【初台・幡ヶ谷】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

出典:ランチ向上委員会さん

【初台・幡ヶ谷】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

みなさんは、おかめそばをご存知でしょうか?首都圏にある老舗の蕎麦店なら多くのお店のメニューに載っているので見かけたことはあるかと思いますが、食べたことがある人は少ないかと思います。「いったいどんな蕎麦が出てくるんだろう」といった、みなさんの好奇心に応えるまとめの第6弾です。

記事作成日:2023/04/08

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる200の口コミを参考にまとめました。

そもそも、『おかめそば』とは??

おかめそばの発祥は、幕末までさかのぽります。
下谷七軒町(上野の不忍池に面する、現在の台東区池之端付近)にあった『太田庵』の発案とのこと。
蝶型に結んだ湯葉、マツタケ、三ツ葉、かまぼこなどを使い、おかめの顔に見立てて盛り付けるという、種もの(具の入るかけスタイルの汁そば)です。
また、「岡目(傍目)八目(当事者よりも第三者のほうが、冷静で客観的に物事を見れるという意味の四字熟語)」からの酒落で、「五目より、三目多い、岡目八目」ということで、「岡目=おかめ」としたという説もあります。
いずれにせよ、福を呼び込む『おかめ』にちなんだ、何とも縁起のいいメニューですね。
現代においては、「具のバラエティが豊富で自由度の高い種もの」というぐらいのメニューですが、その分、お店の個性が出ますね。
江戸の酒落が効いたメニューは、お店の個性があふれる楽しい蕎麦です。
初台・幡ヶ谷エリアは、新宿に近いという土地柄でありながらも商店街もあるという住宅街です。
そのため、エリアとしては店舗数が少なくても、『町のお蕎麦屋さん』という雰囲気のお店が点在していますね。
このエリアでおかめそばを提供するお店は、このまとめに登場する5軒で全部です。

やぶ善

初台駅近くの不動通り商店街にある蕎麦店です。

お店は、自宅兼店舗という感じですが、鉄筋コンクリート造でモダンで立派な建物です。
角地にあって、店内には適度に自然光が入ります。ロールカーテンの付いた縦長な窓でお洒落ですね。

線対称?点対称?幾何学模様風の盛りつけのおかめそば

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、油揚げ2枚、麩2個、ほうれん草、刻み海苔です。
中央に散らした刻み海苔がこのお店の特徴ですね。
おもしろいスタイルの盛り付けで、中央にほうれん草、その上に刻み海苔があり、それを囲むように他の具が並んでいます。
そのため、おかめ顔に見えるようで見えない、線対称のような点対称のような、幾何学的な盛り付けのおかめそばです。

松乃家

初台駅の北側、不動通り商店街にあるそば店です。

お店は、ビル形式なれど自宅兼店舗という感じのものです。

上品な印象のあるメニューを掲げた看板があり、建物は少し古いですが、劣化した印象は無く、いい雰囲気ですね。

初台で発見!見事なおかめ顔

具は、かまばこ2枚半、麩2個、タケノコ、なると、椎茸、ほうれん草、柚子が入ります。

見事なおかめ顔の盛り付けで、2個の麩が眼となり、タケノコが鼻ですね。口がなるとで、かまばこ2枚が下膨れな頬となっています。飾り包丁が入ったかまぼこが額にあり、前髪になっていますね。

味のほうもよく、機械製麺なれど、蕎麦粉の配合率が高く、質感がいいですね。加えて、出汁がしっかりしていて、醤油が適度、甘さはやや弱めでバランスが取れています。

そば処 初台丸屋

初台駅南口にあるそば店です。

お店は駅から近いのですが、ちょっと路地を入ったところにあります。
ビルの1階にあり、町の標準的なお蕎麦屋さんという感じの雰囲気の外観ですね。

『丸屋』は、都内でもよく見かける屋号です。
店内には同門の神楽坂、新宿御苑、荻窪、新井薬師、浅草橋などの丸屋から贈られた一枚板のメニューが掲げられています。

昼は蕎麦だが、夜は居酒屋なお蕎麦屋さん

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、麩2個、きくらげ2個、伊達巻、舞茸、ほうれん草が入っています。
おかめ顔を意識してか、若干、線対称ぎみに具が配置されていますね。
もうちょと整えて盛り付ければおかめ顔になりそうなのと完全に沈んで見えない、なると2枚が惜しい限りです。

夜の営業は、蕎麦も提供しますが、居酒屋としての営業がメインになります。

豊洲市場から仕入れるという魚を使った刺身は、お蕎麦屋さんのものとは思えない高品質。
写真は、本マグロと石鯛です。

これを肴にそば焼酎の蕎麦湯割りで一杯やるのが、夜の醍醐味でしょう。

更科

初台駅前にあるお蕎麦屋さんです。

お店は初台駅南口から続く商店街にあります。
少し古い建物ですが、白い壁のモダンな外観のところに暖簾を掲げています。

店内も外観と同様にレトロな喫茶店のような雰囲気です。

蕎麦湯も付くおかめそば

具は、かまぼこ2枚、ちくわ、椎茸、筍、湯葉、麩、三つ葉、柚子です。
かまばこ2枚が目になっていて、タケノコが鼻に見えなくもなく、微妙に顔っぽい盛り付けです。
特徴的なのは、湯葉ですね。もともと、おかめそばには乾燥湯葉が入るのですが、現代においてはおかめそばに湯葉は珍しいです。

『更科』の屋号が示すようにちょっと上品で高級感のあるおかめそばですね。

おかめそばは、種もの(かけスタイルの汁そば)なので、一般的には蕎麦湯は付きません。
しかし、こちらでは蕎麦湯の提供がありますし、蕎麦猪口まで用意してくれます。濃いめの汁なので蕎麦湯が楽しめるようですね。
蕎麦湯はゆで汁ではなく、蕎麦粉を溶いて作っているようで容器の下に沈殿しています。
軽く揺らしてから注ぐと、本領発揮ですね。

大村庵

幡ヶ谷駅南口近くにある蕎麦屋さんです。

外観は、家紋の入った大きな看板、万両の鉢植えなどがあり雰囲気がいいですね。
店内も壁に古地図が描かれていて、なかなかの趣きです。

ランチタイムのみの営業のお店なので訪問の際は注意が必要です。

幡ヶ谷駅周辺で唯一のおかめそばを提供するお店です。

幡ヶ谷で唯一のおかめそば

具は、かまばこ3枚分、なると2枚、椎茸、ほうれん草、麩です。かまばこのうち1枚分は飾り包丁が入っていて、なかなか手が込んでいます。
線対称な盛り付けで、顔に見えなくもないですね。
他に丼の中には柚子の皮が厚めに切って盛り付けてあります。
具は、総じて良心的なボリュームになっていて、かまぼこは厚くて立派です。食べ応えがあって、具の主力ですね。

※本記事は、2023/04/08に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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