食べる事が好きだが、加齢のせいなのか仕事の疲れがたまっているのか、
あちこちの店を調べて機会を見て食べに出かける、という衝動が若干
落ち着いてきている自分に気付く。
それと反比例するように、日常家で食する物には気を遣うようになってきた。
度々書いてきた様に、使用する食材や調味料にそれぞれ少しづつ気遣うだけ
で、日常に満足出来る美味はある。
スーパーでも通販でも構わない、各食材で「これならここ」という所を見つけ
購入し適切な調理をすれば、下手な店で食事をするよりは余程インチキの
少ない、真っ当な美味に出会えるのだ。
生姜を使うなら、チューブの出来合い品ではなくスーパーに売っている生姜を
自分で下ろす。出来合いの調味料ではなく削り節やいりこ、昆布で出汁を取る
だけで、料理は何段も調子が上がる。
よく引き合いに出す富山のチェーンスーパーのアルビスでは、魚介類以外にも
良い海藻に出会える事があるが、最近は生ギバサ(アカモク)が売っているの
を見つけた。これを叩いて味噌汁に入れれば大変美味な一品に仕上がる。
京都へ出かければ、お気に入りの店で油揚げや漬物を買う。
お揚げを焙っておろし生姜と醤油を用意し、上記の漬物と生ギバサの味噌汁、
そして丁寧に研いで炊いた白米で食せばこれまた美味い物だ。
長年購入している山口の干物屋(決して高くない)の一夜干しカレイをここに
付ければ「質素にして大変上等な食事」の完成である。
野菜のポタージュにしても、種類を選んで丁寧に作れば、そんじょそこらの
洋食屋では太刀打ちできない程度の物は出来上がる。
パスタ料理に関しては、もうここ数年はパスタ料理を食べに出かける事が
なくなった。アホらしくで金をかけられない。それ位の程度の物は、自分で
拵える事が出来る様になった。
幾度も書くが、グルメな生活とは、何も美味いと言われる店で高価な食事を
する事だけではなく、その時その時良いと思える食材を見つけ、自分で調理し
最適解を見つけていく事。真の美食生活とはそうしたものであろう、という
気持ちが日に日に増してきている。
まあ、それなりに歳をとってきたという事だろう(苦笑)。
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