『小野酒造「由布之郷」、温故知新の新進気鋭』Fisher.Lionさんの日記

あんたら結局高い店ばかり美味いっていうだろ? 言えません、行けません

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Fisher.Lion (50代後半・男性・大分県) 認証済

日記詳細

2020.11 昼
2021.04 昼

・由布之郷 1200円(税込) 酒蔵で直接購入
・樽由布岳 1595円(税込) 大分市内の酒屋で購入

 大分県由布市庄内、小野屋。
 幻系の焼酎の作り酒屋。
 かつては小野屋駅近くにあった。
 今、その場所は空き地になり、
 温泉が涌き出ている。
 GoogleMapで酒蔵を検索しても、
 その空き地しか出てこない。
 酒蔵の場所は伏せておこう。

 小さな家族経営の焼酎の酒蔵。
 いいちこ二階堂全盛期に減圧蒸留に
 絞ってしまって、常圧蒸留の機械は
 故障放置だったらしい。
 常圧蒸留でまた作りたい執念で再開。
 それが新しい銘柄、由布之郷。
 前からあるのは、由布岳とかね。
 由布院近辺でしか見たことなかった。

 酒蔵まで直接押しかけて、
 小売りはしない酒蔵だけど、
 由布之郷を売ってもらった。感謝。
 大分県内でも兼八以上に取り扱いが
 少なく、滅多に無い酒。


・由布之郷 (5.0)
 ゆふのごう。
 新しい銘柄で、知らなかった。
 由布市産裸麦100%、黒麹、減圧蒸留。
 小野酒造と言えば、
 温泉水を仕込みに使っていたような。
 これだけの事前情報があれば、
 味の想像がついてしまって、
 その期待を裏切ることの無い酒。
 麦風味満載、麦以外何者でもない、
 圧倒的な風味が容赦なく広がる。
 舌当たりが甘口なのに、
 温泉のような金属的な風味が良い作用で、
 キリッとした辛口の味が後追いで、
 トロミがあるようなシルキーな喉越し、
 過去一番に力強い麦焼酎。
 兼八と良い勝負、兼八より好きかも。
 兼八よりうんと安いし。
 ただし、入手困難なのは違いない。
 JR九州の「ななつ星」に採用。
 良くこれを見つけたなって思うよ。

・樽由布岳 (4.0)
 白麹の麦焼酎、減圧蒸留。
 ホワイトオーク樽で長期貯蔵。
 激レア焼酎。初めて見た。
 蒸留は2007年なので、14年熟成。
 原材料、麦、麦麹。
 アルコール25%、720ml。
 生産数が少なく飲食店に置いて無い。
 (と言っていた)
 貯蔵するなら減圧蒸留が向いてる、
 と思っていた答え。
 フレッシュな樽香が爽やか。
 アルコールのエグさは無く、
 減圧蒸留の焼酎の良い所だけとって、
 (クセの無い味わいだけにして)
 木の爽やかな香りと、
 熟成のクリーミーさを加えて。
 口の中で転がすと、滑らかに広がる、
 薄くバニラを感じるような、
 そんなクリーミーさ。
 最初は淡く麦の芳ばしさ甘さ。
 後からじわじわ強くなる。
 でも、ちゃんと焼酎。
 百年の孤独を美味しくした味に近い。
 14年寝かせてこの味と値段、とても安い、
 凄いな。


 飲んだ事無く、兼八が最高と思うなら、
 一度この由布之郷を飲んでみると良い。
 兼八すら知らないなら、きっと、
 未知の麦焼酎だよ。

 裸麦の減圧蒸留がトレンドになる日が
 10年後くらいに来る気がしている。
 芋全盛の現在を乗り越える力を感じる。
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