まめぞうさんのマイ★ベストレストラン 2018

まめぞうのレストランガイド

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まめぞう (男性・東京都) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

目黒の人気飯屋・居酒屋「酒嚢飯袋」の大番頭、山本君が
事情で地元に帰り、富山市ガラス美術館の並びに出した「葷酒山門」、
既に地元の人に人気だが、
北陸新幹線で旅した際には是非寄ってやって欲しい。

四谷三丁目のミタニは行くたびに感動、クラシックフレンチは大事である。
近所に移転した恵比寿のマンサルヴァ、若きツートップがこれからもいい味とサービスを提供してくれそう。

徐々にフレンチ・イタリアンは定番の店が出来てきたようである。
選外にもお勧めしたいお店は幾つも。
いい年であった。

マイ★ベストレストラン

1位

葷酒山門 (グランドプラザ前、西町、中町 / 居酒屋、食堂、日本酒バー)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥2,000~¥2,999 -

2018/05訪問 2018/06/03

富山:スロウな美酒佳肴との久々の再会

富山県立山町釜ヶ淵出身で
コンビニの食品バイヤーをしていた山本晃路氏は、
25歳のときに
「自分の手で料理をつくりたい、そして人に喜んでもらいたい」と脱サラ、

池袋のてしごとやグループに6年、
その後、京料理を学び、
六本木魚屋がぶの立ち上げに参加。
その料理長として4年間、
いよいよ独立を果たし、
目黒駅西口にほど近い場所の2階に出店。

酒嚢飯袋」という店。
(シュノウハンタイ)
酒を入れる袋と飯をいれる袋という意味から、
飯を食い、酒を飲むだけの何の役にも立たない人のことをいう。

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13151263/

たまたまランチでオープン間もない頃に発見して入る。
羽釜で飯を炊き、売り切れ御免。

海鮮わっぱめし
和洋の2品定食
がウリ、
口コミで近隣の女子に広まり大人気。

夜は夜でおまかせ+飲み放題が人気で、
いずれ予約が取れなくなる。
何度か宴会をここで開き、
参加者には満足してもらった。

半袖短パンのたこ焼き星人が
跳梁跋扈(チョウリョウバッコ)するお店。

人気大沸騰の中、
2017年9月、後輩のハセガワダイスケ氏を新番頭に任命し、
本人は富山にUターン。

私には青天霹靂(セイテンノヘキレキ)。

挨拶もできないままお別れ。

ある日、富山市内に店を出すと伝え聞いた。

葷酒山門
(クンシュサンモン)
匂いの強い食べ物や酒を寺院に持ち込んだり、そのような物を飲食した者は、
寺院に入ってはいけないという戒め。

そして、時が来た。
訪れることになる。

出かける前に、新番頭の「酒嚢飯袋」に訪れる機会があり、
二代目海鮮わっぱめしをいただき、それぞれの個性を感じる。

それから3日後、18時丁度に「葷酒山門」に訪れる。
あの隈研吾氏設計、人気の富山市ガラス美術館から徒歩30秒の立地。

黄色いファサードのハラールカフェ「Z's cafe」
の右の穴倉のようなところに入り、3軒目左。

既に何組かの客が来ており、
外の窓から忙しそうな懐かしい顔が見える。
ドアを開ける。

左奥の出べそのようなカウンター席に3席準備してくれていた。
熱燗とビールをお願い。

目黒時代同様、たった一人で回している。
孤軍奮闘(コグンフントウ)

乾杯後、
アテ盛り
が届くが、
目黒時代とは違い、随分上品な食器になったことに気付く。

生ハムイチゴ奈良漬け
ポテサラ最中
いぶりがっこ
燻製チーズ
タコアボカド
大根を使ったかぶら寿司等々、

相変わらずアレンジ力抜群、
以前より味が優しくなったのは富山仕様か。

瓶ビールをおかわりし、
スペインの赤ワインをボトルでいただく。

牛スジ味噌煮込み
これも目黒時代にあったメニューだが進化している。
ほのかにカレー味を効かせ、
とろとろのいい味わい。

白海老揚げ
寿司で白海老を何度も食べてきたので揚げた白海老がでるといいなぁ、
と思っていたらドンピシャ。

今回はここに来るまでに行く店を伝えたうえでのおまかせ料理。
以心伝心(イシンデンシン)か神対応か。

白海老のすり身に白海老をまぶして天ぷら。
白海老の甘みが見事に閉じ込められ絶品♪

味噌焼売
小さな蒸籠で蒸した焼売。
隠し味程度に味噌を使ったという。
肉肉しく旨みたっぷり、肉汁じゅわっ。

ハイボールを追加して
〆にと頼むのは、やっぱり
赤出汁

山本君が富山時代、
福井発祥の焼鳥「秋吉」で〆に飲んでいた赤出汁を再現したもの。
目黒時代のそれは、しっかりした赤出汁でかなり山椒を効かせていた。

ここのは随分優しい赤出汁。
聞くと、
人間が丸くなったのかも、
と笑顔で応える。

お勘定と云うと、3人で8,240円。

少しずつ、富山の若者、おっさん、女子を集めて、
富山経済の活性化に大きな力となって欲しい。

そういや、丸ノ内の人気寿司屋、「美乃鮨」も目黒出身、
どこかで交わることがあると面白いことが起きるのかも。

山本君!
この地で店を開くことになったのはきっと運命?宿命?

自分も、家族も、友達も、客も、近隣も、街も、市も
幸せな気持ちにさせてあげてくれ♪

私が君にあげる酒の四字熟語は
当然ながら
美酒佳肴
(ビシュカコウ)
美味い酒と美味いつまみ。

そして、お客様、
ひとりで回しているので
中々出て来ずイラっとする事があるかもしれませんが、
イチからきちんと作ってますのでスロウフードなお店だと、
温かい目で
一緒に彼を盛り上げてあげてください。
一致団結
(イッチダンケツ)
集団に属する人員が、一つの共通の目的やゴールに向けて協力しあいながら物事を進めて行くさま、
または、そのような状態のこと。

  • アテ盛り
  • 大番頭
  • 瓶ビール

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2位

レスプリ・ミタニ ア ゲタリ (四谷三丁目、四ツ谷、信濃町 / フレンチ)

2回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2018/11訪問 2018/12/20

四谷三丁目:漢、三谷青吾の静かなもてなしに感動

14年1月、CXのザ・ノンフィクション「消えた料理人」で
かつて一世を風靡した新屋信幸シェフのその後を取り上げていた。
http://kakaku.com/tv/channel=8/programID=4299/episodeID=695426

そこで新屋氏の独創性を語った、
先輩の三谷青吾氏。

新屋氏よりも三谷氏のその存在感に圧倒され、
すぐに予約を取って出かけた。

三谷青吾氏は1958年広島県出身。
三谷氏と新屋氏は同時期にフランスで修行。
帰国後、三谷氏が原宿「オーバカナル」シェフの時、新屋氏がスーシェフ。
その後三谷氏が「ブルーノート東京」総料理顧問の時、新屋氏がシェフ。

またあの味を堪能したいとランチを予約。

ランチは3,200円、5,000円、8,000円(+消費税&5%サービス料)
5千円、前菜2+メイン+デザート+カフェの幅の広さに圧倒され、
これ以外のチョイスはあり得ない。

クローネンブルクブラン(1,000円++)
外は気温が低いが、中は日が差し
白ビールがピッタリ。

マダムと相談し、ローヌの赤のボトル
ピエール・ガイヤール サン・ジョゼフ(7,500円++)
最初はややスパイシーだが、
徐々に果実味、
重過ぎずいいワイン。

彼女は
マッシュルームのサラダ
最初からふんだんな量である。

私は
イワシのマリネ
〆方が絶妙、濃過ぎず、薄過ぎず、
でもやっぱりクラシックな仕上げ。
添えてあるトマトがさっぱり甘くいいハーモニー。

前菜2つ目は2人でシェア、
イカとキノコのココット蒸し
絶妙な塩梅。
イカは本当に柔らかく、
数々のキノコの香りが素晴らしい。
濃くはないのだが、しっかりした味付け。

メインのポーションは相変わらず凄い。
こちらもシェアすると宣言。
トリップ アラモード カーン
牛の4つの胃全てを使った、
ノルマンディ・カーン市の煮込み料理。

内臓の匂いはしっかり香るので、苦手な人もいるかも。
ニンジン、ジャガイモ、セロリと共に、
シードル・カルバドスで煮込まれている。

とろとろの仕上がり。
ナイフは要らず、
口の中で溶け、
旨みが口いっぱいに広がる。

ガリシア豚肩ロースのグリル
大きさに圧倒される。
ラギオールのナイフで簡単にスッと切れる。
ほのかにピンク色が残り、
口に入れると肉汁としっかり旨み。

どちらのメインも塩梅が抜群で優しくもしっかりした味。
大したものである。

デザートに
モンブラン
チョコタルト

カフェは
カモミールティ

お代は2人で、22,113円。
ここは本当にお勧め、
大満足でご馳走さま。
六本木ヒルズから移転して初めて訪れる。
六本木時代のレビュー↓
http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13174298/dtlrvwlst/6130211/

四ツ谷駅と四谷三丁目駅の中間、気持ち四谷三丁目寄り。
四谷二丁目バス停そば100円ローソンのところを南下、この道は須賀神社参道口になる。左手に四谷小学校を見ながら下っていった小さな十字路の左手前のレンガ造りのビル、黄色い店の看板と青いバイクが目印。

今回はランチを予約して行った。
昼はアラカルトはなく3,200円、5,000円のプリフィックスと8,000円のおまかせコース(税8%サービス5%別)。

3,200円は前菜+メイン+デザート+カフェ。
5,000円は前菜1+前菜2+メイン+デザート+カフェ。

お皿の選択肢の幅が5,000円コースの方が圧倒的に広いのでそちらを選ぶ。
ここはポーションが大きいので全部食べられるか不安ではあったが選択肢の多さに簡単に屈した。

彼女はヒューガルテン(1,000円+)、私はクローネンブルク(1,000円+)を選び、乾杯。
楽しみながらメニューを選び、彼女は一皿目をポワロ・ヴィネグレット、私はラタトゥイユ、二皿目は+300円のキノコのオムレツを2人でシェア。
メインは鶏もも肉のココット蒸しと仔牛のマレンゴを選び、これもシェアすることにする。

シラーやグルナッシュ系の果実味のあるワインをと云うと、コートデュローヌのル・ヴァン・ド・ヴィエンヌ ヘルクム(8,600円+)を勧めてくれたのでそれでお願い。シラー100%という。

さっそく味見をすると、果実味がストレートにやってきて雑味のないやや重め。
この赤はなかなか美味い。

[ポワロ・ヴィネグレット]
蒸したポロ葱にマスタード、白ワインビネガー、オリーブオイル、塩、胡椒で作ったヴィネグレットソースをかけたもの。
一般的なものよりソースは白っぽい。刻んだベーコンが散らしてある。
私はいただいてないが、ベーコンが上質ということもあり全体的にあっさりした仕上がりで美味しかったとのこと。
    
[ラタトゥイユ]
冷製、野菜たちが旨み、甘みたっぷりに仕上がっている。
ミントがいいワンポイントで味を引き締める。

添えられたパンは自家製のリュスティック、水分量が多いので成型しにくいがきれいなバゲットの形になっている。
身が詰まりオリーブオイルに漬けていただく。塩は少な目。

[キノコのオムレツ]
直径30cmくらいのキノコたっぷりの薄いオムレツ。
チーズもたっぷり使ってるのだが、塩は強くない。バターも使ってるのだろうがしつこさも感じない。
キノコを蒸してから炒め、ジュ(ダシ)を大事にして作ったという。優しい美味しいオムレツである。

[鶏もも肉のココット蒸し]
ココット鍋の中に骨付きの鶏もも、ジャガイモ、ブロッコリー、インゲンなどとココット鍋で蒸されたもの。
あぁもう鶏の旨みたっぷりの仕上がり、野菜も鶏のジュースを一杯吸って素晴らしい仕上がり。

[仔牛のマレンゴ]
これは本来イタリア料理だそうで鶏や仔牛を玉葱、ニンニクと白ワインで煮詰め、ホールトマトやマッシュルーム、エビなどを加え煮込んだものだという。
ここでは仔牛、ニンジン、オリーブ、ショートパスタを使い、ホールトマトを後から加えて鉄鍋で煮込んでいる。

仔牛なんかはアメリカに行くと薄くスライスし、赤ワインで煮込み柔らかくしたものが多いが
ここの仔牛はワイルドにごろっと調理されている。肉の繊維質もしっかり感じながら、やはり旨み一杯のソースに仕上がった。

あぁ本当にここの料理は気に入った。
六本木時代は場所柄若い客が結構多かったが、四ツ谷に移ってからは大人の客層。
遠くでバンドネオンのフランス歌謡を聞きながら落ち着いた雰囲気での食事はなかなかよい。

デザートとカフェをいただき、お腹パンパン。
お代は2人で税サ込み23,700円、大満足であった。

  • より引き締まった三谷青吾シェフ
  • クローネンブルクブラン
  • (説明なし)

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3位

イル プレージョ (代々木上原、代々木八幡、代々木公園 / イタリアン)

2回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2018/11訪問 2018/11/30

代々木上原:しっかり風格が出て来たイタリアンでランチ

ランチを予約。
今は選択の余地のないおまかせ一本。
@4,860円+10%サービス料。

4年振り、
その間にミシュランや食べログで高評価を得たようだ。

岩坪シェフも藤本ソムリエも
随分風格が出て来たようである。

が、4年前同様、
客に寄りそういいサービス。

ビールを頼む。
瓶の中で熟成させるウンブリア州のビール(@1.290円+サ)。

赤ワインはグルナッシュ・シラー系でとお願いすると
Serrone Sannio Taburno Rossoを勉強してくれた。
カンパーニャ地方の
アリアーニコ、ピエーディロッソ、サンジョヴェーゼ(6,000円+サ)
最初はスパイシーさを感じるが、
徐々に果実味を感じていく。

アミューズ:
木の子のカプセルと秋トリュフ
銀杏とピオトジーニ24ヶ月熟成プロシュート
湖水地方牧場の水牛のモッツァレラ
生ハムが上品な素晴らしい旨み、ギンナンの苦みといいハーモニー。
キノコがとても濃厚で、岩坪さんの強い主張を感じる。

前菜:
秋刀魚のマリネ その肝のソース
梨・黄パプリカ・フラックスシード

生と炙りの2種の用意。
マリネ感は少なく酸味はない。
サンマの肝ソースがしっかり主張し、
梨の水分と甘みがいいハーモニーになる。

プリモ1:
昆布森産ムール貝のリゾット
フィノキエット・サフラン

濃厚な味わい。
わざとだと思うが、クリアというよりワイルドな仕上がり。

プリモ2:
パッパルデッレ ヒグマのラグー
栗・黒胡椒・シブレット

タリアテッレより幅広パスタ。
生命感溢れる濃厚な味、
中にヨーロッパの栗を入れているというが、
日本の栗のような甘さはなく、
熊の強さをいい具合に中和している。

セコンド:
仔羊のロースト 藁の香りを纏わせて
サルサヴェルデ・王様椎茸とそのエキス

直前に藁でスモークしたというその香り、
シイタケの香りがかなり強い。
パセリのソースが、その香りを隠してくれる。
羊は柔らかく、ソースはしっかり濃厚。


ドルチェ:
シャインマスカットと
カルダモン香るパンナコッタ


カフェ:
レモングラスティ

有名になっただけあって、
客層も以前よりお金のある人たちが増えたようである。

お代は2人で20,130円。

14年8月:
ほぼ一年ぶりにランチ(@4,210円)。
ツートップはパワーアップ、ミシュランで星☆を手に入れたらしい。

アミューズ:焼きトウモロコシのクレーマと生ハムのジュレ、ポレンタのビスコッティとピオトジーニの生ハム
前菜:イサキの昆布〆 橙と白バルサミコのアクセント 夏野菜・モッツァレラブッファラ
パスタ1:太刀魚・ケッパー・レタス・バジリコ・アーモンドのタリアテッレ
パスタ2:和牛肩肉のラグー、玉ネギペースト(ナポリ風ジェノベーゼ)のカサレッチェ
メイン:低温調理鴨胸肉の炭火ロースト 焼き茄子のピュレ レモンのリストレット&七味塩
デザート&カフェ

ビール小瓶(@860円)の後は赤ワインボトルでプリミティーヴォ・ディ・マンデュリア2011(5,700円)

昆布〆のイサキはねっとり、甘みもよく出る。キュウリのサクサクの食感がいい。

パスタにアーモンドとその削りを使うのは新鮮、香りが鼻から抜ける。太刀魚は少々塩が強いがレタスと中和。

バジリコソースは使わないナポリのジェノベーゼは玉ネギペースト、S字のアルデンテのショートパスタに肉肉しい和牛がガツン、食べ進むと玉ネギのせいか肉が甘い。

低温調理した鴨を炭火と焼き茄子ピューレで香ばしく。コリアンダー、アニス、山椒などを使った七味塩は癖はあるが私は好き。レモンソースはまろやかに。

ワインは果実味はありタンニンは少ないのだが味は深い。
これはかなりのお気に入りの味である。

サービス料10%でお代は17,424円。
ご馳走様。

13年9月:
12年10月にオープンしたイルプレージョ、
オーナーシェフ岩坪滋(いわつぼ ゆたか)氏とソムリエ藤本智(ふじもと とも)氏のツートップ。

結論から言うとこの二人に身を委ねればいい。

岩坪シェフは中目黒の「カシーナ カナミッラ」、藤本ソムリエは広尾の「インカント」出身。

当初夜に来てアラカルトを楽しむ予定でいたが、都合でランチに変更。
ランチはシェフのお任せ(3,990円)一本。

代々木上原駅東口を出て、右の坂をえっちらおっちら上がっていく。
ドラッグストアの2階、見上げると窓にお店のロゴ。

右手の階段を上がるのだが、お店の案内などは出てないので、一瞬これでいいのか迷う。
大きな明るい茶の木のドアを開け、左に客席、右手がキッチン。中2人、外2人で回している。

奥窓際の左の席に案内される。
店内はシックな雰囲気、女性ボーカルのジャズが流れる。

テーブルにはこの日のお任せメニューのリストが置かれてあり、おしぼりが出される。

飲み物メニューが手渡され、ビール小瓶(@840円)とアビナメント(ワインと料理の相性という意味)と名付けられた、フレンチでいうワインデギュスタシオンと同じお皿ごとに合うワインを出してくれるものを頼む。これの1/2杯ずつ(@3,110円)のほうでお願いする。

ビールはフランスに接するイタリア北西ピエモンテ州の「メナブレア」
まずは乾杯!

質の高いモルツと地下1500メートルからくみ上げられた天然水から作られたビール。
ペールラガーで軽快な辛口だが、しっかりコクもある。香りもハーブのような感じ。

アミューズは「鴨生ハムとポロネギのひと口クラッカー」
フェンネル(ウイキョウ)、蜂蜜、バターを混ぜた薄い正方形のクッキー生地の上に自家製鴨胸肉の生ハム、ポロ葱のテリーヌにパッションフルーツのソースをのせたもの。

ひと口サイズのものが二つ、これを手で食べろとのこと。
生ハムの塩気とクッキー生地の蜂蜜の甘みが素晴らしいコラボ。

後で気付くが、岩坪シェフは対照的な味わいの食材を非常に上手に組み合わせる。
初っ端からいいジャブをいただく。

藤本ソムリエがワインボトルを持ってきて語り始める。
「タララ カンティーナ ジャルディーノ2009」

南イタリア、ナポリが州都のカンパーニャ州の樹齢40年のグレコから作ったビオワイン。
この後出るサンマに合わせた色合いの濃い白ワイン。

前菜は秋刀魚2種
「秋刀魚柑橘風味のマリネと秋ナスのピューレ」
「秋刀魚、ジャガイモ、パンチェッタ、ポロ葱のテリーヌ」

マリネの方はナスのピューレの上にマリネしたサンマ、その上に白板コンブ。
ナスがとっても濃厚で、あっさりマリネしたサンマとうまく調和している。少しサンマ臭さを感じるのが野性味があってまたいい。

テリーヌはジャガイモを使っていることで食べるとずっしり感がある。
ケッパーソースと一緒にいただく。サンマは少し〆てあり、使っている食材から塩からいのではないかと懸念したがそんな心配は無用、いい塩梅である。

ここでも濃い味と淡い味を上手に組み合わせ喧嘩させない。

藤本ソムリエがワインボトルを2本持ってくる。
「バローネ・ディ・ヴィッラグランデ・フィオーレ2010」「プルルケ ヅィダリッヒ2010」

バローネはシチリア島エトナ山麓で作られたカリカンテ90%シャルドネ10%のビオ。
ピルルケはスロベニアと接するイタリア東端トリエステ州のソーヴィニョン、ヴィトヴスカ、マルヴァジア3種を混ぜた白。

次のパスタのツブ貝をイメージしたという。
それぞれ一杯ずつもらい、飲み比べる。

最初のプリモは手打ちのロングパスタ、キタッラを使った
「キタッラ ツブ貝・アンディーブ(チコリ)・チェリートマト・カラスミ」

トマトソースで和えたパスタに弾力のあるツブ貝、ほどよい苦みのチコリ、上から振りかけられたイタリア産カラスミ。
パスタソースはしっかりした味付け。ツブ貝の旨味、しっとりしたチコリの苦みとカラスミの塩気が混ざり合い贅沢な味。

次に藤本ソムリエは赤を2本。
「カレーマ リゼルヴァ2008」「エトナロッソ タリア2010」

カレーマはピエモンテ州のネッビオーロ100%、芳醇なブーケとミネラル感。
エトナロッソは名前の通りシチリア島のネレッロマスカレーゼ100%、フレッシュ感があり、酸味もタンニンも優しい。

次の皿の大麦をイメージ。

2つ目のプリモはリゾット。
「オルツォット 馬肉のサルシッチャ・プルロット(ヒラタケ)・シメジ・栗」

オルツォットとは大麦(オルツォ)をリゾットにしたもの。
馬の腸詰、ヒラタケ、シメジ、栗と和えてある。

こちらもしっかりした味付け。濃厚なのに塩からくはない。
チーズと腸詰の塩分と栗の甘みがここでも素晴らしいハーモニー。大麦は粒がはっきり歯ごたえもある。

藤本ソムリエが最後のワインを持ってくる。
「バッコ・イン・トスカーナ2010 ”ボン バ バ バ”」

フィレンツェが州都のトスカーナのワイン、サンジョベーゼ80%シラー20%の赤。
華麗な酸味とバランスの良い果実味で少し重い。

セコンドは「北海道産 仔牛の炭火ロースト グリーンペッパーのソース」
仔牛を低温調理した後、炭火でロースト。付け合せはビーツ、ネマガリタケ、オクラ、キタアカリ、レンズ豆。

肉はなかなかの火入れで、非常に柔らかくジューシー。
ソースは確かにペッパーがよく効いている。

付け合せの野菜も大変うまい。

非常に満足である。
デザート盛合せにはピエモンテのチョコプリン、ボネも入っていて懐かしい。

彼女はカプチーノ、私はレモングラスのハーブティ

コペルト@500円でお代は二人で16,880円。
ワインバーカスレの店主が強くここを勧めてくれたことだけのことはある。

ここは通う価値がある素晴らしいお店。

結構ゆったりした間合いで出てくるのでお酒を飲まない人はもてあますかもしれないが、
是非あなたもここの二人に身を委ねてみて!

  • ランチコース、アミューズ
  • ビアンカランチシア、フェディリコII
  • ランチコース、銀杏とピオトジーニ24ヶ月熟成プロシュート

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4位

レストランユニック (目黒、不動前 / フレンチ、ビストロ、ワインバー)

5回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2022/04訪問 2022/06/17

大鳥神社前:2年ぶりの訪問を満喫

前回訪れたのは20年2月下旬。
ご存じの通り
コロナ禍で外食は自粛していたからだ。

中井さんに連絡をし、
席を取ってもらう。

目黒川の見納めの桜を眺めてから、
大鳥神社交差点を越え、
緩やかな坂を登って行く。

口開けの客、
いつものテーブル席に案内。

相変わらずのワンオペ。

しばし、
中井さんとこの2年の事を語り合う。

感染症対策で、
手指消毒だけでなく
コートなどはセルフでハンガーにかけてもらい、
客や客のものに触れないよう注意。
また、
あらかじめ取り分けてサーブするようにしたので、
ここの名物の、
宝箱を開けるようなドキドキ感のある、
前菜盛り合わせ」は休止中との事。

昨今のウクライナ情勢の影響が大きく、
欧州便の減少、燃料費の高騰、円安
のトリプルパンチで、
食材やワインの輸入価格が
どんどん上がってきているという。

近々輸入する
ホワイトアスパラの価格上昇が
10%アップとかそんなものではないレベルなので、
果たしてお客さんに出せるのかどうか不安だ
と語っていた。

メインを子羊にし、
前菜は
コンソメジュレ手羽先のフリット
に決定。

中井さんは、
量的に少し多いので、
フリットはハーフにと勧めてくれた。

まずはキリンラガー小瓶2本、
コンソメジュレで白ワイングラス
他は赤のボトル
とお願いする。

紙おしぼりは
水分量の多い高級タイプ。

まずはビールで乾杯。

席料代わりの
豚のリエット自家製ライ麦パン
もあらかじめ2つに分けられて出される。

パンは以前より加水率が高くなったか。
お酒とパンが進む
旨みたっぷりのリエットは健在。

コンソメジュレが出てくる。
色んな店でコンソメジュレをいただくが、
ここのは図抜けている。

ウニズワイガニ
オマールと魚介のスープカリフラワームース
とってもクリアな味わいで、
旨みが深い。

当たり前のことだが、
蟹の身に軟骨が混ざるような事のない、
丁寧な下ごしらえ。

2種の白ワインのうち、
果実味の少ないロワールの白をチョイスしたが、
ミネラル感がしかりあり非常に美味しい。

2品目は
鶏手羽のフリット
1ピースずつサーブされる。
見た目はフリットという感じではなく
素揚げのような見た目。

イタリアピエモンテの赤ワイン
目の前で開けてくれる。

酸味があり、果実味がたっぷり。
ちゃんとこちらの好みを分かってらっしゃる。

スパイシーで旨みのある香りが漂う。
ブーダンノワールを先っぽからギュッと詰めたという。
ブーダンノワールの甘みと、
鶏の旨みがいいハーモニー。

子羊のロティ
鉄鍋に入って出てくる。
ひと皿だが、
2人で取り分けしやすいよう、
カットしてある。

腎臓も一緒に入っているので
熱いうちに
先にいただく、
ほろ苦さと旨みが混ざり合い、
とても柔らかい。

グリーンアスパラ空豆も一緒にオーブンされ、
柔らかく旨み十分。

子羊の骨の部分は
後半は指で挟んでしゃぶり尽くす。
あぁ美味い。

ほんの少しだけ
デザートが食べたいというわがままを聞いてくれ、
一口サイズのパイ菓子を出してくれた。

アルマニャックと合わせていただく。

少しずつ時間をずらしての
4組の客をサーブしていたが、
ワンオペでこなしきっている。

あぁ、大満足である。

この日頼んだもの:
カリフラワーのムース、ズワイガニ、ウニ、コンソメジュレ、クレームドオマール」2,420円
ブーダンノワールを詰めた鶏手羽先のフリット ハーフ」1,100円
ピレネーの乳飲み子羊の背肉のロティ」7,150円
ビール」660円x2
ロワール プイィ・フュメ グラス」1,430円x2
ピエモンテ ロッソ ラシーヌ トリンケーロ ボトル」6,600円
アルマニャック」1,320円x2
席料(豚のリエット・自家製ライ麦パン)」550円x2
合計25,190円
ここは
隣と余裕を持った距離にしてくれるので
何かと安心。

予約を入れて訪れると、
皆同じことを考えていたか、
若いカップルたちが3組も来て逆に大賑わい。

それでも一人で楽し気に
客と語りながら、
調理とサーブをする中井シェフ。

だいたい一皿が3千円、二人でシェアできるサイズ、
ボトルワインはビオを揃えていて6千円台が中心価格帯。
コペルト代わりの豚のリエットと自家製ライ麦パンが500円台。
この日は3品、ビール小瓶2本、ボトルワインで、
2人で19,250円。

だいたいそれくらいと思っておけば大満足。

ここの
前菜盛り合わせ
は満足度が高過ぎなので、
やっぱり頼む。

メインは、
牛テールの赤ワイン煮込み
と決めて、
もう一品何がいい?
と聞くと、

中井シェフは
メニューには載せてないのですがと
真牡蠣と白インゲンの赤ワイン煮
を提案。

話がまとまった。
赤ワインは南仏の果実味のあるものと頼むと、
ビオを2本、
カリニャンかシラー・グルナッシュ。

シラー・グルナッシュをチョイス。

目黒駅からテクテク15分、
ビールで喉を潤しながら、
豚のリエット自家製ライ麦パン

酸味は強くなく水分量の多いパンに、
豚のリエットを塗るのだが、
塩加減は控えめで旨みたっぷり、脂が絶妙で、
どんどん手が伸びてしまう罪作りなコペルト。

ルッコラが山盛りになった前菜盛り合わせ、
牛ハツ、豚タン、鴨、サーモン、
フォアグラ、パテカン、蕪ピクルスなど。

塩梅よく、やや脂が多めで食欲がどんどん増していく。
いずれも癖がなく旨みだけを引き出している。

真牡蠣と白インゲンの煮込み、
スープドガルビュに牡蠣と赤ワインの旨みが重なった感じ。
これは旨すぎて喰いすぎると
自分の肝臓がフォアグラになりそうw

自然な旨みを引き出したマッシュポテトと一緒に、
牛テールの塊。
ナイフで慎重に骨からこそぎ落としながらいただく。
甘みより旨み、
とろとろの肉を愉しむ。

あぁ、やっぱりここは図抜けてるわ。
大満足でお腹いっぱいご馳走さん。

あっという間に時は経つ。
前回から1年半ぶり。

口開けの客として入ると、
髭面の中井さんが笑顔で迎えてくれる。

見た目と違い、話好きな中井さん。
アシスタント無しのワンオペ。

夕方から急に蒸してきたので、
とにかくビールと、
ラガーの小瓶(@650円)を2本注文。

メニューを眺める。
ジビエが始まり魅力的な料理が並ぶが、
サルミソースが苦手な彼女、
子羊をメインにすることを宣言し、
中井さんと相談、
前菜盛り合わせと
メニューにはないアナゴに決定。

赤ワインは、
懐かしいシチリア島の
オキビンティSP68ロッソ 6,480円
でお願い。

チャージ(@540円x2)代わりの
豚のリエットと自家製パンが出てくる。

ビール小瓶をもう一本追加。
塩が少ないがしっかり味の豚のリエット、
通常はパンは食べないのだが、
美味しいのでついついw

いろいろ前菜の盛り合せ」( 2,970円)
豚タン、猪のハム、フォアグラ、サーモンなど6種のシャルキュ。
塩分控えめ、脂たっぷり。
ワイルドルッコラ(セルバチコ)が山盛り。
脂が悩ましいところだが、あまりに美味い。

燻製アナゴ赤ワインソース、ジャガイモ添え」( 3,240円)
和食でのアナゴの味付けを考えると
甘めの仕上がりかと思いきや、
大人の味の仕上がりでこれは美味い。
こちらも塩気が少なく、
下に敷いたジャガイモとの相性がバッチリ。

フランスロゼールの子羊のモモ肉の炭火焼き黒胡椒風味、子羊のジュ」( 3,780円)
大抵南半球の羊が出ることが多いが、
ここはフランス産。
ここまでのお皿から予想した通り、
塩分少な目でジューシーな仕上がり。
南半球産より旨みが多いような気がする。

結構お腹が膨れた。
で、デザートはパスし、食後酒。
アルマニャック(1,080円)
カルバドス (1,080円)

お代は2人で21,660円、
大満足でご馳走さん。

料理人の友人とユニックに訪れる。
18時オープンと同時に入店。

フォアグラと飴色玉葱のテリーヌ
白アスパラガス、イカ、パンチェッタのソテー
野うさぎのロワイヤル

デザート2つ、お酒をグラスで6杯、ガス入り水、ハーブティで2人で2万円ちょっと。

フォアグラの濃厚にして洗練された脂、カリッとさせた甘い飴色タマネギ、
瑞々しいホワイトアスパラ、まるで上品な醤油で食べてるかのような錯覚に陥る柔らかい烏賊、
濃厚にして甘みの少ない大人のソースがかかった、柔らかい柔らかい野うさぎ、


中井ワールドを堪能。
まだもう一軒行くつもりなので控えめにと思ったら結構食ってしまった(笑)

中井シェフは実はよく喋る。
ただ、我々客は自分がいる瞬間だけ切り取るので、
そのときのTPOで寡黙だと感じたり無愛想と感じたりすることがあるが、
その一回限りの感想をネットにあげてまるでそれで全てと思わせるようにしてしまうのは
我々客側の反省である。

以前いたキャスクルートの閉店の話、
個人料理店の規模の趨勢、
料理のこだわり、
くだらない世間話、

実はアンテナを高くしていて
実によく喋る。

今夜もご馳走様♪

過去の私のユニックのレビューは↓参照。
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13163184/dtlrvwlst/B115627881/
16年10月:
予約をしたら中井シェフがテレビに出てきてビックリ♪
ベットラの落合務シェフと一緒にネスカフェレギュラーソリュブルコーヒーのCM。
https://nestle.jp/brand/rsc/chef_kanto.html

もちろん店で出してもらう(笑)
もちろん中井シェフ自らのサーブで。

この日は少し気温が上がったので着くなりビールをかけつけ2杯。
いつものように相談しながら決める。
フォアグラコンフィとホワイトマッシュルーム(1,890円)
塩漬けにした鮎のブランダードのタルティーヌ(1,260円)
フランス産キノコを詰めた山ウズラのロティ(4,860円)

以前飲んだコートデュローヌの新しい年のボトルをもらう。

この日の出色のひと皿:
コンフィしたフォアグラは脂が落ち、非常に上品な仕上がり。
ホワイトマッシュルームとフォアグラの間には飴色の玉ねぎがさりげなく挟まれ、後から甘みが広がって来る。
添えられたブリオッシュもバターではなくフォアグラの脂で作ったという、軽い仕上がりにこれも驚く。
皿にのった塩胡椒をチョイとつけるとまた味が締る。
やはりこの人は天才である。

お代は二人で20,580円、大満足。

15年10月:
2人体制に戻る。
頻繁に更新されるHPのメニューを見て
アワビのリゾット(1,890円)は是非食べたいとやって来た。

メインを中井さんと相談し、驢馬のロースト(3,240円)にチャレンジ!
前菜はフォアグラと里芋のテリーヌ(1,890円)にし、赤ワインは中井さんの3本のリコメンドから珍しいギリシャワイン(4,320円)に決める。
こっちが少し呑んできたのを見て取った中井さんは、キリンラガー小瓶(650円)一本で、グラス1杯ずつでどうですかと提案。

フォアグラコンフィと燻製里芋のテリーヌ
バルサミコ酢で煮た白インゲンが付け合わせ、硬めで深い味わい。フォアグラをコンフィしたことでの更なる滑らかさと里芋の元々の滑らかさがとっても面白い食感で、そのハーモニーが見事。

アワビのリゾット、トリュフソース
予想通りの濃厚で滋味深い味で素晴らしい♪
惜しむらくは誰かが風邪でもひいていたか塩気が強い。きちんとその旨、中井さんに伝える。

鴨の生ハムと胡瓜のジャガイモとハーブのムースがけ
つなぎで出してくれた。
鴨の生ハムが非常に強い味、胡瓜、ムースを絡めていただくと丁度いい。

驢馬のロースト
初めてのロバの肉、確かに馬肉のようなさっぱりした味だが、更にミネラル感が加わり美味い。
赤ワインはフルボディで果実味も十分、後半ミネラル感もやってくる。

栗の渋皮煮
サービスで1つずつ出してくれた。
優しい甘さで渋みは消えさっぱり。

13,070円と驚異のコスパ!来てよかった♪

14年11月:
62℃で火入れした和牛ハツのカルパッチョ、カラスミ風味1,760円
豚足とジャガイモのグラタン、トリュフ風味1.620円
ヤマウズラの稲藁焼き4,860円

アラン氏は去り、今は中井シェフ一人で回す。
ヱビス小瓶(650円)で乾杯。焼き立ての自家製ライ麦パンと豚のリエット。
湯気が見事に立ち上がる。

ハツのあっさり塩気が少ないのに素材の味はしっかり。カラスミをのせても塩辛くない。
味が濃いのが好きな人には物足りないかも。

ブルゴーニュの赤ワインボトル(6,480円)をいただく。
重くはないのだが果実味はしっかり。なかなか旨い。

グラタンには目一杯のグリーンがのる。
これも塩気が少な目、繊細な味である。ジャガイモも豚足もトロトロ!
豚足自体の表面はカリカリで全体的な味はしっかりしている。

ヤマウズラは、胸、モモ、ササミ。
こちらも塩加減は控えめだが鶏の味はしっかり。

ササミはふわふわ、胸もモモもとっても柔らかい。
アルマニャック(1,620円)とカルバドス(1,080円)を食後に頂く。

カルバドスの瓶の中にリンゴが入っているがどうやって入れたのか。
中井シェフに聞いてびっくりした。

お代は19,150円。ひとり9,600円弱。
大満足してご馳走様!

14年4月:
目黒西口権之助坂と行人坂の間にある「キャスクルート」は前菜+メイン+デザート+ドリンクというセットを平日ランチで1,500円で提供するフレンチ。

ここが凄いのは味とサービスがその提供する値段の倍はしてもおかしくはないのにその姿勢を変えないこと。
中井雅明氏は30代前半から数年ここでシェフを勤めた。

客層はOL、おばさまがメインで、社用、あと少数のおっさん。
レベルの高い「味とサービスと値段」がありとあらゆる客層を呼ぶ。

そこで何が起きるかというと、お喋りに余念がないおば様方4人組と、一人で来ているおっさんとでは食べるスピードが全然違うのだ。
私は数回ランチに一人で行ったが、いつもおば様方をメインで追い抜く。

料理人にとっては当たり前といえば当たり前だろうが、中井雅明氏は最初に客席を見渡し、その日の客構成を確認する。
後半気付いたのだが、その人たちそれぞれにいちばんいいタイミングで料理がサーブされるのだ。

お喋りに花が咲くおば様と一時間以内に職場に戻らなればならないおっさんとを区別し料理出しのタイミングを完璧に計算していた。
サービスを受ける方はそれが当たり前なのでなかなか気づかないが彼はきちんと計算していた。

味はもちろん保証付き、この日確認したのだが、絶品だと思った低温調理のローストポークはキャスクルートでは2回しか出したことがなかったそうだ。
11年9月に幸運にも私は味わうことができたのでそれがよくあるメニューだと思っていたがあの味とあのボリュームに魅せられた。

その中井シェフが13年12月独立し、大鳥神社の先に自分の店を出したと聞いたのはオープンして随分経ってから。
相変わらずアンテナが低い(笑)

で、満を持してディナーを予約。
ドアを開けるとメートルドテルのアラン氏が「お待ちしていました」と窓際の席に案内してくれる。

縦長の店内、窓際に小さな丸テーブル2つ、それぞれに木の椅子が3つずつ。
中央は左に長いソファーに2人テーブルとその向かいに木の椅子が並ぶ。
キッチンの前に3席ほどのカウンター席。BGMは洋楽ラップ。

この日はメニューには載ってはいないプレモル小瓶(650円)を2つ頼み、メニューブックを繰って料理を検討。
5,400円のコースもあるがデザートやソフトドリンクは頼まないタイプなのでアラカルトに。

野ウサギが気になるがやはりクセがあるとのこと。
蜂蜜とエピスでキャラメリゼしたヴァンデ産仔鴨の胸肉のロティ、ソースロックフォール」2,420円をメインに据え、

三重県浦村産角田牡蠣のリゾット」1,540円は評判高いことでこれも頼むことにしたら
アラン氏は「鴨のフォアグラのテリーヌとマンゴーチャツネ自家製ブリオッシュ添え」1,760円を強く勧めてくれたのでそれに。

赤ワインも一緒に頼む。いいビオがあるというので相談しているうちにアラン氏にうまく誘導され、
5千円を切る「VdFル・レザン・エ・ランジュ オマージュ マ・ド・ラ・ベギュート(コート・デュ・ローヌ)」に。

テーブルチャージ@540円代わりのリエットフォカッチャバゲットが出される。
このリエットが脂が少ないのに味わい深く美味い。これも油の少ないフォカッチャにもカリカリで甘いバゲットにもよく合う。自家製パンもとても美味い。

赤ワインは結構ボディがあるが時間と共に花開くタイプ。

フォアグラのテリーヌが届く。テーブルは手狭。
薄い自家製ブリオッシュの上に分厚いフォアグラ、その上にマンゴーソース。

いきなりガツンと来る。フォアグラは濃厚なのだがしつこさがない。
下の自家製ブリオッシュも油が少ない。マンゴーチャツネが自慢とか、キウイなど酵素的なソースがこのフォアグラに合うとシェフが説明。

豆色に近いリゾットが届く。見た瞬間、いわゆるビスク。よく裏ごしされている。
見た目にはどこにも牡蠣はいない。肝も含めすべてがスープになっている。

これを食べた客がみな驚いたように、その濃厚さに我々も驚く。
ここまででお腹は結構膨れる。

味は濃いがもしかして酒を飲まない人にはもう少しあっさりした仕上がりにするのかもしれない。

メインの仔鴨が届く。
いい色の鴨である。湘南野菜がゴロッと添えられている。

ロックフォールチーズの香りがなかなかいい。
結構ハーブが効いている。コリアンダー、クミンもある。中井さんは狙い通りというが私には少し強いかも(笑)

ウィスキーアルマニャックをそれぞれ食後酒に。
目黒名物焼き立てバナナパイ」を頼む。

完熟バナナを使っている。
バナナを完熟のタイミングで出すのは難しい。そこをきっちり出すのは素晴らしい。

お代は2人で16,460円。

この日は余裕があったので中井シェフとじっくり話をさせてもらった。
彼の頭には憂鬱と夢がないまぜになっている。

前の店では、定められた原価率の中でやりくりをしなければいけなかった。
ようやく自分の好きな材料を仕入れられる自由を手にした。
一方で立地がよくないこの場所で、日によって混む日、空いてる日のばらつきがまだまだある。
テーブルサイズが小さく、木の椅子は長時間は疲れる人もいる。
ビストロスタイルでワインも料理も値段は抑えてある。
ランチは5月以降、水~日、限定一組で客と相談しながら料理を組立てるスタイルにしていきたいとのこと。

中井シェフはとても朴訥な喋り口ながら論理的思考をする方で5年先を見据えて仕事をしている。
夢と現実の狭間にあって、キャスクルートの時の料理捌き・客捌き同様、上手に自分の店と人生を捌いていくのだろう。
まだ30半ばとお若い。憂鬱を夢に変えていく力がある。
そしてパートナーのアラン氏のホスピタリティとリスペクトは素晴らしい。強い味方もいる。

ご馳走様!

  • カリフラワーのムース、ズワイガニ、ウニ、コンソメジュレ、クレームドオマール2,420円
  • ブーダンノワールを詰めた鶏手羽先のフリットハーフ1,100円
  • ピレネーの乳飲み子羊の背肉のロティ7,150円

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5位

マンサルヴァ (恵比寿、広尾 / イタリアン、ヨーロッパ料理、パスタ)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥8,000~¥9,999

2018/10訪問 2018/11/14

恵比寿:高橋・鍋田コンビに魅了されたホリデーランチ

恵比寿東口、ビール坂の入口にあった
マンサルヴァは2018年5月にもう少しウェスティンH寄りに移転。

ホリデーランチA(4,000円+税)を予約して出かける。

何段かの階段をあがり、
予約名を告げる。

すっきりシックな店内、
奥のカウンター席に案内。

ソムリエの鍋田和広氏とシェフの高橋恭平氏の共同経営。

スタッフの数は充実、
この日は全部で8人。

サッポロ黒ラベル」(800円+税)を2つ、
赤ワインのボトルをお願いし、
3本出された中から、
イタリア南のサルデーニャ島の
トゥーデリ2007」カンノナウ100%(7,000円+税)
をチョイス。

アミューズ:
栗南瓜パルミジャーノサブレ
サブレは香ばしく、カボチャは甘過ぎない。
スターターとしてはサクッといい感じ。

赤ワインは最初はかなりの酸味を感じる。
これが次第に花開き、まろやかな果実味が前に出てくる。
2007年の古いワインで、茶色の色合い、熟成感。

前菜:
鹿児島産芭蕉カジキのマリネ、紫キャベツ、サワークリーム
紫キャベツがいい仕事、ビネガーは少な目、
むしろ噛んでいると甘みを感じる。
さっぱりしたマグロの赤身の味。
赤ワインにもよく合う。

1皿目のパスタ:
アニョロッティ、ゴルゴンゾーラ、サツマイモ、アンディーヴ、洋梨
久々のアニョロッティ、イタリア版水餃子。
ゴルゴンゾーラの主張が強いかと思いきや、
アクセントとして使われており、
むしろ芋の甘さが前面に。

2皿目のパスタ:
キタッラ、イベリコ豚、サルシッチャ、スカモルツァ
しっかりした味なのだが、
サルシッチャ自体は塩抜きされている。
ハーブの香りがいい感じで漂うが、
これもサルシッチャでなくパスタの方に練り込んである。

メイン:
富士幻豚ロースのアロスト、ピスタチオとパセリのガーリックバターソース
こちらも塩が少なく、
肉の旨みで勝負したのが正解。
お芋もいい味に仕上がっている。

サービスで
クローズエルミタージュ
をほんの少しいただく。
果実味たっぷり、
サルディーナ島のワインより果実味が強い。

デザート:
巨峰とフロマージュブラン、アールグレイ風味の赤ワインのグラニテ

カフェ:
ハーブティ
彼女はカモミール、私はハイビスカス。

焼菓子:
結構甘い味。

お代は2人で17,928円、
ここはかなりのお勧め、
若い人たちにどんどん来てもらいたい。

  • ランチA メイン 富士幻豚ロースのアロスト、ピスタチオとパセリのガーリックバターソース
  • サッポロ黒ラベル800円+税
  • ランチA アミューズ 栗南瓜パルミジャーノサブレ

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6位

ル ボークープ (代々木上原、東北沢、池ノ上 / フレンチ、洋食、ワインバー)

6回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥8,000~¥9,999

2020/10訪問 2020/12/23

代々木上原:テイクアウトも地道に続けながら神無月に人が集い始める

ランチB@4,200円+10%サービス料
アミューズ3品
①前菜2品+メイン+デザート
②前菜3品+メイン
③前菜3品+デザート
④前菜+メイン+チーズ+デザート

私は
カサゴとヒラメのマリネと季節野菜のマリネ
岩手県産牡蠣のムニエルのマリネと青海苔入りのポテトピューレ(+300円)
セップ茸とマロン、ゴボウのキッシュ
鳥取産本州鹿のアッシパルマンティエ

彼女は
同じ前菜に
十勝和牛のフィレステーキ(+1,500円)

好みを覚えていてくれ、
すぐに出してくれた
ビール@800円で乾杯。

この日は海鮮が多いので、
白ボトル+赤グラスでお願い。
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ ブラン2015 5,000円
コート・デュ・ローヌ・ヴィエイユ ヴィーニュ2018@800円

緊急事態宣言中、
テイクアウトに訪れたが、
当時は閑散。

今もテイクアウトを続けながらの営業。
10月に入ってお客が戻って来たそうだ。
この日は
感染症対策をきっちり守りながらの満席。

アミューズ3品が、
温かいオニオンベーコンのケーキ、
ジャガイモの乗ったツナのキッシュ、
ブーダンノワール

しっかりした味でいい出来。
これがあればしばらく待つ事になっても大丈夫。

白ワインは好み通り、
果実味よりもドライ、ミネラル、
酸味が結構あり、徐々にまろやかに。

カルパッチョの魚は無論美味いが、
添えられた野菜がいい。
マイクロキュウリを初めていただく。
瑞々しい。
まるでイタリアンかと。

冷製の牡蠣ムニエルマリネ、
下に敷いたポテトがクミン風味、
マダムが気を効かせて、
このタイミングで
ビール小瓶の冷え冷えの残った分を出してくれ、
このクミン風味にピッタリ。

キッシュは温かく、
秋を感じさせるいい一品。

鹿は挽肉にし、
ジャガイモと一緒にオーブン。
シラーの赤とよく合う。

お代は二人で18,810円。
素晴らしい昼餉をいただいた。

マダムが
先日行った
新高円寺のジージョベーカリーオーナーと
小中の同級生と知りびっくり\(◎o◎)/!
ジージョは東京での営業を11月中旬までにするようである。
現在ジージョはインスタでの予約のみの限定営業。
https://www.instagram.com/gigiobakery/
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13159110/dtlrvwlst/B427324770/
6年前、
スタッフが枯渇していた大変な時期に
初めて訪れた。

その時、和ませてくれたのが
フリーで入って来た80代と思しき婆ちゃん二人。

河豚のフリットに大満足した婆ちゃんたちは、
「ところでどっこいギッチョンチョン」
と至極ご機嫌。

それから何度か訪れ、
シェフ、マダムにようやく認識してもらえるようになった矢先、
今回の感染症禍。

ここも他の店同様、テイクアウトも始めた。

当日11時前にメニューアップ、
受け取りは1145~1430、1700~1900。
電話受付は10時~20時。
5千円以上はクレジットカード可、
それ未満は現金かPayPay。

日々メニューを眺めていると、
大幅な変更はないのに気づき、
前日19時に電話。

マダムと
その場であるないを確認しながら注文。

前菜盛り合わせ6品」(2,800円+税)
ヒラマサのカルパッチョ、仔羊のパテ、
鴨のスモーク、ラタトゥユ、
レンズ豆とポテトのサラダ、キャロットラペ

盛り合わせの場合、
量を単品の6割か7割にするので、値段もその比例配分。

サーモンとアスパラソバージュのキッシュ」(1,200円+税)
冷たいままなので、自分でオーブントースターで温める。

ポークジンジャー単品」(900円+税)
ご飯抜きだと100円引き。

ブイヤベース」(2,400円+税)
テイクアウトにはクスクスは付かない。

合計7,884円

魚系が強いこちら、
今回はそちらにも注目。

旨みたっぷりでコスパも抜群♪
大満足。

緊急事態宣言が解除されようが、
しばらくは
イートインとテイクアウト
の二刀流で進めるとのこと。
平日昼に訪れる。
空いてるかと思いきや、
いつの間にか満席に。

大したものである。
若い人たちが楽しそうに食事。

中3人、外2人の万全の体制。

ここのプリフィックスは楽しい。

4品の3,500円のメニューAは
アミューズ2品
①前菜1品+メイン1品+デザート1品
②前菜2品+メイン
③前菜2品+デザート
食後のお飲み物付

いつものように②でお願い。

マダムはこちらの好みを覚えていてくれ、
ビール、ドライな白、果実味の赤。
彼女は
金美人参のブランマンジェ、コンソメ、ウニと共に
私は
ショウサイフグのマリネと季節野菜のマリネ
二品目はどちらも
エスカルゴバターを包み込んだ自家製干鱈のブランダードのコロッケ
メインは
スペイン産オリーブポーク肩ロースのギネスビール煮込み

きちんとしたしっかり味で申し分ない。

6年前、オープン仕立ての頃に来た。
当時は今より更にメニューが多く、
それをたった二人で回していて大変な状況。
グルメな方々が混乱したサーブに大いに文句を言っておられた。

あの時、隣の席に、
かなりのお歳の婆ちゃんが二人、
食堂に入るようにこの店にフリーで入って来て座った。

ところがどっこいぎっちょんちょん
と楽しげな会話が繰り広げられ、
とても豊かな食卓風景。

ある瞬間、
二人の会話が突然止まった。

ん?

見たら、
フグのフリットの余りの旨さに言葉を失っていたのだ。
そして今日この日、フグのマリネ、
新鮮でコリコリ、マリネ具合も尖がらず優しすぎずいい塩梅。

あぁ、あの婆ちゃん二人あっての
この店なんだなぁ、
と少し感慨深く。

お代は2人で19,844円
ちょっと呑み過ぎかw
ご馳走さまでした。
いまや名店のここも辛い時期があった。
2014年4月、えぇこれだけ準備するの?!
とびっくりするくらいの前菜・メインの種類。

が、当時スタッフが足りず、大変なオペになっていた。
戦々恐々としてた店内、
近所の定食屋に入る雰囲気で、80代の婆さん2人がフリーで訪れ、隣に座った。
店と相談しながらメニュー組み立て、
美味い美味いと楽しそう。
2人の会話も弾む。
すぐ隣なんで、否が応でも聞こえてきたのが、
ところがどっこいぎっちょんちょん
和ませてもらったw

ハートランド小瓶(700円++)
を2本注文し乾杯。
気温は低いが風もなく陽光が差し、
ビールがピッタリ。

ランチA(3,500円++)
前菜2+メインでお願い。

彼女は
ブリの幼魚メジロのマリネと秋野菜のマリネ
豚もも肉とホロホロ鳥、鶏のせせりのテリーヌ モルタデッラ風
ロゼール産仔羊モモ肉のソテー ゴルゴンゾーラソース

私は
新サンマ、マロンのタルタルと生ハムのムース ミモザ仕立て(+800円++)
しまふぐのフリテュールと曲がりネギのマリネとヴィネグレットソース
ドルチェポルコ豚バラ肉の赤ワイン煮込み

ワインはマダム・シェフと相談して
ラ・プローズ コート・ドゥ・ラングドック・ルージュ(6,200円++)

アミューズは
クグロフ焼きニョッキ
クグロフはビスケットのようなもので、
スモークしてあり、中にベーコンの粒。

焼きニョッキは中に
コラーゲンたっぷり豚の頭、テットが入っている。
マスタードの香り。

ワインはビオで果実味があり、ボディもあって旨い。

最初の前菜のサンマ、
タルタルのサンマ、
タブナートソースでねっとりした仕上がり。
栗の渋皮煮とサンマの肝ソースがのる。
いい味わい。

2番目の前菜、
しまふぐは肌理の細かいカダイフで揚げられている。
いわゆるフレンチドレッシング、ビネグレットソースが添えられる。
サクサクでジューシー、旨いフライ。
ビールが進みそうw

メインの豚バラ赤ワイン煮。
美味しい無農薬野菜もいい仕事、
上品ないい味に仕上がっている。

カフェは私はルイボスティ、
彼女はラベンダーのハーブティ、レモンひとつで
アジサイのように青から紫に色が変わる。

お代は
2人で18,295円、
あぁ美味かった♪
丸4年ぶりに訪れる。

あの頃、シェフとホール、たった二人で回すのに、
前菜は8種、メインは5種、チーズ・デザート3種も用意したため
大変なオペになり、不満を漏らす客もいた。

私たちが行った時は、メニューを絞った直後だが
それでもオペは大変だった。
店にとっては絶望的な状況。

あの時、傘寿を越えた婆さんが2人、
大衆食堂の感覚でここに訪れていたのが懐かしい。

予約名を告げて入店し、ビックリ!
キッチン2人、ホール3人という盤石の体制、
当時はオペの大変さでカウンター席には人を入れなかったが、
今日は満席、テーブルも満席。

ランチは3品の2,700円Aと4品3,700円B、
税込でサービス料が10%。

前菜6種+、メイン4種+、チーズ・デザート5種
今は余裕のラインナップ。

ハートランド小瓶(@700円)
を2つお願い。

2人とも3品のランチにし、
赤ワインのボトルは
ラングドック フォジェール(4,500円)
深いボディ、果実味、酸味、いいバランスで美味い。

アミューズは
クグロフ風ケークサレ、焼きニョッキ
硬めに焼き上がったケークサレはスモークの香り、塩気。
焼きニョッキは酸味がピリリ、豚の頭を使っていて滋味深い。

美女の前菜は
新玉ねぎのブランマンジェ うに、グラニテトマト バジルの香り
蛤と菜の花のロワイヤル

私は
カレイのマリネ、ふき、貝類のタルタル ふきのとうのタップナードソース
桜エビ、牛アキレス、大麦、モッツァレラのコロッケ タケノコのサラダ

このマリネ、カレイがプリプリで身が厚い。
春の最後の蕗の薹が癖がありながら苦み少なくいいハーモニー。
かなりの旨みを感じ、赤ワインにも十分合う。

コロッケは割るとモッツァレラがとろーり、
フレンチらしい濃厚な旨みが口いっぱいに広がり美味。
アンチョビクリームソースがワンポイントの塩気を演出。

イタリア産ドルチェボルコ豚バラ肉のプレゼ ニース風
弱火でゆっくり蒸し煮して、脂を十分落としたバラ肉。
旨みがしっかり。
添えられたニース風ソースは卵が使ってありしっかりしたいい味わい。

食後のカフェをいただきまったり。

これで2人13,310円は随分コスパがいい。
絶望を乗り越えた先に歓喜があった。

是非また来たい♪
ランチはどれでも3品で2,700円と4品で3,700円(別途サービス料10%加算)というプリフィックス。
シェフ一人、ホール一人でお店が随分慌しいと聞いていたので、行ってみて、自分を含め4席以上なら3品、4席未満なら4品と考えていた。

代々木上原駅南口に出て、井の頭通りを越えた住宅街。
ハチ公バス(丘を越えてルート)の通り道でもある小さな商店街の一角にある。

フランス国旗がはためくのですぐにわかる。12時半に予約。
ドアを開けるとすぐテーブルが並ぶ。

ホール担当のお兄さんに上着を預け、奥の二人席。
先客は食事が始まったばかりのカップル2人、食事の後半戦に入った女性3人の二組だったが、我々のすぐ後に女性3人が入ってきて計4席となったので3品にする。

飲み物のメニューが渡される。
サービスのタイミングのずれを予測し、ハートランドの小瓶(@620円)を2つと
赤ワインのボトル、ブルゴーニュピノノワール’08ミッシェルマルタン(6,200円)も同時に頼んでおく。

ビールはグラスに注がれてすぐに出され、乾杯。
料理のメニューを渡され、ちょっと驚く。

事前にHPのメニューでチェックしていたのだが、大きく入れ替わり、メニューの数も絞られていた。
後で聞いたら、以前の数多くのメニューでは作る方もサーブする方もかなり負担がかかっていたので3日前に思い切って絞ったそうだ。

前菜は以前の7+季節もの1から6に、メインは5から3に、チーズ・デザートは3から2に。
後で感じたが現状の2人体制ではこれで正解だろう。近いうちに3人体制になるそうなので、それからまた徐々に増やせばいい。

美女は
スクランブルエッグのムースと青のりのジュレ うに添え
薩摩若しゃも手羽先のコンフィと帆立貝とスミイカのパヴェのサラダ仕立て 柑橘類のソース
沖縄ロイヤルポーク バラ肉のキャラメリゼ

私は
茹で上げ白アスパラ ハーブのヴィネグレット
フォアグラのソテー マンゴー添えバルサミコソース
沖縄ロイヤルポーク バラ肉のキャラメリゼ

いずれも前菜2+メインという組み合わせに。
BGMはオールディーズ、もしかしてシェフはリーゼント?とカウンターの向こうを見たが、そんなことはなかった(笑)

アミューズは「ベーコンとチーズのクッキーとブーダンノワール、リンゴソース
クッキーは油脂が少なく、ベーコンの味はほのか、チーズ感は十分あるが強くはない。
ブーダンノワールは血は少し弱めだがジューシーに仕上がり美味しい。リンゴソースは弱く甘みは少ない。

「マンマーノ」の少し炙ったバゲットが出される。
赤ワインが出される。ブルゴーニュのピノでルビー色、少し酸味の強いタイプ。

前菜一品目
スクランブルエッグのムースと青のりのジュレ うに添え
茹で上げ白アスパラ ハーブのヴィネグレット

美女のカクテルグラスのスクランブルエッグはきめ細かく濾され、ほんの少し塩が強いもののいい味だそう。

ホワイトアスパラの茹で具合は丁度良く、パスタでいういい具合のアルデンテ、ジューシーな味わい。
ハーブドレッシングなので酸味がありさっぱりとした仕上がり、ホワイトアスパラでこういうソースは初めて。

前菜二品目
薩摩若しゃも手羽先のコンフィと帆立貝とスミイカのパヴェのサラダ仕立て 柑橘類のソース
フォアグラのソテー マンゴー添えバルサミコソース

美女の手羽先は大ぶりで柑橘ソースであっさりした仕上がりだという。
ホタテとスミイカを練り込んだスティックバーが添えられる。

フォアグラの火入れは丁度良く、表面カリッ、中フワフワ。
マンゴーが甘いかと思ったら、少し酸っぱいもの。さっきのアスパラといい、シェフは酸味好きか?

最初の3人組の女性が帰り、かわりに80代の杖をついたばあちゃん二人が入って来た。
予約はなくご近所の友人同士である。我々の隣に座る。

ホール男性が飲み物を聞くが、ばあちゃんは、料理にセットかい?
いいえ、別料金です。あぁじゃぁ水、水がいいよ。

続いてメニューの説明をしようとしたら、ばあちゃんが制し、やわらかいもん、やわらかいもん出してくれればいいのよ。
ホール男性がキッチンに行き、シェフと相談。

「スクランブルエッグのムースと青のりのジュレ うに添え」
「茹で上げ白アスパラ ハーブのヴィネグレット」
「フグのフリット」
に決定したようである。

こちらのメインディッシュ、「沖縄ロイヤルポーク バラ肉のキャラメリゼ」が届いた。
バラ肉なので脂もたっぷり、火入れはまずまずで、豚臭さもなくいい味わい。

キャラメリゼなので甘い仕上がりかと思ったら、キャラメルは弱くあまり甘くはない。
野菜はシャキシャキの仕上がり。

食後に彼女はハーブティ、私はコーヒー
ゆっくり食事の余韻を楽しんでいたら、隣のばあちゃんの所にメインが届いた。

女はいくつになっても女、ばあちゃん二人は来た時からずーっと喋り続けている。
このレストランのいい評判でやって来たことに始まり、スパッとホワイトアスパラが切れないのでナイフに毒づいたり、政治批判をしたり、手と口が止まらない。マンマーノのバゲットは皮が硬いと真ん中をくりぬいて子供みたいに食べている。
おかしかったのが、そのひとりのばあちゃんの口癖が「ところがどっこいぎっちょんちょん

しかし二人とも上手にナイフとフォークを使っている。自分の親の世代にしてはハイカラだ。
そんな二人の会話がある瞬間、止まった......

あれっ?とそちらを見ると、フグのフリットを頬張っていた。

美味かったのである。
美味過ぎて言葉がなかったのである。そんな光景を久々に見せてもらった♪

シェフがテーブルに挨拶に来た。笑顔を見せる。
確認したら、料理は甘くせず、さっぱり酸味を入れて飽きないようにするのがポリシーだとのこと。
それで今日頂いた料理の合点がいった。

客はカジュアルな雰囲気の人が多い。
近所の方に愛されるお店ということか。

安いプリフィックスかと思ったら
ところがどっこいぎっちょんちょん、美味しかったよ♪という人もいれば

美味しいと聞いて行ったら
ところがどっこいぎっちょんちょん、サービスがもうひとつという人もいれば

オペレーションが大変と聞いて行ったら
ところがどっこいぎっちょんちょん、なかなか美味しいじゃないのという人もいる。

お代は14,124円。
近所で気軽にフレンチを楽しみたいという時にとてもピッタリなお店である。

シェフもホール担当も外まで見送ってくれた。
ご馳走様!

あなたもぎっちょんちょんしてみれば(笑)

  • 鳥取産本州鹿のアッシパルマンティエ
  • (説明なし)
  • ビール@800円

もっと見る

7位

コム・ア・ラ・メゾン (赤坂、溜池山王、六本木一丁目 / ビストロ、フレンチ)

4回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2022/12訪問 2022/12/05

赤坂:4年の時を経ても

2018年12月に
”また今年も来れた”
とここのレビューをあげた。

が、コロナ禍のお陰で
その後ここに来ることが叶わなくなった。

最初にここに訪れたのは
2012年11月、
リスペクトする
グルマンまてぃす氏に教わってのこと。
https://tabelog.com/rvwr/000189106/rvwdtl/B112401919/

真冬でもお揃いの半袖黒Tシャツの
涌井勇二シェフと
その右腕、橋本しげる
に魅了され、それから通う事になる。

最初のレビューで、
ここは
キメルフレンチ”でなく、
カヨウフレンチ”だと紹介した。

この日も
店内満席、ほぼ常連さん。
だが、
一見さんも大歓迎で優しく接してくれる。

21年6月、
近くのTBSの上の丘にあるビルに
仕事で通っていたが、
ある日TBS脇からあがっていく坂が
妙に苦しくなり、
緊急入院することに。

12日間の入院で体重は7キロ痩せた。
7月に復帰し、
この赤坂での仕事もあと一週間となったので、
食べログ検索し、
焼イワシと焼穴子が有名な和食割烹、
會水庵」のランチに行ってみることに。
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13002183/dtlrvwlst/B438979766/

行ってみてビックリ!
なんと「コムアラメゾン」の並びにお店があった。

イワシの親子丼を堪能して、
店を出たら、
コムアラメゾンのドアが開いていて、
キッチンの上の棚を拭いてる橋本君の背中が見えた。

声をかけた瞬間、
彼は振り向きざまにすぐ
まめぞうさんじゃないですか!!!
どうしたんですか、
随分痩せて、
しかも痩せ方がいい痩せ方じゃないです。

普通他人に
そんな事をストレートに云ったりはしないが、
橋本君は
私にすぐに病院にでも行け
と謂わんばかりの忠告のつもりだった。

で、私は
病に気付いてないのではなく、
病み上がりだと説明した。

でも、痩せこけ、マスクもしてる
私をすぐに認識できたのは何故か?

橋本君はとにかく記憶力が凄い。
前回頼んだもの、来ていた服、座り位置、
的確に記憶し、次のサービスに生かしている。
恐らく映像記憶であろう。

後で聞いたら、
私の声を記憶していたという。
映像+音声記憶であったか\(◎o◎)/!

それから半年ほど、
相変わらず
コロナ禍対策で夜は外に出かけない生活を続け、
コムアラメゾンにも足を運べなかった。

年明けに
白金高輪のメゾンカイザー本店
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13004473/dtlrvwlst/B115628014/
がビルの老朽化による閉店のニュースを聞き、
あぁ橋本君はバゲット
をどこで手に入れてるんだろうと心配した。

コムアラメゾンは
店用のバゲットを
メゾンカイザーに焼かせているのだが、
毎日橋本君が走って
本店まで取りに行ってたのだ。

2月に入り、
平日に休みが取れたので、
日中、前から懸案にしていた
涌井シェフのご両親がやってる
北府中の洋食屋
アポロ
https://tabelog.com/tokyo/A1326/A132602/13087294/dtlrvwlst/B446284918/
にようやく出かける事ができ、
涌井シェフのおかあさまと色々話をすることができた。
その時、話題の中心が
涌井シェフではなく橋本君だった。
彼の素晴らしい働きぶり、
誠意をおかあさまが褒めたたえていた。

その直後、コムアラメゾンに訪れた、
美女レビュアー
https://tabelog.com/rvwr/004093265/
さんから、衝撃のニュース!

なんと橋本君が交通事故に遭って、
肩を骨折したという。

そして12月、
ようやくその日が来た。
18時にコムアラメゾンのドアを開けると、
涌井さん以下スタッフ全員が
笑顔で我々を迎え入れてくれた。

ボルトを入れたが、
今は後遺症もなく大丈夫ですと、
右腕をぐるぐる回してくれた橋本君に
きめ細かいサーブをしてもらう。

バゲットは今は
メゾンカイザー東京ミッドタウン店
で作らせてるそうだ。
走って行くのも前より随分近くなった。
(因みにメゾンカイザー本店はすぐそばで22年12月2日から再開)
https://maisonkayser.jp/topics/2264/

久々にいただく
コムアラメゾンの料理、
なんと滋味深くこれほどにも旨いのだろう。

そして、
橋本君が合わせてくれたワインも
白はドライで赤は果実味と酸味、
素晴らしいマリアージュ。

御馳走さまと店を出ると、
涌井さんが出て来て、
色々と世間話をする。

そして、それではと別れると、
我々が角を曲がって見えなくなるまで、
涌井さんは見送ってくれる。

いつものルーティンも含めてのコムアラメゾン
を満喫させてもらった。

この日頼んだもの:
(まだ欧州鳥インフルの影響で鴨は仕入れられず関連3料理は提供無し)
ラタトゥイユ」(1,650円)
バスク風白身魚の赤ピーマン詰めトマトソース」(2,420円)
スープドガルビュール」(1,980円)
牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」(4,180円)
ビール」(@880円x2)
プレイモン サンモン グラス」(@1,100円x2)
モナストゥリ・ド・サンモン・ルージュ ボトル」(8,800円)
エスプレッソ」(@550円x2)
二人で合計24,090円
今年も来ることができました。

この日口開けの客、
橋本さんが笑顔でドアを開けてくれ、
カウンターの向こうで涌井さんが目尻を下げる。

カウンター席に着くなり
ビール(@800円+)をお願いし乾杯。

赤ワインのボトルを所望、
3本出してくれる。

カオール(6,000円+)にして、
私はビールもう一本。

店に向かう道すがら、
メインを牛頬赤ワイン煮かトリップにするか、
スープドガルビュールは決定、
鴨のハツも外せない。

すると冷たい前菜だが、
橋本さんはフォアグラテリーヌを勧めるだろうが、
この日は脂は控えようと、
サラダかと。

メニューもみないで
すらすらと
山羊乳ロカマドゥールチーズサラダ」(1,800円+)
シャラン産鴨の心臓の串焼き」(2,000円+)
スープドガルビュール」(1,800円+)
ガスコーニュ風トリップ」(3,600円+)
をお願い。

いつものように、
橋本さんが本店まで走って買いに行く、
メゾンカイザーのバゲットが出される。

チーズサラダがいつもより濃い目に感じ、
フランス産に戻ったハツの塩が強めなところで、
橋本さんに確認すると、
えぇ、このところ涌井さんの感覚は少し強めなんです。

スープはシェアされて
それぞれガルビュールの
アニュアルスープディッシュで出される。

随分食べやすいので、
もしかしてこのカウンター台、奥に向かって下がってる?

スマホの傾斜計で調べたら、
果たして-4度であった。

道理でスプーンですくいやすかったわけだ。

トリップはきちんと内臓肉の匂いがし、
野菜もたっぷり。

案の定、お腹は満たされ、
気になっていたアルマニャック漬けのプルーンはパスする代わりに、

食後酒をお願い。
いつものカヌレが出される。

アルマニャック ボワニエル(2,000円+)
アルマニャック ラベルドリーヴ(1,500円+)

お代は2人で、22,788円。
満席でてんてこ舞いの中、
涌井さんが見送りに。

キメルフレンチでなくカヨウフレンチ
変わらないために変わり続けるお二人に大感謝、
ごちそうさま。
店の前は何度か通り、橋本さんと言葉を交わしたのだが、
店に訪れるのは実に2年3か月ぶり、随分不義理をしたもんだ。

約束した18時過ぎにドアを開けるとサービスマンが出迎えてくれ、
名乗ると窓際の2人席に。
キッチンの向うで、こちらを見つけた涌井さんと橋本さんが満面の笑み。
満面の笑みで出迎えられるとはこんなに嬉しいことなのか。

取るものもとりあえず
クローネンブルク小瓶(@800円+税)を2本頼み、メニュー検討。

残念なことに16年10月のヨーロッパの鳥インフルエンザにより、
鳥の輸入が出来ない状態がまだ続いているとのこと。
で、鴨の心臓焼きはお休み、フォアグラ、鴨のコンフィはカナダ産で代用とのこと。

田舎風パテ(1,800円+税)
山羊乳のチーズのサラダ(1,800円+税)
スープドガリュビュ(1,800円+税)
牛ホホ肉の赤ワイン煮(3,400円+税)

メインのホホ肉に合うワインをと云うと
橋本さんがゆうべから涌井さんと、まめぞうさんに出すワインを考えていた、
と3本出してくれる。

中からタナ100%のクロバステ マディラン2012(7,000円+税)でお願いする。
自然派のワイン、ミネラル感、タンニンを感じ酸味がある。これが徐々に華開いていく。

[田舎風パテ]
肉汁を逃さないよう時間をかけ丁寧に丁寧に作ったひと品。
2週間熟成だという。
確かに瑞々しい仕上がりで肉の旨みがギュッと凝縮されている。
添えてある胡瓜のピクルス、酸味が強くシャキシャキ。

[山羊乳のチーズのサラダ]
山羊のお乳のチーズ、ロカマドール、イメージでは臭みがあるかと思いきや、酸味も臭みも全くない。
たっぷりのグリーンに松の実を散らし、シェリービネガーとヘーゼルナッツオイルで和えてある。
メリハリがついた味で美味い。

[スープドガリュビュ]
一人前をシェアしてもらう。
バスクのオロロンサントマリーと云う場所で毎年開かれるガリュビュコンクール、
そこの記念プレートに入れて出してもらう。

頼んだボトルワインをメインのために残すこととし、
タナ80%のバステ ビゴール2014をグラス(@900円+税)でそれぞれもらう。

ガリュビュは相変わらず濃厚で滋味深い味である。

[牛ホホ肉の赤ワイン煮]
オレンジの鋳物ホーロー鍋が出てくる。
蓋を開けると中に型崩れしていない牛ホホ肉がインゲンとニンジンを従えている。
肉の旨みを口いっぱいに感じながらここにまた来た幸せを嚙みしめる。

食後にいつものように
カヌレをいただく。

定番のメニューに胡坐をかくことなく追求し続ける涌井シェフ、
サービスはオレに任せろと、時には朝までシェフと酒を酌み交わし、
ミッドタウンまでバゲットを買いに走る橋本メートルドテル。

飲食業界の人材不足が叫ばれる今、この二人のタッグは盤石である。

お代は2人で20,736円。
涌井さんにずっと見送られ、ご馳走様。

15年2月:
素晴らしい食事の後、いつものようにトレードマークの黒のTシャツ姿の涌井さんが見送ってくれる。
ドアを開けたら、外は予期せぬ雨、涌井さんが「しげるぅ!傘2本♪」と叫ぶ。

橋本さんがビニール傘を涌井さんに手渡す。
「うちは傘100本あるから気にしないでくださいよ♪(笑)」

「念願の鴨のコンフィ食べられて幸せです」
「実は今日のは仕上がりがもう一つなんです。仕入れの鴨の具合で全く違ってきます。ある意味面白いんで次も頼んでください」
「久々にスープドガルビュ食べられてよかった。偶然、今日昼間、まてぃす氏からメールが来て昼飲みの誘いがあったんです。涌井さんとこに行くと言ったら、スープドガルビュうらやましいと言われて」
「まてぃす氏とお知り合いでしたか(驚)。そういえばまめぞうさんが前回来られた時は騒がしくてすいませんでした」

相変わらず涌井さんと橋本さんの素晴らしい記録と記憶である。
確かに前回、不動産関係者とキャバ嬢っぽい団体の合コンの様な食事会と鉢合わせし、彼らは頻繁に外にタバコを吸いに行ったり、嬌声をあげたりしていた。

我々が頼んだものだけでなく、他に来た客の状況まで覚えているとは...

鴨のコンフィは事前予約しないと食べられない。
前回予約の時、うっかり忘れたので、今回はきっちり頼む。

店に来る道すがら、鴨の心臓とまてぃすに刺激されたスープドガルビュは頼むことにして、あと一品は店に行ってから橋本さんに聞くことにした。

店に着くと、店内は盛況でこの日はあらかじめ涌井さんに頼まれた通りカウンター席に。
食前酒を頼み、橋本さんに料理も頼む。鴨の心臓(1,500円)、スープドガルビュ(1,400円x2)、鴨のコンフィ(2,200円)、あと一品何がいい?

橋本さんが迷わず、「今日はフォアグラのテリーヌ(2,200円)がとってもいいです。出来立ての一切れ目を出します」
こちらはにこりと微笑みながら、「じゃぁ赤ワインは何がお勧め?」

橋本さん、迷わず「ガスコーニュ モナストゥ・ド・サンモン ルージュ2003で」(7,000円)
そして「実はまめぞうさんから鴨のコンフィの予約をいただいてから、合う赤ワインは何にするかずっと考えてたんです」

ありがたいことである。
タナ70%で黒胡椒などのスパイシーな香りで甘さは少なく引き締まったワインとのこと。
いただいてビックリ、スモーキーさを感じる赤、こういうのは初めて。時間が経つと花が開いて徐々に果実味が出てくるのもいい。

フォアグラのいい脂と旨味でスタートし、つるりと美味い鴨の心臓、文句のない滋味深いスープドガルビュ、そして鴨の脂で炒めたジャガイモがとびきり甘く、鴨肉もほろほろでジューシー。

今宵も大満足、お代は18,468円、ご馳走様!

14年6月:
久々なのに涌井さんも橋本さんも満面の笑顔で迎えてくれた。
世の中パソコン、ネットで便利になったおかげの引き換えに暗算ができなくなったり漢字が書けなくなったりする。

ここのアナログな二人はパソコン、ネットにそっぽを向いてる分、客の記憶が素晴らしい。
今回も前回頼んだものを覚えていた。

ビールで始め、
ビゴール豚の生ハム(2,000円)、ラタトゥイユ(1,000円)、バスク風白身魚のすり身の赤ピーマン詰めトマトソース(1,500円)、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み(2,500円)を橋本さんに注文。

ワインはまたカオールでというと、橋本さんはメインの牛ほほならマディラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2003(7,000円)のほうがコクがあって料理に合いますとアドバイス。素直に従う。

メインの皿が来る直前でボトルが空になることを計算し、カオール2010シャトーピネレをグラス(@900円)で先に頼むことにした。
生ハム、もちろん塩気はあるが、なんという旨味、ナッツの香りがする。

そして甘みと旨味の詰まったラタトゥイユ、やはり磐石。
マディランが注がれる。おぉ、重めで果実味がたっぷり、タナが70%。

鯛と鱈を使ったすり身を赤ピーマンに詰めたもの
ニンニクが効いているのだが、とってもお上品な味わいに仕上がっている。ピーマンがトロトロである。

牛ほほ、野菜もソースもバターがよく効いていてとろける、笑みがこぼれる。
毎日買いに行ってるというメゾンカイザーのバゲットとソースが合う。
橋本さんが言うようにこれにはマディランがぴったり。

デザートカヌレをいただいてご馳走さま。
お代は19,872円。

13年7月:
8ヶ月ぶりに訪れる。
涌井シェフもホール責任者の橋本君もPCを扱えないアナログ人間。

ドアを開けると三人が満面の笑みで出迎えてくれる。
橋本君が窓際の席に案内してくれる。ここの特別席。

予約を入れた時に電話を取ったのは新しく入った男性スタッフだった。
その時はカウンター席になるかもしれないという話だったが、それもまたいいかと思っていた。

橋本君が食前酒とワインのメニューを。
なんと前回頼んだ食前酒とワインを覚えていてくれた。

PCは使えないので、もちろんノートにつけてはいるのだが、予約名を聞いた時、8ヶ月前の私たちを思い出したという。
今回は二人ともクローネンブルグの小瓶(800円x2)

ワインは前回のしっかりしたカオールを考えると今回は花が開くこのカオールはどうですかとの橋本君の勧めに従い
カオール2007ラカペル・カバナック・プレステージ 6,000円(マルベック90%メルロー10%)

頼むものもあらかじめ考えてきていた。
生ハム、じゃがいもグラタン、ハツハーフ、鴨のコンフィ。

橋本君が「本日はフォアグラのテリーヌがほんとにお勧めなんです。」
もう橋本マジックに完全にひっかかっているのですぐさま生ハムをフォアグラに変更。

鴨のコンフィは前日までの予約が必要だということで、気が進まぬがトリップにする。
量的には少し少ないかもということなので、ハツをハーフからフルに変更。

ランド産鴨のフォアグラのテリーヌ アルマニャック風味2,200円
じゃがいものクリームグラタン800円
シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円
ガスコーニュ風トリップ2,500円

フォアグラのテリーヌにいきなり開始早々のダウン。
雑味が一切なく、旨味と甘味が凝縮凝縮凝縮。

これがメインです、と言われたらはぁそうですか、ほんとに美味しかったですと食べ終わったらそのまま席を立ってしまいそう。
橋本君が下処理を丁寧に丁寧に丁寧に行った成果でもある。

ビールからワインに替わる。
あらかじめ抜栓してくれてある。ひとくち飲んで、その果実味の素晴らしさに感動する。

じゃがいもグラタン、チーズの香りはするが実際食べると主張せず、熱々の存在感のしっかりしたじゃがいもが美味い。
素朴にして上品な味わい。芋好きなだけにこれはお酒のお供にしたい。

やっぱり、ハツは記憶通りの期待通りの味で安心できる。

そして、トリップ。
これがオーブンから出したお皿かと思ったら予想に反して鋳物ホーロー鍋で出てきた。

そして、蓋が開けられてまたびっくり。
イタリア料理のトリッパを想像したのでハチノスのトマト煮込みをイメージしていたら、食材そのものの色である。

取り分けてひと口、びっくりの美味い味!
今回二度目のダウン、9カウントでようやく立ち上がってファイティングポーズをとる。

内臓特有の臭み、雑味、クセは一切ない澄んだ味。
しょっぱくもなく濃くもなくでも滋味ある味。

橋本君がハチノスの他に上ミノ、豚足、牛スネ肉も使って6時間煮込んでますとの説明。
この汁をご飯にかけたら絶品だろうなぁ!

途中でワインは無くなり、カオール2008シャトーピネレ(@900円)をグラスでいただく。
涌井ワールドの奥深さを刷り込まれた。

デザートにとてもなめらかなチョコレートとアルマニャックのアイス900円
ハーブティ500円

そして名物カヌレである。
やっぱり最高、美味いと思ったカヌレはここのと久我山の「ル・カナール」だけ。

お代はサービス料なしの19,215円、ひとり一万円いかないこの素晴らしさ。
涌井シェフとしばし語らって店を辞す。

次は鴨のコンフィを食べに来ないとね。
角を曲がるところで、涌井シェフはまだ頭を深々と下げていた。

12年11月:
「キメルフレンチではなく、カヨウフレンチ」
このお店は付き合い始めの女子との仲を確実にするためのキメのフレンチではないことを最初にお伝えする。
むしろ、付き合って関係が安定してから、美味しいものをゆっくり食べたいという時に使うフレンチである。

なぜならお店自体とスタッフの素朴な雰囲気、訪れる客のあまりにカジュアルな雰囲気のために、付き合い始めのカップルの男性にとってつかみはOKとはならないからである。
シェフとホール、男性二人でまわしているため、十数席とは言え、時間はかかる。
しかも店も狭いため隣の席との距離が異様に近い。
当然調理も時間がかかるため、それを意識しているホールマスターが客のためにせわしなく動き回るのでやや落ち着かない。
また、BGMはバスクの古い音楽である打楽器音楽で付き合い始めのカップルにはムードがない。

繰り返すが、これからモノにしたい彼女をここに連れて来るのはかなりリスクがある(笑)

それ以外の客にとっては本当に最高のお店である。
結論から言うと、私の中では最高のフレンチのひとつ。

有名レビュアー諸氏のレビューを読んでここに興味を持っていたが、
このレビュー(筆者註:残念なことに陽だまりの中にいたような素晴らしいレビューは削除されてしまいました)を読んで、頭をガンと殴られたような気がして、気がついたら電話をとり、予約をしていた。

その時、ホールマスターに、楽しみにしていますと最後に伝えたら、本当にうれしそうな反応をしてくれた。
千代田線赤坂駅からは近いがわかりにくい。なぜなら道路に面していないから。

道路の向こう側のスギ薬局が目印。ここを通り過ぎると行き過ぎ。
マンションの脇の路地を左に入り、すぐ右手に「立ち呑み処なかや」が見え、奥左手にコインランドリーが見えたら正解。コインランドリーの手前に素朴に佇んでいる。

素朴な木のドアを開けて、名乗るとシェフとホールマスターが笑顔。
右に2人テーブルが3つ、左に3人テーブルと4人テーブル、奥に5人ほどのカウンター席でその向こうがキッチン。
実に狭い店で、暗めの照明。

コート、上着を預かってもらい、右手奥の二人テーブルに座る。
順に応対するため、こちらのテーブルに来るのを待つ。

飲み物のメニューが渡されるがすべてフランス語で書かれている。
なんとなくわかるので、私はアニスを使ったパスティスというリキュール(600円)、家内は瓶のクローネンブルグ1664(800円)を頼む。

サーブされるまでに時間がかかるのは判っているので赤ワインのボトル、カオールのLagrezette2005(6,000円)も頼んでおく。
料理のメニューも渡される。あらかじめ食べログで確認したメニューと全く同じであったので、すぐに決まる。

皆さんのレビューを読み、何を頼むか事前に決めていたからだ。
パテドカンパーニュ1,400円、ラタトゥイユ1,000円、シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円、スープドガルビュ1,400円、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み2,500円。

心配なのは量が多過ぎないかということだったが、ホールマスターに相談したら、パンを控えデザートを食べなければ十分大丈夫とアドバイスをもらったのでこれで注文。

パスティスは原液で度数が高く淡いブランデーのような色をしているが、水をいれるとギリシャのウーゾー同様に白く変化する。
アニスの香りがかなり強いので(インド料理の後に食べるフェンネルの味に似ている)慣れない日本人は合わないことも多い。

田舎風パテ(パテドカンパーニュ)がバケットと一緒に出される。
大量のミニキュウリのピクルスが添えられている。辛子やピンクペッパーなど余分な香辛料は添えられない。

プリプリである。最初はやや塩気を感じるが食べるにつれまろやかで甘くなってくる。
レバーが少ないのでねっとり感が出ずパンは不要である。

途中でカオールを抜栓してもらう。
濃い赤紫でとてもいい香りがする。果実味もタンニンもあり、非常にまろやかで飲みやすい。

ラタトゥイユが届く。
食べてビックリ!冷たいタイプなのだが、野菜が煮崩れしていないのに味がとっても染みて自然な甘みが出ている。

今まで食べたラタトゥイユで一番おいしい。
聞くと赤ピーマンを中心とした野菜は最初強火で炒めて、中の水分を封じ込めて漬け込み、一番おいしい3日目のものを出すという。
それが煮崩れしないのに美味しい理由だとか。

赤ピーマンと青ピーマンに挟まれたシャラン鴨のハツの串焼きが熱々の銅の鍋で届く。
ハツ自体は非常にあっさりした出来上がりで切ると見事なピンク色が顔を覗かせる。

ピーマンには塩が効いていてハツと一緒に食べるといい塩梅。
くせもなくありそうでない味。

スープ・ド・ガルビュがあらかじめ二つに取り分けられた状態で届く。
白いどろっとした感じのスープの上に赤の点たち。唐辛子(乾燥赤ピーマン)の粉である。

ジャガイモと白インゲンが目立つが、生ハムの骨と脂から取ったスープに他にちりめんキャベツ、根セロリ、かぶも入っていてとろとろに煮込まれている。決して甘くはないスープであるがとっても滋味深い。辛い乾燥赤ピーマンがパンチを効かせる。

必要ならと七味のような赤ピーマンの粉が置かれるが、我々には十分。

ゆっくりのサーブなのでワインが無くなり、グラスを頼むと2009年のカオール(@900円)が出てきた。
そしてメインの牛ほほ肉の赤ワイン煮込み

ル・クルーゼに似た小さな鍋で出てくる。
牛ほほ、インゲン、ニンジンが赤葡萄の沼に浮かんでいる。

こちらも取り分けてビックリ。
牛ほほ肉は煮崩れしておらず、糊の効いたワイシャツのようにピッとしている。

ところが肉はナイフですっと切れ、インゲンもニンジンも肉もとってもソースの味が染みている。
ソースも甘くなくどちらかといえば辛めといってもいい。

聞くとバターを使わず、ソースを煮詰めて煮詰めて作ったからだという。
こんなほほ肉を食べるのも初めてのこと、驚きである。

本当に満足。
お代は17,850円。これだけ飲んで食べて一人一万円切るのは驚き。

驚いているとサービスのカヌレが出てきた。
外はカリカリ中は甘いカスタード。

ご馳走様とお店を出るとシェフとホールマスターが角を曲がって見えなくなるまで見送ってくれた。
ここは、ファンになって何度も通う店である。

  • スープドガルビュール1,980円
  • メゾンカイザー東京ミッドタウン特製バゲット
  • モナストゥリ・ド・サンモン・ルージュ ボトル8,800円

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8位

アベス (恵比寿、広尾 / ビストロ、フレンチ、ステーキ)

7回

  • 夜の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 ¥2,000~¥2,999

2019/11訪問 2021/10/06

恵比寿:カジュアルに楽しく

平日の夜、
いつものカップルに加え、
家族連れ、男三人、
普段のビストロでは余りお目にかからない
そうあって欲しい客層。

グリーンサラダ(1,100円)
軽く火を入れた黒毛和牛のタルタル(2,200円)
アンディ―ヴのグラタン(2,000円)
自家製ソーセージのシュークルート(2,900円)
チャージ(@500円)
ビール小瓶(@600円)
ラングドック フィトウ赤ワインボトル(5,600円)
アルザス シルヴァネール白グラス(@1,000円)

さっぱりタルタル、
アンディ―ヴってチコリだけど、
これだけ大量のチコリを火を通していただくのは初めてかも。
塩が強めのシュークルート、
ラングドックの赤とアルザスの白で合わせるのが面白い。

山崎君と色々話をして、
今日もご満悦。
平日の千円サービスランチ、
ようやく訪れることができた。

12時前に列に並ぶ。
ぴったりの時間にドアが開き、
聞き覚えのある声。

一番奥の2人テーブルに案内され、
3種のランチから
豚ロース肉のソテー、セージ風味のマデラソース
をチョイス。

この日はとっても蒸し暑いんで
エビスの小瓶700円をお願い。

山崎さんが自ら注いでくれ、
早速グビグビ♪
あぁ美味い!

トウモロコシの冷製カップスープ
自然ないい甘さ。

注文から12分で
プレートが届く。

マデラソースの海に
豚ロースが鎮座、
レタス、マッシュポテト、パンが添えられる。

このタイミングで
ランチワイン500円の赤をお願い。
山崎さんがカリニャン、シラー、グルナッシュで
少し軽めですが果実味たっぷりです。

マデラソースと私に合ういいチョイス。

ナイフでススっと切れた
豚肉を口に運ぶと
期待通りの濃厚なマデラソースに包まれた
ジューシーな肉塊。

セージがいい仕事。
マデラソースだけだと
その甘さと濃厚さに身体がヘナヘナとなるが
セージがワンポイントでいい感じで引き締めてくれる。

名残惜しむように
残ったパンの欠片にマデラソースを含ませ、
赤ワインで流し込む。

あぁ至福のランチタイム。
アイスティで火照った身体を少し冷まし
2,200円払ってご馳走さま。
3ヶ月毎に行きたいのだが、
なかなか叶わぬ。

ここは食べログの料理メニューを
きっちり更新してくれるので
行きの電車の中で
あれやこれやと組み立てできるのが便利。

ドアのガラスの向こうの
山崎ソムリエと目が合い、
すぐさまドアを開けてくれ
一番奥のテーブル席に案内。

ヱビス小瓶」(600円)で乾杯し、
決めたのは
グリーンサラダ」(1,100円)
真サバのマリネ」(2,000円)
ホワイトアスパラ、オランデーズソース」(2,400円)
手長海老のラヴィオリ2/3」(1,900円)
ジャンボンドパリ」(1,500円)

ホワイトアスパラとラビオリで迷ったが
山崎ソムリエがラビオリの数を減らして
両方という提案でそれに。

最初はドライな白のグラス(900円)、
後は
果実味がありボディもあって土臭い赤のボトル(5,900円)
をお願いした。

土臭いという表現は
先日グルメな先輩とスペイン料理を食べた時に習った表現。

山崎ソムリエはすぐに理解して
出してくれた。

ミネラル感とは少し違い、
ミネラル感は石のイメージ、
土臭いは桑の実が近いという話。

確かに飲むと少し違う、
最初はタンニン、徐々に花開くという感じ。

この日はグリーンサラダと真サバのビネガーが
いつもよりやや甘めに感じたので
山崎ソムリエに聞くと
レシピはまったく変えてない、
飲んでるワインのせいでそう感じるのだとの説明。

フランス産のホワイトアスパラ、
これは抜群にジューシーで
最高の味、
やはり頼んで正解♪

バターを使ってないのに濃厚な味の
手長海老のラヴィオリ、盤石。
食べ過ぎると間違いなくカロリー過多w

フランスではレシピが厳密に決められた
ジャンボンドパリ、
塩漬けにした豚もも肉を
ジン、コリアンダー、クローブ、ローリエ、タイムを入れたスープの中で煮込み、
保存料も食品添加物も使わない。

この日はトマトクリームソースで濃厚な仕上がり。
ワインが進む贅沢な味。

デザートに少し甘めの
トンカ豆のブランマンジェ」(600円)
をいただいてご馳走さん。

お代は2人で19,400円。
また時が空いてしまった。
18時にドアを開けるとすぐに山崎チーフソムリエが出迎えてくれた。

謙虚に客のクレームを受け止め、
チーム全員で改善に心がけているようである。

もちろん経費節減も考えつつ、
色々とプロセスは見直している。

蒸し暑い日が続くこの日は、魚介と白でまとめることに。

着くなり、
ヱビスビール小瓶(@600円)
兎に角蒸し暑かった。

ここは食べログをホームページ代わりに使っているので、
ちゃんとメニューも適宜アップデイトされる。
事前にウキウキ検討してからやって来た。

メニューには載ってなかったこの日のおススメ、
蒸し岩牡蠣のタルティーヌ(@800円x2)

やはり定期的に食べたくなる
真サバのマリネ(1,900円)

まだ食べていない夏のメニューから
イカのセート風煮込み(1,500円)
仔牛とブルーチーズのトマトファルシ(1,800円)

私はビール小瓶をお代わりし、
白ワインのボトルを並べてもらい、
プロヴァンスの白の魔術師、
ドメーヌ・ド・ガヴェッソン アンスピラシオン2014(7,800円)
をお願い。

白ワインは
最初に果実味とミネラルの苦みがやってくる。
そして徐々にドライな果実味が支配する。
スイスイ飲み過ぎてしまうタイプ。

真サバのマリネ
うすーくスライスされた大根の上に
ほぼレアの鯖、
とっても柔らかく臭みはない。
この日はビネガーが強め。

蒸し岩牡蠣のタルティーヌ
これはパンとバターと牡蠣を一体化して食べてもらいたいというので
ナイフフォークでカットしながらいただく。
北海道産の岩牡蠣は軽く蒸され、
バターを介して薄いバゲットの上に。
牡蠣の旨み、バターの深み、パンのほのかな甘みが三位一体、
確かに一緒にいただくべき、白ワインが進む。

イカのセート風煮込み
イカをトマトソースで煮込み、
マヨとガーリックのアイオリソースとあわせてある。
サフランライスが添えられる。
味はしっかりとしているが、まろやか。
これもワインが進む。

ここで、ラングドック赤グラス(@900円)をお願いし、
仔牛とブルーチーズのトマトファルシ
トマトに仔牛の挽肉とブルーチーズを詰めてローストされたもの。
ブルーチーズと云うよりハーブの癖が強い。
我々は肉肉しさとトマトの酸味で美味しかったが、
人によってはハーブが強過ぎるかも。

食後に
ヌガグラッセ(650円)
マール(1,200円)
カルバドス(1,100円)

ヌガー感がしっかり出たいいヌガグラッセ。

白ワインが少しいい値だった分、
今宵は2人で22,150円、
今日も美味しくいただいた。
3ヶ月ごとに来たいと思ってはいるのだが、
浮気性なのか、9ヶ月ぶりになってしまった。

ますます精悍な顔つきになった山崎ソムリエが笑顔で出迎え。
頑張ってチーズプロフェッショナルの資格も取ったとか。

他のスタッフも元気でやっている。

エビスの小瓶(@600円)を2本もらい、
乾杯して、飲みながらメニューを検討。

あらかじめ考えていたのはクリのロースト、
山崎ソムリエと話すうちに次の4品に決定。
グリーンサラダハーフ(850円)
乳飲み仔牛の冷製 ツナのソース(1,700円)
ツブ貝とポルチーニ茸のエスカルゴバター炒め(1,900円)
黒毛和牛クリのロースト(4,200円)

赤ワインのボトルは山崎ソムリエお勧めの
ロワールのカベルネフラン、
エポール・ジュテ ルージュ(4,900円)に決定。
果実味とボディがありながら、爽やかな味わい。

グリーンサラダはあっさり目のビネガーと気持ち強めの塩、
パリパリレタスとしこしこインゲンでいいスターター。

乳飲み仔牛はパッと見は骨付き羊肉に見える。
ツナソースは控えめであくまで脇役、
冷製の柔らかい仔牛肉、云われなければハムのような食感と味わい。
最後は指でつかんで骨の周りの肉をしゃぶり尽くす。

ツブ貝とポルチーニ茸
想像していたよりもあっさりとした仕上がり。
香りと旨みがバッチリ。

この日楽しみにしていたメインのビーフ
ボトルワインを飲みきり、
赤のグラスをボルドーとブルゴーニュそれぞれ追加。
クリとは肩から前足上部のミスジと隣接している部位、
柔らかい赤身の肉。

さすが黒毛和牛だけあって、
ほどよいサシも入り、とても柔らかく
なんといっても肉自体の味が美味い。
久々にこんな美味い肉を喰わせてもらった。

今日はチーズは遠慮し
栗のケーキ(850円)、
食後酒のアルマニャック(1,300円)、
カモミールティ(400円)

栗のケーキが上品な甘さ、
山崎ソムリエがこれは美味いです、と太鼓判のアルマニャック
香りと揮発するアルコールが堪らない。

お代は2人で20,400円。
大満足である。

時間に余裕のある時、平日千円ランチに行ってみたいんだよなぁ。
フレンチと云うと身構える人が多いが
ここは大丈夫。

月-金平日の昼はリーズナブルな千円ランチ。
土・祝の昼は夜メニューと同じだが@500円のテーブルチャージはつかない。

ネット予約して出かける。
定番メニューに加え頻繁に新作を加えている。

食べログのメニューも
頻繁に更新してくれありがたい。

山崎ソムリエ含め馴染みのスタッフに挨拶して
テーブル席に。

定番の「真鯖のマリネ
新作の「猪のガルビュール
まだ食べてない「和牛とフォアグラのミートローフ

ヱビスの小瓶2本で乾杯。
ワインは山崎氏があらかじめ考えてくれた
ラングドックのシラー、穏やかな果実味。

久々の真鯖。
薄くスライスされた大根の上に浅〆のサバ。
やや強めの味付けだがやっぱり盤石の味。

イタリアではズッパ、フランスではガルビュール、豆のスープ。
白いんげんメインに猪肉。
少し塩気が強いがいい味付け。

ミートローフは私のおふくろの味。
濃厚な牛の中にフォアグラという贅沢。
幸せである。

デザートに食後酒に。
お代は2人で15,300円。
16年10月:
随時食べログメニューを更新してくれるので事前検討が楽しみ。
[牡蠣のスモークとバスマティ米のサラダ](1,600円)
軽めのスモークで思ったよりさっぱり、きちんと米には芯が残りハーブは強くない。

[つぶ貝ときのこのエスカルゴバター パイ仕立て](1,400円)
つぶ貝たっぷり、バターいい香り、トランペット茸旨み、ワインが進む。

[サンマのジャガイモ包み焼](1,600円)
甘い大根ソースの上に熱々の焼物、サンマの香りが強く秋の残り香、和の雰囲気。

[穴子と野菜のオーブン焼き](2,600円)
見た目よりはあっさり、バルサミコ酢がベースでズッキーニ、トマト、ナスと脂たっぷりの穴子、少しミントが強すぎた。

山崎君が考えておいてくれた赤ワインが
ラングドック コルビエール マハカム(4,800円)
カリニャンやシラー、果実味に加えてスパイシーさがあり、ボディがあって美味い。

ビールにグラスワインにチーズでお代は2人で17,100円。
次回、ミートローフがメニューに載っていることを期待してご馳走様。

16年6月:
自家製アンチョビとポロ葱マヨネーズソース(1,200円)
イワシのスモークとジャガイモのキッシュ(1,300円)
フランス産ホワイトアスパラのポシェ マルテーズソース(2,000円)
仔羊もも肉のロースト(2,900円)
キュベジュリエッテ ラングドック(4,800円)

ここはメニューをタイミングよくアップデートしてくれるので行く前から料理選びにワクワク。
そしてあらかじめ山崎ソムリエがワインを何本かセレクトしておいてくれる。
もちろん食べて大満足。
ヱビス小瓶、グラスワインもいただいて2人で16,200円はほんと驚きのコスパ。
今宵もありがとう♪

16年3月:
随分間が空いたが、山崎ソムリエの満面の笑みに気分よく入店。

2人ともシェリー(@700円)を注文してメニューを検討。

ズワイガニとカリフラワーのグラタン(2,200円)は食べたいと思っていたので
それを軸にパテカン、牡蠣とブルーチーズのスフレオムレツ(1,700円)でいこうとするが、
ちりめんキャベツのシューファルシ(1,800円)にも目が行く。

山崎ソムリエに相談したら、
シューファルシは肉の量が多いのでということで、パテカンをやめ、
冷菜からスモークサーモンムースのカナッペをハーフサイズ(850円)でとの提案に、即承諾。
合わせる赤ワインも提案されたミネルヴォア(4,800円)に決定!

「スモークサーモンムースのカナッペ」
思ったより軽く塩少な目でサーモンがきちんと主張。

「牡蠣とブルーチーズのスフレオムレツ」
モンサンミッシェルのオムレツを目指す。バターたっぷり、玉子フワフワ牡蠣濃厚。

「ズワイガニとカリフラワーのグラタン」
超濃厚なビスクの中のカリフラワーのあっさり感がいい。

「ちりめんキャベツのシューファルシ」
豚・鶏・レバーの挽肉は濃厚、いわばパテカンの煮込みのロールキャベツ。ソースの甘みと旨み。

お代は2人で13,750円。

15年7月:
前回のサバとイチボに大満足したので、ネット予約してでかける。
若きソムリエ、山崎晃氏が我々の事を覚えてくれていた。

食前酒は彼女はキール(700円)、私はシェリー(700円)
山崎氏から料理の説明を受け、日替わりのメニューから「鮎のパテ」(1,800円)、定番メニューから「手長エビのラビオリ」、「仔羊とメルゲーズのクスクス」(2,900円)に決定♪

すると山崎氏が、少し量が多いかもしれないんで、ラビオリはいつもは6枚出しなんですけど4枚出しにしましょうか?と提案。
無論異論はなく、それでお願い。値段も2,400円から1,800円に。

ワインはまかせるよ、と言うと、
少しスパイシーな仔羊とメルゲーズに合わせ、シラーのクローズエルミタージュ(5,200円)はいかがですかとすぐ提案。

「鮎のパテ」
骨も一緒に2度裏漉しして作ったという鮎のパテ、キュウリとマスクメロンのマリネが添えられている。
鮎の肝の苦みを遠くの方に感じ、ほんの少しのザラザラした食感もよく、口の中に鮎の旨味が一杯に広がる。

メロンとキュウリのさっぱりとした青臭さが、川底の苔を食べてる鮎にぴったり合っている。
出されたコペルト(@500円)代わりのパンに塗ってみるとこれも旨い。

「手長エビのラビオリ」
バターをふんだんにつかった泡立つ手長エビのソースがラビオリの上にふんだんにかけられている。
もちろんラビオリの中にも手長エビ。

なんという海老の甘み、バターがさらに旨味を増幅させる。
あぁ、これはずっと食っていたいけど、間違いなくデブになるな(笑)

「仔羊とメルゲーズのクスクス」
クスクスの上に羊のソーセージ、メルゲーズが2本載り、ストウヴ鍋には骨を取った仔羊、野菜がふんだんに煮込まれている。
「クスクスルージール」よりスープの色は薄め、野菜の量は多め。

この少しスパイシーな味わいに、この日の比較的軽めだがタンニンを少し感じるクローズエルミタージュが確かによく合う。
煮込んだ羊もメルゲーズも羊の旨味がよく出ている。

あぁお腹いっぱい、大満足。
今日はチーズは遠慮して、ケーキとカフェをいただきご馳走様、お代は15,700円。

やはり素晴らしいコスパであった。

15年3月:
ここは食通まてぃす氏に教わったビストロだが、リーズナブルに気軽に楽しめるお店である。
http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13143821/dtlrvwlst/5010515/

若くて人当りのいいソムリエに料理のボリュームを聞くと、ポーションが大きいので
2人で前菜2品、主菜1品で十分だという。

結果、この日のお代は2人で19,350円だった。我々はチーズと食後酒に少しお金を出したため少し高くついたが
ビール、ワインボトル、前菜2品、主菜1で13,500円で済ますことができるので、コスパはかなりいい。

2階に上がり、ドアを開け、入った瞬間、居心地のいいカジュアルな雰囲気がよく伝わってくる。
フランスのインターネットラジオが流れている。

失礼かもしれないが通常こういうビストロには似つかわしくない50代のおっさんの集団が先客。
いかにもここの常連さんっぽい年輩のカジュアルだがきちんとした身なりの夫婦。
まだまだフレンチには慣れていない初々しい若いカップル。
30代の食べるのも飲むのも好きそうな女子3人などなど、
ここはありとあらゆるタイプの客を受け入れてくれるビストロである。

ヱビスビールの小瓶(@600円)を2本と、
じわじわ花開く黒ワインと言われるカオールのボトルが4千円とリーズナブルな事もあり、一緒に頼んでおく。

初めてなのでここのスペシャリテを頼むことにする。
真サバのマリネ(1,800円)と黒毛和牛イチボステック(3,500円)は決定。

もう一品を手長海老のラビオリ、アスパラガスのオーランデソース、モンサンミッシェル産ムール貝白ワイン蒸しで迷う。
迷い迷って、ムール貝マリエール(2,000円)でお願いする。

「真サバのマリネ」
薄くスライスした大根の上にいいピンク色の対馬産サバ、大葉とネギがのる。
腹肉と背肉が黄色い海の上を泳ぐ。

驚きの美味!ほどよいいい〆具合の鯖に甘酸っぱいドレッシングがピッタリ合う。
オリーブオイル、ワインビネガーはわかるのだが、この甘みがわからない。ハチミツかと思いきや聞いたらなんと砂糖だった。

「ムール貝マリエール」
モンサンミッシェル産のムール貝の白ワイン蒸しである。
かつて12年前、オランダ・ベルギーでの2週間の旅で食べたように、バケツに山盛りのムール貝がやって来た。

この料理用に彼女はブルゴーニュのシャブリグラス(@1,000円)をいただく。

かつてブリュッセルの肉屋通りのレストランで教わった、ひとつめのムール貝をナイフ・フォークでいただいた後、
その蝶番がついたままの殻をハサミ代わりに次のムール貝を挟んでいただいていく。

かなりの量だが手が止まらない。二人で無我夢中で旨味溢れるムール貝を次々に頂く。
そしてスープがまた美味。パンを浸すと旨味が染み込みたまらない。

「黒毛和牛イチボステック」
きれいなピンク色の大きなお肉がどーんと届く。
マッシュポテトと菜の花が付け合せ。

この肉の火入れは素晴らしい。ライヨールのナイフでスッと切り、口に入れると牛の旨味が口一杯に広がる。
素晴らしいお肉に感動。

チーズプロフェッショナルのバッジをつけた女性がワゴンサービスを持ってくる。
3種(2,000円)選び、食後酒にマール(1,000円)とカルバドス(850円)をお願い。

ここは魚、肉、ワイン、チーズと懐が深い店。
まてぃすの差し金でやって来たよ(笑)と言うとシェフもソムリエも皆驚いてひっくり返っていた。
相変わらず彼の店への踏み込み方は素晴らしいことを実感した。

気軽に通いたい佳店である。
来たれ!フレンチ初心者もフレンチ愛好者も♪
ご馳走様♪

  • 自家製ソーセージのシュークルート2,900円
  • ビール小瓶@600円
  • グリーンサラダ1,100円

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9位

美乃鮨 (丸の内、諏訪川原、国際会議場前 / 寿司)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥3,000~¥3,999

2018/05訪問 2018/06/21

富山:湾の恵みをランチで存分に楽しむ

目黒 柿の木坂で創業し、20年ちょっと前に富山に移転、
更に18年3月、ほんの少し南に移転、
丸の内交差点の南西角にお店。

ガラス美術館でタクシーを呼んで、連れて行ってもらったら、
運転手さんも移った場所がよくわからず、
交差点で少し悩んでいたら、すぐ左に店があった(笑)

そういやガラス美術館のすぐ並びの
この日の夜訪れる居酒屋「葷酒山門」も目黒から移って来て
この3月に開業した事を思い出す。

※ちなみに
富山市ガラス美術館は
あの隈研吾氏設計の図書館と合体した開放的な素敵な場所である。
http://toyama-glass-art-museum.jp/

11時半になると、親方が暖簾を掲げに出てきて、
順に入店。

明るく開放感のある白っぽい店内。
予約名を告げると、親方の前のカウンター席に3人並んで座らせてもらう。

電話予約の時、東京から伺う旨伝えたら、
富山の地魚だけでまとめた、
富山湾ランチ(3,240円)がお勧めということで
それをお願いしていた。

朝食が遅めで10貫喰えるか心配だと云うと、
シャリを小さくしましょう、ということで
そのまま「富山湾」でお願いした。

瓶ビール(690円)を注文し、乾杯。
今は3千円以上ランチで頼むと小鉢サービスということで、
ニシンの昆布巻きが出て来た。

これが、期待通りの優しい味。
東京なら随分醤油や味醂の量も多いのだろうが、
上品な仕上がりで美味い。

親方が目の前で一貫ずつ握り始める。

静かなジャズピアノの調べにのって、
こちらの会話にも聞き耳を立てながら、
親方が静かに語りかける。

この日の十貫:
・タイ
・クルマダイ昆布〆
・ガンドブリ(イナダ)
・〆鯖
・アジ
・バイ貝
・甘海老
・アオリイカ
・白海老
・紅ズワイ蟹味噌入り

途中、若駒冷酒(750円)を追加。

少し熟成の入ったタイで始まり、
その旨みにうっとり。
優しい昆布〆に続く。

ガンドブリとは聞いたことがない、と呟くと、
親方が小ぶりの鰤です、
東京で云うイナダです、
富山ではブリの天日干しの事をイナダと云うんですよ。

身の締まったいいブリだ。

〆鯖が絶妙の締め方。
醤油をつけずそのままいただく。
気持ち強めの酢、少し水分が飛んで張りのある身、
旨い!

新鮮な鯵を堪能し、
コリコリのバイ貝。

甘海老、アオリイカとねっとり甘いネタが続く。

4月から11月までの白海老、
県外にはなかなか出て行かない、
富山ならではの甘く旨みたっぷりプリプリの白海老軍艦。

最後の軍艦には
紅ズワイの脚の下に蟹味噌があるという。

噛みしめるために
口に入れてからゆっくりと咀嚼する。

蟹肉の味と味噌の味が徐々に口中で混ざり合い、
幸せな一瞬。

白味噌昆布出汁ベースのあら汁
優しくランチをまとめ上げた。

お代は3人で
11,160円、
これは富山に住んでいたら
間違いなく定期的に通うことになる味とコスパ。

そういや東京で仲間たちと何度か食事をご一緒した
お嬢さん
帰省すると家族でここを馴染みにしていた事を羨ましいと思い出す。

大満足でご馳走様♪

  • 富山湾ランチ3,240円、タイ
  • 富山湾ランチ3,240円、クルマダイ昆布〆
  • 富山湾ランチ3,240円、ガンドブリ

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10位

蒼凛 (笹塚、代田橋 / そば)

4回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥4,000~¥4,999 ¥4,000~¥4,999

2020/12訪問 2021/01/28

笹塚:元気に昼のみ営業

コロナ禍以降、
夜をあきらめ、昼のみ営業と変更。

大丈夫なのか?
と心配し予約して訪れる。

駅からは少し遠いのだが、
ランチのお客さんは入れ替わるように来ていて
少し安心。

昼営業のみでは呑み客が減ったので
刺身はメニューから削ったようだ。
美味しかっただけに残念。

頼んだもの:
SD中瓶825円
熱燗@935円x4
とろ湯葉660円
鴨ハツ焼605円
茄子とオクラの揚げ浸し660円
ごぼうの天ぷら660円
穴子の天ぷら935円
せいろ@880x2
計9,845円

あぁ美味かった♪
江戸で発展した蕎麦屋酒、
蕎麦を手繰る前につまんで呑むから「蕎麦前」と呼ぶ。

関西にはない文化。

蕎麦の前に日本酒をチョイとやる時、
元は、蕎麦の具、アタマをアテにしたのだろう。

おかめそばのカマボコ、
天ぷらそばの天ぷら、
カツ丼のカツ煮、
鴨南そばの鴨焼き、
などなど。

客の勝手な都合にはなるが、
蕎麦の有名店なら、
蕎麦前も美味いに違いないと思ってしまう。

刺身や鳥わさなど生もの、
鴨焼きや白焼きなど焼き物、
ぜんまいやカツ煮など煮物、
揚げ蕎麦や天ぷらなど揚げ物、

蕎麦職人はうどん職人とは違い、
日本料理の色んな技術が必要になる。

逆に云うと、
美味しい和食のお店は洋食と比べると客単価が結構高い。
だから、美味しい和食を楽しむのに、
蕎麦屋の蕎麦前を活用するという手がある。

根津の人気蕎麦屋「よし房 凛」出身の齋藤さんが15年4月から始めた蕎麦屋。
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13018408/
3人で回している。
丁度夏休み明けの営業で、早い時間から客で賑わう。
18時10分には満席でフリーの客は帰されていた。

ここは、
刺身もよく熟れた美味しいものが出、
焼き物も揚げ物も素材の水分、旨みを逃さず上手な仕上げ。

お刺身三点盛り(イサキ・シマアジ・コチ)961円
たこ・きゅうり・みょうが酢の物 648円
焼きとり 756円
穴子天 843円
海老と帆立のあんかけ揚げ蕎麦 810円
かけそば 842円
ビール中瓶@702円x3
香住鶴燗@648円x3
丸山水割り@540円
計9,450円

予約必至、
駅から少し歩く分、
まだ認知度は高くないかも。

大満足でご馳走様。
一年半ぶり、
味が忘れられずテクテク訪れる。

スタッフが増え、
充実の体制。

予約名を告げると、
蕎麦打ち部屋の隣のテーブル席。

まずは瓶ビールで乾杯。
無料のお通し蕎麦味噌
甘みが少な目。

本日の刺身タチウオ、カンパチ、タイの盛り合わせ
タチウオは焼霜造りで香ばしい、
カンパチはいい脂がのっている、
タイはいい旨み。

香住鶴熱燗
辛口で呑んべにはいい酒。

丸山蕎麦湯割り
長野の麦焼酎がベース。

鴨ハツ焼き
ここのハツはジューシーでコスパも抜群

蕎麦味噌春巻き
衣はカリカリではなくしっとり。
蕎麦味噌が甘くないのはいいが、
結構なボリューム感。

万願寺唐辛子とジャコの焼びたし
辛味は一切なかった。
やや濃い目の蕎麦出汁にたくさん浮かぶ

せいろ
ここの蕎麦はやっぱり美味い。
〆具合がしっかりして、甘くない辛汁との相性がいい。

お代は2人で7,830円、
大満足である。
笹塚駅を出て北に上がると甲州街道が京王線と並行して東西に走る。
西の明大前方向に進み、ココイチ花月嵐の先の交差点を横断して北側に渡る。
更に西に進み、ファミマの隣の中華屋の角を右折し北に上がる。
讀賣新聞舗の先の十字路の角北西にマンション、そのまま北に進むとマンションの1階左手にお店。

根津の人気蕎麦屋「よし房 凛」出身の主人齋藤さんが15年4月から始めた蕎麦屋。

噂を聞きつけ夜オープン時間の17時半に予約して出かける。
暑い日だったので、取るものもとりあえず、中瓶ビール(650円+税)を頼んでからじっくりメニュー検討。

少量の蕎麦味噌が無料のアテとして出て来た。
とりあえず乾杯。プハーッ♪

スズキ刺(800円+税)
芽キャベツと空豆の天ぷら(650円+税)
鴨ハツ焼き(500円+税)
兵庫県の山陰側の山の中の香住鶴 生酛(600円+税)の熱燗
をまずは注文。

後半に
穴子白焼(700円+税)
手作りがんも(650円+税)
を追加、
〆に
せいろそば(780円+税)2枚。

[スズキ刺]
熱燗も届き、辛口でいい感じ。
スズキは大ぶりにカットされ、6切れがカイワレの上。
なかなかいい熟成ぶりで美味い。
ワサビも美味い。

[芽キャベツと空豆の天ぷら]
これは見事な揚げ方。外はカリッ中はジューシー。
芽キャベツは甘みと春のほろ苦さが上手く閉じ込められている。
空豆はサクサク、あの独特の香りが鼻に抜ける。
抹茶塩が添えられるが、そのままでも十分。

熱燗をおかわり。

[鴨ハツ焼き]
テーブルに届いたとたん、鴨のいい香りが漂う。
ジューシーで美味い。
柚子胡椒が添えられるが、その塩気は強いので、何もつけなくともいい。
さっきの刺身のワサビをのせると爽やか。

酒が進み、また熱燗をおかわり。

[穴子白焼]
骨も揚げられ骨煎餅に。
ワサビと塩が添えられる。
ほのかに魚臭さが残るがぷっくりの仕上がりでこれも酒が進む。

またまた熱燗をおかわり。

[手作りがんも]
醤油餡の中に浮かんで出てくる。
大和芋を使っているのでふわふわの仕上がり。
滋味深く鶏肉、生姜の味が口いっぱいに広がる。

更に熱燗をおかわり。

[せいろそば]
いい手仕事の笊にのって出て来た。
辛汁がカツオ節が立ち過ぎず、味醂も強くなく私好みのきりっとした味。
蕎麦は風味があり、そのまま口にすると甘い。

なかなか大した腕のお店。
蕎麦はもちろん、刺身、揚げ物、焼き物となかなかいける。

駅からは少しあるのでどんどん認知度が上がっていくことを願うところ。
お代は2人で9,190円。
大満足でご馳走様♪

  • せいろ880円
  • 鴨ハツ焼605円
  • 茄子とオクラの揚げ浸し660円

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