しました。これは、できればカウンターでお酒の話を聞きながら、燗も含めてあれやこれやといただいてみたいなぁ。(あとでお店から「よく飲まれましたね」とメッセージが入ってたのはここだけの話^^;)

料理も適度に手が込んでいて、それに合わせたお酒がちゃんとある。料理だけ、お酒だけ、は多いけれど、その2者のバランスに感服です。お誘いただいた方、ご一緒させていただいたみなさま、ありがとうございました。また楽しくガッツリ飲みに行きましょう。ごちそうさまでした。

  • 野菜の盛り合わせ
  • 刺身盛り合わせ
  • 焼き空豆、筋子、ポテトサラダ

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8位

ミワミヤ (南阿佐ケ谷、阿佐ケ谷 / 居酒屋、日本酒バー、ダイニングバー)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2013/02訪問 2013/03/03

洗練された日本酒に洋の酒肴で、気持ちまで華やぐ

阿佐ヶ谷駅から中杉通りを南へ、突き当りの青梅街道が見えてきた頃右側のビル地下1階「Miwa Miya」バルのような雰囲気で日本酒をいただきます。

開業早々の頃から気になってたお店ですが、阿佐ヶ谷にはとにかく魅力的なお店が多くて足を運ぶのが遅くなってしまいました。この日は某所で軽く飲み食いしてから、2軒目にこちらのお店へ。居酒屋ではなくダイニングバー、和洋折衷のカジュアルな造りでなかなか居心地いい。もうそこそこ飲んでいるのですが、美味しいお酒には美味しいアテがほしいもの、純米生酒中心のラインナップはさすが実力派の銘柄のものが揃ってますし、よく見るとスペックもなかなかおもしろいものが。めいめい勝手にお酒をセレクト、私は今の秋田のお酒で押さえておくべきものの一つ新政のNo.6 R-TYPEから。

酒器はワイングラス。銘柄にもよりますが、今回いただいたNo.6 R-TYPEのようなお酒は、おそらくお猪口よりもやや長細いワイングラスの方が香りと味わいが引き立ちます。同行者の小左衛門宗玄も酒質に合わせてそれぞれ異なった形のグラスで提供されていて、この点は高く評価していいと思います。だってさ、ワインと同じように日本酒も酒器で全然味わいが違ってくるはず。ちなみに書かれているお値段は半合、揃えやスペックを考えれば適正な価格かと。

料理はフレンチをベースにした、ワインバーなどで見かけるようなものが多いですね。今回は前菜4種盛り合わせ黒むつのカルパッチョ柚子ソース鶏もも肉と野菜達のクリーム煮込みを。前菜は豚のリエット鶏レバーのムースMiwaMiya風マカロニサラダ柔らか砂肝のサラダ、これにバゲットが添えられます。リエットやムースが吟醸系の日本酒とあわないわけがなく、気持ちまで華やいできます。

バターの香りのたつクリーム煮込みも絶品。主役の鶏の柔らかくで美味しいこと、そしてたっぷりの野菜も素材がしっかりしたものを使われています。香りとコクがあるのに味のキレもいいあたりは、日本酒に合わせることを意識されているのでしょう。これには冷たいお酒もいいけど、燗をつけたお酒との相性が抜群です。

燗酒に洋風の料理との組み合わせといえば近くの吟雅もあるし、どうして阿佐ヶ谷って呑兵衛の心をつかむお店が多いんだろう。。中でもこちらのお店は日本酒バー的な使い方も出来、実際ラストオーダー近くに30代後半くらいの男性が一人でいらっしゃって日本酒をグラスで楽しまれてました。阿佐ヶ谷に住む飲兵衛の方々がウラヤマシイ。。ごちそうさまでした。

  • お酒はタイプにあったワイングラスで
  • 前菜4種盛り合わせ
  • 黒ムツのカルパッチョ柚子ソース

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9位

知花 (神泉、駒場東大前、渋谷 / そば、薬膳)

1回

  • 夜の点数: 4.1

    • [ 料理・味 4.1
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.8
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2013/10訪問 2013/11/12

祝開店! 女性主人の優しさと努力がつまった料理たちに乾杯

渋谷の東急百貨店本店から山手通り方向への栄通りを進み、通りにぶつかる手前角右側「知花」蕎麦前とお酒を楽しんでからお蕎麦をずずずずっっっっ。

こちらの女性主人さんとは、お店を出される前にお会いしたことがあり、優しそうな笑顔がとても印象に残っていました。彼女を知るいろいろな方からは、真面目で努力家という話があちこちから聞こえてきます。そんな彼女が8月末に満を持して神泉にお店を持たれたと聞いて4人で訪れました。今のところは夜は実質予約制だからでしょうか、表に看板も出ておらず、表のサインも反対向きにされていて、初めて訪問するときには少々迷うかもしれません。白木のカウンターと、奥に2つテーブル席があります。新しいお店できれいなのは当然ですが、妙なよそよそしさがなく居心地がとてもよいのは、女性主人さんのお人柄でしょう。

蕎麦と薬膳料理のお店とのことで、6,300円や10,000円のコースもあるのですが、この日はアラカルトでまずは蕎麦前。女性主人さんが料理を一人で手がけ、ホール担当の男性だけ切り盛りされているので、料理には少々時間がかかりそうです。ということで、注文は早めに入れておきましょう。 

最初にビールで乾杯のあとは、早速日本酒に。而今亜麻猫鍋島など、オーソドックスながら美味しいお酒が揃っています。4人だったので2合づついただきシェアすることに。片口をはじめ、器もなかなか凝ったものを使われてますね。もちろん日本酒だけではなく、焼酎からワイン、自家製のジュースを使ったカクテルなどもあります(カウンターにはワイングラスも下がっていますしね)。

日によって異なるというメニューは創作和食風のものも多いですが、(うかがったときはありませんでしたが)すっぽんのスープ焼き味噌つきなんて真っ向懐石風のものや、マコモ蕎麦返し炒めイナダくわ焼きなど、和食の基本はきちんとおさえられていてしかも突拍子もないものはなく、センスを感じます。

印象に残っているのは以下の料理たち。
 ・だし巻き玉子
   →出汁の美味しさと玉子の滋味深さがほっこりと楽しい
 ・さくさく蕎麦味噌
   →サクサクした蕎麦の実と味噌の風味がどこか懐かしい
 ・焼き海老サラダ
   →色合いが綺麗だし、野菜の鮮度もよくまとめている調味が優しい
 ・鴨のロースト
   →出汁に漬けられたという鴨の美味しさは言うまでもないけれど、添えられている野菜たちや薬味もさり気なく手の込んだもの。
薬膳料理のお店という側面があるからか、それぞれの料理は味を突き詰めながらも素直に身体が喜ぶものばかり。

もちろん、〆はお蕎麦で。蕎麦はオーソドックスなもり鴨汁おろし蕎麦かけなどの他に、南インド風カレー蕎麦中味そばなどの変わりそばも。今回はシンプルにもりをお願いしました。名店仁行で修行され仁行のお蕎麦を目指されているということで、細めで角がたった端正な美しい蕎麦は適度のコシを保ったまま、これも身体にすーっと入っていきます。鰹出汁が下支えするオーソドックスなつけ汁にさっとつけて口に運べば、立ち上る新そばの香りがふわり、幸せ。。

今回は4人だったので奥のテーブルでしたが、カウンター席で料理が作られる工程を見ながらいただくのも楽しいでしょうね。おそらくまだまだお店としては完成形ではないのでしょう、新しい食材をいろいろ取り入れられながら、日々工夫をされている様子も伝わってきます。また遠からずおじゃまして、その料理を楽しみたいと思います。ごちそうさまでした。

  • 出汁巻き玉子、さくさく蕎麦味噌
  • 鴨のロースト
  • 焼き海老サラダ
  • もり蕎麦

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10位

地酒屋のぼる (大井町、下神明、鮫洲 / 居酒屋、海鮮、日本酒バー)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2013/11訪問 2013/12/24

応援すべきお店。息子さんが日本酒を熱く語ってくれます。

以下のレビューのあと、2度ほどおじゃましています。

人気店になって、入れない日もありました。4人程度でテーブル席もいいですが
やはりカウンター席で2人くらいがオススメです。
というのも、やはりこのお店の最大の魅力はお酒の揃え、
お酒に詳しい息子さんに下駄を預けていろいろ飲むのが一番です。
もちろん、食べものもその日のおすすめをお父さんに尋ねるのもいいし。

お店の雰囲気がストイックすぎないので、日本酒をちょっと飲んでみたいなぁ、という
方の入門のお店にもちょうどいいでしょう。


以下、2013/1のレビュー>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

大井町駅西口、光学通りを3分ほど右手「地酒屋のぼる」酒友と日本酒で乾杯。

2013年1月7日オープンの新店。ぱっと見カジュアルなバルかと思うような店構え。地元友人と一緒に平日19時過ぎに訪問するとまだお客さんはパラパラという状態で、お好きな席へと言われましたが、入口脇の冷蔵庫が見える一番手前の席に陣取らせていただきました。

愛媛の地場素材と日本酒というコンセプトだそうで、料理はお父様、お酒は息子さんが主に対応。息子さんは大森の銘酒居酒屋吟吟で働かれてたのだとか。うーむ、さすが日本酒がいろいろあって、それも一筋縄ではいかないラインナップ。よし、とりビーに舞浜ビールと思ってたけどそれもなしで最初から日本酒いっちゃいます。ということで、オススメいただいたのが群馬泉の絞りたてと笹の誉。この群馬泉の絞りたてに友人がいたく感動。

次に、十四代の槽垂れと福島の廣戸川原酒。ある意味対極的な2種類。廣戸川を置いている居酒屋はおそらく都内では片手で数えられるほどだと思いますが、息子さん、お店がまだすいていることもありこのお酒のことをいろいろ語ってくれました。ちなみに、廣戸川と愛媛の加儀屋は相当思い入れがあるようです。そうそう十四代、実は私苦手なのですよ。でも、友人がメインで飲んだこの槽垂れは苦手な香りがなく美味しくいただきました。

その後は息子さんに選択をお任せして、不老泉加儀屋北安大國三千櫻などなど、変化球で軟水仕込みの白鴻をお燗にしてもらったり。お酒は種類はどんどん入れ替えていくとのことで、次に訪れたらほとんど入れ替わってたりして(おそらく愛媛のお酒と廣戸川は置き続けると思いますが)。ちなみに日本酒は原則として半合390円、1合580円。この手の地酒を売り物にする居酒屋の値付けとしては破格といっていいでしょう。息子さん曰く「いやー、お酒じゃ儲けになりませんよ」まったくそう思いますが、ありがたいことです。こういうお店は応援しなくちゃな。

酒肴も、レバーパテなめろうだし巻き玉子煮豚など、お酒を引き立てるものばかり。お酒ほど安い値付けではありませんが、ついついこれも頼んでみようかな、と思わせるレベル。パテをちょっと掬って舌先にのせると、レバーの独特の風味はじんわりと熱で溶けて芳香を放ちだします。そこに無濾過原酒をつっと流し込めば、レバーの芳香は心地良いお酒の酸味で流されて舌の脇に余韻を感じさせます。喉の奥に落ちたあと、鼻孔に残る僅かな香り。ああ、日本酒を味わうって幸せ。

気がつけば3時間近く飲んだくれてしまいました。遅めの時間になると、店内もほぼ満席と賑わってるようです。これだけゆっくりいろいろ飲んでも、お値段は4,000円/人も行かず驚き。日本酒好きの方にはもちろん、これから日本酒を飲んでみたいな、という方にもオススメ。今回は瀬戸内の魚をあまりいただかなかったので、また訪れたいと思います。ごちそうさまでした。

  • 十四代槽垂れと廣戸川原酒。ある意味対極的な二本。
  • お通し、なめろう
  • 出汁巻き玉子

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