よい子さんのマイ★ベストレストラン 2013

広い日本を楽しもう! 酒好きよい子の、旅するグルメガイド

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

岡山料理専門店~cooking of art Ikiya~ (新西大寺町筋、大雲寺前、田町 / 郷土料理、居酒屋)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.2
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2013/03訪問 2013/03/18

旅行者垂涎、郷土料理パラダイス♪ 岡山の地魚、地野菜、地酒、B級グルメ…何でもどんと来い!

[岡山市]
2013/3/8(金)
岡山市内の居酒屋。郷土料理や、地元食材を使ったメニューが豊富。

待ちに待った岡山旅行の初日。
会社から直行、品川から3時間強の新幹線旅。
ホテルに荷物を置き、さっそく市内へと繰り出す。

春の風が舞う岡山。年が明けてはじめて、コートを脱いで外に出た。
向かう先は、以前からチェックしてあった、岡山料理専門店のikiyaさん。

ジョイポリス・イトーヨーカドー方面、柳町2丁目交差点から東へすぐ(ビル1階)。
繁華街からは少し距離があり、比較的静かな雰囲気の界隈だ。
地元食材を使う店の証、緑提灯が灯る店頭。

23時頃、店内は先客1組のみ。時間的なものだろうか、かなり空いている印象だ。
お店の一番奥にあるカウンターへ。

メニューを開けば、郷土料理愛好家としては、心躍る品ばかり。
ママカリ、サワラ、下津井のタコ、シャコ、タイラギ貝、日生のアナゴ、ワタリガニ、モイカ、岡山牡蠣。
黄ニラ、桃太郎トマト、冬瓜、そうめん瓜、連島レンコン、本ひら茸などの地場野菜。
千屋牛、岡山ピーチポーク、桃太郎地鶏。
これらを、さまざまな調理法で食べさせてくれる。

県内各地のB級グルメも、ほぼ網羅している。
…蒜山やきそば、津山ホルモンうどん、岡山ばら寿司、デミカツ丼、シャコ丼など。
フルーツパフェの街らしく、デザートにはパフェまで用意している徹底ぶりだ。
時間のない出張者であっても、この店に来れば岡山の味を余すところなく楽しめるだろう。

地酒の品揃えは、真庭市北房・落酒造「大正の鶴」、浅口市・平喜酒造「喜平」、
総社市・板野酒造場「温羅」、真庭市勝山・辻本店「御前酒」など。

地ビールなら、吉備土手下麦酒、宮下酒造の「独歩」が飲める。
そのほか、清水白桃を使った桃太郎ハイボール、ピオーネ酎、矢掛町の梨リキュールなどもある。

気になるメニューが多すぎて悩ましいが、ひとまずビールからスタート。

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■まずは…
3種のお通し。サワラ南蛮漬、アナジャコの唐揚げ、菜の花のお浸し。

アナジャコというのは小魚ではなく、シャコを小さくしたような甲殻類。
アナジャコを食べるのは岡山独特の食文化で、高梁川河口が特産地となっている。
サクサクしていて、殻ごと食べられる。ビールによく合う♪

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■サワラの塩たたき(小¥780)
岡山に来て食べたいものの筆頭がサワラ!
西京焼きのイメージだが、塩をまぶしたたたきは、他県にはあまり見られない調理法ではないだろうか。

魚へんに春と書く「鰆」、まさにいま食べたい魚。
イメージしていたより柔らかくて、もっちりした肉質。
柚子果汁を振りかけて。フレーク塩と相性抜群。
添えられた黄ニラと一緒に食べれば、岡山風味が際立つ。

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■黄ニラのにぎり(2貫¥240)
岡山を代表する野菜といえば、黄ニラであろう。
日を当てずに育てることで、青くならないニラができる。
栽培に手がかかるため、価格は高くなる。
一般には中華料理の食材とされるが、岡山ではさまざまな料理で食べられる。

こちらの握りは、黄ニラのほのかな甘さと、シャキシャキした食感が楽しめる逸品。
あっさりした味わいなので、何貫でも食べられそう!
付いてくる醤油が、たまり醤油のように、こってりして美味しい。
たぶん、黄ニラを漬け込んだ醤油だと思われる(店頭に商品あり)。

こちらのお店、黄ニラ以外にもいろんな食材を握りで楽しめる。
ママカリ、サワラ、地だこ、シャコ、1貫から注文できるのが嬉しい。

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■桃太郎トマトと豆腐のサラダ(¥580)
魚介類に目を奪われがちだが、山里の恵み、地元野菜にも注目したい。
糖度の高さで知られる桃太郎トマトは、新鮮で元気一杯!

豆腐にもこだわりが… 表町(中之町)の豆腐専門店「おかべ」からお取り寄せ。
一人で食べるには十分すぎるボリューム!
この一品で、一気にヘルシーな晩酌に。

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■粋麦酒(¥630)
「吉備土手下麦酒」醸造の無濾過発泡酒、ikiyaオリジナル商品。

こちらの地ビールメーカー、造るビールのほとんどが発泡酒なんだとか(コスト対策)
発泡酒というと代替品のイメージだが、そうは思えないフルーティな香り!
正直、2杯目には勿体ないほどの味。

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■べらたの酢味噌(¥580)
穴子の稚魚をべらたと呼ぶらしい。初耳である。
春にしか食べられない、季節の味だそうだ。

透明感のある、白く細長い身。
つるつるっと…
表面はぬるぬるしているが、見た目以上にコリコリとした歯応えがある。
まるで麺類を食べるようだ。
酢味噌もさっぱりと美味しく、これは地酒にもよく合いそうだ。
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まだまだ食べたいものは多数あったが、このあたりで腹十二分目。
サラダがボリュームあったからなぁ…
まあ旅行1日目だし、無理せず、ヘルシー志向で飲めたのは良かった。

途中から、店長と見られる男性とお話させてもらった。
下津井の名産、シャコやタイラギが獲れなくなり、高級品になっていることを聞いた。
先ほど食べた「べらた」もそうだが、季節限定の海の幸も多数あるようで、一度の旅行ではコンプリートしきれない。

あさって蒜山か津山に行くんです、と伝えると、
オススメ店として、蒜山やきそばの「やまな食堂」、津山ホルモンうどんの「三枝」を教えて下さった。
県内各地のB級グルメをメニューに入れているが、
現地で美味しいと思ったお店で学び、その真似をしているそうだ。

0:30頃まで、岡山グルメに関していろいろなお話を伺えた。
店長さんも親切だし、メニューの豊富さが何より魅力。
特に、旅行や出張で岡山を訪れる際には、お誂え向きの一軒になるだろう。

  • 黄ニラのにぎり。岡山へ来たら是非食べたい一品
  • ビールで乾杯! お通しはサワラ南蛮漬・じゃこ唐揚げ・菜の花おひたし
  • 真ん中は「じゃこ」。シャコの小型版という。唐揚げはサクサクで美味

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2位

お好み焼だん (日本橋、近鉄日本橋、長堀橋 / お好み焼き、焼きそば)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.2
    • | CP 3.2
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥1,000~¥1,999 -

2013/02訪問 2013/04/07

表面カリカリ、中ふわふわ… ソースに頼らず、生地の甘さが際立つ至高の豚玉!

[大阪市]
2013/2/25(月)
ミナミ・宗右衛門町にある、お好み焼きの店。
深夜まで営業しているから、夜遊び前の腹ごしらえにも、呑みのシメにもぴったりだ。

長堀橋・BAR Cactusのバーテンダー氏に、お好み焼きの美味しい店として紹介いただいた。
前からずっと狙っていたが、タイミングが合わず、本日ようやく潜入成功。

雑居ビル1階の奥にある店舗。
通りがかりで気が付く場所ではないが、いつも混み合う人気店だという。
予約必須とも聞く。

月曜の24時前、店内は終電など忘れた、ギラギラしたおじさん達で満員!
…かと思いきや、店内はガラガラ(笑)

なんと4人の店員さんを、私ひとりで貸切状態!
大阪も景気悪いのかな~、ちょっと心配になる。

カウンターが実質9席、4人掛けのテーブル席が4卓(うち2卓はソファー席)。

メニューは、
 〔お好み焼き〕 豚玉、いか玉、えび玉、たこ玉、げそ玉、牛肉玉、貝柱玉、大えび玉、とり玉、かき玉
  スペシャル(牛肉・大えび・たこ・貝柱)、貝柱入りミックス、かき入りミックス、ミックス etc.

 〔焼そば〕 豚、いか、えび、たこ、げそ、牛肉、貝柱、大えび、とり、かき etc.
 〔モダン焼〕 豚、いか、牛肉、貝柱、いか豚、豚チーズ、ミックス
 〔洋食焼・洋食モダン焼〕 豚、いか、牛肉、貝柱
 〔その他〕 オムそば、天津焼、天津オムそば

洋食焼とは、薄い生地にねぎをのせて焼いたもの。しょうゆ味とソース味が選べる。
しょうゆ味だと、いわゆる「ねぎ焼」になるだろうか。(どのあたりが洋食かは不明…)
それに、焼そばをプラスしたのが「洋食モダン焼」。

天津焼とは、お好み焼きに中華あんかけをかけたもの。
なるほど、それは美味しいかもしれない♪

変わり種メニューが好きな私だが、こと最初に入るお好み焼き屋に関しては、
基本の「豚玉」を頼むのがポリシーだ(たまに揺らぐが…笑)
あとはビールと、ちょっとつまめる一品を。

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■ビール+すじこん味噌煮(両方で¥670)
ビールはキリン。よく冷えてる!

すじこんは待たずに出て来るので、お好み焼き待ちには最適。
いい感じで生姜が香る。たっぷりの青ネギも嬉しい。
一味唐辛子を適度に振り掛ければ、味が引き締まり、ビールとの相性がますます良くなる。
ただ、少しぬるかったかな?

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■豚玉(¥780+深夜料金¥100)
目の前で手際良くコテが躍る。
お好み焼きは好きだが、関東では食べる機会が少ない。
コテ捌きを見るのも久し振りなので、これだけで一つのエンターテイメントに感じられる。

鉄板の上に、色鮮やかなピンクと黄色の花が咲く。
やはり豚玉には、シンプルであるがゆえの美しさがある。

タイミングを見て軽やかにひっくり返し、時折コテの先端で、焼け具合を探る。
次第に、中央がこんもりと盛り上がってくる。

ほど良く焦げた表面は、茶色というよりオレンジ色。
「鰹節、辛子、青海苔、マヨネーズ。お好みは?」
私は全入りで。

トッピングをまとい、出来上がった豚玉。
見た目には、ちょっと小振り。
表面はカリカリ。ほど良く焦げ目のついた豚肉が生む食感。
口に入れると、あちちち…ほんわかと柔らかい。
このコントラストは、期待通り!

キャベツと玉子由来か、生地の優しい甘さが感じられる。
そこへ、ほのかに香る辛子。
ソースや過剰な具でごまかさなくても、生地そのものがきちんと美味しい。

味わいは、あっさりとして嫌みがない。
じんわりくる旨さは、やはり出汁がしっかり効いているからこそ。
これなら毎日でも食べても飽きないだろうな。
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時折電話がかかり、出前の注文が入っているようだ。
たぶん、クラブからの注文かな。
この時間、店内にお客さんがいなくても、意外と商売繁盛なのかもしれない。

お会計、¥1550。
店員さんの接客も丁寧で、好印象。

私が店を出るのと前後して、颯爽と出前に出掛ける店員さん。
営業時間は、深夜3:30まで。
ミナミの夜は、まだまだ長い。

  • 豚玉(¥780+深夜¥100)シンプルかつ、至上の味わい
  • 焼き上がり! 生地のやさしい甘さ、表面のカリカリと中身のふんわり感が絶品!
  • すじこん味噌煮でビールを一杯!(両方で¥670)

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3位

パルフェ 本店 (元町(JR)、元町(阪神)、県庁前 / カレー、アジア・エスニック)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.2
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ~¥999 -

2013/01訪問 2013/01/26

文句なし、驚異的な美味しさのチキンカレー! トマトとチーズが絡み合う、至福のワンコインメニュー

[兵庫県神戸市]
2013/1/19(土)
元町駅から少し北にある、チキンカレー専門店。

今日は、「元町通り3丁目」というカレー屋さんを訪れる予定だったが、あいにくの臨時休業。
ビフカツが人気の「洋食の朝日」は大行列、「森谷商店」の神戸牛コロッケは目の前で売り切れてしまった。
苦笑いしながら、ブックマークしてあったパルフェさんに足を向けた。

大丸神戸店からJR元町駅の脇を抜け、山側へ伸びる大通り。
交差点付近に置かれた、木製の小さな看板を目印に、細い路地へと歩を進める。

19:30、閉店の30分前に到着。
路地に潜むこじんまりとした店舗、
客席はカウンター6席程度と、小さなテーブルのみ。

先客はお一人様×1、お二人様×1。一人でも入りやすい雰囲気だ。
小さい店内なので、ピーク時は行列が出来るだろうと想像。

店員さんは、寸胴でカレーを仕込む女性が1人と、
主にライスの盛り付け・提供を行う男性が1人。

カウンターに座って間もなく、男性店員の方から「何にしましょう?」と注文を聞かれる。
事前知識で、チキン以外のカレーが無いことは知っていたが、一応メニューを確認したい。

カウンター上方にある黒板を見ると…
チキンカレーには、[並] [大盛り] [ルーだけ] の3種類があるようだ。
ルーだけというのは妙だが、おそらくテイクアウトを想定したものだろう。

トッピングとしては、玉子・チーズ。
サイドメニューとして、ザワークラウト。
ほかには、ドリンクが少々あるようだ。

私は、チキンカレー並に、チーズをトッピング、さらにザワークラウトをお願いした。

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■前菜
お通し代わりに、飲むヨーグルトを出していただける。いわゆるラッシーであろう。
まろやかな甘みで、美味しい。

それから、別注文したザワークラウト(¥50)。
ドイツ名物・乳酸発酵させたキャベツの漬物である。
甘酸っぱくて、ザクザクとした食感、口中をリセットしてくれる一品。

このほか、福神漬とらっきょう、きゅうりのピクルス(ライタ?)が卓上に置かれており、
自由に食べられるようになっている。

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■チキンカレー(並¥500)+チーズトッピング(¥100)
細長い楕円の皿で、チキンカレーが登場!
ライスにはフライドオニオンが乗って、ちょっとおめかし。

さっそく中央にスプーンを入れると、思いがけず、チキンの身が姿を現した。
まさか、そんなところにいるとは思わなかったので、ちょっとしたサプライズである。

スプーン一杯にすくい、おもむろに頬張る。
最初に感じるのはトマトの風味、次いでチーズのまろやか感。
ピリピリ痛くないのに、スパイシー。
一口で、このカレーは凄い! と思わせる傑作である。

トマトが入っているのが分かるのに、「酸っぱさ」までは感じないのだ。
マイルドでコクがあるとは、まさにこのこと。

食べ進むにつれて、徐々に汗ばんでくる。
激辛ではないのだが、身体の芯から温められるかのようだ。

チキンが入っていたのは嬉しかったが、仮に何も具が入っていなかったとしても、
このカレーは美味しく頂けたに違いない。
それだけ、カレーそのものの出来が出色である。
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私、カレーにはそれほど詳しくないのだが、
今までに食べてきたカレーライスの中で、間違いなくトップクラスに入る出来。

フライパンで鶏肉を炒めて脂を出し、それを寸胴に投入しているのだろうか、
女性店員さんの確かな手さばきからも、この店の実力が感じられる。

ワンコインで、このレベルのカレーを出されたら、
近所のお店にとっては、ある意味、営業妨害だな…と思うほど(笑)

神戸の裏路地で、期待をはるかに上回る、驚きの美味に出会うことができた。

  • チキンカレー並盛+チーズ(¥600) トマトとチーズが絡み合う、やばい旨さのチキンカレー!!
  • チキンが顔を出した瞬間!
  • お通し的な飲むヨーグルトと、ザワークラウト(¥50)

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4位

首里そば (首里、儀保 / 沖縄そば)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.2
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2013/06訪問 2013/07/09

バツバツと噛みちぎる食感、印象に残る手打ち麺。薄味で上品に仕上げられた「煮付け」も絶品!

[沖縄県那覇市]
2013/6/29(土)
名前の通り、首里にある沖縄そばの有名店。

沖縄そば。
好き嫌いが分かれるところだが…私にとっては大好物である。
そばを食べて初めて、沖縄の旅が始まったことを実感するといっても、過言ではない。

ゆいレール・首里駅から徒歩5分。
首里城へ向かう方向とは、ちょっと違う。
住宅街の中にあり、地図をよく見ていかないと、少し迷いそうな場所だ。

入口には表札がかかり、まさに民家そのもの。
ここで靴を脱ぎ、店内にお邪魔する。

8~10人程度は座れそうな、一枚板のテーブル席の片隅に着座。
このほか、窓に面したカウンター席が少々、
赤い窓が印象的な小上がり、ピアノのある和室など、タイプの異なる客席が用意されている。

人気店だけあって、次から次へとお客さんが入ってくる。
ファミリーにカップル、女性の一人客からうちなー高校生まで、客層は多彩。

私は遅めの来店が幸いし、運良く並ばずに済んだが、
逆に遅すぎると「売切れ閉店」になるので、万全を期すなら早い時間から並ぶのが賢明か。

メニューは以下の通り。
 ・手打ち首里そば(小、中、大)
 ・煮付け
 ・じゅうしぃ(炊き込みごはん)
 ・油みそ入りおにぎり
 ・こぉりじぇんざい(沖縄風かき氷)

じゅうしぃとそばという鉄板コンビも良いが、初めて聞く「煮付け」に興味を引かれ、
そばとともに注文。

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■首里そば(中¥500)
見た目にとてもまとまりがあり、美しさを感じる沖縄そば。
具は豚三枚肉、かまぼこ、針生姜、小口ねぎ。
沖縄そばによく使われる紅生姜ではなく、針生姜が乗っているところが、上品さを感じる所以かもしれない。

まずはスープをひとすすり。
塩分は比較的効いていて、輪郭のはっきりした味といえる。
けれども、それを上回る素晴らしい旨み。
全体として塩分の角は立っておらず、バランスが良いので、最後まで飲み干したくなってしまう。

そして麺。
私の食歴上、ここまで強い印象のある沖縄そばの麺は初めてだ。
バツバツと、噛みちぎる食感。
手打ち麺ならではのコシの強さを、遺憾なく発揮してくれている。

数ある沖縄そばの中でも、このコシの強さは異端であるように思う。
だから、沖縄そばを最初に食べるなら、まず別の店で食べて、そのあとこちらを訪れることをオススメしたい。
きっとその方が、この店の特長がよく分かるはずだ。

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■煮付け(¥450)
サイドメニューと侮るなかれ、これがまた旨いこと!
この店の煮付けとは、常温のおでんみたいなもの。

ジューシーな大根と、島豆腐で作られた厚揚げからは、
ふくよかな味わいの昆布出汁がじゅわりと染み出す。

抑制されあっさりとした味わいの中に、程良く脂の抜けた三枚肉が、絶妙のコクを加える。
県産いんげんのフレッシュな歯触りも、堪能できる。

巧みな薄味で煮含められており、どんな人にも伝わる、日本的な美味しさだと感じる。
沖縄の食べ物はちょっと… という方にこそ、一度試してほしい。
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食後は「こーりじぇんざい」を頂きたいところだったが、さすがにお腹がFull。
代わりに、屋我地島の塩ちんすこう(¥30)を持ち帰ることにした。

さすが、人気店というだけのことはある。
強い印象を残す沖縄そばに、出会うことができた。

  • 首里そば(中¥500)塩気ははっきりしているが、最後の一滴まで飲み干したくなる味わい
  • なんといってもこの自家製麺! バツンバツンと噛み千切る麺とはこのこと
  • 煮付け(¥450)これがまた絶品! 大根・厚揚げ・豚三枚肉・昆布・いんげんを、やさしい昆布出汁で煮付け

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5位

合掌レストラン 大藏 (小牧、小牧口、小牧原 / ステーキ)

2回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥3,000~¥3,999

2020/02訪問 2020/06/13

小牧で40年、ステーキ店として愛され続ける実力店。牛肉の質・火入れとも上等で、野菜の使い方にも工夫を感じる。

[愛知県小牧市][来訪回数:2回]
2020/2/23(日)
国道41号沿い、小牧コロナの近く(村中新町)にあるステーキ店。
店舗の詳細情報は、1回目の「行った」をご参照あれ。

築300年・五箇山から運ばれてきた合掌造りの建物でいただく、朴葉焼ステーキがウリのお店。
実に7年ぶりの訪問となる。

今回は同行者と、私の両親を交えたお食事会に利用。
ディナーコースは¥4400から、¥5500・¥6820・¥7920・¥10120などの設定あり。
ステーキは基本がサーロインで、追加料金でフィレも選べる。

和のアプローチを進み、庭園の設えを眺めながら入店。
客席は160席、ゆったりした配置で、かなりの大箱といえる。
全席禁煙。
今回は個室を希望し、半地下のような部屋に案内いただいた。
静かで落ち着ける空間ではあるが、人によっては、やや閉塞感を感じるかもしれない。

前回も思ったが、カトラリーに箸が含まれるので、
ナイフ&フォークを使い慣れていない方でも、気を張らずに食事できる点が良いと思う。
デートにも、家族揃っての会食にも、安心して使えるレストランである。

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■12000円スペシャルコース(¥13,420)※税・チャージ込
◎本日のオードブル
 和洋中の料理が、ワンプレートに盛り込まれている。

 ・サワラ西京焼
 ・ふきのとうと百合根の天ぷら
 ・青柳貝の酢味噌
 ・自家製スモークサーモン
 ・豚の角煮 バジルソース

 洋食店としては驚きのある組合せ!
 春を感じるふきのとうやサワラが出てくるのも面白いし、
 自家製の豚角煮は、お酒の進むコク豊かな味わい。

 前菜を食べ終わったタイミングで、ステーキにする肉のお披露目がある。
 分厚くカットされた和牛サーロイン。焼き上がるのが楽しみである。

◎国産和牛ミスジのグリル
 スープの前に、軽めの肉料理がお出まし。
 サーロインの隣で、希少価値とされるミスジ部位。
 薄切りでも十分な旨味が感じられ、食欲をそそるアペタイザーの役割を果たす。
 菜の花・山芋・舞茸・さやいんげんのソテーとともに、さっぱりといただく趣向。

◎カブのポタージュ
 旬を迎えたカブを主役に据えた、季節感たっぷりのスープ。
 少量の刻みベーコンと、オリーブオイルでコクをプラス。
 あっさりとした味わいの中に、さらっと旨味を感じさせる一品。

◎スズキのポワレ
 ムール貝とキノコを煮込んだ、ブイヤベース仕立て。
 淡泊な味わいのスズキを、貝とキノコの旨味で満足度たっぷりに仕上げる。
 ブロッコリー・いんげんなど、脇役の野菜たちも上手くはまっている。
 このお店、先ほどから見ていて、野菜使いが上手だと思う。

◎自家製パン
 バゲット・ライ麦パン・フォカッチャの3種。オリーブオイルとローズソルト(岩塩)で。
 フォカッチャにはローズマリーを練り込み、香り良く焼き上げている。

◎朴葉焼 和牛サーロインステーキ フォアグラ乗せ
 ミディアムレアでお願いした。肉の断面は綺麗なチェリー色で、肉質は非常に柔らかい。
 火入れ・肉質ともハイレベルだと思う。
 飴色の玉ねぎをたっぷり閉じ込めた朴葉味噌ソースは、少量でも存在感があり、
 肉汁と渾然一体、その美味しさを引き立てる。

 付合せはチンゲン菜・玉ねぎに加え、ごぼうというのが個性的。
 その食感と土の香りが、ステーキに寄り添う。
 なるほど、期待以上の美味。
 流石、この地で40年、ステーキ店として継続している底力を見せてくれる。

◎クレームブリュレ、コーヒー
 プリンの表面を焦がしたクレームブリュレに、マンゴーアイスとフルーツをトッピング。
 手を掛けた一品だと思うが、カラメル部分がちょっと厚めで重たく感じられた。
 もう少し薄く、パリッと軽やかに砕ける食感だと、より良かったかな。
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同行者と両親の顔合わせも、これで3度目となって私は安心。
このまま穏やかに、今と変わらず仲良く暮らせますように♪
[愛知県小牧市]
2013/3/2(土)
国道41号沿い・小牧インターの近くにあるレストラン。
合掌造りの建物で、朴葉焼ステーキをはじめとする洋食コースを味わえる。

フードアナリストの会報誌を読み、実家近くということで興味を持った。
家族に話したところ、30年以上前に行ったことがあるという。
そんな古くからあったとは!

富山県五箇山の集落から合掌造りの民家を移築し、1971年にオープン。
築300年の建築は、紛れもない「本物」である。
以来40年余、周囲はアミューズメント施設に取り巻かれ、
国道上には名古屋高速が伸びるなど、周囲の環境は大きく移り変わってきたが、
合掌造りが持つ堂々とした佇まいは、時代にゆらぐことなく健在だ。

今回は、土曜のランチタイムに伺った(予約なし)。
午後の日差しに、開放的な日本庭園が映える。
池には鯉が泳ぎ、庭には椿が咲く。その脇では、ふきのとうが顔を出している。

合掌造りの中へ。
左手のオープン席に案内してもらった。
(ほかに半個室のテーブル席、祝い事や接待に使える座敷席あり)

オープン席には、4人掛けのテーブルが10卓ほど。
客層は女性二人組やファミリー、お年を召したご夫婦など幅広く、概して落ち着いた雰囲気だ。

あえて人工照明を控えることで、外光の輝きが感じられる空間となっている。
見上げれば、しっかりと編み込まれた茅葺き屋根。
モダンな中に、手仕事の美しさ、300年の重みが感じられる。

ランチタイムもディナーと同様、プリフィックスのコース料理となっている。
メニュー本の先頭にある「簾 Ren」は、鹿児島産黒毛和牛の朴葉焼ステーキをメインとするコース。
スープまたは味噌汁、ライスまたはパン、アイスクリームまたはデザート、食後のドリンクが選択可能。

私はこの「簾」をオーダー(¥2940)。
父は、黒毛和牛のサーロインステーキをメインに据えた「悠」¥3990。
母は、同じく黒毛和牛の薄切りステーキをメインとする「來」¥2079を注文した。

このほか、ハンバーグや海老フライのランチ、鮮魚をメインに据えたランチ、お子様セット、
飛騨牛や松坂牛のプレミアムステーキランチが用意されている。

ウェイトレスから歓迎の挨拶を受け、会食スタート。
最初に用意された大皿は「見せ皿」で、一品目が出るまでテーブルの華となる存在だ。
蝶が羽根を広げたような、大胆な模様。
テーブルセットには箸が含まれる。お年寄りと一緒でも安心だし、我々としてもやっぱり食べやすくて嬉しい。

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◎季節の前菜(3月)
ガラスの角皿でサーブ。「気合の一皿」と添え書きが。
あとにステーキが来ることを意識してか、魚貝類を中心とした、和洋折衷の面白い構成。

 ・岐阜農園のグリーンサラダ
 ・青柳(貝)
 ・スモークサーモン、ピンクペッパーを散らして
 ・サゴシの西京焼、筍
 ・ほたるいかのアヒージョ

サゴシとは、出世魚・サワラの幼名。炙られた薄皮のサクッとした食感、香ばしさが秀逸。
たった一切れだからこそ、あとひく旨さがある。

ほたるいかは、まさに春先取り、「はしり」の食材。
エリンギやキャベツとともに、ガーリック風味のオリーブオイル漬け(アヒージョ)に。
深みのある味に、思わずワインが欲しくなる。

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◎毎朝手仕込み ざる豆富
軽く塩が振られており、そのまま口へと運ぶ。
豆乳そのもの、プレーンで奥行きのある香り!
まったりとろけるような口当たりに、両親とも驚きの声を上げていた。

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◎季節野菜の味噌ディップ
目にも鮮やかな自然の彩り!
きゅうり、セロリ、人参、ラディッシュ、ブロッコリー、里芋。六種六色の味わいだ。
特に、「白の野菜」として里芋が入っているのが面白い。

ディップは名古屋らしい赤味噌。酸味があって濃厚、どんな野菜にもぴったり合う。

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◎コーンスープ
基本に忠実なポタージュ。カリカリのクルトン♪
ここまでやや変化球の構成だっただけに、王道のステーキへと流れを作る、
コースにおいて重要な存在だ。

ところで、スープは味噌汁と変更することが可能。
あいにく当日は品切れで試せなかったが、この店の味噌汁がどんなものか、非常に興味がある。
春なので、旬のあさり汁だったろうか。きっと、季節感ある素材で提供してくれるはずだ。

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◎パンまたはライス
パンはバゲットと、バジルのフォカッチャ。
バジルの香りが予想以上、口いっぱいに広がる。
オリーブオイルとローズソルトで食す。

ライスは、新潟産こしひかりを使用。
あとに来るステーキと一緒に頬張れば、思わず笑顔が広がる美味しさだ。

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いよいよメイン…
サーロインステーキ(or プレミアムステーキ)を選択した場合、焼く前に肉そのもののお披露目がある。
ほどよくサシが入った、立派なサーロイン。
合掌造りの天井から差し込む自然光に照らされ、天然のピンク色がより美味しそうに見える。

◎黒毛和牛の朴葉焼ステーキ
カートに乗せられて、3名分のステーキが登場!
目の前でステーキソースが掛けられると、じゅわっと弾ける音とともに、盛大に湯気が上がる。
否が応にも、食欲をそそる瞬間だ。

ステーキが朴葉の上に乗せられているのが、外観上最大の特徴。
これはもちろん、飛騨地方の郷土料理「朴葉味噌」をモティーフとした盛り付けだ。
朴葉味噌は、葉の上で味噌を焼くことで、味噌の焦げ付きを防ぐとともに
「葉の香ばしさを味噌へ移す」効果を狙った生活の知恵だ。

ステーキを乗せた場合、鉄板の熱からワンクッション置かれるため、肉が硬くなりにくいだろうし、
余分な脂を吸う効果があるのでは…と推測する。

ナイフを入れると、中心部がピンクに残り、これまた良い感じのレア具合。
ステーキソースは、生姜醤油の風味。
肉汁滴るステーキを口に入れ、ライスとともに味わう。…至福である。

食べ始めるまで分からなかったが、ステーキの下にはぎっしり野菜が敷き詰められている。
玉ねぎ・かぼちゃ・いんげん・人参・ししとう・菜の花・クレソン。
単なる「添え物」以上のボリュームがある。

私はこの構成、非常に気に入った。
肉ばかり食べ続けると、いくら美味しくても、やはり最後の方ではくどさが出てくる。
野菜と一緒に食べることで、ラスト一口まで飽きることなく味わえるのだ。

しかも野菜の種類が豊富だから、一口ごとに趣が変わる。
特に女性には、支持されること間違いなしのステーキだ。

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◎ラ・フランスのソルベとカタラーナ、コーヒー
ソルベは、洋梨の繊細さを生かした、あっさりとした味わい。
カタラーナは、クレームブリュレの親戚といった感じのデザート。
表面のカラメル層は厚めで、バリバリとした食感が楽しい。中はとろーり濃厚なカスタード。

カタラーナは、フランス・カタルーニャ地方のお菓子で、
牛乳を使わずクリームだけで作る点が、一般的なクリームブリュレと異なるのだそう。

食後のコーヒーをじっくり味わいつつ、ランチコースの余韻に浸る。
たまには、こんな家族団らんもいい。
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ウェイター・ウェイトレスは若い方が多く、熟練したサービスとはいかないが、
精一杯おもてなししようという気持ちが伝わってきて、好ましい印象だ。

さすが、郊外で40年生き抜いてきただけはある。
契約農家の野菜をふんだんに使い、リーズナブルな価格で飽きさせないコース構成、
空間の価値も加味すると、非常に満足度の高いランチであった。

小牧周辺では間違いなく、お勧めに値する実力店だ。

  • 朴葉焼サーロインステーキ・フォアグラ乗せ。肉質は非常に柔らかく、旨味も十分。ミディアムレア、火入れの加減も過不足なし!
  • ミスジは薄切りだが、脂が乗って堂々の存在感。メインの前に、食欲を増進する役目を果たす
  • 本日のオードブル。ステーキ店としては珍しく、和洋中の料理が盛り込まれている

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6位

カツ丼 野村 (西川緑道公園、柳川、郵便局前 / かつ丼)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.2
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2013/03訪問 2013/04/06

かなり気に入った! ほろ苦ささえ感じるドミグラスソースと、サクサクヒレカツの競演♪

[岡山市]
2013/3/9(土)
岡山が誇るB級グルメ、デミカツ丼のお店。

JR岡山駅から、市電に沿って東へ歩くこと8分。
カツ丼と聞いて一般に想像するのとは違う、純和風の門構え。

店に入ると、すぐ右手に券売機。
名物のドミカツ丼のほか、全国共通の卵とじカツ丼もある。
特に旅行で訪れるなら、両方を味わえるセットがオススメだ。

カツは、豚肉本来の旨味が楽しめるロースカツと、脂身少なめ・あっさりのヒレカツから選べる。
子カツ丼は2/3、孫カツ丼は1/2の量。
孫は小さく感じるが、ドミと卵とじのセットなら、ちょうど一膳分で過不足のないボリュームだ。
ちなみに、ほとんどのメニューはテイクアウトも可。

私は、ドミカツ・カツ丼の孫セットを一枚購入。

こちらは、昭和6年創業という老舗。
壁に貼られたキャッチフレーズは、「お父さんも食べた お母さんも食べた 野村のカツ丼」。
岡山っ子で、この店のことを知らない人はいないという。

席は広々としている。
詰めれば6~8人座れそうな、一枚板のテーブルが4卓。
それより少し小ぶりなテーブルが、2~3卓。

照明は少し落とされ、割烹のように落ち着いた雰囲気。
接客も上品、琴をつまびく和のBGMがしとやかに流れる。
そんな中、奥の厨房からは豚肉をチョップする音が小気味良く響く。

「お待たせいたしました」
テーブルにコトリと届けられた、岡山の味。

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■孫膳(¥1000)
◎ドミカツ丼
 名前の通り、ドミグラス(デミグラス)ソースをたっぷり掛けたカツ丼。
 洋食コックだった先々代の店主が、東京での修行中に考案したものだという。

 まずは一枚、カツをつまんでみよう。
 それほど厚みのあるカツではない、あえていえば上品なカツだ。

 口に入れてみると…
 カリッとサクッと香ばしく、衣や豚の甘さがはっきり感じられる。
 欲張って肉を厚くしすぎると、このサクサク感は出ないはず。
 個人的好みからして、やはりヒレで正解。

 ドミグラスソースは、噂に聞いた通り、かなりの濃厚さ。
 小麦粉を焦がしたほろ苦さまで感じさせるブラウンソースに、
 野菜など素材の旨味が、凝縮されているように感じられる。

 これは… 個人的に好みぴったりである。
 濃いめの味が好きな方なら、きっと気に入るはずだ。

 カツの下に敷かれた、茹でキャベツとの相性も絶妙だ。
 キャベツに含まれる水分が、ほど良く丼をあっさり、飽きのこない味に仕上げてくれる。

 トッピングのグリーンピースも可愛らしい。
 孫サイズということもあり、最後まで一気に食べさせる勢いがある。
 うん、期待以上にいけるカツ丼だ!

◎卵とじカツ丼
 こちらはジャパンスタンダード。
 トッピングされた海苔が、なんともチャーミング。

 全くもって馴染みの味、これはこれでやっぱり美味しい。
 半熟卵と甘口出汁が織りなすジューシーさ、玉ねぎの食感と甘さ。
 その中で、カツのサクサク感が際立つ。

 基本に忠実、十分満足のいく美味しさ。
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実際に食べてみると、孫膳×2杯で過不足ないボリューム。

一人でも入りやすく、落ち着いた雰囲気もいい。
好みは分かれるだろうが、個人的には味わいも極上。

岡山B級グルメを代表するに足る、実力派の店だと感じた。ご馳走さま!

  • ドミグラスソースカツ丼(孫)。これは期待以上に旨いよ!濃い味好きにはたまらない
  • こちらが玉子とじカツ丼(孫)。いわゆる正統派の味、トッピングされた海苔がチャームポイント
  • 孫膳(ヒレカツ¥1000)ハーフ×2で、ちょうど一杯分の量

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7位

山形手打ち十割そば 一 (東照宮、広瀬通 / そば)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.2
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥2,000~¥2,999 -

2013/10訪問 2013/10/22

つるつる食べられる十割蕎麦! 食感も喉越しも最高のご馳走、宮町通りの隠れた名店です。

[宮城県仙台市]
2013/10/20(日)
宮町通り、ローソンの奥にある蕎麦店。
食感も喉越しも最高な、山形風の手打ち十割蕎麦を堪能させてくれる。

立地はあくまでも目立たず、車で走っていては見つけることは困難だろう。
たまたま近所に住まうこととなり、看板を発見、この店を知ることができた。

日曜、雨の夜…
扉を開けると、先客は 3組6名。

客席はカウンター 6席、小上がりの座敷が 4人掛け×3卓。
一人で呑むにも、小グループで呑むにも使えそうな店だ。

店内の貼り紙を見る限り、店主は山形・米沢の生まれらしい。
「愛」の兜で有名な直江兼続の紹介があるほか、米沢牛串焼き、鯉の佃煮など
ご当地グルメもメニューを賑わせる。

米沢の銘酒「雅山流」が置かれているのも、ご当地つながりで良いセレクトだ。

今日はまず、蕎麦湯割りから…

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■蕎麦焼酎「十割」の蕎麦湯割り(¥500)、お通し(¥400)
ホットグラスに蕎麦焼酎、そしてお馴染の赤い丸湯桶で、蕎麦湯が運ばれてくる。
自分の好きなように割って楽しめる。

この方法だと、大抵は呑み進めるにつれて お酒が薄くなるし、
割りものが蕎麦湯ということで、なんとなくヘルシーな雰囲気の晩酌となる。

お通しは、山菜となめこを醤油味で和えたもの。
蕎麦の風味とよく合い、つるっと入ってゆく。

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■男ししゃも(¥500)
カウンター上に掲げられている、本日のお勧めメニューより。
焼くのに時間がかかるかと思いきや、注文してほどなく出てきたので驚いた。

口にすると、一筋縄ではいかない硬さ。
どこかスモークされているような薫香、噛めば噛むほど味が出る系だ。

カラフトシシャモは卵を持つメスがもてはやされるが、
真シシャモは、身に栄養を蓄えるオスこそが旨いとされる。

じっくり噛んで味わいつつ… 酒が進んだので、
先ほどの蕎麦湯割りをもう一杯、お代わり。

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■冷やしかけおろしそば(¥945) ☆4.0
結論から言うと、これがもう絶品!

十割そばとは思えない細さ、そして綺麗な艶感。
口に入れればつるつると、噛みごたえはしっかり。

そう、この口当たりの良さと食感が両立されている感じ。まさに私好み。
いかにも「蕎麦を食べている!」という満足感が味わえる。

1~2本、蕎麦だけを啜ったあと、冷たいつゆを豪快にぶっかける。
大根おろしと一緒にすすり込めば、冷やっこい快感。
つるっと入り、シコシコと噛む食感、その旨さ。

この食感は、どんなラーメンでも真似が出来ない、蕎麦ならではの大きな魅力だ。

添えられた緑の野菜は、山形・置賜地方の伝統野菜「おかひじき」のお浸し。
柔らかく、ほんの少しプチンとし、ほうれん草に匹敵するほど栄養豊富だという。
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灰皿は用意されていないが、夜は店員さんに伝えれば出てくるようだ。
繊細な蕎麦をいただくにあたり、喫煙される方がいると少し残念だが、
居酒屋使いできる店でもあり、吸いたい方の気持ちも分かるので、仕方ないかと思う。

お会計 ¥2845。

店主の方に「美味しい蕎麦でした」と話すと、
「毎朝、まじめに蕎麦打ちやってますからね。」と、にっこり笑って答えてくれた。

自分の出す蕎麦への、静かな自信が感じられる笑顔であった。

  • 冷やしかけおろしそば(¥945)。これは絶品…
  • 細いけれど、食感が素晴らしい十割蕎麦! のど越しとコシが見事に両立
  • 男ししゃも(¥500)。軽く燻されたような薫香、噛めば噛むほど旨味が広がる

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8位

しみず (中目黒、代官山、恵比寿 / 水炊き、ちゃんぽん、しゃぶしゃぶ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.2
    • | 酒・ドリンク 3.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2013/01訪問 2013/01/13

水炊きは鶏の部位ごとに、最適なタイミングを逃さず提供してくれる。シメの玉子丼も絶品!

[東京都目黒区]
2013/1/10(木)
中目黒にある、水炊き・鶏料理専門店。
桜並木の傍、瀟洒な雰囲気の中で、絶品の鍋をいただける人気店だ。

新しく始まった2013年、景気付けに、会社のお気に入り女子と飲みに行くことにした。
女子からの要望は「鍋」。
それなら、昨年3月 両親が上京した際、予約が取れなかった「しみず」がいいかな。
今回は19時スタート、2時間制で予約を取ることができた。

目黒川といえば 桜の名所として、春には大変な賑わいを見せる界隈。
だが今の季節は、静かで落ち着いた雰囲気だ。
川沿いを歩けば、オレンジ色の光を灯すお洒落な店舗が、いくつも立ち並んでいる。

「しみず」はその一角にある。新しく、清潔感のある佇まい。
入ってすぐに靴を脱ぎ、カウンターの一番奥に通される。

カウンターの他には、中二階の座敷席と、一階の座敷席がある。
前者の方が眺めが良いように見えるが、実は窓がなく、隠れ家的な風情だと聞いた。
後者は 2卓しかないが、季節になれば満開の桜を愛でられる、人気の席である。

コートを預かって頂き、おしぼりを渡されてピンと来た。
ミント系の爽やかな香り。
バーでもそうだが、良い香りのするおしぼりを出す店は、私の中でかなりポイントが高い。

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■グラスビール(¥520)&しみずの白菜サラダ(¥630)
まずはビールで乾杯! 次はサラダで栄養補給。

白菜サラダには、塩昆布と鶏パウダーが乗っかる。
鶏パウダーって何だろう!? さすが、鶏料理店ならではの発想。

甘みのある白菜、パリパリ美味しい。
塩昆布って、サラダと本当に合うなぁと再認識させられる。

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■鶏のさつま揚げ(¥580)
軽いつまみに、丁度良さそうな一品。
予め作られているのかと思ったら、注文が入ってから揚げる本格派。
アツアツ、ホクホクのうちにいただこう。

食べてみると、軟骨のコリコリした食感が良く、深い旨味も感じられる一品。
「つみれ風さつま揚げ」というイメージかな? これは良い感じ。

ここで熱燗(1合¥680)を注文、日本酒にスイッチ♪
酔いつぶれないよう、ちびりちびりと…

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■名物・骨付もも肉のがぶり揚げ(¥1380)
鉄鍋に乗せられ、豪快なルックスで登場!

表皮はカリッと香ばしく揚がっており、香草風味。
しっかりした味付け、ボリュームも十分なので、ビールのお供に最適だろう。
なお、底にはキャベツが敷かれており、これが箸休めにもぴったり。

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■水炊き、鶏のスープ煮(ともに1人前ずつ、計¥3,980)
高級店のすき焼きと同じく、鍋への具材投入~取り皿への取り分けまで
すべて店員さんへのお任せとなる。
(その必然性は、むね肉を一口食べたときに明らかになる)

水炊きの宴は、スープの味見から始まる。パッとねぎを散らして…
旨い! この一杯に、ギュッと凝縮されたコラーゲンを感じる。
調味のため塩が用意されるが、私には必要なかった。
確かに塩味は薄めであるが、それを補って余りある濃厚感。

一番手は「スープ煮」チーム。むね肉ともも肉のスライスを 1枚ずつ。
鍋で煮るのではなく、本当にさっとスープにくぐらせるだけ!
水炊きというより、鶏のしゃぶしゃぶと言った方が良いだろう(だからスープ煮なのか)。

むね肉は、パツンと口の中で弾けるような、驚きの食感。
白く茹で上がった身が美しいもも肉は、ミディアムレアでしっとりした肉質。
ポン酢だけでも十分旨いが、柚子胡椒を付けると、さらに味わいが引き立つ。

二番手は内臓チーム。砂肝・レバー・ハツを 1切れずつ。
これもまたすごい。
私は、内臓系を特別好むわけではないが、この食感には感心させられた。
コリッコリの砂肝、ふんわり香り立つレバー、ザクザクッと音を刻むハツ。

部位ごとの肉の味わいを、最適なタイミング・火の通し加減で、鮮明に映し出す水炊き。
鍋というと、一般には「ごちゃ混ぜ・融合・チャンプルー」のイメージ、それがまた魅力なのだが、
こういう鍋もあり得るんだと、目からウロコ。

カウンターの場合、目の前にグツグツ煮立った鍋が置かれないので、ライブ感には若干欠けるが、
鍋でなく「鍋料理」なのだと捉えれば、納得である。

三番手は「水炊き」チーム。骨付きぶつ切りもも肉と、軟骨入りつくねを 1切れずつ。
こちらは普段から馴染みのある、いかにも鶏肉らしい美味しさである。

肉を堪能したあとで、野菜がたっぷりと投入される。
白菜・ねぎ・えのき・豆腐・麩。
こちらはじっくりと火を通し、鶏出汁をじっくり染み通してから、つくねと一緒に取り分けられる。

ポン酢でさっぱりと頂く、シャキシャキした野菜も美味しい♪

最後にもう一度、弾けるような食感のむね肉と、柔らかいもも肉のスライスを
しゃぶしゃぶして取り分けていただく。
最初の驚きを思い起こさせる、この演出が心憎い。

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■玉子丼(1人前¥500)
鍋に少量残ったスープ… このまま残すのは、あまりにも勿体無い。
シメには、ちゃんぽん・雑炊・玉子丼が選べる。

お腹いっぱいではあったが、ここは食べログでも大評判の「玉子丼」を 1人前だけ注文。
1人前の量だが、2人分の器に分けて提供いただいた。このあたりの配慮も嬉しい。

蓋を開けて、まず唸ってしまう、
なんですかこの美しい黄金色は。 (^-^)

黄身がゆるーくとろけ、白身がほんわりぷるん、
そこに、凝縮された旨味の水炊きスープが絡まる。
ある意味、贅を尽くした TKG(卵かけごはん)の趣だ。

うーん、すごいなー。…これは必食。

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■ヴェルサイユの卵プリン(¥580)
ほんとにお腹いっぱいになりつつも、やはりデザートは別腹。
何がヴェルサイユなんだろう… 名前の面白さにつられて注文!

ほっこり黒豆が 3粒乗っかった、和風おしゃれな外見。
スプーンを差し入れてみると、しっかりとした弾力のあと、ほろほろと崩れてゆく、
そして中には、なんと葛餅のようなものが入る、二層構造!

店員さんに訪ねると、豆乳で練った葛餅です、というような回答(酔っ払いのため不正確・笑)。
最後まで、驚かせてくれます。

カスタードの香りが豊か。甘さに頼らず、卵本来の美味しさで食べさせるプリンだ。
ちなみに「ヴェルサイユの卵」というのは、佐賀のブランド卵なんだって。
遠い佐賀からはるばる運ぶからには、相当に品質の違いがあるんだろうな。
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予約時は 2時間制と聞いて、ちょっと慌しいかなと覚悟していたが、
この日はたまたま落ち着いており、4時間弱ゆっくりすることが出来た(状況によるらしい)。

二人で日本酒 3合・ミニビール 2杯・ジャスミンハイを 1杯いただいて
お会計は ¥12,990。
この場所でこの内容なら、高いとは感じない。適正価格というべきだろう。

店内もそれほど騒がしくなく、デート使いにも重宝しそうだ(私には無縁だが…笑)
深夜 3時まで営業なので、夜中はバーのように、お酒だけ楽しんで帰るお客さんもいるそうだ。

店員さんの接客の良さは、特筆すべきレベル。
カウンター内・調理担当の店員さんも、気さくに話しかけてくれる。

退店時は、ドアの外までお見送り。
このあたり、中目黒らしい洗練を感じさせる。

訪れる前は、どちらかといえば目黒川沿いというロケーションを魅力に感じていたが、
料理の味・サービスともに、期待以上のものを頂けた。

食べログの高評価も当然といえる。
また何らかの形で、再訪したいお店である。


[よい子の擬似デートシリーズ]
六本木・オービカ モッツァレラバー http://u.tabelog.com/yoiko/r/rvwdtl/4705649/
飯田橋・カナルカフェ http://u.tabelog.com/yoiko/r/rvwdtl/4382183/
伊勢佐木町・HIJITETSU http://u.tabelog.com/yoiko/r/rvwdtl/4175604/
自由が丘・おかじゅう蓬らい http://u.tabelog.com/yoiko/r/rvwdtl/3591752/
東銀座・ボンナカストラ http://u.tabelog.com/yoiko/r/rvwdtl/3141296/
蒲田・なっぱSUN http://u.tabelog.com/yoiko/r/rvwdtl/2982283/
横浜・Vin LA-FINA  http://u.tabelog.com/yoiko/r/rvwdtl/3842075/

  • 鍋のシメは玉子丼!(1/2人前¥250)ほんわりゆるい半熟卵に、旨味の詰まった鶏だしが絡まる…
  • 日本酒スイッチしたいときに手頃なグラスビール(¥520)縦長じゃないのはちょっと斬新!
  • しみずの白菜サラダ(¥630)塩昆布と鶏パウダー(!?)が乗っかる。甘みのある白菜がパリパリ美味しい

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9位

四季食菜 安田 (勾当台公園、北四番丁、広瀬通 / 日本料理、居酒屋)

2回

  • 昼の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.7
    • | 酒・ドリンク 3.2 ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2022/04訪問 2022/05/13

仙台に来たら、旨い海鮮が食べたい… 肉厚なカツオに煮ダコが旨い、妥協なしの海鮮丼!

[宮城県仙台市][来訪回数:12回]
2022/4/28(木)
国分町の北側、定禅寺通にある和食店。
店舗情報は、1回目の「行った」をご参照あれ。

7年前、仙台に住んでいた頃、ランチタイムによく通ったお店。
昔を懐かしんでお邪魔してみた。

客席はカウンター7席、小上がり4人掛け×3卓程度。
全席禁煙。BGM代わりにTVが流れる。

落ち着いた雰囲気で、女性客・年配のお客さんが多い。
ビジネスユース(領収書利用)も多い様子。
よく見ると、器も美しいものがセレクトされている。

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■海鮮丼(¥1000)※税込10%
到着してびっくり「ごはんが見えない」!
ネタは、マグロ赤身・カツオ・サヨリ・蒸し海老・煮だこ・釜揚げしらす・とびっこ・玉子焼。
とびっこキラキラの盛り付け、赤い花びら(エディブルフラワー)も散らされて、豪華絢爛!

皮目をさっと炙ったカツオは豪快な厚切り、もっちりと肉厚で旨味たっぷり。
これが 4切れも入っているのだから、価格設定がおかしく思えてくる(笑)
煮だこも、さりげなく手間を掛けた一品。タコの特産地・志津川産であろうか。

添えられた「イワシの漬けとろ」は、生のイワシをヅケにしたもので、半生の塩辛みたいな印象。
旨味が詰まっていて、思わず日本酒が欲しくなる♪

小鉢は、細かい賽の目に刻んだクリームチーズを、あんかけ玉子とじにしたユニークな一品。
和の海鮮丼に対し、洋の一品を加えることで相乗効果
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たまたまお客さんが重なったこともあり、思いがけず時間が掛かってしまったが、
仙台に来て良かったと思える、リッチな昼食をいただける一軒だ。
[宮城県仙台市][来訪回数:11回]
2013/10/3(木)
仙台中心部・定禅寺通りにある和食の店。
海鮮系を得意としており、落ち着いた雰囲気の中で満足のいく食事が楽しめる。

定禅寺通り・国分町通りの交差点角から、北へ10歩ほど進んだビルの地下1階。

横一線のカウンターが9席、
靴を脱いで上がる畳席(4人掛けのちゃぶ台)が3卓。

カウンターからは、料理人の仕事がよく見える。
雑居ビルの地下にあるので、なかなか気付きもしない立地と思うが、
これは想定外に良い雰囲気。まさに穴場といえる。

カウンターの上には、青い色した仙台の縁起物・松川だるまが鎮座。
その脇には季節のきのこ、ひらたけ、しめじ、なめこが並ぶ。
(再訪したら、ローズソルトの塊に紅葉をあしらったディスプレイになっていた)

また卓上には、京都の一味と黒七味が並ぶ。

ランチメニューは全品¥800。
 ・海鮮丼 ・刺身定食 ・とんかつ定食 ・かつ丼
 ・日替わり(ローストポーク定食、シャケハラスのスモークあぶり定食)

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■海鮮丼(¥800)
イカ・タコ・マグロ・サーモン・サバ・玉子焼が乗った海鮮丼。
ムール貝の吸物付。

3点ほど、個性的なところのある海鮮丼だ。
1 イカの上に、この店お得意のタレが掛けられている。
刻まれた香味野菜と唐辛子、韓国風のようで和風な、甘辛いタレ。
季節によるのかもしれないが、マグロではなくイカが主役の改正だ。

2 サーモンがルイベ(半冷凍)である。
そのため、最初に食べればルイベとして、あとで食べれば刺身として、異なる食感が楽しめる。

3 まるでラーメンのトッピングのように、海苔が添えられている。
海鮮丼に海苔が入るのは、とても珍しいと思う。
確かに海苔も、海産物の仲間。
海苔が湿るので綺麗に食べるのは難しいが、どう食べようか、考えるのも面白い。

全体のボリュームも適度であり、満足のいく内容。
ただ、吸物は少し塩が強すぎた気がする。

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■刺身定食(¥800)
魚を得意とする安田さんだけあって、刺身定食も迫力十分である。
マグロ、サーモン、カツオ、蒸し海老、甘海老、帆立に玉子焼。
特製の香味野菜ダレが添えられる。

蒸し海老というのも珍しいし、ヒモを含めて1個丸ごとの帆立、
殻を剥いて 5~6尾にもなる甘海老など、大盤振舞いだ。
特に、甘海老の殻が剥かれているのは、面倒さがなくて親切だ。

黒い網目のような飾り(?)が付いてくるが、これは食べられるのだろうか?
こわごわ口に入れてみると、パリッとして少々ぬめりのある、海藻を干し固めたものだった。
こちらも残さず、いただきたい。

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■かつ丼(¥800)
魚メインの和食屋さんだが、がっつり昼時サラリーマンの需要にも応える。
蓋付きのお椀で出てくるので、高級感がある。

とろとろ半熟に仕上げられた、玉子とじが食欲をそそる。
味付けはしっかりめ、ボリュームも十分で、
午後のバイタリティをばっちり補給できる。

吸物も実に上品な味わい。
なめこの大きさも、只者ではない。

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■〔日替り〕 シャケハラスのスモークあぶり定食(¥800)
まず結論を言うと、☆4確定の素晴らしい内容。
懐石料理のように美しい三点盛り、
まさかランチで蟹が食べられるとは、思ってもみなかった。

シャケハラスのスモークは、その香りだけでごはんが食べられそうな薫香。
ハラスだけに、脂の乗りも申し分なく、とろけるような味わい。

宗田鰹のたたきは、韓国料理のような、オリジナリティあるピリ辛の味付けで食欲をそそる。
味噌が染み込んだルイベのような赤身は、ごはんのおかずにも最高だ。

これに旨い刺身が付くのだから、文句のつけようがない。

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■〔日替り〕 銀タラのかま煮付け・刺身付き(¥800)
魚が得意な安田さんだけに、このメニューには期待が持てる。
カマは脂がのって、しっかりこってりとした味付け。
一緒に煮つけられた梅干が、隠し味。
ごはんはやや固めに炊かれており、個人的な好みに合う。

添えられた刺身は、マグロ2切れ、サーモン、白身。
分厚く大きく切られており、冷たくて鮮度も良い感じ。
添え物とは思えない充実度だ。

汁物は、なんとカニ汁。
爪や脚の身を出すのは、ちょっと面倒だが、
そうしなくても殻の上から噛み締めれば、カニの旨みが味わえる。

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■〔日替り〕 揚げかま定食(¥800)
笹かまで有名な仙台、かまぼこ食文化が根付いた地域でもある。
揚げかまをメインに据えたランチは初めて見たので、迷わず注文。

前菜的な盛り合わせの中には、
白子ならぬ、たら菊(仙台での白子の呼び名)が含まれている。
前回は蟹だったが、この一品が他店にない贅沢である。

揚げかまは、予想していたしっかり食感のものではなく、
紀文「はんぺん」を揚げたような、ふんわり感のあるもの。もちろん手作りである。
小口切りのねぎとともに、醤油ベースの出汁でさっぱりと。

汁物はあさりの澄まし汁であった。

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■〔日替り〕 カニ鍋定食(¥800)
まさかランチで、カニ鍋が食べられるとは思ってもみなかった。

ご馳走だったのは確かだが、カニさんフォークがなかったので…
ちょっと食べにくかったかな(^-^;)

牡蠣もたっぷり入っており、魚介の旨み、白菜の甘みの染み出た
出汁が一番のご馳走だ。
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ちなみに夜は、以下のような料理を味わえる。
 ・秋刀魚のぬたあえ  ・まんぼうのホルモン唐揚げ  ・スタミナしらす冷や奴
 ・宗田鰹のたたき  ・鱈きくとかきのバター焼き  ・かに鍋
 ・海鮮と肉の寄せしゃぶしゃぶ  ・毛蟹  ・わたり蟹

「十四代」を初めとする、東北の銘酒も揃える。

見れば、店主と声を交わす常連客らしい姿もある。
応対もしっかりしており、接待にも十分使えるレベルと感じる。

東京なら¥1000でもおかしくない、かなり満足度の高いランチ。
勾当台公園付近で昼食を食べるなら、自信をもってお勧めできる一軒である。

  • マグロ赤身・カツオ・サヨリ・蒸し海老・煮だこ・釜揚げしらす・とびっこ・玉子焼… 豪華絢爛!
  • ランチ海鮮丼(¥1000)。小鉢は、クリームチーズのとろとろ玉子とじ(仮称)
  • 平日ランチは四季安田へ。カウンターには、青い松川だるまが鎮座

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10位

魚のてらさか (柳川、郵便局前、西川緑道公園 / 海鮮、居酒屋)

1回

  • 夜の点数: 3.7

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.2
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2013/03訪問 2013/03/28

魚好きには見逃せない! あらゆる魚を、お造り・焼魚・煮魚・天ぷら・酢の物などで味わい尽くせる店。

[岡山市]
2013/3/9(土)
鮮魚店直営の居酒屋。瀬戸内の幸を肴に、旨い酒が楽しめる。

この日は、倉敷で目当ての居酒屋が2軒とも満席…
最後の望みを託し、岡山マイレビュアさんが推薦する、こちらのお店を訪れた。

R53柳川交差点から、少し南へ歩いた場所。柳川電停からも近い。
店頭にはショーケースがあり、昼間は普通の魚屋さんとして営業している。

店内はカウンター3席、4人掛けテーブル3卓のみ。
非常にこじんまりとした造りだ。

一人で訪れたが、カウンターが埋まっていたので、
1卓だけ空いたテーブル席に通された。
半分程度が女性客。タイミングもあると思うが、居酒屋としては特筆すべきことだ。

他に一人客はいないように見えたが、
実はカウンター3名様のうち、女性はお一人様だった。
地元の方のようで、お酒は呑めないけど魚が好きと仰っていた。

若くしてお一人居酒屋とは、実に目が高い。
そんなお客さんが付いている店なら、間違いはなさそうだ。

お品書きを見れば、まさに魚屋の本領発揮である。嬉しいので多数メモ。

 【造り】 ミル貝、サヨリ、ケンサキイカ、黒コチ、シマアジ、タイラギ、サワラ、サーモン、ヒラメ
 【焼魚】 タイかぶと、シマアジ、サワラ、スズキかま、ホッケ、ブリかま、サバ、のどぐろ、ホタテ貝柱、
  本ししゃも、カンパチ、ハタハタ一夜干し、ガラエビバター焼
 【煮魚】 ゲタ、スズキかま、メバル、カレイ、サワラ、タイかぶと
 【揚物】 穴子、シラウオ、イカ、ハモ、タコ、ごぼう
 【酢物】 〆サバ、シマアジあぶりポン酢、タラ白子ポン酢、カキ茹でポン酢、ナマコ酢
 【その他】 お魚たっぷりシーザーサラダ、アサリ酒蒸し、カニ爪クリームコロッケ、サケの塩バター鍋、
  うるめ丸干し、ししゃものみりん干し、焼きがんもどき、プリンのような冷奴、サワラ茶漬け

お酒の品揃えも、地酒を中心になかなかのものである。
私は、冷酒をいただこうか…

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■冷酒とお通し(タコ酢味噌)
1杯目は平喜酒造「喜平」あらばしり、2杯目は辻本店「炭屋弥兵衛」。
やっぱり、旨い魚には冷酒がぴったり合う。

そして、お通しがすごい。
瀬戸内海を望む下津井(倉敷市南端)のタコを、さっと茹でて酢味噌で。
名産だけあって、これは旨い! 柔らかくサクサクした身、吸盤のプリプリ感がやっぱり違う。
ボリュームも含めて、とてもお通しとは思えないレベルである。

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■タイラギ貝柱のお造り(¥780)
瀬戸内海の砂中に潜む、タイラギの貝柱を刺身でいただく。

ホタテ貝柱の豪華版とでも言おうか、冬場が旬の高級貝である。
盛りも十分で、ボリューム感は抜群!

まずは、柔らかさとサクサク感が同居する、独特の食感を堪能したい。
次に淡白な甘みと、ほのかな磯の香りを楽しむ。
これ一皿だけで、冷酒がだいぶ進んでしまう。

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■寄島産のシャコ酢(¥580)
こちらも当県の名産。倉敷の西、牡蠣で有名な寄島港(浅口市)で水揚げされたもの。
私はシャコ好きだが、塩茹でかタレ(寿司)で食べたことしかなかったので、
酢バージョンに興味を持った。

大振りで立派なシャコが5尾。
カニ酢のような、さっぱりとした甘酢でいただく。

どこか海老にも似た、シャコならではの食感。ぎゅっと詰まった甘みと旨味。
しかも子持ちとくれば、美味しくないわけがない。
あと引く旨さ、これはもう一鉢食べたいくらいだ。

…さて、残念ながらラストオーダーの時間(21:30)。少し早いが仕方ない。
マイレビュアさんが「作り方を教えてもらいたいほど、煮魚が美味しい」と書かれていたので、一品追加。

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■ゲタの煮付け(¥780)
ゲタとは舌平目のこと。確かに、平ぺったいイメージは似ている。
やはりムニエルなど、洋食に使われるイメージの魚なので、煮魚として食べるのは新鮮な気分。

見た目は、カレイの煮付けとほぼ同じ。
ひっくり返すと、身がぎゅっと詰まっており、卵まで持っている!

煮汁はさらさらと優しい。
煮詰まっておらず、塩辛さとも、こってりな甘さとも無縁。
こんなに薄味で、かつ物足りなさを感じず、魚の味わいを引き出した煮付けは初めてかも。

特に美味しかったのは、寿司ネタでいえば「えんがわ」にあたる、端っこの部分。
脂が乗りきって、それはそれは贅沢なお味…。
小骨と小骨の間の身まで、残さず食べたくなる。
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日本酒を2合いただいて、お会計 ¥3580。納得の値段!

時間があれば、タイやサワラのお茶漬けも食べてみたかったが、
それはまた、次回岡山訪問時の楽しみとして、取っておくことにしよう。

瀬戸内の幸を余すところなく味わえる、期待通りの良店であった。

  • ヒラメさんでしょうか? かわいい箸置きです
  • 岡山の地酒「喜平」あらばしり。くいっと一杯呑めば、旅先のテーブル席にひとりでも心細くないさ~
  • 下津井のタコを酢味噌で!これがお通しなんです。びっくりです。

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