『10秒のキス!』@すすむさんの日記

@すすむの食べ歩き備忘録!!

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日記詳細

私、全国亭主関白協会(略して全亭協)の4段を所有しております(`・∀・´)エッヘン!!

さぞ亭主関白なんだろうと思われるかもしれませんが...実は真逆でして、
協会理念は
「亭主が変われば、日本が変わる。日本の未来を明るくするのは、 上手に妻の尻に敷かれる心とワザを持つ亭主力である。」...

またその段位は

初段 3年以上たって「妻を愛している」人
二段 家事手伝いが上手な人
三段 浮気をしたことがない人、ばれていない人
四段 レディーファーストを実践している人
五段 愛妻と手をつないで散歩ができる人
六段 愛妻の話を真剣に聞くことができる人
七段 嫁・姑問題を一夜にして解決できる人
八段 「ありがとう」をためらわずに言える人
九段 「ごめんなさい」を恐れずに言える人
十段 「愛している」を照れずに言える人

そう、私は4段なのでレディーファーストを実践している亭主になるんです^^;

その”全亭協”で会員の方の素晴らしい実話が公開されていますので、ご紹介させて頂きます。

<10秒のキス>
 例年より桜の開花が遅れていた。総合病院のエントランス脇にある数本の桜も5分咲きで、
春の訪れを待ちわびている。

 6時にロビーで待ち合わせていたが、高1になる長男から携帯に「少し遅れる」とメールが入った。
高3の長女と中学2年の次男と一緒に一足先に妻の待つ病室に入ることにした。
乳ガンが全身に転移し、余命幾ばくもないと、みんなが知っている。
モルヒネの効果だろうか、いつになく穏やかな顔だった。 先生が回診に来て、
「どうですか、痛みはないですか」短い言葉に、妻は小さくうなずいた。

 親の反対を押し切って結ばれた私たちは、社内恋愛だった。三人の子供にも恵まれ、
それなりに幸せな毎日を送っていた。 今はもう、ベットに横たわる妻を見つめることしか、
なす術がない。やがて先生は病室を去り、二人の看護師さんがテキパキと点滴を換えている。

 長男が慌てて、病室に駆け込んできた。「ごめん、部活がおしちゃって」よほど慌てて来た
のだろう。学ランの下からワイシャツがのぞいていた。 家族が全員揃ったのは久しぶりだ。

子供たちの近況を聞いていた妻が、少しの微笑みと共に、私の方に目をやると、唐突に
「あなた、キスして」と言った。

 二人の看護師さんと三人の子供たちには聞こえたのだろうか。一瞬ハッとしたが、
ためらいもなく唇を重ねた。 生涯の中で、こんなに長いキスは初めてのような気がした。
薄目を開けて見れば、ひとすじの涙が頬を伝っている。そっと唇を離すと、嬉しそうに、
だが、「短いのね」とスネてみせた。 看護師さんも子供達も見て見ぬふりをしていたような
気がしたが、私は、「ふたりっきりの時にリクエストしてくれよ」と頭を掻いた。
精一杯の照れ隠しだったが、病室は静けさに覆われている。

 やがて深い眠りが訪れたのを確かめて、病室を後にした。涙で、病院の長い廊下がユラユラと揺れていた。

 それから丁度二週間後、妻は静かに息を引き取った。満開の桜の下で遺影を抱いた長女が、
「あの時の母さん、とっても幸せそうだったね」とポツリ。 子供の前で交わしたキスから
もう3年が経った。3人の子供達の心に深く刻み込まれたのだろう、短大を出た長女は、
大学生と高校生になった弟達の面倒をよく見てくれている。 2人の息子達も明るく、
真っ直ぐに育っている。

 君の、最後のメッセージは、決していい夫ではなかった私の心にも、永遠に灯っている。
 そして二度と交わすことが出来ない、君との「10秒のキス」を一生忘れないだろう。
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